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古本屋通信

「美しい十代」 (学研 S38~39)

古本屋通信   No 3680    2018年  12月02日


  雑誌 「美しい十代」 (学研 昭和38~9年) 評

 先日買い受けた少女雑誌 「美しい十代」 だが、その付録はヤフオクに代理出品して貰った。本誌の方は10冊のうち一冊を除いて、残り9冊を自分用に残した。ソリがあるから売れないだろう。いま人気タレントの写真を切り取った。その作業が終ったので感想を書くことにする。

 さて雑誌の概要については、通信 No 3672 でつぶやき館さんの紹介文を貼ったからご覧いただきたいが、それを踏まえて私なりの感想を加える。

 私は農村の高校だったが、それなりに受験勉強はした。高校時代は昭和36年~39年3月に当る。この期間、私はラジオの歌謡曲ベストテンを聞きながら勉強した。映画をみたり、芸能雑誌を見ることはなかったが、当時のタレントについて、十人並みの知識はあった。歌謡曲でいえば、舟木一夫「高校三年生」 「修学旅行」、三田明「美しい十代」、仲宗根美樹 「川は流れる」、吉永小百合「寒い朝」などがヒットした年である、

 さて切り抜きの過程で雑誌の内容はいやでも目にはいった。つぶやき館さんに異論はないが、学研の発行ということについていえば、これは出版社の見識が高いということではない。「平凡」(平凡出版)や「明星」(集英社)ほどミーハーに徹することができなかっただけである。つまり学習研究社の名前である以上、ある程は教養主義を採用せざるをえなかった。だから一見上品な路線だったのである。これは「中学コース」 「高校コース」との兼ね合いもあった。

 次に対象だが、これは明らかに高校生女子である。しかも進学志望者ではなく、就職志望者を主要な読者に想定している。これは当時の女子高校生の9割が就職していたことからも当然である。見て最初に気が付くことは、大学も短大も専門学校さえも殆ど登場しないことである。まあ旺文社との差別化は明らかである。

 雑誌の主要なテーマは芸能ネタと恋愛である。勉学も少しはあるが、それは生活相談としてであり、学力向上はテーマに入っていない。恋愛ネタはウンザリするほど多いが、当時は完璧なまでの純愛路線である。下半身ネタは皆無である。

 教養主義は日本や世界の名作紹介に留まる。まあ旺文社の学習雑誌のサワリ程度である。こういうの中途半端のエンタメが、雑誌の寿命を縮めたのだろう。

 雑誌の知的レベルは高くない。だから当然だが美智子さんが頻繁に登場する。まあレベルが低い雑誌である。

  学研について一言。ちゃんと労働組合がある。当時の出版労協傘下の有力組合であった。だが経営者は旺文社以上に極反動だった。悪名高き古岡だったかな。

 少女雑誌ゆえ特筆すべき記事はない。その中でいくぶん^異質な記事が2つあった。

特別記事 つぼみのままに消えた善枝よ ーー暗い、冷たい土の中に眠る妹に捧ぐーー 中田健治

 これは昭和38年7月だから石川さんがまだ逮捕されていなかった。中田健治という人は後に証言の不自然さから問題になった。

岩崎ちひろ 「ティーンへの手紙 キスしてくれた少女」

 レーニングラードの少女のことを書いているが、やや異質。それは置いて、岩崎の写真が素顔。こんな顔とは知らなかった

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 少し追加する。毎号毎号タレントの人気投票が男女別に載っている。それによると女子は単勝不動で吉永小百合である。男子は浜田光夫と舟木一夫のトップ争いである。各10位までを転載しようかと思ってやめた。女子2位の姿三千子なんて誰も知らないだろう。たまたま橋幸夫の相手役だったに過ぎぬ。

 小百合の圧倒的人気には今さら舌を巻いた。女子にも人気があったのだ。それと男子の橋幸夫が第3位にも入っていない。三田明の方が上位なのは「美しい十代」の読者だからであろう。女子の和泉雅子や松原智恵子も上位ではない。歌えるスターでなういと支持されなかったのであろう。「平凡」や「明星」だったら、違っていたかも。
  1. 2018/12/02(日) 03:30:11|
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