古本屋通信

「東京大学新聞」の古本屋的価値

古本屋通信   No 2651    2017年  07月05日  


   「東京大学新聞」の資料的及び古本屋的価値

 きのう「東京大学新聞」に就いて記事を書いたら、さっそく左翼ファンだという方から質問があった。質問の方法と全文は公開できないが、要は食指が動いたということだろう。そこで、表題のテーマで可能な限り、古本屋として正直に書きたい。

 まず私の分類の仕事だが、きのう記事を書いた時には大まかに1960年代(1966年から)、1970年代、1980年代、1990年代(1994年まで)と5分類にしていた。それだけで頭が痛くなった。しかし仕方がないから、その後さらに年度ごとに分けた。その結果ほとんど揃っている年もあるが、数部しかない年もあった。まあ全体として三分の二はあるだろう。年度ごとに数える気はしない。要は自分が読むために分けたのである。

 で、最初にこの「東京大学新聞」の資料的及び古本屋的価値だが(質問者の想いは分かるが)、決して高くないであろう。私がいくらで譲り受けたかは書けないが、決して高くはなかった。というより安くないと買いませんよ、と注文を付けて買った。買った先は私よりも更に古書価を知っている同業者である。つまりヤフオクに出品しても高値が付かない、それよりも左翼オタクの古本屋通信に売ったほうが早い、とういうことで私に譲ったのである。これは今回に限らない。岡山じゅうの左翼文献はたいてい私の所に廻って来ることになっている。と言っても義理で廻してくれる訳ではない。他にさばけるアテがないから私の所に来る。

 私も売れるアテがあって買うのではない。半分はこの古本屋通信を書くため、残り半分は自分のアイデンティティのためである。然し商売だから、ここに書いた本でも売れれば売る。然しその場合もリアル取引には絶対に応じない。ヤフオクに代理出品して貰う。でもこの商品はそもそもヤフオクでまともな値が付かないから私の所に廻ってきた(きのう岡山の他の業者が数部をヤフオクに出品していた。試し出品だった。安値では落札されただろうが、せいぜい2000円だったろう。この商品も私のと同じ旧蔵者のものだ。手間を考えると引き合わない)。それを私が出品することは当面ありえない。

 「東京大学新聞」に限らず古新聞の殆どだが、国会図書館に保存されており、いつでも必要に応じてコピーできる。これは中核派の『前進』もそうだ。奴さん、ちゃんと国会に納めている。革マル派の『解放』だけが国会には無い。だから揃っているとベラボウに古書価が高い。だが彼らは読み終わったら処分するから地球上に多くは存在しないだろう。

 私の蒐集は主に共産党関係に偏っているが、数年前から其の処分に悩んでいる。買い手がいないのだ。トコトンいない。二束三文でもいない。まあ今回の「東京大学新聞」もだが、私が死んだら倉庫分も含めて約5万冊、即日古紙回収業者のYさんが持ち帰って倉敷の再生工場に持ち込むだろう。処分料は無料だが、遺族に一文も入らない。惜しい? そう言って頂けるのは嬉しいが他に方法は無いのだ。同業者に委ねて業者市会に出品する? 岡山では買い手が付かないからそもそも私が買ったのだ。東京の交換会? 絶対に売れない。運送代も出ない。

 まあ宝の山だと言うのは自分だけの自己満足である。そう思って少しづつ「東京大学新聞」を読んでいく積りである。回答にもならない駄文でゴメンなさい。

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 ちょっと通販サイトで調べてみました。

「日本の古本屋」では一件だけ旧い昭和30年代のものが復刻版で売り出されていました。ヘー、復刻されてたのか。でも全部かどうか分かりません。後は国会図書館で調べてください。ネットで一発で分かります。復刻版ではなくリアル商品がなぜ出されていないか? これは商品がないからではなく、売れないからでしょう。それとバラだと面倒だから。まとめてだと不要な号はニーズがないから。けっきょく今は昔と違って不要な物体を極力捨てる時代なのでしょう。それと個人的な感想を言うと、私も「東京大学新聞」の記事の大半を占める東大プロパーの過去記事には関心がなく、当時の左翼運動に東大の学生自治会がどうかかわっていたか、またそれらを見る東大新聞の視角がどうだったか、そういう特殊な関心に限られるわけです。例えば私が昨日引用した記事では、記事の筆者はたぶん民青同盟員だと思いますが、東大新聞の立場としては、ちゃんと革マル派学生に「君」を付けて報道しています。それから新聞全体を見ても「トロツキスト」だとか「暴力学生」だとかの用語も皆無です。つまり暴力は暴力を具体的に報道して、それを糾弾するジャーナリズムの立場です。これは明らかに赤旗や民青や全学連の機関紙とは違う立場です。そうかと思えば、「全学連」のことばは何の注釈もなく登場します。これは明らかに民青系全学連を指して使っています。まあ書けば色々面白い事はありますね。


「アマゾン古本」には新聞形態のものは一件も出品されていませんでした。復刻版もヒットしません。これは新聞バラはアマゾンの出品規格に合致しないからでしょう。然し仮に出品が可能でも出さないでしょうね。売れないから。

「ヤフオク」こそが相応しいサイトでしょう。きのう出品されていました。でも出品の形態は多様でしょう。質問された方にはこうお勧めします。「ヤフオク」出品サイトに「東京大学新聞」と入れて、表示された頁をご自分の「お気に入り」にセットするのです。で、時々それを眺めて、自分の欲しい商品が表示されたら入札に参加すればよいのです。オークション入札は公平ですし、また水モノですから面白いのです。この落札価格を見れば「日本の古本屋」と「アマゾン古本」の価格設定が如何に現実の売買とズレているか分かるでしょう。

尚、「ヤフオク」の落札実績をまとめて表示したサイトに「オークファン」があります。これは商品の落札が一瞥できるから便利です。私もしばしば利用していました。これはかつては過去2年分は無料で見られた。ところが途中からサービスを打ち切って有料化してしまいました。それで私は見ていないのですが、出品者にとっては欠かせないサイトでしょう。プロの出品代行者は常にコレを見て出品しています。素人も見て出品しています。もちろん本だけでなく、あらゆる出品についてです。たぶん一ヶ月150円位だったと思います。

 以上、参考までに付け加えました。
  1. 2017/07/05(水) 00:48:22|
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