古本屋通信

これの何処が問題なのか?

古本屋通信    No 1559   8月13日

 
 
 これの何処が問題なのか、私はまるで分からない



朝日新聞デジタル
在日韓国人男性に「勤務先は北か南か」 採用面接で質問
2015年8月13日03時04分
 岐阜市の外郭団体の理事長が4月、嘱託職員の採用面接に来た在日韓国人の男性(63)に対し、当時勤めていた学校について、「ここは北か南か」と質問をしていたことが12日、分かった。市は文書で「人権侵害」を認め、謝罪した。
 団体は市営施設を管理運営する公益財団法人「岐阜市教育文化振興事業団」。「少年自然の家」で指導補助をする嘱託職員の採用面接だった。
 応募した男性は、履歴書の職歴に、大阪府茨木市にあるインターナショナルスクール「コリア国際学園」を記載。理事長は4月15日の面接で、この学校について「ここは北か南か」「どういうところから生徒が来ているのか」などと質問した。男性は「韓国と北朝鮮のどちらを支持しているのかを聞かれていると感じ、うろたえた」と話す。結果は不採用だった。





   古本屋通信

 まず最初に。採用試験であろうがなかろうが、一般的にひとは他人に国籍を聞いてはならないのか。それは時と場合によっては失礼になることはしばしばあるだろう。然しそれ以上に許されない差別的質問なのであろうか。

 私は欧米人を見て国籍が分からない場合は多い。「あなたはアメリカ人ですか、それともイギリス人ですか」 は許されないのか。朝鮮人が同じ民族でありながら2つの国家に分断されて、いずれかに所属していることは知っている。しかし2つの国家が事実上存在しているという前提に立てば、あなたは「北ですか、それとも南ですか」 は国籍を聞く質問として、欧米人への質問と変わるまい。私は朝鮮人を特別扱いにしなければならない理由が分からない。


  あなたの以前の「勤務先は北か南か」 はその延長で考えたらよいのではないか。私の古本屋が他人を雇用するケースはないが、仮にも規模が万歩書店並みであったら、常に採用を補充しなければならない。在日朝鮮人が採用に応募してきたら、私はさいてい「北ですか、南ですか」とは訊くだろう。私の場合はもともと「南」を国家として認めていない。だからと云って採用に差を設けることはしないが、参考までに必ず訊くだろう。訊いて何処が悪いのか、さっぱり分からない。

 企業採用においては、ふつうは訊かないで調べるのではないか。訊くのは何となくヤバイから。しかしこの方が余ほど悪質だろう。

 同じ民族が2つの異なる国家に分断されている現実は不幸である。その民族にとってはもちろんだが、かれらを受け入れる側にも少なくない戸惑いをもたらす。しかしこの現実はその民族自身によってしか変えることは出来ない。当事者でない日本人は現実を追認するしかない。

 最初に戻る。岐阜市の件は差別ではない。従って謝罪したのはあやまりであろう。

 実はこういう平凡な件を取り上げたのは、直前板のデボーリン氏との論争も関係があると思ったからである。どう関係するか書けば、話は再度混乱だろう。読者への問題提起に留めたい。
  1. 2015/08/13(木) 06:05:34|
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