古本屋通信

仙台から避難

古本屋通信     No853  5月17日

  仙台から下関に避難中さんから


 たったいま仙台から下関に避難中さんから投稿がありました。二回目の投稿です。直前のエントリーに付けられたものでしたが、後半の質問がありますから、ここに立てました。後半は私もしっかり書きます。
 ウ~ン、前半ですが、これは信じきっていたのですが、元東大民青さんも同じだし、だんだん怪しくなったきました。
 しかしココ(店)に「前衛」の党大会特集増刊号は第7~26回まで20冊あるけど、最新の党規約を参照してみますので、暫くお待ちください。

  ちょっとここに今日のランキングを貼ります。余りアテにならない事は判明済です。これアクセス数ランキングではないですね。よくわかりませんが、自分の上下推移が分かればいいのです。少し上昇傾向です
古本屋通信)。



  街の古本屋さんのランキング
 
 ブログ      503位 (昨日:483位) / 117,284人中
  店長ブログ   10位 (昨日:11位) / 2,913人中
              更新日時:2014/05/17 05:55




 仙台から下関に避難中さんの投稿

??記憶違いでしょうか??
党大会の中央委員・准中央委員選挙は、大会代議員でなくても党員ならだれでも立候補可能ではなかったでしょうか?
「前衛」の党大会特集増刊号で確かめていただけませんか?
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高値がついている古書は、良い本だけど利益が見込めないから増刷されないものが大部分でしょうが、売れるけれども著者がなんらかの理由であえて増刷しないというのもありますね。

共産党界隈なら、上田不破兄弟の『戦後革命論争史』などがそうです。
学習参考書の古書店のチラシをみたら、「高価買取商品」の一覧があり、12000以上という商品もありますね。これも増刷したら売れるんですが、著者の意志で増刷しない。
2014/05/17(土) 06:43:03 | URL |
仙台から下関に避難中 #-

 古本屋通信


高値がついている古書は、良い本だけど利益が見込めないから増刷されないものが大部分」ですね。ただ、良い良くないは主観です。ここで言う 「良い本」は、「ニーズがある本」 に置き換えると良いでしょう。もっと正確には「一定程度は確実にニーズがあるけれど、出版社が再版や増刷するにたるニーズまでに至らないから、近い将来新刊本として入手できそうにない本」 と言えるでしょう。


 少し小難しく書きましたが、新刊本の出版は、ゴミ本(例えば大下英治の「日本共産党の深層」)を除いて、マトモな本の出版環境は極めて厳しくマトモな学術書など初版第一刷がほとんどです。500部完売すればやれやれです。在庫が切れば直後から問い合わせが続き、増刷の要望もあります。しかし出版社は極めて慎重です。まあ、固い本は余程の自信がないと増刷しません。長期に品切れのままです。だから古本屋の商売が成り立つのです。

 それから文芸書など順調に刷りを重ねている一般書がありますね。ハウツー物でも文庫・新書でもいいのですが、本はいきなり突然、ある日から全く売れなくなるのです。これは出版社(編集、営業)と書店員しか知らないことです。だから順調に伸びている間に刷りにストップをかけなければなりません。このタイミングは本当にむつかしいです。まあ、安心して放置しておけばよいのは村上春樹ぐらいでしょうね。あとの作家はベストセラー作家と言えども必ず売れなくなります。柔らかい本だと、一度の刷りは最低1000部、ふつう2000部でしょうから、ちょっと問い合わせが続くからといって増刷すると、モロに返品を被ります。これはお金をドブに捨てることと一緒です。

 ここで大下英治の「日本共産党の深層」ですが、赤旗日曜版で売れ行きが良いと自慢していましたね。こういう本、売るためにお膳立てして作った本は、ある日突然動かなくなります。絶対に売れ続けることは有り得ません。それは内容がゴミだからですが、読者自身の力で売れる本ではないからです。作為的に作られた虚像を創出しての本だからです。私は村上春樹はよく分りませんが、かれはベストセラー作家であっても、自身の作品の力で読ませる作家でしょう。それから丸山真男もそうですね。

 「売れるけれども著者がなんらかの理由であえて増刷しない」 というのは、商業ルートに乗っている書物では殆んどないでしょう。「上田不破兄弟の『戦後革命論争史』」は例外中の例外でしょう。これについて少し書きます。
 まずこれが良い本というのには少し抵抗があります。歴史的な意味があったし、入手し難い時代があったという意味では注目された本でしょうね。
 まず古本価です。一時に較べて大暴落ですね。私はいまこの本を持ち込まれたら上下二冊で300 円でしか買い取りません。売れないからです。岡山の他の古本屋は誰も買い取らないでしょうし、他の本に紛れていたら捨てるでしょう。これは私以外が共産党関係に疎いからではありません。共産党を知らなくても、この本が売れる本なら、捨てられることはありません。その点では古本屋は優秀な商人です。
 それから、これが上田の本か、それとも不破との共著かという問題もあります。これは仙台から下関に避難中さんが書かれているように上田と不破の共著と見るべきでしょう。然し従来は兄の単著とみられ、上田だけが絶版宣言してみたり、自己批判したりしました。これに不破も噛んでいたと暴露したのは晩年の石堂清倫だったでしょう。兄弟の構改派時代のことを書いています。ネットで読めます。

 まあ、色々とびとびに書きますが、上田も死んだことだし、上田の新しい著作集にこの論稿を入れるべきだったと思うのです。だって、歴史資料ですからね。新日本出版社は既にに党幹部の初期著作集を出していますから、同じ扱いにしたら良かったと思います。

 あと絶版宣言をしたのは大江健三郎の 「セブンティーン」 くらいしか知りません。これは早稲田大学の出身の元同僚から出版社時代に海賊版を買いました。古本屋を始めて以後に売ったかもしれません。いま手許にありません。

 ついでに著作権と海賊版について一言。私は著作権を尊重する立場ですが、これはあくまで当事者間の問題だと思っています。村上春樹の新著をネットでコピーを取って流すのは明らかに違法です。しかし宮本顕治の「敗北の文学」を流しても許されると考えています。そのさい単独で流すのではなく、著作権の切れた宮本百合子の「貧しき人々の群」とコミで流すのです。もちろん息子の太郎氏から文句が出ればやめますが、出ないでしょう。これ位やらないと言論の公共性は保てないと思っています。

 最後に学習参考書です。これは色々ですね。増刷しようにも単純に増刷出来ないものも多い。数学と英語が多い、中には復刊ドットコムに要望が集中して復刊されたものもあります、しかし大抵の場合、著者が応じないでしょうね。これ大半の場合、読者は現役の高校生ではありません。予備校や塾の教師が買うのです。問題を作るのに使います。それと一部のマニアです。しかし長くは続かないでしょう。通販サイトはヤフーオークション限定ですね。私も現在数点を委託出品しています。さっぱり上りませんね。投票してください(笑)。

 少し上がっています。頑張れ。
☆整理と解法 英文解釈 松山正男 中村豊 昭和50初 旺文社   3,200 円   残り10 分
☆英文解釈900題 英語構文の研究 高梨健吉 昭和51重 美誠社   4,150 円   残り 1 時間
☆合格への実戦ゼミ 英語 西尾孝監修 昭和50年重 英協   11,501 円   残り 5 分

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仙台から下関に避難中さんの
再投稿がありました。こんどは随所に私の意見を赤文字で入れる方式を採用します。

 以下、投稿と古本屋通信の意見

「日本の古本屋」で検索したら、「戦後革命論争史」はこれだけしかありませんでした。

戦後革命論争史 全二冊
上田耕一郎、大月書店、昭37、2冊
書砦 梁山泊 7,500円
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「上下二冊で300 円でしか買い取りません。」なら、梁山泊さんは値段を1桁間違えてるんじゃないの?ということになりますね。

 いいえ、こんなもんです。間違いではありません。だから最近古本屋は詐欺みたいに思われてやりにくいんです。梁山泊さんがいくらで買い取られるかは先方の問題ですが、売価は社会科学の老舗、京都の島元さんの値付けとしては妥当だと思います。私もそれくらいの値を振ります。300円の買取りで、です。なんの良心の咎めもありません。これは全ての分野で変わらないでしょう。つまり10冊仕入れて1冊売れるという想定で、売買価格を決定するのです。しかし業者間以外では通用しにくい話です。だから買取り値はそのときにならないと明示しないのが普通です。「安いですよ。ご不満なら、お売りにならないでお持ちになってください」と言います。
 それと「戦後革命論争史」は7,500円であろうと 3,500円であろうと、売れるときには売れるし、売れないときには売れないという面もあります。これまたケシカランコトをいう事になるんでしょうが、これが古本屋の商売なのです。私の店についていえば、値付けは「日本の古本屋」の平均値ですが、社会科学は強気です。島元さんもそうでしょうね。これと仕入れ体系は全く別だという事です。しかし私の場合、常連さんには、仕入れが300円で、しかも余分の在庫があれば1000円でも売りますね。同業者から引き合いがあったら1000円間違いなしですね。大抵はこんなもんすが、これはオモテに出ません。そんなら正札どおでり買った客人に申し訳ないかというと、そんなことはありません。イチゲンさんは早くナジミになり、常連さんになることです。これが昔ながらの古本屋です。それが面倒ならブックオフに行くか、ネット通販で買わなければなりません。


「ある日から全く売れなくなるのです。」というのは『窓際のトットちゃん』がそうだったと聞きました。大増刷したら突然売れなくなったと。
 『窓際のトットちゃん』 は大ベストセラーでありながら、且つ長期にロングセラーを保ちました。この本にして最後に大増刷したら終わったんですねえ。これ新刊書店に限っての話ですが、コンスタントに売れ続ける本など殆んどありはしません。昔は『資本論』と『聖書』でしたが・・・。新刊本の単品管理をやってると分かりますが、本の売れ方は面白いです。

学習参考書は、高額買取商品のリストに載っているもので、1000円以上のものは、一般に流通しない予備校テキストの類が多いです。東進東大日本史(8冊セット)は10000からとなっています。

一般に流通していた本で1000円以上のものは、

長岡先生の授業が聞ける高校数学の教科書 1400円から
SEG数学シリーズ・闘う50題シリーズ 1200円から
秋山仁 発見的教授法による数学シリーズ 3000円から
有賀ゆう スーパーエリートの受験術 12000円から

となっています。
「スーパーエリートの受験術」は、Amazon中古では79,800になっています。

Amazon中古はダメです。但し私はコレを詐欺商売だとは思っていません。事実、詐欺ではありません。その値でよければ買えばよいのです。


赤本の類は医学部なら720円から、医学部以外の医療系なら600円から、そのほかは360円からとなっています。

 ちょっと、「高額買取商品のリスト」についてはスルーさせてください。いちおう正真正銘の同業者ですから。それと2年ほどまえにアクセスして引いた記憶があります。よくわからないまま多少の不安を憶えた記憶があります。いいえ、不信感をいうたぐいではありません。芥川が漠然と感じたような不安です(笑)。


また、受験参考書の中に、「受験生は絶対に手を出してはいけません」といわれるような「トンデモ本」があります。標準問題が載っていないのに絶対に二度と出題されないだろう難問奇問ばかり載っていたり、学問の本質を追求すると称して受験を無視した大学レベルの「本質的理解」を目指したり、とかのものです。後者のものは受験と関係なしに学ぶのには使えるかもしれませんが…  

 受験参考書の内容評価については、私はとくに理科系は分からないのですが、それは置いて、ネット通販での小売価格は(一般書に較べても遥かに)水物だとお考えください。つまり不安定なのです。だから語りたくないという面もあります。コレよくわかりませんが、どこかで意図的な操作が入っているような気配を感じるのです。

また、研究者でも教育者でもない純粋な趣味者向けの本もあります。初等幾何は、中学入試・高校入試では依然として出題されていますが、現代数学では何の役にも立たないとしてほぼ消滅した分野です。しかし初等幾何ファンがおり、彼らのために大昔の本が復刊されたりしています。

 私、幾何の古書をたくさん持っています。数学と物理の品揃えでは神田に負けません。私はダメですが、数学者2人が付いています。それと直接関係はありませんが、近藤洋逸先生の共著者で、天才数学者と言われながら30 歳で死んだ藤原佳一郎先生のことを書き残しておきたいと思います。
2014/05/17(土) 13:46:02 | URL | 仙台から下関に避難中 #-


>数学と物理の品揃えでは神田に負けません。私はダメですが、数学者2人が付いています。

そうですか、ならちょっと書きます。
昔は、群論の教科書といえば

浅野敬三・永尾汎『群論』岩波全書261(1965)
でした。1990年代まで使われ、30刷以上はいったはずです。

しかし、群論の世界的権威である鈴木通夫が、より新しく詳しい内容の『群論』上下(1976, 1977)を出した時は、なぜか売れませんでした。岩波は、「売れなくても、よい本は絶版にしない」というような倫理を持ち合わせた会社ではありませんので、鈴木通夫の群論はそのまま絶版になってしまいました。私は古書店で8000円で入手しました。
2014/05/17(土) 16:40:36 | URL | 仙台から下関に避難中 #-
  1. 2014/05/17(土) 07:50:44|
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