古本屋通信

東京大学新聞チャンネル第19回

古本屋通信   No 2696    2017年  07月25日  


   東京大学新聞  チャンネル 第19 1972(昭和47)

   9月4日号

   全学連 第23回大会ひらく

古本屋通信のイントロ前々エントリー 「東京大学新聞 チャンネル 第18 回 1971(昭和46)年 全学連 第22回大会」 は民青史上の新日和見主義事件(1972年3月)以前の最後の全学連大会として、その内実とりわけ参加自治会数を記録する目的で立てられた。だから単独エントリーとした。
 そこで間を置かないで、翌年と翌々年の全学連大会の記事を東大新聞から探した。全学連定期大会は、当時も今も毎年一回、夏に開催される。つまり各大学が夏休みに入った直後に開催されるのだ。翌1972年の第23回大会の記事は直ぐにに見つかった。しかし翌々年1973年の第24回大会の記事は見つからなかった。夏の新聞がスッポリ抜けていたのだ。で、今回は第23回大会をフォローすることにした。 


【記事の見出し・前文、大会で選出された新役員】
 全学連 第23回大会ひらく   7月26日~30日 大学民主化・学費闘争へ  全国民的な合流を訴える
 全日本学生総連合は、7月26日から30日までの五日間第23回定期全国大会を開催した。大会にはこの一年間、学費値上げ反対、諸要求実現、大学民主化闘争や、沖縄協定批准反対、全面返還実現、インドシナ人民支援闘争などに取り組んできた自治会代表やオブザーバーなど二百を越す大学から約二千五百人が参加し、熱心に討議をくり広げた。大会は、緊迫するベトナム情勢、田中内閣・稲葉新文相のもとでの大学、教育の反動的再編の動き、学費問題など学園にうずまく諸要求、トロツキストの暴力一掃、大学の自由回復などの課題を、クラス、サークル、寮を基礎にいちだんと取り組みを強め、七〇年代にふさわしい真に広範な学生の参加する学生運動の構築をめざしていくことを決めた。
 大会で選出された新役員は次のとおり。委員長=手嶋繁一(北大)、副委員長=汐見稔幸(東大・教育四年)、永戸祐三(中大)、深谷信夫(早大)、大和繁(東教大)、結城久志(立命館大)、書記長=平島信明(早大)、書記次長=奥山修平(千葉大)。


  古本屋通信

 後から、つまり今だから気が付くのだが、これだけ読んでアッと言った。東大新聞の記者が手抜き記事を書くことはあり得ない。記事前文の何処にも大会に参加した具体的な大学数と自治会数が無い。必ず正式代議員を送り出した大学数と自治会数でなければならない。これこそが一年間の全学連運動の勢いを示す唯一の数字だからだ。オブザーバーを含む総参加者数などどっちでもよいのだ。で、記事本文をくまなく読んだが、何処にも記載が無い。つまり前大会に較べて大幅に少くなったのだ。

 本文記事中に特別なことは書かれていないが、二点気が付いた。
 第1点目は「今大会はじめての試みとして、大会二日目と三日目に22の会場に分かれて分散会形式で討論が行われ、これによって昨年まで百人程度であった発言が今年は二千人にのぼり、多数の大学の経験が生かされ、また二八日には、分散会討論と並行して学部別分科会も開かれた」。これにはアッと唸った。これは全学連大会でやることではない。いままで3月と12月の文化集会でやってきた討論会ディスカッションである。全学連大会は年に一度の全学連の最高決議機関であって、アレコレの討論クラブでは無い。いったい誰が発案して何処で決まったのか。形式的には中執会議であろう。しかし実質は党中央決定である。たぶんシンヒヨ摘発の3月5月~7月ご指摘があり訂正しました)の時点で、中執会議は急遽党員会議に切り替えられ、そこで党中央の青学対から指示があったのだ。全学連を戦わない討論クラブに変え、実質的に無力化する決定である。そういう理不尽な措置に全学連の党員グループは従がわざるを得なかった。
 第2点目。そういう目で前大会で選ばれた早乙女委員長と松尾書記長を追った。たしかに2人はふつうに大会に参加している。松尾書記長は開会の挨拶を、早乙女委員長は基調報告をやっている。これだけでは何も判らない。判らないが、踏み込んだ分析もなければ、積極的な提案もない。消化試合のおもむきなのだ。今にして想うが失脚している。然し大会参加者は、大学新聞の記者を含めて、この時点では何も想わなかったであろう。事件から僅か3ヶ月であった。ただ事件の影響は全学連大会というより、それを支える全国の大学学生運動に確実に出はじめていた。それは前大会の参加者3500名にたいし、今大会の参加者が2500名に減少していることからも分かる。この大会を最初として民青系の学生運動は坂道を転がるように失速していく。これだけでは断定し難いだろうが、その端緒はこの大会に確実に認められるのである。
  1. 2017/07/25(火) 03:48:26|
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