古本屋通信

毎日新聞の見出しに驚く

古本屋通信     No 2025   7月06日

  毎日新聞の一面の見出しに驚く

  失恋後 I S 参加  バングラテロ  首謀格の友人証言

  一瞬わが目を疑った。ブル新聞はここまで狂気になれるのか。

  バングラの事件を私は内戦だと評価しているが、ブル新聞が銃撃した側を「犯人」だとか「テロリスト」だとか呼ぶこと自体に驚きはしない。驚きはしないが一応指摘しておこう。

  まず「犯人」だが、これは文字通り「法を犯す人」の意味である。バングラにはバングラの法があるだろう。しかしそれに抵触したからと云って、日本の立ち位置で犯罪になるわけではない。なぜなら自国と他国の法体系は別物だからだ。日本のブル新聞が「犯人」呼ばわり出来る道理がない。ここは日本なのだ。日本人に向かって報道している。

  テロなる用語の誤用は既に書いたが、かりに銃の発射をテロと呼ぶにせよ、いったい政治目的で銃を使用することは万国共通の犯罪なのか。ではなぜ権力側が銃を使うことは許されるのか。日本のように議会制(代議制民主主義)が整備されている国の基準で考えてはならない。残念ながら、これまで強力(暴力)なしで社会変革を成し遂げた国はなかった。これは銃を使って社会を変えることを肯定するのではない。少なくとも他国の事件について、自分の狭い「常識」に拠るなということだ。


 で、青大字の見出しだが、これは究極のキチガイだろう。なんかね。ひとが一定の行動を選択するとき、その行動に至るまでの個人の内的および外的な、あるいは直接的および間接的な要因は複数か多数あるだろう。それを単一に絞ることは不可能だ。例えば自殺はしばしば失恋と結び付けられるが、太宰や芥川の自殺の唯一の要因を失恋と断定する者はいないだろう。ましてや、青年の政治参加が失恋のせいだとなぜ言えるのか? 「首謀格の友人証言」を借りる手口がもっとも汚い。大体「首謀」なる用語の使用も間違いである。


 毎日新聞は完全に狂っている。「失恋後 I S 参加」こういう日本語はあり得ない。失恋と政治参加は関係ない。記事の悪意は見え透いている。I S 参加は狂気だ。失恋が彼を狂気に導いた。こういう記事は万死に価するだろう。然しここまで狂うかなあ。

 この記事は9ページ目に続く。「大学 過激派の温床」 の見出し。もうヤケクソである。因みに私は一面も、9ページ目も、本文記事を一字も読んでいない。読まなくてもなにを書いてあるか読める。

 こういう時代なのかなあと思う。物分りがよくはなりたくないなあと思う。。


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 以下の記事を読者に問う。


橋本さん遺族「夫、父を誇りに思う」 ダッカ襲撃
2016年7月6日22時41分  朝日新聞デジタル

写真・図版
橋本秀樹さん=遺族の代理人提供

 バングラデシュ・ダッカで起きた襲撃事件で、犠牲になった橋本秀樹さん(65)の遺族が6日、代理人を通じてコメントを出した。「衝撃・悲しみは、到底言葉で言い表せず、まったく受け入れられない」と無念さをにじませた。

特集:ダッカ襲撃事件

 橋本さんは1974年に旧国鉄に入社し、鉄道事業に長年携わってきた。今春、オリエンタルコンサルタンツグローバル社に入社。国際協力機構(JICA)が委託した鉄道事業の調査のため、6月10日にダッカ入りしていた。

 遺族は「今まで培ってきた鉄道建設の知識や技術をバングラデシュの発展のために生かし協力したいと、これからの人生に新たな志を持っていた夫、父を大変誇りに思っている」。今月9日には帰国する予定だったという。

 家庭では一家の大黒柱だったといい、「今は安らかに眠ってもらいたいという思いしかなく、静かに送り出すことだけで精いっぱい」とつづった。

 福岡県の高校の同級生で、柔道部でも一緒だったという男性(66)は「悔しいし、苦しいよ。先輩にもかわいがられ、友達も多いやつだった」と話した。

     ◇

 バングラデシュ・ダッカで起きた襲撃事件で、犠牲になった橋本秀樹さん(65)の遺族が6日、代理人を通じて報道機関にコメントを出した。全文は以下の通り。

     ◇

 自分に厳しく、他人に優しく、家庭をとても大事にしていた夫、父は、家族にとって、正に一家の大黒柱でありました。

 そうした夫、父を、今回の事件で突然亡くしてしまった衝撃・悲しみは、到底言葉で言い表すことはできず、現時点ではまったく受け入れることができておりません。

 今まで培ってきた鉄道建設の知識や技術をバングラデシュの発展のために生かし協力したいと、これからの人生に新たな志を持っていた夫、父を大変誇りに思っており、その志半ばでこのようなことになってしまったことは、無念でなりません。

 家族としましては、今はとにかく、夫、父に安らかに眠ってもらいたいという思いしかなく、静かに送り出すことだけで精いっぱいでございます。

 報道関係者の皆様におかれましては、そうした心情を酌んでいただき、何とぞ静かに見守っていただきますようお願い致します。


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  古本屋通信

 解題として少しだけ書こう。犠牲者である。その犠牲者に鞭を打つ行為が日本的美意識にそぐわないことも理解する。だから犠牲者の周辺が死者を弔う心情は当然である。事実、残された方は何の政治的発言もしていない。

  然し、ブル新聞が上記のような記事を書くことは別問題である。少し性格は違うが、日本の侵略戦争の犠牲になった侵略の地での死者を例に引こう。

  死者はすべて犬死であった。痛ましいけれど犬死であった。これを尊い犠牲者として奉ったのが靖国神社であり、靖国の思想である。この靖国の思想こそ改憲の思想であり、安倍クンの思想である。安保法制をぶっ潰すためには靖国の思想を乗り越えなければならない。自衛隊の増強にも反対しなければならない。すでに消去したが、太宰ファンさんとの論争で、彼はわたしを「がんこだよね」 だと言ってくれた。天動説や反進化論に譬えてくれた方もいた。不名誉ではない、名誉なことだ。何時までも頑固でありたいと想う。

  ありゃ、捨てる神あれば、拾う神ありじゃ、強力な援軍が現れた。ここに貼るのはもったいないから、新しいエントリーを立てようか。
  1. 2016/07/06(水) 15:40:59|
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