古本屋通信

誤文を読む

古本屋通信   No 2612    2017年  06月13日

  

      誤文を読む

 私は誤った文という意味で使われる「誤文」という単語があるのかどうか知らないが、一寸辞書を見た限りでは見つからなかった。「誤文」いう表現だったかどうだったか、高校生のころ英語の問題に 「次の文の誤りを訂正せよ」という出題があった。われわれはこれを「誤文訂正問題」だとか「正誤問題」と呼んでいた。しかしそれは1センテンスの問題だった。長文の「誤文訂正」など出来る訳がないのだ。それは訂正不可能だからだ。

 下の長文は前回に続いて世に倦む日日の誤文だが、私は世に倦む日日の文を「商売文だから全て正反対に読めばよい」と書いた。今回も同じである。私は世に倦む日日が今回も書いている 「山口敬之と詩織の問題」そのものについては興味がない。だから繰り返さない。にも拘らずここに再び取り上げた理由は二つある。① 私が池内沙織の国会質問中の「詩織」の名前を見落としていたこと。私は赤旗記事を引用しておりながら自分では見落としていた。池内国会質問はまさに世に倦む日日と同じ認識でなされていたのだ。世に倦む日日の文は誤文そのものだが、こういう盗人ぬっすと文に引っ掛って金を払う人間がいるのか。摩訶不思議である。私は詐欺性を指摘しようなどツユ程も思わない。認識力がメゲていなければ引っ掛る可能性はない。

 ここでちょっと違うが、同じ詐欺文の範疇に入る筆者を3人記しておく。一人は石崎徹の政治関連文。コレは二度三度と丁寧に批判した。あと箸にも棒にも掛からない文を書く大学教授がもう2人いた。一人は岩間一雄という元岡大教授。もう一人は或る近代文学の教授である。私は以上合計4人の文が世間で流通している理由が分らない。このことに興味が尽きない。しかしそれは長くなるから今日ここでは書かない。とりあえず世に倦む日日の文と、その下に先日の池内質問を取り上げた赤旗記事を再録しておく。どうか両文を味読してください。あなたの初歩的な認識力・批判力が試されているのです。


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世に倦む日日 2017-06-12 23:30
山口敬之はレイプ常習犯だったのではないか - 週刊新潮の記事を読み直す
週刊新潮の5月18日号を入手して読んでみた。山口敬之のレイプ事件の記事が掲載されている。分量は4ページ。内容についてはすでにネットで十分に拡散されており、誰もが周知のところだが、この記事が事件を最初に告発した一次ソースであり、全文を掲載しているサイトが確認できなかったので現物を取り寄せて手元に置くことにした。発売から1か月経っているが、あらためて読んで価値があると感じる。事件当日の経過が整理され、警察に相談に行ってから不起訴になるまでの時系列が簡潔に描述されている。今のところ、この新潮の報道から深掘りして真相解明を試みたジャーナリズムは出ていない。被害者が会見で顔を出した後、ネットで散見したものの中では気づかず、新潮の記事で見つけた情報が一つあった。被害者女性がこう言っている。「ベッドの上に彼のノートパソコンが開かれたままだったのも覚えているし、直感的に撮られているんだと思ったのも事実です」(P.24)。これは、レイプ翌朝の午前5時、被害者の意識が戻ったときの状況の証言だ。どうやら、卑劣にもノートパソコンのカメラで犯行を撮影していたらしい。この事件では、犯人の常習性を推察できる材料が幾つかある。一つは「デートレイプドラッグ」を使用した疑惑だ。女性は二軒目の鮨屋のトイレで意識を失っている。

もう一つは、これも話題になったが、被害者女性の下着を持ち帰ろうとした異常趣味の事実である。新潮の記事に、被害者が証言したそのときの山口敬之の発言が載っている。「山口:下着だけでもお土産で持って帰っていいかな。いつもは強気なのに困った時は子供みたいで可愛いね」(P.24)。重大な犯罪をした犯人が、それを咎める被害者を前にして発した狂気の言葉だ。気味が悪い話だが、初犯の人間の口からこういう言葉が出るとは思えない。場数を踏んでいて、何度も同じことをして泣き寝入りさせる経験と自信を積み、「お土産」の取得に成功を収めてきた犯人でなければ発せられない言葉だと思われる。おそらく、レイプの成果たる下着はコレクションしていたに違いなく、警察が家宅捜索すれば、収蔵物件が発見押収されていただろう。さらにもう一つ、レイプが計画的だったことを裏づける事実として、被害者を誘った夜の翌日に米国に戻る予定になっていて、帰米前夜の犯行だったことがある。「7時にチェックアウトしてワシントンに向かうので、シャワーを浴びたら薬局でピルを買いましょう」(P.24)などと言っている。つまり、そのまま米国に遁走すれば、被害者に追いかけられたり、問い詰められるリスクが減り、事件化を避けられると目算を立てていて、用意周到に犯行に及んでいる。

「薬局でピルを買いましょう」と厚顔に言いのけた点も見逃せない。これはアフターピル(事後避妊薬)のことだが、日経ウーマンの記事によれば、その認知度は高くなく、女性の3人に1人しか知らないとある。男の山口敬之がこういう知識があり、しかも被害者を傷つける犯行に及んだ後に、事務的な口調で平然と切り出せるのは、やはり何度も同じ悪事を繰り返していて、プロセスとシューティングに慣れているからではないのか。つまり、常習犯の手口の一部なのだ。山口敬之はこのようにして、華やかな職業と業界の魅力を餌にして、就職の動機で接近してくる若い女性を毒牙にかけていたのだろう。おそらく、同じようなことは、「慣行」や「役得」としてマスコミや広告代理店の世界にあり、山口敬之以外にも「趣味」にして愉しんでいる犯罪者がいると思われる。新潮の記事を読むと、2015年の4月3日に事件が起き、4月23日の段階で山口敬之はワシントン支局長を解任されている。4月9日に原宿署に相談に行き、たらい回しにされて4月11日に高輪署で刑事と面会、「よくある話なので難しい」と言われて追い返されそうになるが、めげずに粘って、4月15日にホテルの監視カメラ映像の確認まで辿り着く。そこから刑事の態度が変わり、タクシーの運転手やホテルのベルボーイの証言が揃い、4月30日の被害届提出に至る。

映画かドラマのような展開となった。通常であれば、「よくある話なので(捜査は)難しい」と言われた段階で、女性は泣き寝入りするのだろうし、それが山口敬之の経験上の成功法則だったのだろう。被害者の真剣で気骨のある訴えが刑事を動かしたか、その刑事の横で助手を務めた女性警官がいたのかもしれない。あるいは、あまり質(たち)のいい想像ではないが、被害者女性の親族や家系がそれなりのステイタスの境遇で、刑事が事件化切り捨てと門前払いを即断するのに躊躇する何かがあったのかもしれない。ただ、今回の顔出し会見の勇気もそうだが、被害者本人の一歩も退かない気魄には何か神々しい底力が感得され、その威力が担当者を圧倒して事件化へと後押ししたことは十分に考えられる。彼女の姿勢には、事件と自己との関係の認識において、後ろめたさとか動機のやましさについての羞恥の要素のようなものが微塵もない。毅然としていて、率直で堂々として、一点の曇りもない自分に自信を持っている。この点は、山口敬之の思惑違いであり、敢えて言えば、犯行の標的を選ぶ上で人格を識別する眼がなかったということだろう。いずれにせよ、被害者が顔と名前を出して会見に臨み、ありのままを証言する勇気を見せたため、この事件は単なる週刊誌の醜聞で終わらず、また安倍叩きの政治ネタの一つに止まらず、国民的な関心事になった。

国民的な関心事になったわりには、事件についての議論が低調で、ジェンダー文化人の中で精力的に論陣を張っているのは江川紹子と< a href="http://bit.ly/2rloFAI" target="_blank">北原みのりに限られている。本来なら、真相糾明を求めるジェンダー文化人が集合して会見を開き、それをテレビのニュースにして放送する場面があってよかった。性犯罪を厳罰化する刑法改正案が国会に上程されて報道されており、ちょうどタイミングが一致したのだから、機を逃さず指弾する動きを起こすべきだった。6月8日(木)のプライムニュースを偶々見ていたら、河野太郎と江田憲司が顔を並べて山口敬之の問題を論議する場面があった。何を言うかと思ったら、河野太郎が延々と山口敬之の擁護論を展開し始め、検察が十分に検討した上で不起訴の結論を下したのだと言い、司法が判断を下した問題に国会が口を出すことはできないと弁護する。江田憲司もこれに同調し、民進党も本会議の質問で少し触れたが、これ以上司法の領域に踏み込むつもりはないと言い切った。テレビの前で呆れてしまった。政治(官邸権力)の不当な介入によって司法の判断がねじ曲げられたから、これを正すために政治が動かなくてはならないのではないか。現場の刑事は逮捕状を取っていた。検察も逮捕を必要と認め、裁判所も請求を認めていた。それが、逮捕直前に警視庁刑事部長の横槍で突然中止にされたのである。

あり得ないことで、まさに政治の問題ではないか。国民が望んでいるのは、蓮舫が自ら乗り出して捜査妨害の不当性を糾弾し、警察庁組織犯罪対策部長に出世している中村格を国会に呼び出して追及することだろう。山口二郎の話では、何でも、民主党政権時代に官房長官秘書官だった中村格に世話になったことがあり、不都合な汚い事件を処理してもらった恩義があるため、中村格に手を出せないのだと言う。ふざけた話だ。野党にも呆れるが、マスコミもマスコミで、河野太郎を出して山口敬之の無実潔白を強弁させるフジのプライムニュースは論外として、どうして他の局 - 例えばテレ朝 - は山口敬之を直撃しないのだろう。最初に捜査を担当した高輪署の刑事を取材しないのだろう。刑事の取材は無理でも、証言したシェラトン都ホテルのベルボーイや、タクシーの運転手から事情を聴くことはできる。週刊新潮ですらやっているのに、どうしてテレビがそれをできないのか分からない。プライムニュースの放送は、終盤国会の与野党政局談議の小ネタとしてレイプ事件を取り上げたもので、この事件はもう終わりということを視聴者に印象づける工作的意図が窺えるものだった。もしあの場に、福島瑞穂や森裕子が座っていたら、議論は全く違ったものになったと思われる。結局、野党(民進・共産)が真面目に追及しないため、小池百合子がこの問題を都議選に利用することになった。
選挙で訴えるセールスポイントがない小池百合子としては、格好の材料を見つけた形だろう。

by yoniumuhibi | 2017-06-12 23:30 | Comments(2)


Commented by 長坂 at 2017-06-12 18:06 x
鋭いご指摘です!新潮読みました。初犯なわけない。これまでも同様の手口で、金回りがいい様なので(スパコンのバックマージンの話がネットに)お金で解決して来たんでしょう。アメリカで教育を受けた詩織さんも同様と、誤算。どなたかがツイートされてましたが、下着をもらう事で合意の上だったと主張できるそう(さすが常習犯)です。このホテルって最初から強姦目的で予約?レイプ現場という不名誉な評判がついてまわるシェラトン都は山口訴えて!権力べったり、真っ黒で何が推定無罪よ。ジャーナリストが本気出せば(民進は毎度の事ながら失望させてくれる)別の被害者絶対見つかると思うのですが。
慰安婦問題でのジェンダー界隈の見解をよく知っているので、あの人達が沈黙なのも別に驚きません。
山口の後に何ですが、大田昌秀さん、ご冥福をお祈り致します。あちらでノーベル平和賞受け取ってください。

Commented at 2017-06-12 22:57

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   再録

  2017年6月3日(土)   赤旗
  性犯罪厳罰化の刑法改正案
 根絶へ強化求める 池内氏質問
 衆院審議入り

 (写真)質問する池内さおり議員=2日、衆院本会議
 性犯罪の厳罰化を図る刑法改正案が2日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の池内さおり議員が質問に立ち、性暴力被害をなくすための、さらなる法改正や取り組み強化を求めました。

 「魂の殺人」と言われる性犯罪の被害者数は推計年間16万人にのぼるのに、被害届が出されるのは数%、有罪となる加害者は500人にとどまります。

 池内氏は、性的暴行を受けたが不起訴とされたのは不服として、検察審査会に審査を申し立てたジャーナリストの詩織さんが「レイプの被害にあったことで、性犯罪の被害者を取り巻く法的・社会的状況が、被害者にとってどれほど不利に働くものか痛感した」と述べていると指摘。「大多数の加害者が野放しにされている現実をどう認識するのか」とただしました。金田勝年法相は「一般論として、検察当局は法と証拠に基づいて適正に対処している」と述べるにとどまりました。

 また、池内氏は、現行刑法が110年前、家父長制のもとで女性が無能力者とされていた時代に制定され、強姦(ごうかん)罪の保護法益は「性的秩序の維持」「貞操」にあるとされていたと指摘。戦後、保護法益は「性的自由」とする解釈に変更されたものの、「同じ条文で異なる保護法益を実現することは不可能だ」と批判しました。

 池内氏は、国連が「女性に対する暴力」を定義し、「性に基づく一切の暴力」を根絶する姿勢を明確にしたことなどをあげ、「今回の改正にあたり、保護法益を『性的自由』にとどめず、『心身の完全性』『人間の尊厳、人格そのものを脅かす性的暴行からの保護』と抜本的に改めるべきだ」と主張。「性暴力の根絶は、社会の意識変革なしにはあり得ない」として、ジェンダー教育の抜本強化などを求めました。


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  古本屋通信

 以下は今回の書き下ろし文である。

 こりゃあ池内は完全アウトだナ。池内質問を許した党国会議員団と常任幹部会もアウトだ。たぶんシマッタと思ったから、赤旗は池内質問の全文を掲載せず、訳の分らん赤旗記事でお茶を濁したんだろう。そしてその後は完全スルーを貫いた。後で池内にはお叱りがあっただろう。しかしいくら若いと云ってもこれじゃあ議員は無理だね。マイノリティをやるなとは云わないが、流行に乗ってやるのはまずい。セクハラもだ。党として理論的解明を十分にしたうえで控え目にやるべきだ。池内は軽率だ。たぶん吉良も駄目だろう。坂井希や大山奈々子なら十分やれるのだが。
  1. 2017/06/13(火) 00:10:23|
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