fc2ブログ

古本屋通信

ご近所、といっても向う三軒

古本屋通信   No 4191    2019年  9月18日


    ご近所、といっても向う三軒

 私の家は両隣といっても、北は公民館だし、西の中木さんは十年以上空家だから 、ご近所は向う三軒である。妻もそこそこのお付き合いがあった。入院はそれとなく知らせていたが、死は家族葬だから当然知らせていない。それで一週間経ち十日経つのだが、知らせるタイミングがむつかしい。早すぎるとお悔やみをしてほしいと云わんばかりだ。向うがうすうす気がつく前後に、それとなく通知せねばならない。それで二週間位して、たまたま門前で出くわした時に知らせた。三軒に開きがあってはならない。

  で一軒はお供えの花を、二軒は香典を下さった。また町内会の組長さんに知らせてくださり、規定の香典も頂いた。

 それから二ヶ月後に、お向かいさんの三軒にほぼ同時に、妻の遺品のお持ち帰りの案内をした。一軒は直ちに御夫婦でこられ、スケッチブックをお持ちになった。かわいいデザインだったので良かったと思った。

 後の二軒は色気があると見て私は期待した。一週間後の昨日お二人で一緒にこられた。たっぷり時間をとって、いずれも力作の油絵を3点と2点お持ちになった。

 売れた5点のうち2点は、今田君が最もよく動くと言っていた小型の静物画であった。それは多くあったので印象が薄いのだが、あとの3点は私が注目していた風景画だった。一つは牛窓のオリーブ園の絵である。ほとんどが緑ばかりの絵である。一見ツブシにさえ見える。よく選んでくださった。あと玉野港の絵は、船と海岸のタコを干している絵である。もう一つも海岸の絵だが、これは牛窓港の絵ではなかろうか。、、

 みんな惜しかった。だが、惜しかったとは、嬉しかったと同義語である。本当に嬉しかったのだが、貰われて行く先が10メートルと離れていない。それが何よりも幸せだった。また見に行くからね。
  1. 2019/09/18(水) 11:25:02|
  2. 未分類