古本屋通信

近所の芸術家の宅買い

古本屋通信    No 1817   3月21日

  
  近所の芸術家の宅買い



  更新が滞っているのは首くび頚を痛めているから。整形(レントゲン)で診てもらったら曲っているそうで、パソコンが特に悪いと言う。薬とテープで誤魔化している。

  もう歳だから店内在庫3万冊のうち1万冊をツブす作業に入っている。昨夜店内で作業していたら、近所の奉還町の芸術家が本を見に来いという。名前は知っていたが会うのは初めてだった。

 自宅兼アトリエに伺った。ビルの2階。広くはなく、本も2棚と文庫だけ。しかし美術と文学関係の良書がいっぱい。だが残念ながら古本屋としては値がつけ難かった。選択買いとさせて貰った。10点ばかりで6000円の支払い。詩関係2冊と建築数冊。あと同人誌30冊。芸術家は近年は建築関係だが、若いときは何でもやり、特に版画を手がけたみたいだった。

  私が抜いた1冊は吉塚勤治の『頑是ない歌』。私は詩人・吉塚勤治の本は何回か売買しているが、この第一抒情詩集は見たことがなかった。ボロボロに傷んでいたが、どうしても欲しかった。一冊で3000円支払うと申し出たが、芸術家は惜しんだ。自分の版画数点が入っていたからだ。聞けば若いとき吉塚と交流があり、寄宿もしており、、同人の土曜懇話会で一緒だったという。しかしネバって口説き落した。この土曜懇話会には岡山の1960年代初期の錚々たる知識人が顔をそろえており、同人誌 『土曜』 は其の記録であった。私はこれも初めて見た。宝であった。これに1000円払った。あとは全て置いて帰った。

 この 『土曜』 メンバーの紹介もいずれするが、今は首くび頚をかばうことを優先したい。


  1. 2016/03/21(月) 02:08:14|
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