古本屋通信

「自共対決の時代」は何処へ?

古本屋通信   No 2380    2017年  01月18日


 3年前の「自共対決時代の本格的な始まり」は何処へ行ったのか?


  日本の基本的な支配構造も、安倍政権の暴走も、3年前と変わっていない。当時の民主党と現在の民進党は全く変わっていない。変わったのは志位ー小池執行部の頭の中だけである。自分たちの延命のためだけに、たたかいの基本方針を勝手に変えられては、日本共産党を支持している幾百万の人民大衆は堪らない。多く言う必要はない。3年前に満場一致で可決した第26回大会決議をここに採録(再録)する。

  「本格的な自共対決の時代はいま始まったばかり」ではなかったか? それが一転して「野党と市民の共闘の時代」に変わった。その変化の必然性は第27回大会決議案のどこにも書かれていない 。われわれはコレをフツウの言葉で転向という。或いは裏切りと呼ぶ。

 古本屋通信が変化についていけないと言った奴がいた。「(市民)革命」を批判したら、「革命」などという半世紀以上前の言葉を、党綱領どおりに捉えるのは愚の骨頂と云われた。「滑稽だ、普通の日本語で」 と云う。ならば、私は「滑稽」でありたい。教条主義者でありたい。「人、吾を教条主義者と言う」(戸坂潤)。



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日本共産党第26回大会決議   2014年1月19日(日)

 18日に採択された日本共産党第26回大会決議は、次のとおりです。


目次

第1章 「自共対決」時代の本格的な始まりと日本共産党

 (1)「自共対決」時代の本格的な始まり

 (2)これまでにない新しい特徴はどこにあるか

 (3)日本共産党の不屈の奮闘がこの時代を切り開いた

 (4)この情勢に日本共産党はどういう政治姿勢でのぞむか

第2章 世界の動きをどうとらえ、どう働きかけるか

 (5)「世界の構造変化」が生きた力を発揮しだした

 (6)アメリカをどうとらえるか――党綱領の立場を踏まえて

 (7)平和の地域共同体の前進と発展――東南アジア、中南米の動きについて

 (8)「核兵器のない世界」をめざすたたかい

 (9)民主的な国際経済秩序を確立するためのたたかい

 (10)地球温暖化対策の取り組みの到達点と今後の課題

 (11)日本共産党の野党外交の発展について

第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす

 (12)安倍自民党政権の危険な暴走、それがはらむもろさと矛盾

 (13)東日本大震災からの復興を最優先課題に

 (14)暮らしと経済――大企業応援から暮らし応援の政治への抜本的転換を

 (15)原発とエネルギー――原発政策の発展と焦眉の課題

 (16)「アメリカいいなり」をやめ、独立・平和の日本を

 (17)北東アジア平和協力構想を提唱する

 (18)日本国憲法を守り、生かすたたかいを

 (19)侵略戦争を肯定・美化する歴史問題での逆流を日本の政治から一掃する

 (20)統一戦線の現状と展望について

第4章 国政と地方政治で躍進を本格的な流れに

 (21)来るべき国政選挙で党躍進をかちとる意義と目標について

 (22)地方政治をめぐる焦点、地方選挙での躍進をめざして

 (23)結びつきを生かして選挙戦をたたかう方針――「選挙革命」を発展させる

第5章 躍進を支える質量ともに強大な党建設を

 (24)“第3の躍進”を支え、「成長・発展目標」を保障する強大な党を

 (25)党建設の重視すべき基本方向について

 (26)全党あげて世代的継承のとりくみに力をそそごう

 (27)党機関の指導の改善・強化、態勢の強化について

第6章 日本における未来社会の展望について

 (28)“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか

 (29)日本における未来社会は、きわめて豊かで壮大な展望をもっている


第1章 「自共対決」時代の本格的な始まりと日本共産党

(1)「自共対決」時代の本格的な始まり

 民主党の裏切りへの国民の失望と怒りの高まりのなか、2012年12月の衆議院選挙で、自民・公明政権が復活した。

 2013年7月の参議院選挙では、自公政権が参院でも多数を握る一方、野党のなかで日本共産党がただ一つ躍進を果たした。日本共産党の躍進は、1961年に綱領路線を確立して以来、1960年代終わりから70年代にかけての“第1の躍進”、90年代後半の“第2の躍進”に続く、“第3の躍進”の始まりという歴史的意義をもつものとなった。 

 日本の情勢は、「自共対決」時代の本格的な始まりというべき新たな時期を迎えている。

(2)これまでにない新しい特徴はどこにあるか

 日本の戦後政治の底流にはつねに「自共対決」が存在し、これまでもたびたび「自共対決」が政治の前面にあらわれたことがあったが、この間の総選挙と参院選を通じてつくりだされた「自共対決」の政治構図には、これまでにない新しい特徴がある。

自民党と共産党との間の「受け皿政党」が消滅した

 自民党と日本共産党との間の自民党批判票の「受け皿政党」が消滅した。「二大政党づくり」の動きが破たんし、「第三極」の動きがすたれつつあるもとで、日本共産党は自民党への批判を託せる唯一の党となっている。

 こうした政党地図は、戦後日本の政治史でも、かつてなかったものである。1960年代終わりから70年代、90年代後半に日本共産党が躍進した時期にも「自共対決」ということがいわれたが、この時期には、自民党と日本共産党との間に自民党批判票の「受け皿政党」が存在していた。支配勢力は、その後、それらの政党を反共的に再編し、日本共産党抑え込みのシフトをつくりあげていった。しかし今回は、そうした中間的な「受け皿政党」が存在しない。 「自共対決」という政党地図が、かつてない鮮やかさをもって、浮き彫りになっている。

②社会の土台では、「二つの異常」を特徴とする政治が崩壊的危機に

 政治の表層では、自民党とその補完勢力が多数を握っているが、社会の土台においては、「二つの異常」――「アメリカいいなり政治の異常」「極端な大企業中心主義の異常」を特質とした自民党政治が、行き詰まりを深刻にし、崩壊的危機におちいっている。

 「異常な財界中心」の政治を続けてきた結果、日本は、働く人の所得が減り続け、経済全体が停滞・縮小する国となり、国内総生産比での長期債務残高が先進国で最も高い水準の国に落ち込んでいる。

 「異常な対米従属」の政治によって、米軍基地問題の矛盾が限界点をこえるとともに、TPP(環太平洋連携協定)問題にみられるように日本の経済主権・食料主権が根底から破壊される危機に直面している。

 日本社会は、60年余続いた自民党型政治の総決算が求められる時期を迎えている。安倍政権は、自民党政治の深刻な危機の反動的打開を求めて、あらゆる分野で暴走を開始しているが、それは自民党政治の行き詰まり、国民との矛盾をいっそう激化させるものである。古い自民党型政治の継続か、その抜本的転換か――あらゆる分野で二つの道の対決が、こんなに鋭く問われているときはない。

③「一点共闘」がさまざまな分野で広がる画期的動きが生まれている

 「二つの異常」と国民との矛盾の激化のもとで、一致する要求・課題で共同する「一点共闘」がさまざまな分野で広がり、これまでにない広範な人々が立ち上がり、この共同の輪のなかで日本共産党が重要な役割を果たすという、画期的動きが生まれている。

 どの「一点共闘」も、その掲げている要求を本気で解決しようとすれば、「二つの異常」を特徴とする自民党政治の根本の枠組みにつきあたらざるをえないという性格を、本質的に持っている。

 政治の表層では、自民党とその補完勢力が多数でも、社会の土台においては、国民の多数派と日本共産党が共同するという動きが力づよく発展している。

(3)日本共産党の不屈の奮闘がこの時代を切り開いた

 「自共対決」の時代を切り開いた根底には、日本共産党の不屈の奮闘があった。2003年に本格的に始まった「自民か、民主か」という「二大政党による政権選択論」の大キャンペーンは、わが党排除の猛烈な逆風をもたらした。この反共作戦によって、わが党は、国政選挙で繰り返しの後退・停滞を強いられたが、選挙のたびに、そこから冷静に教訓を引き出し、次のたたかいに挑んだ。この不屈のたたかいの積み重ねが、「二大政党づくり」を破たんに追い込み、日本政治の新しい時代を開いた。 わが党の不屈のたたかいを支えたものは何だったか。

 第一は、2004年の第23回党大会で新しい綱領を決定したことである。綱領は、表面のあれこれの動きに左右されずに、情勢を根底からとらえる羅針盤となった。また綱領が、日本の民主的改革の内容を21項目にわたって具体的に明らかにしたことは、わが党の政策活動の発展にゆるぎない土台をあたえるものとなった。それは、消費税に頼らない別の道を示した「経済提言」、国民の所得を増やして景気回復をはかる道を示した「賃上げ・雇用アピール」、原発をすみやかになくし再生可能エネルギーへの転換の道を示した「即時原発ゼロ提言」、日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるかを示した「外交ビジョン」、領土問題での見解など、一連の政策提起の発展となって実をむすんだ。

 第二は、どんな情勢のもとでも、「国民の苦難の軽減」という立党の精神を発揮して、頑張りぬいたことである。「二大政党づくり」の動きは、反共作戦であるとともに、国民の暮らし・平和・民主主義を破壊する反国民作戦でもあった。自民党と民主党が競い合って弱肉強食の「構造改革」路線を進めるもとで、国民生活のあらゆる分野での状態悪化、貧困と格差が深刻になったが、日本共産党は、全国どこでも草の根から国民の苦難軽減、国民要求の実現に献身してきた。東日本大震災にさいしても、わが党は、立党の精神に立った大奮闘をおこない、被災者の方々の信頼を高めた。

 第三は、自前の組織と財政をつくり支えるために、うまずたゆまず努力を続けてきたことである。いま、日本共産党に対して「スジを通す党」という高い評価が寄せられるが、それができるのは、日本の前途を開く綱領を持つ党であるとともに、草の根で国民と結びつき、自前の組織と財政をもっている党だからである。それは、国民の中に根をもたず、風まかせ、政党助成金だのみで、党を作ったり壊したりを繰り返すとの対比で、きわだったものである。

(4)この情勢に日本共産党はどういう政治姿勢でのぞむか

 この情勢のもとで、日本共産党は、つぎの三つの姿勢を堅持して奮闘する。

 「対決」――わが党は、自民党安倍政権の危険な暴走と真正面から対決して、国民の利益のためにたたかう。今日の政党状況のもとで、この仕事を担える党は日本共産党しかない。自民党政権の危険な暴走を止めてほしいというのは、躍進した日本共産党への国民の期待である。その責任と期待を自覚して奮闘する。

 「対案」――わが党は、日本の前途を開く綱領を持つ変革者の党として、経済、エネルギー、外交をはじめ、どの分野でも、自民党政治の行き詰まりを打開する建設的対案を国民に示し、展望を明らかにする。「二つの異常」を特徴とする古い政治のゆがみを断ち切る改革にとりくんでこそ、希望のもてる未来が開かれることを、太く明らかにしていく。参院選でかちとった議案提案権を活用していく。

 「共同」――安倍政権の暴走の一歩一歩は、国民との矛盾を広げ、国民のたたかいを呼び起こさざるをえない。わが党は、一致する切実な要求にもとづく「一点共闘」をあらゆる分野で発展させ、日本の政治を変える統一戦線をつくりあげるために奮闘する。

 日本共産党は、これらの三つの政治姿勢を、一体的に堅持して奮闘する。抜本的な「対案」を持つ党でこそ、真正面からの「対決」を貫くことができる。「対決」にしても、「対案」にしても、国民多数のたたかいとの「共同」という努力によってこそ、現実政治を動かす力を発揮することができる。

第2章 世界の動きをどうとらえどう働きかけるか

(5)「世界の構造変化」が生きた力を発揮しだした

 20世紀におこった世界の最大の変化は、植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原理となり、100を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家になったことにあった。これは、まさに「世界の構造変化」と呼ぶにふさわしい巨大な変化だが、今日の世界の特徴は、この構造変化が、世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだしたところにある。

 一握りの大国が世界政治をもっぱら動かした大国中心の時代は終わり、国の大小での序列がない世界になりつつある。世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれつつある。わが党は、日本の平和団体とともに、2010年NPT(核不拡散条約)再検討会議に参加したが、この国際会議のなかでも途上国と新興国の代表が、全体会議の議長や第1委員会委員長(核軍縮)、国連軍縮問題担当上級代表など、会議を運営する要の職につき、実に生き生きと文字通り主役を演じていた。

 「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」をめざす流れが発展しつつある。10年前の2003年、米国など一部の諸国は、国連安保理事会の決議もないまま、無法なイラク戦争に突入した。しかし、2013年、米国などが行おうとしたシリアへの軍事介入は、国際世論の包囲によって阻止され、問題は国連にゆだねられ、国連安保理は、シリアに化学兵器廃棄を義務づけ、外交的解決に道を開く決議を全会一致で採択した。前途には紆余(うよ)曲折がありうるが、これは国連事務総長がのべたように、「歴史的」な決議といえる。これは、どんな大国といえども、簡単には国連憲章を踏みにじった軍事力行使はできなくなっているという、現在の国際政治の姿を示すものとなった。

 世界の経済秩序という点でも、1975年に始まった「先進国サミット」――当初は「G6」、「G7」をへて「G8」――という枠組みでは、世界的な諸問題に対処できなくなり、2008年の世界経済危機をへて、「G8」は新興国・途上国を含めた「G20」に席を譲った。さらに、「G20」の限界も指摘されるようになり、国連加盟国すべてが参加する「G192」も提唱された。経済協力開発機構(OECD)報告書「富の移動」や国連開発計画(UNDP)報告書「南の台頭」などが示すように、新興国・途上国は、世界のGDPに占める割合を年ごとに高め、経済的な力関係が大きく変わりつつある。一部の発達した資本主義国が世界経済を牛耳っていた時代はもはや過去のものとなった。

(6)アメリカをどうとらえるか――党綱領の立場を踏まえて

 わが党は、第24回党大会・第25回党大会の決定で、党綱領の立場を踏まえて、アメリカの動向に複眼で分析を加えてきた。すなわち、軍事的覇権主義に固執しつつ、国際問題を外交交渉によって解決する動きが起こっているという、二つの側面でアメリカの動向をとらえてきた。この見地は、今日のアメリカをとらえるうえで、ますます重要である。

①軍事的覇権主義への固執、外交交渉による対応

 この4年間の米国・オバマ政権の世界戦略の展開は、アメリカの国際的影響力の相対的低下傾向をともないながら、前回党大会が指摘した二つの側面が継続していることを示している。すなわち、オバマ政権は、歴代米国政権の基本路線である軍事的覇権主義の立場を継承・固執しつつ、多国間・2国間の外交交渉による問題解決に一定の比重をおくという世界戦略をとっている。

 米軍による無人機を多用した他国領土内での攻撃作戦が、重大な国際問題になっている。2013年9月に、国連が初めて発表した調査報告書は、アフガニスタン、パキスタン、イエメンなどでの米軍の無人機攻撃の実態を明らかにしている。なかでもパキスタンにおいては、04年以降、少なくとも330回の攻撃があり、死者総数2200人以上、うち600人以上が市民と非戦闘員であった可能性があるとしている。また、米軍特殊部隊がパキスタン領内で、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディンを急襲・殺害したような局地的な軍事作戦を展開している。オバマ大統領は、「われわれが指導性を担ってこそ世界はよりよい場所になる」と宣言したが、軍事的覇権主義への固執は根深いものがある。

 その一方で、オバマ政権は、2011年12月にはイラク戦争の終結を宣言し、イラク駐留米軍は撤退した。アフガニスタンでも2014年末までの米軍戦闘部隊の撤退を言明している。2011年のリビア軍事介入の際には、主役をイギリス・フランス軍にゆだねたうえで空爆を行ったが、最近のシリア問題では国連安保理を通じた外交解決の方向を選択した。北朝鮮の核問題に続いて、イランの核問題も、外交交渉による解決を現実的な選択肢とする方向へとかじを切った。

②アジア・太平洋重視の戦略的「リバランス」(再配置)について

 軍事的覇権主義と外交戦略の二つの手段による対応という特徴は、アジア・太平洋地域を重視する戦略的「リバランス」(再配置)にもあらわれている。

 アメリカは、この地域における戦略でも、日米、米韓、米豪など軍事同盟の強化を第一の戦略においている。米国の軍事的プレゼンス(存在)が、この地域での影響力を維持・強化していくうえで絶対不可欠という戦略には変わりはない。

 同時に、大きく台頭しつつある中国、平和の地域共同体を形成している東南アジア諸国連合(ASEAN)などに対しては、外交的関与によって米国の影響力を強めることを、基本戦略においている。中国に対してアメリカがとっている政策は、旧ソ連に対してのような「封じ込め」ではない。2013年6月の米中首脳会談では、「競争と協力」の側面を含む「大国間の新しいモデル」の構築という方向で関係を発展させることが確認された。

(7)平和の地域共同体の前進と発展――東南アジア、中南米の動きについて

 「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」の担い手として、世界各地で平和の地域共同体が形成・発展しつつあることは、注目すべきである。

①東南アジアで発展している注目すべき平和の流れ

 東南アジアの国ぐには、米国中心の軍事同盟(東南アジア条約機構=SEATO)が解体するもとで、ASEANの発展に力を注いできた。

 ASEANは、東南アジア友好協力条約(TAC)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、東アジアサミット(EAS)、東南アジア非核地帯条約、南シナ海行動宣言(DOC)など、重層的な平和と安全保障の枠組みをつくりあげ、それを域外にも広げてきた。それは、世界とアジアの平和の一大源泉となっている。

 1976年に締結されたTACは、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げ、ASEAN域内諸国の関係を律する平和のルールとしてつくられたが、87年以降は、これを国際条約として域外に広げ、すでにTACは、ユーラシア大陸のほぼ全域とアメリカ大陸にまで及ぶ57カ国に広がり、世界人口の72%が参加する巨大な流れに成長している。

 これらの全体を貫いている考え方は、次のような点にある。

 ――軍事ブロックのように外部に仮想敵を設けず、地域のすべての国を迎え入れるとともに、アジアと世界に開かれた、平和の地域共同体となっている。

 ――軍事的手段、軍事的抑止力にもっぱら依存した安全保障という考え方から脱却し、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的アプローチで安全保障を追求する、「平和的安全保障」というべき新しい考え方に立っている。

 ――政治・社会体制の違い、経済的な発展段階の違い、文明の違いを、互いに尊重しあい、「多様性のもとで共同の発展をはかる」という考え方を貫いている。

 東南アジア域内を見ても、数多くの紛争問題は存在する。米国がこの地域での影響力を強めようとする動きがあり、他方で、中国も影響力を拡大しようとしている。

 しかし、そのもとでも、ASEANの国ぐには、どんな大国の支配権も認めない自主的なまとまりをつくるとともに、年間1000回を超えるという徹底した対話によって、「紛争を戦争にしない」――「紛争の平和的解決」を実践している。そしてこの平和の流れをアジア・太平洋の全体に、さらに世界へと広げようとしている。この取り組みは、私たちが学ぶべき豊かな教訓を含む、未来あるものである。

②中南米カリブ海に生まれた平和の地域共同の新たな機構

 中南米カリブ海地域では、2010年、中南米カリブ海の33の諸国のすべてが参加した統一首脳会議で、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の設立が宣言され、3年間のさまざまな準備と手続きの後、2013年1月に第1回首脳会議が開かれた。

 2010年の首脳会議では、国際法の尊重、主権の平等、武力および武力による威嚇の不行使、地域の平和と安全保障を推進する恒常的対話などの原則とともに、連帯、社会的包含、補完性、自発的発展などを基礎に活動することが確認された。

 さらに、2013年の第1回首脳会議では、各国の主権や多元性をふまえ、段階的に地域統合をすすめていく方向が強調された。

 CELACが、設立時に「核兵器全面廃絶に関する特別声明」を採択し、それを第1回首脳会議であらためて確認するなど、地球的規模での平和のイニシアチブを発揮していることも注目される。

 他方、2012年、エクアドル、ニカラグア、ベネズエラ、ボリビアの4カ国が「米州相互援助条約(リオ条約)」からの脱退を宣言した。米国の中南米カリブ海地域への軍事干渉、侵略の口実とされてきた軍事同盟=「リオ条約」は、2004年のメキシコの脱退によって事実上の機能不全となっていたが、文字通りの消滅に向かっている。

 ラテンアメリカでの動きは、ASEANで形成されている平和の地域共同体が、世界的に普遍性をもつことを示すものである。

(8)「核兵器のない世界」をめざすたたかい

 前大会決議は、「核兵器のない世界」を現実のものとするうえでの「核心」をなす問題として、①核兵器廃絶のための国際交渉をすみやかに開始すること、②「核抑止力」論から脱却すること――この二つを提起した。前大会からの4年間に、この提起の的確さがいっそう明瞭になるとともに、これらを国際政治の現実の課題として位置づけるうえで重要な前進があった。

 核兵器の全面禁止と廃絶を義務づける核兵器禁止条約が焦点となり、「核兵器禁止条約の交渉開始」が現実の課題として提起されるようになった。

 2010年のNPT再検討会議は、「核兵器のない世界」を実現するために、「必要な枠組みを確立する特別な取り組みをおこなう」ことを確認した。これは「陰に隠れていた核兵器(禁止)条約を明るみに出して焦点をあてたもの」(カバクチュランNPT再検討会議議長)だった。

 第68回国連総会第1委員会(2013年)が、マレーシアなどが提案した核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議とともに、非同盟諸国が新たに提案した核兵器を禁止し廃絶するための包括的な条約についての交渉を緊急に開始することをよびかける決議を、3分の2をこえる圧倒的多数で採択したことも重要である。

 二つの新たな動きが注目される。

 一つは、2013年10月、国連総会第1委員会で発表された「核兵器の人道上の影響に関する共同声明」である。125カ国の連名で発表された「声明」は、核兵器が「無差別的な破壊力」によって「人道的に受け入れがたい結果」をもたらすことを指摘し、「いかなる状況の下でも決してふたたび使われないことが人類の生存にとって利益」であるとし、それを「保証する唯一の道は、その全面廃絶である」と訴えている。被爆者を先頭に日本の反核運動が当初から一貫して訴えてきた核兵器の非人道性、残虐性に、国際社会があらためて注目し、「いかなる状況の下でも」その使用に反対し、廃絶を求める「声明」が採択されたことは、「核兵器のない世界」にむけた積極的な動きである。

 いま一つは、シリアの化学兵器全廃に向けた動きを踏まえて、核兵器の違法化と禁止条約を求める声がいっそう高まっていることである。化学兵器禁止条約(1993年調印、97年発効)は、今回新たに加わったシリアを含め190カ国という圧倒的多数の国ぐにが参加している。今回のシリアをめぐる一連の動きのなかで、化学兵器の全面禁止・廃絶は実現できるのに、なぜ究極の破壊的・非人道的兵器である核兵器の廃絶はできないのかという声が高まっているが、これは強い説得力をもつものである。

 日本共産党は、被爆70周年の2015年に開かれるNPT再検討会議で、「核兵器禁止条約の交渉開始」が国際社会の合意となるよう、世界と日本の反核運動と連帯し、被爆国の政党として力をつくす。

(9)民主的な国際経済秩序を確立するためのたたかい

 世界の構造変化、新興国・途上国の力の増大のもとで、発達した資本主義国だけでは国際経済を律することができなくなる時代が到来している。世界の構造変化に対応した新しい民主的な国際経済秩序が切実に求められている。

 いま何よりも重要なのは、「アメリカ型のルール」など特定の経済システムを押し付けるのではなく、各国の社会体制の違い、発展段階の違い、経済社会の実情の違いを、相互に尊重し、各国の経済主権の尊重にたった、対等・平等・互恵の国際経済秩序を築くことである。こうした方向は、世界政治のなかで現実の課題にのぼってきている。2009年9月のG20サミット(ピッツバーグ・サミット)の「宣言」で、「経済発展及び繁栄には異なるアプローチがあること、また、これらの目標に到達するための戦略は、各国の状況により異なり得る」ことが明記されたことは重要である。

 とくに次の諸点で、国際経済における民主的ルールを確立し、多国籍化した大企業への民主的規制を行うことが緊急に重要となっている。

 ――投機マネーの横暴をやめさせるルール。投機マネーによるマネーゲームが、実体経済に大きな打撃を与えるとともに、原油や穀物の高騰など各国国民の暮らしを圧迫している。この間、G20では、リーマン・ショックを受けて、各種の金融規制が検討され一部実施されている。さらにEU11カ国が「金融取引税」の導入で合意した。こうした動きを国際的にも広げていく必要がある。

 ――多国籍企業による「課税逃れ」をやめさせるルール。G20でも、この問題は「かつてないほどの優先課題」と位置づけられ、「多国籍企業が低税率の国・地域に利益を人為的に移転することによって支払う税の総額を削減することを国際的な及び自国の課税ルールが許容または奨励しないようにすることを要請する」と言及された。

 ――法人税の引き下げ競争をやめさせるルール。この間、世界各国で法人税の引き下げ競争が続き、各国の政府の財源が枯渇し、債務が膨れ上がる、「多国籍企業栄えて国滅ぶ」という深刻な事態が生まれている。「法人税を下げて企業が元気になれば国の経済が豊かになり、税収も増える」という「神話」は、もはや通用しないことが事実で証明された。この問題については、OECDが「有害な税の競争」と繰り返し警鐘を鳴らしてきたが、2010年のG20でも是正の必要性が提起され、2011年のEU首脳会議では、ドイツとフランスが「法人税の最低税率の導入」を共同で提案した。法人税の引き下げ競争をやめさせ、国際協調によって下げ過ぎた法人課税の引き上げをはかることは、急務となっている。

 ――国際的な人件費引き下げ競争をやめさせるルール。グローバル競争の激化のもとでの国際的な「人件費引き下げ競争」が、それぞれの国民経済とともに国際経済のまともな成長の基盤を破壊している。雇用の分野でも「底辺への競争」が行われれば、成長力の源泉である労働者が世界中で「使い捨て」にされ、結局は産業界の力も失われる。2013年9月のG20サミット(サンクトペテルブルク・サミット)の宣言が、「質の高い雇用を通じた成長」を課題にかかげ、「生産的でより質の高い雇用を創出することは、強固で持続可能かつ均衡ある成長、貧困削減および社会的一体性の向上をめざす各国の政策の核である」とのべ、「非正規雇用を減少させるため」の効果的な対策を呼びかけていることは注目される。国際的なルールを強化し、人件費引き下げ競争をやめさせることも、重要な課題である。

(10)地球温暖化対策の取り組みの到達点と今後の課題

 国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、2013年9月、第5次評価報告書の一部として、地球温暖化についての世界の科学者の知見をとりまとめた第1作業部会の新たな報告書を発表した。この報告書では、このままでは、今世紀末までに気温上昇は最大で4・8度、海面上昇は82センチメートルと予測されている。世界各国は、2010年に、気温上昇を産業革命前と比べて2度以下に抑えるという目標を確認しており、これを超えると生態系と人間の生存条件に深刻な影響をおよぼす恐れが生じるとされている。今回の報告は、温暖化の抑制が、人類にとっていよいよ差し迫った課題になっていることを示している。日本国内でも、最高気温の更新、経験したことのない豪雨の多発、台風の猛威など、温暖化の進行を背景とした現象が起きていることは、重大である。

 京都議定書が定めた温室効果ガス削減の第1約束期間(08~12年)が最終期限を迎えるなか、国際社会は、2011年のダーバン会議(COP17)、12年のドーハ会議(COP18)などを通じて、①2013~20年について京都議定書の第2約束期間を設ける、②2020年からは気候変動枠組み条約の下での新しい枠組みを設けることにし、その具体的内容について2015年までに合意することを確認した。また先進国による途上国支援について、2020年までに毎年1000億ドルの拠出を行うことが位置づけられた。

 しかし、第2約束期間については、京都議定書に未加盟の米国、カナダに加えて、日本、ロシア、ニュージーランドが第2約束期間から離脱するなど、世界全体の排出量の4分の1強を占める主要排出国が削減義務に参加していない。

 さらに、2020年からの新しい枠組みについては、この枠組みが先進国・途上国を含め「すべての締約国に適用」されることで合意され、途上国も一定の削減義務を負う見通しとなったが、その具体的内容については、先進国と途上国が依然として対立し、新たなコンセンサスをつくるにいたっていない。

 2013年11月のワルシャワ会議(COP19)では、「最低限の合意」として、途上国を含むすべての国が、2015年3月までに国別貢献(目標)案を提出することを決め、同年11月のパリ会議(COP21)までに新たなコンセンサスを作るための交渉が続けられることになった。

 ――温暖化に歴史的責任を負っている先進国は、「共通だが差異ある責任」の原則に立って、①意欲的な削減目標を自らの責任として追求するとともに、②途上国にたいして、温室効果ガスを大量排出しながら経済発展をすすめてきた先進国とは異なる経済発展の道があることを示し、それにふさわしい技術・資金援助を行うという「二重の責任」を果たすことが、引き続き強く求められる。

 ――途上国の「発展の権利」を当然保障しながらも、中国が最大の排出国として世界全体の温室効果ガスの4分の1を占め、インドも5・4%を占めるなど、新興国が主要排出国として登場している現状を踏まえれば、途上国としても国際的な拘束力のある枠組みに積極的にくわわることが期待される。

 ――日本政府は、福島原発の大事故で、火力発電の拡大が不可避になったとして、2020年までに90年比25%削減としていた目標を撤回し、さらに、2020年までに、「暫定的」に05年比で3・8%減の目標、すなわち90年比では約3%増という「増加目標」をCOP19で表明した。これは世界第5位の大量排出国としての責任を投げ捨てる態度である。イギリス、EU、途上国など多くの国ぐにから「失望した」「逆行するもの」「著しい後退」など厳しい非難が集中した。火力発電所の拡大は緊急避難的にはやむをえないとしても、根本の原因は、日本政府が原発だのみのエネルギー政策を推進し、再生可能エネルギーの普及や低エネルギー社会への取り組みに本腰を入れてこなかったことにある。「即時原発ゼロ」の政治決断を行い、再生可能エネルギーの急速で大幅な導入へ抜本的に転換することで、温室効果ガスの削減についても、意欲的な削減目標を掲げ、積極的な責任を果たすという立場をとるべきである。そのさい、「大量生産、大量消費、大量廃棄」、長時間労働、「24時間型社会」などのエネルギー浪費社会の抜本的な見直しを行うことも、重要である。

(11)日本共産党の野党外交の発展について

 日本共産党の野党外交は、前大会後の4年間にいっそう多面的に展開された。

 東アジア、南アジア、中央アジア、中東、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、イスラム諸国などとの交流がさらに発展した。2010年4月~5月に米国訪問を行い、日本の平和団体の代表とともにNPT再検討会議に参加し、「核兵器廃絶のための国際交渉の開始」を各国代表団に要請するなど、この国際会議が成果をおさめるために力をつくした。米国政府に沖縄基地問題でのわが党の立場を伝える活動も行った。この間、わが党と韓国の政府、政党、各界との関係が豊かに発展したことも重要である。

 第6回アジア政党国際会議(10年12月、カンボジア・プノンペン)、第7回同会議(12年11月、アゼルバイジャン・バクー)のほか、多彩な内容をもつ関連会議に精力的に参加し、会議の成功に貢献するとともに、アジアの諸政党との交流を深めた。非同盟運動の第16回首脳会議(12年8月、イラン・テヘラン)、外相会議(11年5月、インドネシア・ヌサドゥア)にオブザーバーとして参加した。

 野党外交のなかで、わが党は、党綱領にもとづいて、「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」、「核兵器のない世界」、「侵略戦争と植民地支配の反省を踏まえての真の友好関係」、「各国の経済主権の尊重のうえに立った民主的な国際経済秩序」、「異なる諸文明の対話と共存の関係の確立」などの立場を貫いて活動した。とくにこの間、核兵器廃絶など国際政治の熱い焦点の問題で、わが党が国際的道理に立った外交活動にとりくみ、世界の平和と社会進歩に貢献してきたことは重要である。私たちは、野党外交を通じて、綱領が掲げた国際連帯の課題が、世界のどこでも通じる普遍的意義をもつことを強く実感してきた。野党外交は、大きく変わりつつある世界にたいする私たちの認識をより豊かなものにするうえでも大きな意義をもつものとなっている。

 わが党は、野党外交をさらに発展させるために力をつくす。

第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす

(12)安倍自民党政権の危険な暴走、それがはらむもろさと矛盾

 安倍自公政権は、衆参両院で多数を握っているが、政治的には決して盤石ではない。この内閣の基盤はきわめてもろく、深刻な矛盾をはらんでいる。

①暴走の具体化の一歩一歩で、矛盾と自己破たんに直面している

 消費税大増税、社会保障切り捨て、原発推進、集団的自衛権行使容認、秘密保護法強行など、安倍政権の暴走の具体化の一歩一歩が、多数の民意に逆らうものであり、国民とのあいだでの矛盾を深めつつある。

 わけても、それぞれの暴走が、支配勢力なりの説明もつかなくなるという政治的自己破たんに直面していることは、重要な特徴である。

 消費税大増税と一体の大企業へのバラマキ政治は、「社会保障のため」「財政再建のため」という従来の増税合理化論を自ら壊す結果となっている。口では労働者の「賃上げ」の必要性を認めながら、現実にやっていることは労働法制の規制緩和による「賃下げ政策」の推進である。TPP推進も、「守るべきものを守る」という自らの公約を根底から否定する方向への暴走である。集団的自衛権の行使容認は、戦後、半世紀にわたって自民党政権が積み上げてきた憲法解釈を自ら否定するものとなる。

②歴史逆行・復古的な政治姿勢が、大きな矛盾をひきおこしている

 過去の侵略戦争と植民地支配の肯定・美化、「自民党改憲案」にみられる戦前に回帰するような基本的人権の否定、近代の社会保障理念を否定し、19世紀に逆戻りするような「自己責任」・「家族責任」論など、安倍政権の歴史逆行・復古的な政治姿勢は、国内はもとより、国際的にも、大きな矛盾をひきおこしている。

 とりわけ、安倍首相の靖国参拝に示される侵略戦争を肯定する歴史観・行動は、第2次世界大戦後の国際政治の土台を覆すものであり、国際的に容認されるものではない。それは、中国、韓国などとの深刻な外交的行き詰まりの根源となっているだけでなく、彼らが最大のよりどころとしているアメリカからも批判が起き、アメリカのアジア戦略とも軋轢(あつれき)を生むようになっている。

③自らの暴政が、組織的な大後退、空洞化をもたらしている

 安倍自民党政権の脆弱(ぜいじゃく)さは、従来の自民党が持っていた「国民的基盤」を大きく失っていることにもあらわれている。自民党の党員数は、547万人(1991年)から79万人(2012年)に激減した。TPP推進、消費税大増税、社会保障の連続改悪、あらゆる分野での「構造改革」路線の推進などで、業界・団体の支持を失い、業界や地域の有力者が離れていった結果である。自らの暴政が、自民党の組織的な大後退、空洞化をもたらしている。そして、自民党から離れた人々が、さまざまな課題で「一点共闘」でわが党と共同するという、大変動が起こりつつあるのである。

 安倍政権の暴走は、危険きわまりないものであるが、恐れる必要はない。この暴走の先に未来はない。この暴走が、早晩、深刻な政治的激動、政治的危機を引き起こすことは、疑いないことである。

 日本共産党は、安倍政権の暴走と正面から対決し、あらゆる分野で対案を示し、国民との共同を広げ、奮闘するものである。

(13)東日本大震災からの復興を最優先課題に

 未曽有の大災害となった東日本大震災から3年近くが経過し、被災地では懸命の努力が重ねられているが、いまだに被災者の9割が仮設住宅など避難生活から抜け出せず、長期化とともに先の見通しがもてずにいる。医療・介護など被災者支援の無慈悲な打ち切り、しゃくし定規な制度のしばり、「復興」に名を借りた大型開発や規制緩和など、国の姿勢が復興の妨げになっている。

 この間、被災者・国民の運動で、住宅再建への最大300万円の支援制度や、被災事業者を支援するグループ補助などの成果も生まれている。日本共産党は、3次にわたって復興にむけた「提言」を提起し、被災者支援に党としてもとりくむなど、力をつくしてきた。何よりも、被災者の生活と生業(なりわい)、地域社会が再建され、被災者が自力で歩きだせるまで、国が支援を行うことを要求する。「個人財産の形成になる」といって、住宅、商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという旧来の災害対策の「原則」を取り払い、住宅と生業の再建に必要な公的支援を行うことを、復興の基本原則にすえることを求める。福島県では、多くの人々が原発事故で暮らしの基盤を奪われ、14万人近い人々が先の見えない避難生活を強いられ、震災関連死は1600人を超えた。国の責任で、全面賠償と、命・健康・暮らし・環境を守る対策を徹底することを求める。国政上の最優先課題として、東日本大震災の復興にとりくむ。それは国民の苦難軽減という立党の精神にたったたたかいであるとともに、日本の政治のゆがみをただす事業としても重要である。

 阪神・淡路大震災の被災者を、借り上げ復興公営住宅から追い出すことを許さないたたかいなど、各地の被災者の運動と連帯して奮闘する。

(14)暮らしと経済――大企業応援から暮らし応援の政治への抜本的転換を

 安倍政権が「アベノミクス」の名ですすめている経済政策は、新しいものではない。「大企業を応援し、大企業がもうけをあげれば、いずれは雇用、賃金、家計にまわってくる」という、古い破たんした「トリクルダウン」の理論――“おこぼれ経済学”にほかならない。これが、日本経済に「好循環」をもたらすどころか、衰退の「悪循環」しかもたらさなかったことは、すでに事実が証明している。日本共産党は、この逆立ちした経済政策と正面からたたかい、国民の暮らしを直接応援して、日本経済の危機を打開し、健全な成長への好循環をつくるために奮闘する。

①働く人の所得を増やす経済改革で経済危機を打開する

 第一の柱は、働く人の所得を増やす経済改革――賃上げと安定した雇用の拡大によって経済危機を打開することである。

 日本共産党は、前大会決定で、「大企業が蓄積した過度の内部留保を雇用や中小企業、社会に還元せよ」という提起を行った。この主張は、当初、日本共産党や自覚的な民主勢力に限られていたが、いまや大きな国民世論となっている。賃上げで国民の所得が増えなければ不況は打開できないことは、政府も、財界ですら、否定することができなくなっている。「内部留保の活用で賃上げを」という主張も、否定することができなくなっている。これは、わが党の主張が道理にかなったものであり、日本経済の危機を打開する唯一の道であることを、証明するものにほかならない。

 ところが、安倍政権がやろうとしていることは、派遣労働の無制限の拡大、解雇の自由化、「サービス残業」の合法化など、不安定雇用と長時間労働をいっそうひどくする「賃下げ政策」である。賃上げの必要性を認めながら、現実にすすめているのは、大企業の目先の利益優先で、「賃下げ政策」を次々に繰り出す。行き詰まりと自己破たんは深刻である。

 日本共産党は、「賃上げで不況打開を」を、労働者・国民の連帯したたたかいによって、国民世論から現実のものとするために、全力をあげる。

 ――政府として経済界に「内部留保の活用で賃上げを」と正面から提起することを求める。賃金を決めるのは労使の交渉だが、政府として経済界に内部留保の活用を正面から提起し、賃上げの実行を迫ることは、賃上げの世論を広げる大きな力となる。

 ――雇用のルールを強化し、非正規社員の正社員化をはかり、人間らしい雇用を保障する。派遣労働の無制限の拡大をはじめ、雇用のルール破壊にきびしく反対する。労働者派遣法の抜本改正、均等待遇のルールの確立によって、正社員化の流れを促進する。ブラック企業を規制し、異常な長時間労働をただし、無法なリストラ・解雇を規制するルールをつくる。

 ――政府自身が直接に行える賃上げ政策――最低賃金の大幅な引き上げ、公契約法・条例の制定をすすめる。公務員の賃金引き下げ政策を中止する。法人税減税が賃上げにつながるというのは、何の保障もない。賃上げのための財政支出というなら、最賃引き上げのための中小企業への賃金助成や社会保険料減免などの支援が最も効果的である。

②消費税大増税に反対し、税財政と経済の民主的改革で財源をまかなう

 第二の柱は、消費税大増税に反対し、税財政と経済の民主的改革によって、社会保障充実と財政危機打開をはかることである。

 2014年4月からの消費税大増税は、税率を8%に引き上げるだけでも8兆円の増税、年金削減など社会保障の負担増・給付減を合わせれば10兆円もの、文字通り史上空前の負担増である。政府は、「経済再生と財政再建の両立をはかる」というが、これが強行されれば、国民の暮らしと中小企業の経営にはかりしれない深刻な打撃をもたらし、経済も財政も共倒れの破たんに追い込まれることは明らかである。

 ――消費税に対する立場の違いを超えて、「4月からの消費税増税の中止」の一点で、国民的共同を広げ、増税の実施を阻止するために奮闘する。

 ――日本共産党は「経済提言」で、「消費税に頼らない別の道」を提唱している。①大型開発や軍拡などの浪費の一掃と「応能負担」の原則に立った税制改革で財源を確保する、②国民の所得を増やす経済改革で日本経済を健全な成長の軌道にのせ税収増をはかる――この二つの柱を同時並行ですすめ、社会保障充実と財政危機打開の道を開こうというものである。この道こそが、現在の経済、財政、社会保障の危機を一体的に打開する唯一の道である。

③社会保障の解体攻撃とたたかい、社会保障再生、拡充をはかる

 第三の柱は、安倍政権がすすめる社会保障の解体攻撃とたたかい、社会保障の再生、拡充をはかっていくことである。

 安倍政権がすすめる「社会保障制度改革」は、「制度改革」の基本を「国民の自助・自立のための環境整備」とし、憲法25条に基づく社会保障を解体して、公的支えをなくし、国民を無理やり「自助」に追い込むというものである。

 自らの悪政によって生み出した貧困や生活苦の解決を、「自己責任」と「家族による助け合い」に押し付け、社会保障にたいする国の責任を丸ごと放棄し、医療、介護、年金、子育て、障害者など社会保障のあらゆる分野で手あたり次第の負担増と給付減を強行する――憲法25条に真っ向から逆らう社会保障解体論を許してはならない。

 自公政権が、切り捨て推進の手段としているのが、「生活保護バッシング」に典型的にみられるように、国民の中に対立と分断を持ち込み、「いじめ」と「たたきあい」を広げる攻撃である。社会保障の改悪だけでなく、日本社会の病理を政府自らが作り出し、広げるという、およそ為政者としてやってはならないことを、社会保障解体の主要な手段にしていることは、許すことができないものである。

 ――医療、介護、年金、子育て、障害者、生活保護など、それぞれの制度の改悪に反対するとともに、安倍政権の社会保障解体の攻撃に対して、社会的連帯の力でこれを打ち破り、権利としての社会保障を実現するたたかいを起こすことをよびかける。

 ――日本共産党の「経済提言」に盛り込まれた社会保障の再生・拡充のプログラムは、財源を段階的に確保しながら、「社会保障再生計画」の実行、「先進水準の社会保障」への拡充をすすめるという抜本的かつ現実的な提案となっている。この提案こそ、自公政権がまったく語れなくなった社会保障の現在・将来にわたる展望を指し示し、人間らしい生活を保障する社会保障という国民の願いに全面的にこたえるものである。

④内需主導の健全な成長をもたらす産業政策への転換を

 第四の柱は、内需主導の健全な成長をもたらす産業政策への転換をはかることである。

 大企業が、「国際競争力の強化」の掛け声で、人件費の削減や納入単価の引き下げなど、「コスト削減競争」に走り、内需を犠牲にして、外需でもうけをあげるといういびつな経済をつくりあげてきたことが、今日の「デフレ不況」の悪循環をもたらしている。

 ここを根本から見直し、内需主導の健全な成長をもたらす産業政策に転換することを求めてたたかう。この転換は、大企業の横暴から労働者や中小企業を守るという意味だけでなく、大企業の内部留保を、労働者、中小企業、地域経済に適切に還元・還流することを通じて、日本経済全体の健全な成長・発展の道を開くという重要な意味をもつ。

 ――働く人を大切にして、ものづくりと産業の力を伸ばす。働く人を「使い捨て」にする政治は、労働者から仕事へのモチベーションを奪い、技術力も低下させている。雇用のルールを強め、働く人を大切にする社会をつくることは、産業の発展の源泉であり、消費と需要を支え、日本経済のしっかりとした基盤をつくることになる。

 ――多数の中小企業を排除する「選択と集中」路線から転換し、中小企業全体を視野に入れた振興・支援策を実行する。日本共産党が、2010年4月発表した、抜本的な中小企業政策でものべているように、①中小企業の商品開発、販路開拓、技術支援、後継者育成をはじめとした「振興」策と、②大企業や大手金融機関の横暴から中小企業の経営を守る「規制」策を、中小企業政策の「車の両輪」として行う。

 ――原発依存の産業政策から、自然エネルギーの本格的普及をはかる産業政策への転換をすすめる。自然エネルギーの事業は、幅広い関連産業を持ち、第1次産業、製造業など第2次産業の力を引き出す大きな可能性がある。エネルギー自給率を4%から抜本的に引き上げることは、「資源のない国」という日本の経済、産業の基礎的条件を根本から変えていく力にもなる。

 ――基礎研究を重視し、科学・技術、学問研究の基盤を強化する。大学や研究機関に対して短期的な成果を求める傾向が強まり、しっかりした基礎研究、すそ野の広い学問研究の基盤が危機にひんしている。国の学問研究予算の増額、研究者の雇用の安定をはかり、「目先の成果」に振り回されずに学問研究をすすめられる体制をつくる。

 ――農林漁業を、日本の基幹産業と位置づけ、地域経済を活性化する柱として振興する。「食と農」を破壊するTPPに反対する。政府は、TPP参加によって外国産米の輸入が増えることを見越し、5年後には国内での生産調整を廃止する方針を決めた。小規模農家を淘汰(とうた)し、財界の求めに応じて農地を企業に集積するなど、大規模化を促進するというが、TPP参加によって競争する相手は、農家1軒あたりの平均的な耕地面積で比べても、米国は日本の100倍、豪州は1500倍を超えている。日本の食料自給率を引き下げ、農業を破壊する動きに断固として反対する。食料自給率を50%に引き上げることを当面の目標にすえ、価格保障・所得補償、後継者支援、生産者と消費者の連携、地産地消をはじめ、農林漁業の振興に国をあげてとりくむことこそ急務である。

(15)原発とエネルギー――原発政策の発展と焦眉の課題

 東京電力福島第1原発事故は、原発に対する国民の認識を大きく変え、「原発ゼロの日本」は多くの国民の切実な願いになっている。

 日本共産党は、日本で原子力発電が問題になった1950年代中ごろから、いまの原発技術は未完成で危険なものだとして、すべての原発建設計画に当初からきっぱり反対し、全国で原発建設反対運動をたたかってきた。国会でも、「安全神話」にどっぷりつかり独立した規制機関もなしに原発を推進したこと、使用済み核燃料=「核のゴミ」の処理方法がないこと、地震・津波で全電源喪失が起きる危険があることなど、原発の危険性を具体的に告発し、政府の原発推進政策を追及してきた。

 東北地方を襲った大地震と津波によって、核燃料が溶融する大事故が起きる危険性を指摘してきたわが党の警告は、不幸にして現実のものとなった。

 福島原発事故の経験を踏まえ、日本共産党は、原発・エネルギー政策を発展させる一連の政策提起を行ってきた。

 2011年6月に「原発撤退提言」を発表し、原発は、ひとたび重大事故を起こし、放射能が外部に流出する事態になると、人類にはそれを制御する手段はなく、空間的にも、時間的にも、社会的にも、被害は広がり続けるという「異質の危険」があること、世界有数の地震・津波国日本ではその危険がとりわけ深刻なものになることなどを示し、「安全な原発などありえない」こと、「原発と日本社会は共存できない」ことを明確にし、「原発からのすみやかな撤退」という方針を打ち出した。2011年8月には「放射能汚染から、子どもと国民の健康を守る対策」を提言し、国の責任による放射能汚染の実態の徹底した調査、迅速な除染、避難者支援の抜本的強化、内部被ばくを含む被ばく線量調査をはじめ万全の健康管理を要求した。

 さらに、福島原発事故がいよいよ深刻となるもとで、原発再稼働に反対する世論と運動が大きく広がり、「原発ゼロの日本」の実現が国民多数の意思となり、日本中の原発がすべて停止する事態も生まれた。

 わが党は、こうした事態を踏まえ、2012年9月、「即時原発ゼロ提言」を発表し、原発を再稼働する必要性も条件もないこと、原発を稼働すれば処理方法のない「核のゴミ」が増え続けることなどを指摘し、「すべての原発からただちに撤退する政治決断をおこない、『即時原発ゼロ』の実現をはかること」、「原発再稼働方針を撤回し、すべての原発を停止させたままで、廃炉のプロセスに入ること」などを提起した。

 安倍政権は、原発を「基盤となる重要なベース電源」として、将来にわたって維持・推進し、「再稼働を進める」とした「エネルギー基本計画案」を発表した(13年12月)。これは、「原発ゼロの日本」を願う、国民多数の民意への挑戦にほかならない。

 ――「即時原発ゼロ」の政治決断を求める。福島原発事故では、わが党が指摘した原発の「異質の危険」が猛威をふるい、事故は収束するどころか、被害は拡大しつづけ、放射能汚染水が増え続け、海洋への大規模な放射能汚染の危機、非常事態に直面している。日本共産党は、政府が、「即時原発ゼロ」の政治決断を行うことを、強く求める。「即時原発ゼロ」の政治決断と一体で福島の復興に国をあげてとりくむことを要求する。

 ――きわめて深刻な事態に立ち至っている放射能汚染水の危機打開をはかるため、わが党は、2013年9月、「緊急提言」を発表し、政府に対して、総力を結集した取り組みを求めてきた。①「放射能で海を汚さない」ことを基本原則として確立すること、②放射能汚染水の現状を徹底的に調査・公表し、「収束宣言」を撤回するとともに、非常事態という認識の共有をはかること、③再稼働や輸出のための活動を中止し、放射能汚染水問題の解決のために、もてる人的・物的資源を集中すること、④当事者能力をもたない東電は破たん処理し、国が直接に収束・賠償・除染に全責任を果たす体制を構築することを、強く求めるものである。

 ――原発再稼働、輸出の中止を求める。安倍政権は、財界と一体になって、原発の再稼働への暴走を開始し、原発輸出に奔走している。事故が深刻な非常事態にあるもとでの再稼働や輸出は論外である。「新規制基準」は、各原発の地震・津波想定に対する数値の定めもなく、活断層があっても見えなければその真上に原発を建設してもよく、住民の避難計画は自治体まかせという、きわめてずさんなものであり、これをテコに再稼働をすすめるなど、許せるものではない。原発の新増設は断じて認められない。破たんした核燃サイクル計画からすみやかな撤退を求める。

 ――再生可能エネルギーの大規模な普及と開発をすすめる。原発に頼らず、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギーへの抜本的転換の計画をたてて実行する。エネルギー確保のためには、当面、5~10年程度の期間は、過渡的な措置として、火力による電力の確保が必要になるが、その間に、再生可能エネルギーの大規模な普及と低エネルギー社会への移行をすすめる。原発推進派は、「供給が不安定」「コストが高い」などというが、再生可能エネルギーは普及がすすめばすすむほど、また多様なエネルギーの組み合わせがすすむほど、供給が安定し、コストも低くなる。「高コスト」というなら、原発こそ究極の「高コスト」であることは、福島原発の現実が示している。日本の原発の40倍にのぼる巨大な潜在力をもつ再生可能エネルギーへの大転換にこそ、未来はある。

 「原発ゼロの日本」をめざすたたかいは、「原発利益共同体」ともよばれている利権集団を解体し、「ルールある経済社会」をつくるたたかいの重要な一部である。それは、エネルギーの対米従属を打破していくたたかいでもある。日本共産党は、このたたかいを、「二つの異常」をただす綱領的課題の一つとして位置づけ、全力をあげて奮闘する。

 原発のもつ「異質の危険」は、世界のどの原発にもあてはまる問題である。人類は、スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマと3回の原子力大災害を体験しており、私たちは、やがて「原発ゼロ」は世界の大勢になると確信している。すべての原発を廃炉にし、「核のゴミ」を処分することは、人類の英知を結集してとりくむべき巨大プロジェクトとなるだろう。福島原発事故を体験した日本こそ、「原発のない世界」にむけて、国際的プロジェクトをすすめるイニシアチブを発揮すべきである。

(16)「アメリカいいなり」をやめ、独立・平和の日本を

 日米安保条約の発効から60年をへて、この条約を背骨とした「異常なアメリカいいなりの政治」は、あらゆる分野で行き詰まりを深め、国民との矛盾が噴き出している。

①沖縄をはじめとする米軍基地問題の異常な実態をただす

 2010年以降、普天間基地の「県内移設反対」が県民の文字通りの総意になったにもかかわらず、日米両政府はこの総意を無視して、「辺野古移設」を「唯一の解決策」として力ずくで押し付けようとしている。「沖縄の負担軽減」といいながら、現実にやっていることは、辺野古に最新鋭の巨大基地を押し付け、垂直離着陸機・オスプレイを配備して沖縄全土をわがもの顔に飛行させ、嘉手納基地にステルス戦闘機を配備し、海兵隊を大幅に増強するなど、負担増のオンパレードである。沖縄県民と米軍基地との矛盾は、いまや限界点をはるかに超えている。米軍基地をなくすことは、沖縄の地域経済を発展させるためにも不可欠となっている。

 安倍政権は、強圧をもって、沖縄県選出の自民党国会議員と自民党県連に、「県外移設」の公約を撤回させ、新基地建設容認に転じさせた。さらに、沖縄振興費など「札束」の力で、仲井真知事に圧力をかけ続け、新基地建設のための埋め立てを承認させた。裏切った者の責任はもとより重大だが、裏切らせた安倍政権の責任はさらに重いものがある。これは、民主主義の国では決してあってはならない暴政であり、断じて許すわけにはいかない。わが党は、「沖縄は屈しない」との沖縄県民の決意に固く連帯してたたかう。

 オスプレイの問題は、沖縄だけではない。滋賀県での日米共同演習を突破口に、七つの低空飛行訓練ルートなど、日本全土でオスプレイの低空飛行訓練が計画され、新たな配備も狙われており、これが実施されれば、その危険性と被害は甚大なものとなる。

 海兵隊や空母打撃群など在日米軍が、「日本防衛」のためではなく、米軍が地球的規模で展開するための前進基地として配置されていることは、歴代米国防長官とともに、日本の元防衛大臣も認めていることである。

 普天間基地の無条件撤去、オスプレイ配備の撤回、無法な低空飛行訓練の中止、海兵隊の撤退、空母打撃群の母港返上、日米地位協定の抜本改定など、異常な「米軍基地国家」の現状をただすたたかいに力をそそぐ。

②秘密交渉と公約違反のTPPから即時撤退を求める

 TPPは、アメリカ型の「貿易と投資の自由化」と「市場原理主義」を「国際ルール」として押し付けようというものである。それは、農林水産業、食の安全、医療など、国民生活と日本経済のあらゆる分野に多大な犠牲をもたらし、日本の経済主権を放棄し、アメリカに日本を丸ごと売り渡す亡国の協定にほかならない。

 こうしたTPPを安倍政権は二重の公約違反で推進している。第一は、「丁寧な情報提供」を約束しながら、徹底した秘密交渉で交渉妥結に突き進んでいることであり、第二は、「守るべきものは守る」とし、農産物の「重要5項目」を「聖域」にすると公約しながら、その関税撤廃の検討に踏み込んだことである。

 秘密交渉と公約違反のTPP交渉からただちに撤退することを強く求める。食料主権、経済主権の相互尊重に立った、互恵・平等の経済関係を発展させるために力をつくす。

日米安保条約廃棄の国民的多数派を

 日本共産党は、こうした直面する熱い矛盾の焦点で、一致点にもとづく共同をそれぞれ発展させながら、日米安保条約を廃棄する国民的多数派をつくりあげるために力をそそぐ。そのさい、「外交ビジョン」で示した「安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広範な国民に語り広げていくことは、きわめて重要である。

 ――安保条約をなくせば、米軍基地の重圧から日本国民が一挙に解放される。安保条約のもとでは個々の基地を動かすにも日米合意が必要になるが、安保条約をなくすには、条約10条の権利を行使して、一方が通告すれば可能になる。日本から米軍基地をなくせば、日本は、アメリカの“戦争の根拠地”から抜け出すことができる。在日米軍のためにあてている血税と土地を、国民のために使うことができる。

 ――日本は、アメリカの“戦争の根拠地”から、憲法9条を生かした“平和の発信地”に大きく変わる。日米軍事同盟をなくしてこそ、日本は、東アジア地域で、軍縮への転換のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができる。「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」、「核兵器のない世界」など、地球的規模での平和の課題に、自主自立の平和外交で貢献する国になることができる。


 ――アメリカとの関係は、日米安保条約に代えて、対等・平等の立場にたって日米友好条約を結ぶ。非同盟諸国首脳会議は、すでに137カ国、55億人が参加(オブザーバーを含む)し、非軍事同盟・中立、国連憲章にもとづく平和の国際秩序、核兵器の廃絶、公正で民主的な国際経済秩序をめざす巨大な潮流として発展しているが、安保条約をなくした日本は、この世界史の本流と合流する。それは世界の平和と進歩への巨大な貢献となる。

(17)北東アジア平和協力構想を提唱する

 北東アジアには、北朝鮮の核兵器問題、尖閣諸島問題などの紛争問題とともに、歴史問題をめぐる対立と相互不信が存在する。今日の情勢のもとで、北東アジアに平和的環境をつくる外交努力を追求することは緊急で重要な課題である。

 東南アジアで発展している平和の地域共同体を、北東アジアでも構築しようというのが、日本共産党の提案である。

 つぎのような目標と原則にたった、北東アジア平和協力構想を提唱する。

 ――関係諸国を律する平和のルールとして、武力の行使の放棄、紛争の平和的解決、内政不干渉、信頼醸成のための効果的な対話と協力の促進などを定める北東アジア規模の「友好協力条約」の締結をめざす。

 ――北朝鮮問題について、「6カ国協議」の2005年9月の「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・ミサイル・拉致・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させる。

 ――この地域に存在する領土に関する紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹する。力による現状変更、武力の行使および威嚇など、紛争をエスカレートさせる行動を厳に慎み、国際法にのっとり、友好的な協議および交渉をつうじて紛争を解決する行動規範を結ぶことをめざす。

 ――北東アジアで友好と協力を発展させるうえで、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる。日本軍「慰安婦」問題など未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さない。

 このような北東アジアの平和協力構想は、いま進展している国際政治の動きをみても、現実性をもっている。

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、2013年5月、米国議会での演説で、「北東アジアの平和協力構想」を提起し、北東アジア全体で多国間対話のプロセスをすすめ、平和と協力のメカニズムを構築することを訴えたことは注目される。6月、中韓首脳会談でかわされた「共同声明」では、「中国側は朴大統領が提起した『北東アジア平和協力構想』を称賛し、原則的に支持する」としている。さらに、10月に開かれた、ASEANプラス3首脳会議でも、「北東アジア平和協力構想」について、参加国の首脳らはこれを歓迎している。続いて12月、インドネシアのユドヨノ大統領が、東京での講演で、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを原則とする「インド・太平洋友好協力条約」の締結をよびかけた。

 軍事的手段・軍事的抑止力にもっぱら依存した安全保障という考え方から脱却し、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的アプローチで安全保障を追求する――「平和的安全保障」という新しい考え方に立ち、軍拡から軍縮への転換をめざし、平和の地域共同体を北東アジアでもつくりあげるために、関係諸国が対話と協力の促進に力をつくすことを呼びかける。

(18)日本国憲法を守り、生かすたたかいを

①憲法改定、「海外で戦争をする国」づくりを許さない

 安倍政権は、憲法9条2項を変えて、「国防軍」をつくることを現実の政治日程にのせることを公言している。これは自衛隊の名称変更というような形式論ではない。9条2項という「歯止め」を取り払えば、日本が「海外で戦争をする国」に変えられてしまう。

 重大なのは、安倍政権が、「積極的平和主義」を看板に、明文改憲の前にも解釈改憲によって集団的自衛権行使を可能にしようとしていることである。

 安倍政権は、2013年の臨時国会で、外交・安保政策の「司令塔」となる国家安全保障会議(日本版NSC)法と、秘密保護法を強行した。その後、初の「国家安全保障戦略」を閣議決定し、それにもとづく新「防衛大綱」、新「中期防衛力整備計画」を策定した。それは従来の「専守防衛」の建前さえ投げ捨てて、自衛隊の侵略的機能の強化をはかろうとするものである。さらに、2014年の通常国会で、集団的自衛権行使を現実のものとする「国家安全保障基本法案」を成立させることを狙っている。

 秘密保護法は、国政の重要問題で、国民の目と耳、口をふさぎ、国民の知る権利、言論・表現の自由を脅かし、日本国憲法の基本原理を根底からくつがえす希代の悪法である。それは、日本を「海外で戦争をする国」につくりかえるために、国家が強権的に情報を統制し、国民の言論・表現を抑圧することを目的としている。もともと、数多くの日米密約に示されているように、日本は先進国の中でも不当に秘密にされていることが特段に多い国である。その国に秘密保護法を持ち込むことは、日本社会を文字通りの暗黒社会へと逆行させるものである。

 安倍政権は、国会の多数で秘密保護法を強行したが、これに反対する世論と運動の急速な広がりは、日本国民の中に平和と民主主義を求める巨大なエネルギーが存在することを示した。わが党は、民主主義破壊の悪法に反対する一点での共同を広げ、世論と運動によって悪法を包囲し、廃止に追い込むために全力をつくす。国会に、秘密保護法の廃止法案を提出してたたかう。

 集団的自衛権の問題は、現実にはありえない架空のシミュレーションの議論でなく、現実の政治の土俵で議論することが重要である。①集団的自衛権は、いかなる意味でも「自衛」とは無関係な、大国による無法な侵略戦争、軍事介入の口実に使われてきたこと、②日本の政治の歴史でも、集団的自衛権は、アメリカの海外での戦争への日本の派兵との関係でもっぱら問題になってきたこと、③その現実的な狙いは、従来の海外派兵立法の「歯止め」をはずして、自衛隊が戦闘地域にまで行って、米軍とともに戦争行動を行うことにあること――を広く明らかにしていくことが大切である。

②改憲派の矛盾をつき、国民多数の世論と運動で包囲しよう

 安倍政権が憲法改定の道を暴走し、改憲派が国会で多数を占めていることの危険はもとより重大である。

 同時に、改憲派が、深刻な矛盾を引き起こしていることに注目し、国民多数の世論と運動でこの企てを包囲していく、攻勢的なたたかいが大切である。

 一つは、改憲派が、憲法9条改定を正面から提起することができず、憲法96条改定を突破口にしようとしてきたこと、さらにクーデター的やり方で内閣法制局長官の首をすげかえて集団的自衛権行使への解釈改憲を強行しようとしてきたこと――こうした手法それ自体が、9条改定の是非を超えて、近代の立憲主義を根底から否定する暴挙として、広範な人々の批判を広げていることである。

 二つは、改憲派が、「自民党改憲案」に見られるように、憲法9条2項を改変して「国防軍」を書き込むとともに、基本的人権を永久不可侵とする条項を削除し、それを「公益及び公の秩序」の範囲内でしか認めないものにするなど、人類普遍の基本的人権すら否定しようとしていることに、強い批判が広がっていることである。改憲の動きと一体にすすめられている秘密保護法が、基本的人権をはじめ憲法の民主的原理を根底から否定しようとしていることに対しても、広範な諸団体・個人からの批判が集中している。

 三つは、安倍政権の憲法改定、集団的自衛権行使への暴走――異常な軍事一辺倒の姿勢は、中国や韓国など周辺諸国から警戒をもって受け止められているだけでなく、米国のなかからも懸念の声を呼び起こしている。米国国防総省高官は、自民党の国防族議員に「周辺国とトラブルにならないでほしい」とのべた。在韓米軍高官は、憲法9条改定などをめぐる安倍首相の発言などについて「この地域にとって有益ではない」と疑問を呈した。アメリカは、アジア・太平洋地域重視の「リバランス」戦略のもとで、軍事同盟の強化を第一の戦略に据えつつ、同時に、外交戦略をもってのぞんでいる。「外交不在、軍事一辺倒」の安倍政権の姿勢は、米国の戦略とも矛盾や軋轢(あつれき)をきたしつつあるのである。

 憲法改悪阻止の一点で、広大な国民的運動を発展させ、改憲派のたくらみを包囲し、それを打ち砕くために全力をあげよう。

③憲法を生かす政治への転換を――教育、男女平等、学術・文化、政治改革

 日本共産党は、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」(綱領)という立場を堅持して奮闘する。

 日本国憲法の先駆性は、第9条だけではない。30条にわたる豊かで先駆的な人権条項も、世界に誇るべきものである。自民党政治のもとで、それが踏みにじられていることが問題である。憲法を生かす政治への転換こそ求められている。

 ――日本の教育は、「異常な競争教育」「世界一の高学費」「教育の自由への乱暴な介入」という、世界に例のないゆがみを抱えている。安倍政権は、改悪教育基本法の具体化として、全国学力テスト体制、教員統制、教育委員会制度の改悪、教科書検定基準の改悪・侵略戦争美化の歴史教科書の押し付け、道徳の「教科化」などをすすめつつある。その狙いは、9条改憲と一体に、「戦争ができる国」、「弱肉強食の経済社会」という国策に従う“人づくり”をすすめるものであり、教育のゆがみをいよいよひどくするものである。わが党は、この暴走と対決し、日本の教育のゆがみを、憲法と子どもの権利条約の立場からただし、世界最低水準の教育予算を抜本的に引き上げ、新しい日本にふさわしい教育を築くために奮闘する。2012年11月に発表した提案「『いじめ』のない学校と社会を」を生かし、この深刻な社会問題の解決のために引き続き力をつくす。

 ――世界では、国連女性差別撤廃条約によって社会のあり方の改革がすすめられている。日本は、2013年男女平等に関する世界順位(ジェンダー・ギャップ指数)が136カ国中105位であり、発達した資本主義国のなかで最低の地位にある。国際機関から繰り返し政府に改善が勧告されている法律上の差別規定――婚姻年齢の男女差、女性の再婚禁止期間、夫婦の氏の制度、婚外子差別などを是正し、雇用における男女賃金格差、女性管理職比率などの実効性のある改善のために全力をあげ、条約の実施を求めていく。地方議員の35%、党員の47%が女性であり、女性の政治参加を積極的に促進してきた党として、政治的・社会的活動への平等な参加を促進する先頭にたつ。

 ――大学の反動的再編を許さず、大学の自治と学問・研究の自由を守るとともに、基盤的経費を増額し、大学間格差の是正と若手研究者支援の抜本的拡充をはかる。表現の自由・文化活動の自由を守り、国家予算のわずか0・11%という、世界でも異常に低い文化予算を抜本的に増額して、芸術・文化の支援への国の責任を果たす。スポーツを国民の権利として、国のスポーツ施策の多面的な発展をはかる。

 ――衆議院における小選挙区制を廃止し、民意を正確に反映する比例代表制への抜本改革を行う。現行の総定数480を維持し、全国11ブロックを基礎とした比例代表制にする。そうすれば「1票の格差」も抜本的に解決できる。民意の反映に逆行する衆院比例代表定数削減にきびしく反対する。参議院も「1票の価値」の平等を実現しつつ、多様な民意を反映する制度に抜本改革する。憲法違反の政党助成金制度を撤廃する。企業・団体献金は、本質的に政治を買収するわいろであり、全面的に禁止する。これらの改革は、日本国憲法の国民主権、基本的人権、議会制民主主義にたった大義と道理をもつものである。

(19)侵略戦争を肯定・美化する歴史問題での逆流を日本の政治から一掃する

 安倍政権が発足して以来、過去の日本の侵略戦争と植民地支配を肯定・美化する歴史逆行の勢力が、その本性をむき出しにし、大きな国際問題になっている。

①靖国神社問題、「村山談話」見直し問題、日本軍「慰安婦」問題について

 2013年12月、安倍首相は靖国神社への参拝を強行した。靖国神社は、戦争中は、国民を戦争に動員する役割をにない、現在も、過去の軍国主義による侵略戦争を“自存自衛の正義のたたかい”、“アジア解放の戦争”と美化し宣伝することを存在意義としている特殊な施設である。また、侵略戦争を引き起こした罪を問われたA級戦犯が“連合軍による一方的な裁判で濡れ衣(ぬれぎぬ)を着せられた犠牲者”として合祀(ごうし)されている。この施設に首相が参拝することは、侵略戦争を美化する立場に自らの身を置くことを、世界に向かって宣言するものにほかならない。

 首相の靖国参拝に対して、中国政府、韓国政府からのきびしい批判はもとより、米国政府も「失望した」との異例の批判を行った。さらに批判は、国連事務総長、EU、ロシア政府、シンガポール政府などにも広がった。このような行為を続けるなら、日本は世界のどの国からもまともに相手にされない国となる。首相、閣僚が、靖国神社参拝をきっぱりとやめることを、強く求める。

 安倍首相が、「村山談話」の見直しに言及し、「侵略の定義は定まっていない」とのべ、「村山談話」の一番の核心部分――「国策を誤り」、「植民地支配と侵略」を行ったという部分をかたくなに認めようとしないことは、きわめて重大である。過去の誤りを認めず、その美化をはかるいっさいの逆行に、わが党はきびしく反対する。

 2013年5月、国連の人権条約機関である拷問禁止委員会と社会権規約委員会があいついで日本軍「慰安婦」問題について日本政府の対応を批判し、是正を求める勧告を行った。この問題で、韓国政府が被害者の賠償問題について、日韓請求権協定にもとづく政府間協議を繰り返し日本政府に求めているにもかかわらず、日本政府が「解決ずみ」として協議そのものを拒否していることは、重大な問題である。同協定第3条1項は、協定の解釈や実施に関して紛争がある場合には、「外交上の経路をつうじて解決するものとする」としており、日本政府は、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきである。

②安倍首相の「価値観外交」の二重の問題点について

 安倍首相は、「価値観外交」――「自由と民主主義、市場経済といった普遍的価値に基づく外交」なるものを標ぼうしているが、ここには二重の問題点があることを指摘しなければならない。

 第一に、現代の世界においては、異なる価値観をもった体制や文明が、それを相互に尊重し、共存することがいよいよ大切な時代となっており、自らの「価値観」を押し付け、あるいは「価値観」を異にするものを排除するという姿勢は、きわめて有害である。

 第二に、国際政治のうえで「価値観」を問題にするならば、何よりも過去の日本とドイツとイタリアによるファシズム・軍国主義と侵略戦争を断罪し、二度と繰り返してはならないとする「価値観」こそが、体制のいかんを問わず人類共通の「価値観」である。この「価値観」を覆そうという歴史逆行の立場に立つものは、国際政治に参加する資格はない。

 日本共産党は、戦前の暗黒政治のもとでも、侵略戦争に命がけで反対を貫いた党として、日本の政治から歴史問題での逆流を一掃するために全力をあげる。

(20)統一戦線の現状と展望について

 前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。

 この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。

 ――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である。

 ――同時に、どんな問題でも、根本的打開をはかろうとすれば、綱領が示した国政の民主的改革が必要になることを、太く明らかにする独自の活動に取り組むことが大切になってくる。この点で、革新懇運動が、草の根から国民の要求にもとづく多彩な共同の取り組みをすすめるとともに、自民党政治を根本から変える「三つの共同目標」(①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす)を掲げて国民多数の合意をつくるために奮闘していることはきわめて重要であり、この運動が情勢にふさわしく大きく発展するよう力をそそぐ。革新懇運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される。

 ――統一戦線をつくるうえで、労働運動が果たすべき役割はきわめて大きい。この点で、連合指導部の特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な問題点が、深刻な矛盾にぶつかり、変化が起こっていることは注目すべきである。消費税増税、原発推進、公務員賃金削減など悪政を推進した民主党に対する労働者の怒りが広がり、連合系労組で特定政党支持の締め付けがきかなくなりつつあり、民主党一党支持を正面から掲げられなくなった有力単産も生まれた。職場からナショナルセンターの違いを超えて要求にもとづく共同を強め、特定政党支持を打ち破り、労資協調主義を克服するたたかいをすすめる。労働組合への組織率が、労働者全体の18%まで落ち込んだ事態を重視し、党と階級的・民主的労働運動が協力して、広大な未組織労働者の組織化に取り組む。労働者の要求にもとづく共同行動を発展させるうえで、全労連の果たす役割はいよいよ大きくなっており、その発展が強く期待される。

 ――日本共産党は、単独政権でなく、民主連合政府という連合政権をめざしている。その場合の連合の相手はどこから出てくるか。革新懇型の共同――日本共産党と無党派の人々との共同が、いよいよ本流になってくるだろう。同時に、いま「一点共闘」をともにたたかっている人々のなかからも連合の相手が生まれてくるだろう。

 そして、そうした動きともあいまって、政党戦線においても、日本共産党との連合の相手が必ず出てくると、私たちは確信するものである。そのさい、私たちの連合の対象となる相手が、従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流であることも、大いにありうることである。日本共産党は、社会主義・共産主義の日本を展望する党だが、当面する変革の課題は、資本主義の枠内で「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本への変革をはかることにあると考えている。将来的な展望の違いがあっても、「二つの異常」を正すという当面する課題での一致がえられるならば、統一戦線をともにつくりあげることは可能であり、共同のために努力する。

 日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。そこにこそ新しい日本への扉を開く保障があることを銘記して奮闘しよう。

第4章 国政と地方政治で躍進を本格的な流れに

(21)来るべき国政選挙で党躍進をかちとる意義と目標について

①「21世紀の早い時期に民主連合政府」という目標への展望を開く選挙に

 次期衆議院選挙、および参議院選挙で、日本共産党が躍進をかちとることは、日本の政治にとっても、わが党の今後にとっても、きわめて大きな意義を持っている。

 第一に、次の国政選挙は、反動的暴走を続ける自民党政権と国民との矛盾が、あらゆる分野で深刻になるもとで、古い行き詰まった政治を継続するのか、その根本的転換をはかり新しい日本をめざすのか――二つの道の対決=自共対決が、いっそう鋭く問われる選挙となる。日本共産党の躍進は、反動的暴走を食い止め、「国民が主人公」の新しい政治をおこすうえで、決定的な力となるものである。

 第二に、わが党が躍進をかちとることは、新しい政治を求める国民のたたかいを発展させるうえでも重要な貢献となる。それは、各分野に広がる一致点にもとづく共同を励まし、新しい統一戦線をつくりあげていく最大の保障となる。

 第三に、国政選挙での連続的な躍進によって、“第3の躍進”を本格的な流れにすることは、綱領実現めざし、中期的展望にたった「成長・発展目標」――どの都道府県、どの自治体・行政区でも「10%以上の得票率」を獲得できる党へと接近し、「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する」という目標への展望を開くものとなる。

②比例代表で「650万票、得票率10%以上」を着実に達成・突破する

 次期総選挙、および参院選では、「比例を軸に」をつらぬき、「全国は一つ」の立場で奮闘し、比例代表選挙で「650万票、得票率10%以上」を目標にたたかう。

 私たちは、「650万票以上」という得票目標について、「それを実現するまで繰り返し挑戦する目標」として設定してきた(第24回党大会5中総決定)。わが党は、2013年の参院選で、得票率は9・7%とほぼ10%に到達したが、得票は、低投票率のもとで515万である。また、8中総決定でも確認したように、この結果自身が、「私たちの実力以上の結果」であり、515万という峰は決して既得の陣地ではないことを忘れてはならない。以上を踏まえて、ひきつづき「650万票、得票率10%以上」を目標に掲げ、この目標を着実に達成・突破することとする。

 衆議院選挙では、「すべての比例ブロックで議席獲得・議席増をかちとり、小選挙区でも議席を獲得する」ことを目標に奮闘する。参議院選挙では、「比例5議席以上、選挙区3議席以上」を目標に奮闘する。

 次期国政選挙にむけて、衆参ともに早期に候補者を決定し、選挙勝利をめざす活動をただちに開始する。

(22)地方政治をめぐる焦点、地方選挙での躍進をめざして

 2015年4月に行われるいっせい地方選挙は、国政に重大な異変が起こらない限り、私たちが直面する最も早い全国的政治戦となる。この選挙は、それぞれの地方自治体の今後を左右するとともに、安倍政権の反動的暴走に国民的審判をくだす機会でもある。また、わが党にとって“第3の躍進”を本格的な流れにするうえで重大な関門となる。

①地方自治体の深刻な矛盾と、日本共産党躍進の意義

 安倍自民党政権の暴走は、消費税増税でも、社会保障改悪でも、TPP推進でも、その犠牲は地方経済、地方自治体に深刻な形であらわれざるをえない。また、この間、市町村合併と地方財政削減、社会保障などの最低基準を定めた「義務づけ・枠づけ」の見直しなどによって、「住民福祉の機関」としての自治体の機能と役割の弱体化、住民の福祉と暮らしの破壊、地域経済の衰退が加速し、地方自治体の危機が進行している。地方自治を破壊・変質させる道州制導入のくわだても重大である。

 多くの県(34都府県)では、わが党を除く「オール与党」自治体となっており、日本共産党は、唯一の野党として、住民要求実現のかけがえのないよりどころとなっている。地方議会で日本共産党を前進させることは、住民の声を自治体に届け、住民の声で動く自治体をつくるうえで、最も確かな保障となるものである。

 同時に、安倍政権の暴走が、住民との矛盾を激化させるもとで、TPP反対の「オール北海道」、原発ゼロの「オール福島」、米軍基地問題での「オール沖縄」のたたかいなど、切実な要求にもとづく党派を超えた共同が広がっていることは注目される。子どもの医療費無料化、国保料(税)引き下げなど、住民の暮らしの切実な要求を掲げた地方議会のなかでの共同も広がっている。日本共産党地方議員団の前進は、住民要求にもとづく共同を推進するうえでも、決定的な力となる。

②現有議席確保・議席増によって、地方議会第1党の奪回をめざす

 地方選挙の目標としては、現有議席の確実な確保とともに、議席増を重視し、議席数で次期第27回党大会までに、地方議会第1党の奪回をめざす。

 わが党の地方議員数は、市町村合併による町村の大幅な減少、定数削減のもとでの選挙での後退などによって、かつて第1党であったが、現在は2700人台で、自民党、公明党の2900人台に次ぎ、第3党となっている。第1党の奪回をめざして、議席占有率、議案提案権、空白克服の三つの目標での前進をめざし、適切な議席獲得目標と積極的な得票目標をかかげて奮闘する。県議空白克服とともに、404自治体(23%)ある党議席空白の克服を特別に重視する。

 2015年いっせい地方選挙では、道府県議、政令市、東京特別区、県庁所在地、主要な地方都市の議員選挙を特別に重視する。前回のいっせい地方選挙では、県議16、政令市議16、東京区議9、一般市議115、町村議34の合計190議席を失った。七つの県議空白県(栃木、神奈川、静岡、愛知、三重、滋賀、福岡)の克服、県議空白の政令市(20市中13市)での県議議席獲得、政令市の市議空白区の克服、前回選挙で議席を後退させたところの失地回復をとりわけ重視する。選挙まで1年数カ月となっており、予定候補者をすみやかに決定し、選挙態勢の確立など選挙戦の取り組みをただちに強化する。

 自治体合併によって自治体議員選挙の時期が分散し、地方選挙は通年選挙の様相となっている。定数削減により、多くのところで得票目標もたたかいの規模も大きくなっており、政治目標と候補者決定など、早くからの取り組みが重要である。中間地方選挙の一つ一つを重視し、得票とともに議席を着実に増やし、躍進の確かな流れをつくりだす。

 いっせい地方選挙では、11知事選挙、6政令市長選挙、13東京特別区長選挙がたたかわれる。またそれまでにも、東京、京都、沖縄の知事選をはじめ重要な首長選挙がたたかわれる。これらの首長選挙を、日本共産党と無党派の人々との共同を強め、革新・民主の自治体の流れを発展させるために、わが党の政治的比重と役割の増大にふさわしく積極的に位置づけ、攻勢的な取り組みをすすめる。維新の会など、日本の未来に深刻な害悪を与える重大な反動的逆流を阻止するために、大阪市長選、堺市長選で「自主的支援」という形でたたかったことは重要であり、この教訓を今後のたたかいに生かしていく。

③党規約にもとづき適切な単位で必ず議員団を構成する

 わが党の地方議員は、全国77%以上の自治体に議席をもち、草の根から住民の暮らしを守って活動し、住民要求の実現と地方政治の前進にとってかけがえのない役割を果たしている。党規約第44条は、地方議員(団)の活動について、「適切な単位で必ず議員団を構成する」「すべての議員は、原則として議員団で日常の党生活をおこなう」と規定している。党機関は、適切な単位の党議員団を確立し、すべての議員が政治討議と学習をつよめて活動水準を高め、市民道徳と社会的道義をまもり、支部と力をあわせて要求実現と党建設を前進させるよう援助を行う。同時に、議員の側からも、その悩みを率直に党機関に提起し、困難や矛盾を解決するために努力をはらう。議員と党機関が、心を開いて何でも相談できる関係を築くことが大切である。

(23)結びつきを生かして選挙戦をたたかう方針――「選挙革命」を発展させる

 参議院選挙は、選挙戦の宣伝・組織活動でも、重要な教訓をつくった。党員と党組織のもつあらゆる結びつき、つながりを生かして選挙勝利に結実させる「選挙革命」というべき活動方向を、国政選挙でも地方選挙でも発展させることが重要である。

 ――すべての党組織と党支部で、「650万票、10%以上」にみあう得票目標、支持拡大目標をもって活動する。それを実現する「政策と計画」――「四つの原点」にもとづく活動を具体化し、日常的に活動する。

 ――結びつきと要求にもとづく活動を、「四つの原点」のなかでも根本の活動として重視する。党員の持つあらゆる日常的な結びつきに光をあて、つねに新しい結びつきを広げ、それを生かした活動に取り組む。国政の熱い問題でのたたかいとともに、職場、地域、学園の身近な諸要求をとりあげた活動、国民の苦難を軽減する生活相談、労働相談など、多面的な活動に取り組む。

 ――政治宣伝では、有権者の生活条件に即して、全戸に宣伝物を配布する態勢・活動を強める。労働者と若い世代に向けた宣伝を重視し、駅頭、職場門前、大学門前など人の流れにそった宣伝を系統的にすすめる。地域・職場・学園新聞の発行、定期的なハンドマイク宣伝、掲示板の拡大など、「支部が主役」の日常的な草の根の宣伝を強化する。

 ――組織活動では、「マイ名簿」にもとづいて、党員の全国的な結びつき、つながりを視野に入れた対話と支持拡大の活動を、選挙戦の組織活動の大きな柱と位置づけ、日常的に発展させる。後援会員や党支持者に協力を訴える「折り入って作戦」、「選挙はがき」を活用した取り組みも、この間の選挙戦が作り出した重要な教訓であり、今後のたたかいに生かす。少なくない有権者が日本共産党に新たな関心や期待をよせ、選択肢の一つと考え始めているもとで、テレデータを使った不特定の有権者への働きかけを「声の全戸訪問」と位置づけて取り組み、大きな力を発揮したが、これを選挙活動の柱にすえていく。この取り組みのなかで、支持者台帳を整備、充実、活用していく。

 ――インターネットの活用は、双方向のコミュニケーションの手段として、無党派層、若い世代、子育て世代などが、党に接近し、共感を広げるうえで、重要な役割を果たしている。党員が、この活動に取り組むことで、初めて選挙戦に参加するなど、選挙の担い手を広げるうえでも重要な活動である。日本共産党にとって大きな可能性のあるこの分野での取り組みを、さらに抜本的に強める。

 ――直面するいっせい地方選挙と中間地方選挙での勝利をめざし、また、国政選挙で「650万票、10%以上」を必ず達成することをめざし、すべての党機関と党支部が、それにふさわしい党勢拡大の目標をもつ。党勢拡大での高揚をつくりだしながら、選挙戦での躍進をかちとるために、あらゆる力をそそぐ。

 ――選挙戦の日常化の要として後援会活動の強化をはかる。現在の後援会員数は364万人となり、わが党がもつ最大の組織である。後援会ニュースの定期的発行などによって後援会員との人間的・政治的結びつきを強めるとともに、すべての支部が対応する単位後援会を確立し、要求にこたえた多彩な活動に取り組み、選挙戦をともにたたかう。共通する要求実現のために活動を大きく発展させる条件をもつ分野別後援会を強める。

第5章 躍進を支える質量ともに強大な党建設を

(24)“第3の躍進”を支え、「成長・発展目標」を保障する強大な党を

 参議院選挙で始まった“第3の躍進”を本格的な流れに発展させ、2010年代に「成長・発展目標」を達成し、「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する」最大の保障は、質量ともに強大な党を築くことにある。

①2010年代に党勢の倍加、世代的継承に全党あげてとりくむ

 党勢拡大の目標について、第26回党大会は、2010年代に「成長・発展目標」を実現するために、50万の党員(有権者比0・5%)、50万の日刊紙読者(同)、200万の日曜版読者(2・0%)――全体として現在の党勢の倍加に挑戦することを提起する。国政選挙(衆参ともに2回)、いっせい地方選挙(2回)を節目に、党勢の新しい発展段階を築く意欲的な目標をきめて挑戦する。

 そのさい、党の世代的継承を、綱領実現の成否にかかわる戦略的課題にすえ、全党あげて取り組む。すべての党機関、支部・グループ、議員団が、世代的継承の目標と計画をもち、あらゆる条件と可能性をくみつくし、若い世代から党員を迎え入れるために、知恵と力をつくす。とりわけ、職場支部の継承と発展、青年・学生のなかでの党づくり、民青同盟への親身な援助と発展に、党の総力をあげた取り組みを行う。

②「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」のとりくみと党勢拡大の到達点

 私たちは、8中総決定で、参議院選挙の結果を総括し、「党の自力の問題は、私たちの最大の弱点であり、反省点」であること、参院選での躍進は、「私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視する必要がある」とのべた。

 この総括にたって、全党は、党大会にむけて2014年1月末を期日にした「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」にとりくんでいる。「大運動」の4カ月通算で、約2割の支部が新たな党員を迎え、新入党員は5400人を超えた。「しんぶん赤旗」読者の拡大は、日刊紙2400人、日曜版1万人、あわせて1万2400人の増加となった。「大運動」の取り組みの最大の教訓は、党への新たな期待の広がりという情勢の前向きの変化をとらえて、そこに思い切って働きかけるならば、これまでにない広範な人々が入党し、読者になってくれる状況が広がっていることである。いま強く大きな党をつくる客観的条件は大いにある。

 同時に、党勢の現状は、依然として、情勢がもとめる水準にてらして、大きく立ち遅れている。

 党員では、拡大のためのさまざまな努力が重ねられているが、2中総がよびかけた「実態のない党員」問題の解決に取り組んだ結果、党員現勢は、30万5千人となっている。「実態のない党員」問題を解決したことは、全党員が参加する党をつくろうという新たな意欲と機運をよびおこしている。同時に、「実態のない党員」を生みだした原因は、十数年におよぶ「二大政党づくり」など日本共産党抑え込みという客観的条件の困難だけに解消できるものではない。それは、「支部を主役」にすべての党員が参加し成長する党づくりの弱点を示すものであり、「二度と『実態のない党員』をつくらない」決意で、革命政党らしい支部づくり、“温かい党”づくりへの努力を強めよう。

 「しんぶん赤旗」の読者は、日刊紙読者の拡大に特別の努力をそそぎながら、毎月、粘り強い取り組みがすすめられているが、現在、日刊紙、日曜版読者をあわせて124万1千人となっている。前党大会比で日刊紙87・5%、日曜版85・0%の到達である。配達・集金体制の確立の努力の強化が、どこでも大切な課題となっている。

 「大運動」のなかでつくりだした、党員拡大を中心にすえた党勢拡大の前進の流れを、絶対に中断したり、後退させたりすることなく、「成長・発展目標」の実現を支える強大な党の建設にむかって、知恵と力をつくすことをよびかける。

 また、党が発行する定期雑誌の普及も、誌面改善の努力と一体にすすめていく。

(25)党建設の重視すべき基本方向について

 党建設の方針については、第22回党大会での規約改定をふまえ、これまでの4回の党大会決定、第25回党大会期の中央委員会総会の決定で、その基本は明らかにされている。そのことを前提に、次の諸点を重視して奮闘する。

①国民運動と党建設・党勢拡大――「車の両輪」の活動

 第一は、安倍政権の暴走とたたかう国民運動を発展させる先頭にたって奮闘することと一体に、党建設・党勢拡大の独自の追求をはかることである。

 消費税増税反対、原発ゼロ、TPP反対、米軍基地撤去、憲法擁護、秘密保護法廃止など、さまざまな分野で澎湃(ほうはい)と広がる「一点共闘」に参加し、さらに発展させるために力をそそぐ。同時に、「国民の苦難の軽減」という立党の精神にたって、国民の多様な要求と関心にこたえた、多面的な活動に取り組み、参加する。

 国民の要求実現のたたかいに取り組みつつ、党建設・党勢拡大の独自の追求をはかる「車の両輪」の活動こそ、強く大きな党をつくる大道である。すべての支部が、「政策と計画」でこの活動を具体化し、「支部が主役」で自覚的に取り組む流れを全党の大勢にしていくために力をつくす。

②「国民に溶け込み結びつく力」を強めることと一体に党建設・党勢拡大を

 第二は、「国民に溶け込み結びつく力」を強めることと一体に、党建設・党勢拡大の前進をはかることである。

 2012年総選挙から教訓を引き出した6中総決定は、「国民に溶け込み結びつく力」こそが要求活動、党建設、選挙活動など、党があらゆる活動をすすめるうえで「力の根源」になっていることを強調するとともに、①一人ひとりの党員の結びつきを、党の結びつきに発展させる、②有権者の新しい動向にそくして、新しい結びつきを広げる、③これらの努力と一体に党勢拡大の独自の努力をはかる――三つの角度での挑戦を呼びかけた。

 この提起は、参院選で大きな力を発揮した。とりわけ、「マイ名簿」の取り組みは、一人ひとりの党員の生きた結びつきに光をあて、これを力にした取り組みを励ます運動として、大きな威力を発揮した。

 「マイ名簿」にもとづく活動を、選挙戦にとどまらず日常化し、あらゆる活動の力にしていく。この活動を、日常的にも党との結びつきを強め、要求実現の活動への協力を呼びかけ、党勢拡大の対象者を大きく広げ、党員や読者を増やし、成果支部を広げる、基本的な活動として重視し、支部活動に定着、発展させる。

③党の全体像を丸ごと理解してもらう活動を日常不断に強める

 第三は、日本共産党の路線、理念、歴史――党の全体像を丸ごと理解してもらう活動を日常不断の活動として抜本的に強化し、その努力と一体に、党建設・党勢拡大を前進させることである。

 今回の参院選で日本共産党に投じてくれた515万人の人々の中には、「共産党はあまり好きではないが、期待できるのは他にないから」といった人も多数いる。そうした人々に、また参院選の結果をみてわが党に新たな期待や関心を寄せてくれている広大な人々に、「共産党を丸ごと好きになってもらう」ための取り組みを大いにすすめることを、党の躍進を本格的なものにしていくうえでの要をなす活動として、大いに重視しよう。

 この取り組みを推進していくうえで、「綱領を語り、日本の前途を語り合う集い」を大中小の規模で、日常不断に、日本列島のすみずみで開くことを、党活動全体の軸にすえ、この取り組みのなかで党建設・党勢拡大の持続的前進をはかろう。

④「量とともに質を」――「綱領・古典の連続教室」、“温かい党”づくり

 第四は、党建設において、「量とともに質を」の立場をつらぬくことである。

 「綱領・古典の連続教室」の学習を、DVD視聴による学習とともに、それぞれが全3巻の書籍になるもとで本格的に取り組み、全党的な学習運動に発展させることを、第26回党大会期の一大事業に位置づける。

 全党が、綱領学習とその理論的基礎である科学的社会主義の古典学習に取り組むことは、どんな複雑な政治情勢が展開しても、一人ひとりの党員が、情勢への大局的確信と未来への展望を確固としてもって活動するうえで決定的に重要である。また、広範な国民のなかに党の路線・理念・歴史など全体像を語る活動を豊かに発展させるうえでも、その不可欠の力となるのは日常不断の学習である。

 党の質的強化という点では、一人ひとりの党員の初心・誇りを大切にし、おかれている条件・要求・得手を生かし、その困難や悩みに寄り添ってともに解決する“温かい党”――党員のだれもが「党員でよかった」と実感できる“温かい党”をつくるために、力をそそぐ。その最大の保障となるのは、「党生活確立の3原則(支部会議への参加、日刊紙の購読、党費の納入)」を全支部と党員のものにしていくことにあるが、わけても、支部指導部の確立を基礎に、週1回の支部会議を定着させ、「学び、交流し、楽しく、元気のでる」会議にする努力を払うことは、要をなすものである。あわせて、さまざまな困難から会議に参加できない同志を大切にし、温かく心が通う、連絡・連帯網をつくりあげることも重要である。新入党員教育の徹底に努力するとともに、修了後の基礎的な教育、支部長講座などをすすめる。

⑤市民道徳と社会的道義を大切にした党づくりを

 第五は、市民道徳と社会的道義を大切にした党づくりに取り組むことである。党規約第5条では、党員の権利と義務の第一に、「市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす」ことを明記している。

 国民の党への理解と信頼は、党の路線、政策、理念への信頼とともに、身近に活動している党員一人ひとりの生活や言動を通じて寄せられる。党内のごく一部だが、社会のさまざまな退廃的風潮におかされ、社会的モラルに反する誤りがおこっていることは、党への信頼を傷つけ損なうものであり、克服が強く求められる。

 党機関を先頭に、党規約の精神にたって、率直で活発な自己・相互批判をおこない、規律ある党生活を築き、社会進歩の促進のためにたたかう人間集団にふさわしいモラルを確立することに力をそそぐ。

(26)全党あげて世代的継承のとりくみに力をそそごう

 わが党の事業を、若い世代に継承していくことは、いま何としても打開しなければならない緊急かつ切実な大問題である。

 党躍進の新しい情勢のもとで、広い視野にたち、党組織と党員のもつあらゆる結びつきを生かしてこの課題に取り組めば、新しい前進をつくりうる条件と可能性が生まれていることをとらえた、積極果敢な活動が大切である。

 すべての党機関、支部・グループ、議員団が、世代的継承のための目標と計画を具体化し、この取り組みを軌道にのせることを、2010年代を民主連合政府への展望を開く時代とするうえでの戦略的大事業として位置づけて力をつくす。

①職場での党づくり――歴史的チャンスを生かそう

 職場支部の継承・発展と新たな支部の建設は、日本の労働運動と統一戦線の発展にとっても、「ルールある経済社会」をつくるという綱領的課題の実現にとっても、不可欠の課題となっている。

 いまの職場情勢の最大の特徴は、民間大企業の職場でも、教育・公務の職場でも、反共の壁が崩れ、日本共産党への新たな期待が広がっていることである。連合指導部による特定政党支持義務づけの矛盾と破たんも、職場での党活動を発展させる新たな条件となっている。職場での党づくりはいま、歴史的チャンスのときを迎えている。こうした劇的な変化は、わが党の政治的躍進がつくりだしたものであるとともに、職場党組織と党員が、長年にわたって反共差別とたたかい、労働者の生活と権利を守る砦(とりで)として不屈の奮闘を続けてきたなかでつくりだされた情勢であることに確信をもつことが大切である。

 全国各地の職場で、雇用・労働条件改善などの要求とともに、「社会に役立つ、いい仕事がしたい」という労働者の根本的な要求を重視して人間的信頼関係を築き、党に迎え入れている経験が広がっていることは重要である。党員が、職場で自らの仕事に誇りを持ち、仲間を大切に頑張っている姿が、若い労働者に共感を広げており、ここに確信をもって大胆に働きかければ、いま職場支部の前進をかちとることは可能である。

 特定政党支持路線の矛盾が激化しているもとで、「労働者のなかの党員拡大では、労働組合の違いをこえ、あらゆる労働者のなかに根をおろす。連合系の職場でも、全労連系の職場でも、党をつくったら、つくったところに根をおろして、党組織を発展させる。そして、その党組織のネットワークが、職場労働者全体の連帯のネットワークになっていくようなとりくみをおこなう」(第25回党大会3中総決定)――この方針をいまこそ本腰を入れて実践すべき歴史的な時期となっている。

 この間、労働者の中での党建設を、職場支部だけの仕事でなく、全党の仕事と位置づけ、党機関、地域支部、議員団のもつあらゆる可能性・条件・結びつきを生かして、労働者を党に迎え入れ、党支部の継承・発展、空白職場に党支部をつくる意欲的取り組みが始まり、成果をあげていることはきわめて重要である。日本の階級構成の8割を占める労働者階級の中に党をつくる仕事を、文字通り全党の仕事として取り組もう。

 第1回、第2回「職場問題学習・交流講座」(2006年、09年)、自治体と教職員の分野別でおこなった第3回「職場講座」(2011年)、「全国職場支部活動者会議」(2013年)には、「出発点はあいさつから」をはじめ、全国の職場支部の貴重な実践と努力のなかから教訓化された、職場支部の法則的な前進の方針が示されている。これらを職場支部の活動に生かすとともに、引き続き分野別「職場講座」を系統的に開催する。また、県・地区の職場支部援助委員会の体制充実と活動の系統的、継続的な推進に努める。

②青年・学生のなかでの党づくり――若い世代の思いにこたえた活動を

 青年・学生のなかでの党建設の条件と可能性が大きく広がっている。この間、党として「特別党学校」の系統的な開催など、若い世代の幹部を育成する取り組みに力をそそいできた。そのなかで、若い幹部が成長し、全国の党機関の重要な担い手となって奮闘するとともに、国政選挙・地方選挙の候補者としても活躍し、参議院選挙が「若い世代が輝く選挙」となったことは、第一歩のきわめて重要な成果である。

 いま多くの青年・学生が、政治と社会の現実に向き合い、「人の役にたちたい」「自分のできることをやりたい」とさまざまな形で運動に参加してきている。わが党がよびかけた被災地ボランティアを担った人々の半数は若い世代だった。核兵器廃絶、原発ゼロ、秘密保護法反対などの運動で、若い世代の自発的なたたかいの大きなうねりが起こっている。若者を「使い捨て」にする労働の問題、異常な高学費の問題などでも、真剣に解決の道を求めている。

 そういう若者にとって、いま日本共産党が、“若者の思いをたくせる党”として立ち現れていることは重要である。党機関と党支部が、情勢の変化をとらえ、若い世代の思いにこたえて、多面的な活動に取り組んだところで共感が広がり、若者が党や民青同盟に結集してきている。若者の正義感、社会変革への行動力に信頼をおいて、思い切った取り組みを行うことが重要である。

 この分野での前進を切り開くためには、党機関の系統的な指導性の発揮が決定的であり、党機関がこの問題を正面から議論し、知恵と力を集め、足を踏み出すなら、必ず前進を切り開くことができる。この間、新たな学生支部や民青班を確立し、学生党員を2倍近くに増やすなど前進している県党組織では、党機関が青年・学生問題で集中した議論を行い、党組織と党員がもっている若者との結びつきに光をあてるとともに、大学前での宣伝と対話活動、青年トーク集会など、青年・学生との新たな結びつきをつくる活動の先頭にたって奮闘するなかで、変化をつくりだしている。

 前進している党組織に共通しているもう一つの点は、若い党員や、学生支部、民青同盟に対する綱領と科学的社会主義の学習の援助に、思い切って力を入れていることである。「綱領・古典の連続教室」の学習に、すべての青年・学生党員が取り組めるよう、党機関は力をつくす。青年・学生党員が、「しんぶん赤旗」日刊紙を購読できるよう、その置かれている条件も考慮し、懇切な援助を行う。

 中央として「特別党学校」を引き続き系統的に開催することをはじめ、若い世代のなかで党の事業の後継者をつくる仕事に、さらに力をそそぐ。

(27)党機関の指導の改善・強化、態勢の強化について

 党機関の指導の改善・強化をはかり、態勢の強化をはかることは、それぞれの地域ごとに各分野の国民運動の発展をはかるうえでも、「支部が主役」で国民との結びつきを強め、党活動の新しい前進をつくりだすうえでも決定的なカギとなっている。

①党機関の指導改革――すすんだ取り組みの教訓に学んで

 2中総決定は、「党機関は支部へ」「支部は国民のなかへ」として、党機関の指導改革の努力方向を提起した。この重要性をよくつかみ自覚的に努力してきた党機関では、選挙戦でも、党建設でも、たしかな前進をつくりだしている。すすんだ党機関の教訓として、次の諸点をあげることができる。

 ――地方政治の問題に責任を負うとともに、直接国民に働きかけるさまざまな政治活動に取り組み、地域の諸団体との交流をすすめ、住民要求実現の先頭に立ち、支部を励ます活動を重視している。

 ――支部に足をはこび、支部の現状を丸ごとつかんで、苦労や悩みに耳を傾け、ともに解決に力をつくすなかで、心の通い合う信頼関係を築いている。

 ――支部が、「政策と計画」を持つことを重視し、その実現のための自主的、自発的努力を尊重し、励ます姿勢で、よく話し合い、知恵を出し合っている。情勢と党の役割が、地域や職場でどうあらわれているか、支部と党員が確信をもってつかめるよう、政治的援助を何よりも重視している。

 ――国民と「溶け込み結びつく」力を、あらゆる党活動発展の「力の根源」として重視し、結びつきを生かした党員と支部の多面的な活動を援助し、国民運動、選挙戦、党建設の力にしている。

 ――党機関の体制強化をつねに重視し、若い役員の配置と成長、非常勤のベテラン党員の結集、補助指導機関の確立に努力している。

 これらの党機関の努力に学びつつ、指導の改革・強化の探求をさらに発展させる。

 政治的力量を高めるために何よりも大切なのは、綱領と党大会決定、中央委員会総会決定について十分に時間をとって討議し、深く身につけることである。綱領を実現していく立場から、なぜこの決定が出されたのか、何がポイントなのか、その核心が“腑(ふ)に落ち”“元気が出る”ところまで討議をつくし、情勢の特徴、党の役割、活動の発展方向をしっかりとつかむことを重視してこそ、支部と党員を励まし、党活動への自覚的な参加を広げることができる。党機関の集団学習、独習はその基礎となるものである。県・地区党学校などの確立をはかる。

 中央として、「地区委員長研修会」を開催するとともに、すすんだ経験から学び、困難の打開の道をともに探求するために、県・地区役員を対象に、「党機関の指導改革・全国交流会」を行う。

②党機関の指導体制と財政活動の強化が「好循環」となるように

 指導機関の中核をなす常勤常任委員が減少し、中間機関の体制が弱体化していることは、あらゆる活動を促進していくうえで大きな障害となっている。党機関の活動を系統的に発展・強化するためには、専従活動家が指導中核として、日常不断に知恵と経験を蓄積して党組織の指導・援助にあたることが不可欠である。党機関の常勤常任委員を都道府県委員会は7人以上、地区委員会は3人以上にすることをめざす。

 党機関の体制と活動の強化のためにも、財政の確立・強化は焦眉の課題である。党機関の長が責任をもって、党費納入の向上を軸にすえ、「財政活動の4原則(党費、機関紙誌代、募金、節約)」の一つひとつを重視して取り組むことが、この問題の前進の大道である。専従者の生活と健康、その活動を、党全体の宝として位置づけ、それを党全体で支える気風をつくる。党機関の指導体制の強化と財政活動の強化が、「好循環」の方向にすすむよう、中央と地方が一体になって力をつくす。

第6章 日本における未来社会の展望について

(28)“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか

 日本共産党がめざす未来社会にかかわって、「中国と同じ社会をめざすのか」という疑問が、よく寄せられる。中国やベトナム、キューバの現状をどうみたらいいのか、日本における未来社会の展望をどうとらえるか。これは大きな問題である。

 中国やベトナム、キューバの現在と今後をどう見るかという点では、つぎの二つの角度が大切である。

①“社会主義に到達した国ぐに”ではない

 第一の角度は、これらの国ぐには、“社会主義に到達した国ぐに”ではなく、“社会主義をめざす国ぐに”――「社会主義をめざす新しい探究が開始」(綱領)された国ぐにだということである。

 たとえば、中国は、経済規模では日本を抜いて、世界第2位の経済大国になり、世界経済のなかでの比重を年を追うごとに高めている。同時に、国民1人あたりの国内総生産で測ると、なお発達した資本主義国の8分の1という水準にとどまっていることも事実である。そのことは中国政府自身が、中国の現状を「大量の貧困人口を抱える発展途上国」と規定していることにも示されている。

 こうして中国の場合、社会主義という以前に、社会主義の経済的土台である発達した経済そのものを建設することに迫られているのが現状である。そして、そうした経済的土台をつくる過程で、中国では市場経済を導入している。この道が合理性をもっていることは、「改革・開放」以来の中国の経済的発展が証明しているが、同時に、この道を選択すれば、国内外の資本主義が流入してくるし、そこから汚職・腐敗、社会的格差、環境破壊など、さまざまな社会問題も広がってくる。

 中国の将来を展望する場合に、この国が、今後もかなり長期にわたって、貧困とのたたかい、所得格差を縮小するたたかい、発展のなかで環境を保全していくたたかい、政治体制と民主主義の問題など、さまざまな問題と格闘を続けていかなくてはならない――そういう国として見ていく必要がある。

 そこには模索もあれば、失敗や試行錯誤もありうるだろう。覇権主義や大国主義が再現される危険もありうるだろう。そうした大きな誤りを犯すなら、社会主義への道から決定的に踏み外す危険すらあるだろう。私たちは、“社会主義をめざす国ぐに”が、旧ソ連のような致命的な誤りを、絶対に再現させないことを願っている。

 わが党は、これらの国ぐにが抱えている「政治上・経済上の未解決の問題」について、内政不干渉という原則を守りながら、いうべきことは率直に伝えてきた。中国共産党指導部に対しても、中国の政治体制の将来という問題、「反日デモ問題」や「チベット問題」、尖閣諸島問題、「防空識別圏」問題などについて、節々で率直にわが党の見解を直接に伝えてきた。

②いやおうなしに資本主義国との対比が試される

 第二の角度は、“社会主義をめざす国ぐに”が、社会の発展段階ではなお途上国に属しながらも、世界の政治と経済に占める比重は、年々大きくなるもとで、いやおうなしに資本主義国との対比が試されるようになっているということである。

 「人民が主人公」という精神が現実の社会生活、政治生活にどれだけ生きているか。

 経済政策の上で人民の生活の向上がどれだけ優先的な課題になっているか。

 人権と自由の拡大にむけて、自身が認めた国際規範にそくした努力がなされているか。

 国際活動で覇権主義を許さない世界秩序の確立にどれだけ真剣に取り組んでいるか。

 核兵器廃絶、地球温暖化などの人類的課題の解決にどれだけ積極的役割を果たしているか。

 覇権主義という点でいえば、レーニンが、勝利したソビエト・ロシアが周辺諸国との関係で大国主義的な態度に陥ることを、どんなにきびしく戒めたかも、想起されなければならない重要な問題である。

 私たちは、これらの問題について、中国やベトナム、キューバが、資本主義国との対比において、「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国ならではの先駆性を発揮することを、心から願うものである。

(29)日本における未来社会は、きわめて豊かで壮大な展望をもっている

 日本が、社会主義の道に踏み出したときには、その出発点の諸条件を考えるならば、きわめて豊かで壮大な展望が開けてくる。

 中国、ベトナム、キューバが抱える「政治上・経済上の未解決の問題」は、根本的には、これらの国の革命が、経済的・社会的・政治的に発達の遅れた状態から出発したことと不可分に結びついている。中国やベトナムは、それに加えて、外国帝国主義による侵略戦争で国土が荒廃させられたところからの出発という問題があったし、キューバには長年にわたる米国による無法な経済封鎖という問題がある。

①未来社会への移行の過程の条件――経済力の水準について

 日本における未来社会を展望した場合には、未来社会への移行の過程の条件は、異なったものとなる。

 日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる。その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的諸矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう。

 日本経済は、現在の水準でも、日本国憲法にいう「健康で文化的な最低限度の生活」を国民すべてに十分に保障できるだけの経済力をもっている。社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった「浪費型の経済」――繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融経済の異常な肥大化など――になっているためである。

 生産手段の社会化によって、資本主義に特有の「利潤第一主義」という狭い枠組みから解放され、「生産と経済の推進力」が、「資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展」に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした「浪費的な部分」は一掃されることになるだろう。そのことによって、現在の社会的生産の規模と水準でも、日本国民すべてに「健康で文化的な最低限度の生活」を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう。

②未来社会への移行の過程の条件――自由と民主主義、政治体制について

 自由と民主主義、政治体制という点でも、日本での社会主義の道は、中国などとは異なる道をすすむことになる。

 中国、ベトナム、キューバでは、政治体制の面で、事実上の一党制をとり、それぞれの憲法で「共産党の指導性」が明記されている。これは、それぞれの国で社会主義をめざす勢力が、革命戦争という議会的でない道を通って政権についたことと関連がある。もちろん、議会的でない道を通って政権についた場合でも、レーニンがロシア革命の初期に実践したように、反対政党の禁止は一般的な革命の原則とはいえない。同時に、議会も民主主義の経験も存在しないという条件から革命が出発したことが、現在のこれらの国ぐにの政治体制のあり方と結びついていることを、見ておかなければならない。

 日本では、このようなことは決して起こりえないことである。日本共産党は、当面する民主主義革命でも、将来の社会主義的変革においても、その一歩一歩を、選挙による国民の審判を受け、議会で多数を獲得することによって進むことを、綱領で宣言している。綱領には、つぎのように明記している。

 「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」

 「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」

 「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」

 これが綱領が国民に約束している社会主義日本の展望であるが、これはたんに綱領上の公約というだけにとどまらない。日本のように憲法で国民主権、基本的人権がうたわれ、議会制民主主義が存在する社会を土台にするならば、未来社会において、それらが全面的に継承され、豊かに花開くことは、歴史の必然である。

 発達した資本主義国から社会主義・共産主義の道に踏み出した経験を、人類はまだもっていない。この変革の事業のもつ可能性は、その出発点の諸条件を考えるならば、はかりしれない豊かさと壮大さをもつものとなるだろう。そのことに深い確信をもって、未来を展望し、前進しよう。
  1. 2017/01/18(水) 08:00:50|
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