古本屋通信

箝(かん)口令下の日本共産党

古本屋通信   No 2451    2017年  02月27日


    金正男殺害事件で箝(かん)口令下の日本共産党

 この事件で日本共産党にはかん口令が敷かれている。まず間違いない。つまりいっさい喋るなという通達が、書記局から各都道府県委員会に出され、各都道府県委員会は地区委員会に徹底している。県委員や地区委員は、ネット発信している地方議員や主だった党員にたいして、事件については決して書いたり宣伝したりしないよう、クチコミで伝達している。折しも下りの県党会議と地区党会議の最中である。会議でも徹底されたであろう。以上は私の観測である。確信であるが具体的な伝聞はない。

 日本共産党内は、この問題をめぐって戒厳下にある。これは連日の赤旗を丹念に追えば自明である。

 最初に穀田国対委員長の記者会見があった。その全文が産経新聞で報じられた。ところが不思議なことに、穀田の記者会見を報じる翌日の赤旗から、事件に関して穀田が喋った部分だけが削除されていた。私は既に書いたが、コレは間髪を入れず穀田発言が常幹会議で批判されたからだ。

 ところが翌日、志位が定例の記者会見で、質問に応じるか立ちでほぼ同じことを喋った。穀田も志位も当初は喋る予定はなかったのだが、アホウだから調子に乗って口がすべった。赤旗は穀田の発言はないものにして消してしまった。しかしさすがに委員長の発言を抹殺する事は出来なかった。

  いま日本共産党HPの検索欄に「金正男」と入力すると、志位の記者会見記事だけがヒットする。穀田の記者会見記事はヒットしない。他にヒットする記事は皆無である。但しネット検索欄は赤旗のウェブ版に掲載された記事だけが対象である。ウェブ版に載らなかった時事通信記事はこの限りでない。

 赤旗には今回の事件は(志位の記事以外は)一行も報道されていない。見事なものだ。

 そして、見事なのは赤旗だけではない。私は百人を超える共産党の国会議員・地方議員のHPブログを丹念に調査した。いや議員だけでなく都道府県委員会と地区委員会のHPも調べた。事件に触れたものは一件もなかった。いちいち読んだ訳ではない。たいていのブログには冒頭に検索欄がある。そこに「金正男」と入力しても、ヒットしないのだ。

  周知のように日本共産党においては、国際問題で党の見解を最初に表明できるのは党中央だけである。下部の党機関や党員は、党中央に先立って国際問題に関して、意見を公表することは出来ない。

 今回の事件に関して、党の最高責任者の志位が 「北朝鮮の犯行」 だと断定した。志位だってやりたくてやった訳ではない。降りかかる火の粉を振り払うために仕方なく喋った。そしたら委員長に続けとばかり、下部は一斉に街頭宣伝に繰り出すのではないか。「北朝鮮の蛮行を日本共産党は断固糾弾します。わが党こそが北朝鮮の無法を一貫して最も厳しく糾弾してきましたが、今回の金正男氏の殺害も北朝鮮の手で実行されたと、わが党は確信しています」 と。現にやらなくてもよい「北」の核実験反対の街頭宣伝を、岡山県委員会の植本書記長(当時)らはやっている。

 勿体ぶらないで私の観測を書いておく。最初の穀田の記者会見での発言は、当然ながら常幹会議で問題になった。事後対応を協議した。その場で出されて了解されたのが、穀田発言の抹殺と、今後この問題では、白黒がはっきりするまで党としては一切スルーすると云う方針である。

 然しそれを一番に破ったのが志位であった。つまり記者会見では、直面する共謀罪などの案件についてのみ発表する予定だった。ところがブル新聞の記者は当然ながら金正男事件を突っ込んできた。志位は当然ながら

 「事件の解明はマレーシア警察がやっていますが、報道されるかぎり何ひとつ犯行の決め手となる証拠は見つかっていません。したがってわが党としては捜査の行方を見まもっている段階です

  と答えなければならなかった。後はご存知のとおりヤケクソだった。党常任幹部会委員は志位の尻拭いで大変な騒ぎになった。なんせ党委員長が公式の記者会見の場で喋ったことを全党の意思として総否定するのだ。

  党常任幹部会委員の大変なご苦労を察して余りある。ここにその氏名を挙げて労を労いたい。

常任幹部会委員(25人)
市田忠義、岩井鐵也、浦田宣昭、太田善作、緒方靖夫、笠井亮、紙智子、小池晃、小木曽陽司、穀田恵二、志位和夫、高橋千鶴子、辰巳孝太郎、田中悠、田村智子、田村守男、寺沢亜志也、中井作太郎、浜野忠夫、広井暢子、藤野保史、不破哲三、水谷定男、森原公敏、山下芳生



 日本共産党は街頭宣伝で、なぜ 「北朝鮮の蛮行を許すな。金正男さんの暗殺を許さないゾ」 と宣伝活動をやらないのでしょうか? だって穀田国対委員長と志位委員長によると 「北朝鮮の蛮行を最もきびしく糾弾してきたのはわが党だった」 そうですから、態度を終始一貫しないとヘンじゃあないですか?
  1. 2017/02/27(月) 05:33:39|
  2. 未分類