古本屋通信

金正男事件その後

古本屋通信   No 2470    2017年  03月12日


     金正男事件その後

 ブル新聞の報道もさすがに少なくなった。事件の進展がなく、NHKが細かくマレーシアと共和国双方の在外大使館をめぐる駆け引きを追跡しているくらいである。いかにも大袈裟に両国が国交断絶すれば嬉しいと言わんばかりだが、そういう事態に発展するわけがない。両国は関係修復の駆け引きに入っている。私はブルメディアの一々を引用しないで、その後の自分の認識を書くから、時として不正確になるかも知れない。そのことを断っておく。


 事件そのものはまず迷宮入りである。つまり真犯人が誰であるかは永久的に藪の中である。私は事件が発生して数日後にそう予想した。そのとおりになった。国際的な事件の多くが辿る一般的な結末である。そもそも共和国の犯罪であるなど、「韓国」それも謀略専門の情報院の情報でしかなかった。根拠は皆無であった。それを報道の出発点とした日本のメディアは腐り切っていた。事件の真犯人に関するかぎり、その後1ミリたりとも動いていない。私は「韓国」の謀略説だが、真相は迷宮入りである。

 マレーシアと共和国の対立はトラブルであって本質的な対立ではない。すなわちマレーシアは自国の主権の及ぶ空港で起った殺人事件について自由に捜査する。その過程で容疑者が浮上すれば逮捕して調べる。結果が白黒いずれであろうとやる。しかし共和国にすれば不本意であろう。なぜ自国の公民だけがということになる。大使館の外交特権もある。私は双方の立場を理解する。だから双方のトラブルをトラブルとして眺める。

 事件後すぐに、殺されたのが金正雄本人か否かは別にして、共和国国籍の男であると判明した。このときマレーシアはいずれ死体は共和国に返すと明言した。しかし途中から遺族を優先するように伝えられた。私はコレを矛盾していると思わない。すなわち共和国国籍の遺族に返すのである。これを対立する選択のように報道したのは日本のメディアである。外国のメディアのことは判らない。

 端折る。遺族からのDNA提供はない。従って本人確認はできていない。しかし奇妙なことに、昨日になって、マレーシア警察は殺害された本人が金正雄本人だと最終確認したという。これはNHKウェブにある。なぜ確認できたかというと、遺族からのDNA提供ではなく、別ルートからの確認ができた。だがその情報源は情報提供者に危険が生じるから明かせないと言う。HNKにそうある。私はコレはウソだと思う。作り事の辻褄合わせだと思う。

 金が殺害されて、期限の2週間を遥かに超えている。死体は2週間以内に(遺族か、本人の国籍の共和国)に返さなければならない。それがマレーシアの法律というより、国際条約の規定もしくは慣習なのだろう。その場合、本人の名前特定は不可欠であろう。つまりマレーシア警察は必要に迫られて無理ヤリ死体の特定したのである。しかしコレ自体不当なことではない。手続きの問題だからである。もっと言おうか。マレーシア警察にとって迷惑な殺人事件の身元など問題ではないのだ。早く処理したい、ただそれだけである。

 ここから先はNHKではない。読売ウェブである。読売ウェブも既に消されている。死体はこれまでマレーシア警察の管理下の病院に安置されていたが、マレーシア保健省に移されたという。ウソではないだろうが、読売だけの報道である。そして保健省は死体を保健省で火葬する可能性を示唆したという。私はコレは眉唾だと思う。日本でも行き倒れで身元不明な死人は火葬にするだろう。しかし国籍がはっきりしていれば、その国の意向は尊重するだろう。私は金正雄の死体をマレーシアが火葬する事はないと思う。共和国に返還するのがスジだし、そうすると思う。東南アジアはいま夏である(私はコレに、明日から連れ合いがベトナムに旅行することで初めて気がついた。私は行かない)。死体にドライアイスを施しても既に腐乱しているだろう。その死体を返却された共和国は、当然ながら司法解剖して、結果を公表するだろう。国際的な事件は面倒である。

 もうひとつ読売ウェブではない産経ウェブに面白い記事があった。こちらも既に消えている。共和国の平壌には、日本から北京経由で容易に旅行できるらしい。その旅行者が事件発生後に倍増しているそうな。それを丁寧に長文の記事にしている。産経の論旨は元赤旗特派員の萩原りょうを引いてまで、「北朝鮮の危険性」を言っているのだが、記事の内容は共和国がちっとも危険でない国であると書いてある。とても面白かった。

 萩原りょうは懐かしかった。もう30年になる。彼の著書を愛読したことがあった。彼は熱烈な共和国支持者から、際立った批判者に変わった。その過程で党からの除籍もあった。この件は今でもキンピーサイトに登場するが、私は党の措置は正しかったと思う。でもそんなことはどちらでもよい。問題は萩原の共和国認識の180度変転の是非だ。私は彼の原体験だけに重みがあると思う。その上でだが、大きくバランスを毀している。可愛さ余って憎さ百倍。まあ別れた夫婦・恋人のようなものだ。

 一般的な共和国偏見は日本のナショナリズムによる仮想敵国の設定に拠るものだ。戦後、ソ連、中国、朝鮮の順番に設定された。その残滓は北方領土問題、釣魚島問題であろう。いずれも根拠がない、日本支配階級から日本人民に掛けられた思想攻撃である。日本共産党はそれが判っていながら、選挙怖さに敵の攻撃に屈服している。いま日米「韓」三国軍事同盟を言わず、共和国のミサイル発射を非難する的外れ。志位ー小池執行部はもはや飽和状態にある。都議選が愉しみである。野党共闘が楽しみである。いったい日本共産党は小池の与党なのか、それとも野党なのか、それさえも不明である。選挙になるわけがない。敗北必至。

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  追加

実行犯の女二人は起訴されて、次の公判は4月だから警察の手から離れている。したがって新情報はない。だだインドネシアの女関係で、インドネシアの情報機関の言葉をどこかがリークしていた。つまり共和国に戻ったと言われている男4人の内のひとり(実名あり)がかつて2年前にインドネシアに共和国大使館2等書記官として赴任していたという情報である。この男はその後カンボジア勤務だったと言う。彼がインドネシアの実行犯の女と接触していたらしいとの情報である。然し私はこの情報は疑わしいと思う。少なくとも女を救う立場にあるインドネシア政府筋の情報ではなかろう。

すっかり忘れていたが、金正雄の息子を名乗る男が脱北支援組織のチョンリマなんたらを名乗る組織のユーチューブに登場した。この組織は「韓国」政府さえも実在を確認していないという。まだ映像は残っているだろう。誰も殆ど相手にしない怪情報である。ヒマな人はどうぞ。

赤旗は赤旗プロパー記事はまったく流さない代わりに、通信社配信記事はけっこう掲載している。そのさい私が悪質だと思うのは、配信記事全てを公平に掲載するのではなく、共和国に否定的な情報だけを選んで載せている事だ。コレは自分の手を汚すことなく、共和国の犯罪を臭わせる悪質な情報操作である。どこまでも共和国の犯罪にしたいのだろう。
  1. 2017/03/12(日) 02:47:27|
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