古本屋通信

国鉄詩人・矢木明

古本屋通信    No 2362   2017年  01月05日


      国鉄詩人・矢木明

 私は直前板の詩人の何人かの作品は記憶にあったが、その消息に関する情報には疎かった。とりわけ矢木明氏は、特別養護施設に入所される直前に訪問して古本を譲ってほしいと依頼して以後の消息が知れなかった。津島の旧宅は売りに出されていたと思う。今回の『道標』特集号には生存年が明記されていて、「宇野駅 矢木明(1927 ~ 2013)」とあった。2013年の何月か分からないが、これは私が最終にお会いした直後から時間が経過していないときだろう。私の通信のブログ内検索にも何件かヒットしたので、それも照合しつつ少しこの国鉄詩人・矢木明さんを偲びたい。

  私は何回か矢木さんの市議会報告は聴いたと思うが、個人的に話したのは古本を買いに伺った一回だけである。その時は既に複数の同業者が詩集等を持ち帰ったあとで、矢木さんは残った骨董(たぶんガラクタ)を私に売ろうとしたのだが私は断った。それで幾らかの残された雑本を無料で戴いただけだった。身体も精神もきわめて丈夫に見えたのだ。以下、私の記事を転載する。


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   再録


  古本屋通信     No 1362  2015年  3月27日

  矢木明氏の年賀状(1979年)

 元日本共産党岡山市議で詩人の矢木明氏の年賀状が出てきたので貼っておく。宛先は私ではない。古本の宅買いの書籍と一緒に出てきたものである。紙類を一括して買い上げたのだから、所有権はもちろん古本屋にある。年賀状の印刷書面は私信の文書に当たらないと見做しうる。矢木氏の場合は詩表現である。

  迎春    1979年元旦 
 若水を汲んでなど子供は知らぬ
 雑煮もほしがらない
 おせち料理の生活の知恵も
 感じない
 開けましておめでとう と
 テレビが教える
 何かよい事はないかと
 改った顔をする新年
 今年は気持の年ではない
 平和をまもり、くらしを守り
 未来をひらく行動の年
 二一世紀をめざす行動の年
 一九七九年 おめでとう

 岡山市議会議員 国労岡山地本準専従役員    
 矢木明   岡山市津島本町16-3
          

   あて先  市内津島新野 6-32  松本健次様(仮名)

 古本屋通信
 3年ほどまえ、河田正一さん(現岡山市議)のブログで、矢木さんが施設に入所されるという話を知り、古本とりわけ詩集を買いに飛んで行った。果たして矢木さんはおられた。しかし書架はすでに空っぽだった。同業者が別々に二人きてもち帰ったということだった。私はそれでも残り物を数冊タダでいただいた。
 もち帰った一店が次のシンフォニー古書まつりに出品した。矢木さんの蔵書は蔵書印など押してなかったが、それとすぐわかった。私は詩集に限ってだが、片っ端から買った。本人の数冊のほか、岡山の詩人から贈られた詩集があった。くにさだきみも、沖長ルミ子も。くにさだの詩集には矢木さんのエンピツの書き込みがあり、それは酷評だった。私はそれを宝にしていた。
 昨年、私は手持ちの詩集の全てを処分した。同業者に売ったのである。その同業者が再びシンフォニー古本まつりに詩集を出品した。どれだけ売れたかは聞いていない。しかし確かに出品していたと生協の I 田さんから聞いた。私はいま矢木さんの健在を確認できていない。



  再録

  古本屋通信      No 2152  2016年  9月17日

  宅買い本(元小学校女性教師)のメモ
 3日休んだら体調は何とか回復した。女性教師宅から買った左翼関係を何冊か抽出してメモしておく。ただし古本的に面白いからではない。自分が持っていないか、持っていても記憶が薄れているので、自分用にメモしておくのだ。だから形式を無視したメモランダムになる。興味があれば御覧ください。


矢木明詩集 1971年  これは持っていたが売ってしまっていた。戦後まもなくの詩から載っている。解説は岸本徹。矢木は2年まえに施設に入所、今は消息が判らない。元祖岡山の国鉄詩人。元岡山市議(日本共産党)。

 以下、省略。


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  私がかつて所有していて、同業者に売った矢木さんの詩集は以下だった。

*矢木明詩集 消えぬ導火線 矢木明 国鉄詩話会 金光剛画 1967
*駅の刻印 双書現代詩一千行 矢木明 手帖舎 宮園洋装丁 1991 
*何をしゃべってきたか十六年 市議会報告集 矢木明 手帖舎 1987


  つまり No 2152 の宅買い本の詩集は上記3冊とは違う「記念碑」という詩集だということがいま分かった。そしてそれは岡山県立図書館にはなく、岡山市立図書館のみにあると分かった。

矢木明詩集 記念碑 矢木明   岡山 生活と文学の会 1971

  タイプ印刷で20篇の詩が収録されている。頒価100円と打たれているが明らかに非商業本の自費出版である。たぶんこれは「詩集・車票の裏に書いた詩」、「詩集・消えぬ導火線」に続く第三詩集であろう。

  まだ決めたわけではないが、このうちの何篇かをここで紹介したいと思っている。全てマルごとだと著作権の関係でダメだろうが、私の好きな詩だけなら許されよう。各詩のあとに一行の短評を付すつもりである。
  1. 2017/01/05(木) 07:19:24|
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