古本屋通信

毎日新聞批判

古本屋通信    No 932   7月6日

  毎日新聞批判


 昨日の毎日新聞が三面の大半を使って、アマゾンの値引販売を批判している。まず見出しだけ列挙しておく。

本、値引き アマゾンに出荷停止   中小3社 苦渋の決断   出版文化守りたい   書店数激減 業界に恐怖感


 上からの目線で書こう。この見出しを見ただけで、読まなくても記事の内容は予測が付く。典型的なヤラセ記事だろう。但しウソを書いている訳ではない。綺麗事の予定調和的な作文だろう。暇な方は(毎日新聞を)お読み下さい。ブル新が欺瞞に満ちたダメな新聞だという事を書きます。

 まず値引きですが、その前に本が定価販売であることについて。今日の新聞にも「再販制度」として説明があります。本は独禁法適用の除外商品として知られています。日本では戦後ずっと再販商品を維持してきました。表面的には業界関係者はみんなこれに賛成です。

 それぞれの取り分を書きます。1冊1000円の本が売れたとします。出版社670円、取次(卸)店100円、小売書店230円。ざっとこうです。小売店は少ないです。これを値引きしてたら書店はやっていけない。書店が潰れると出版社にも跳ね返ってきます。出版文化の危機だという一般論があります。毎日新聞はこの線で記事を書いているのです。そして業界紙も、日書連も、書籍協会も、出版労連も、取協も、赤旗さえも、この線で50年書き続けてきました。再販制度をまもれ、これは間違ったスローガンではありません。 

 再販制度の裏付けになっているのが再販価格維持協定です。出版社と取次店と小売書店の3者間協定です。定価販売を厳守しますと。普通は自由競争の資本主義国では法律違反なのですが、本は例外として認められているのです。しかし協定は単に関係者間の約束事ですから、違反したからといって法律違反で罰せられる訳ではありません。

 ここからさきが欺瞞的です。再販価格維持協定は全ての小売書店によって50年間ずっと公然と破られてきました。出版社や取次店はそれを黙認するだけでなく、ときには推奨してきました。全ての一括採用本は5~10%の値引きが常識です。公立図書館に納入するとき、定価で本を納入しますか? すべての外商では値引きがあります。常識です。すべて協定違反です。法律違反ではありません。そしてこれをやっていきたのは大手書店よりもむしろ日書連傘下の中小書店です。紀伊国屋書店の岡山進出に際して、地元組合は紀伊国屋に「外商はしない」という一札を入れさせました。これは自分たちは値引き販売はするが、大手には値引きを認めないという話です。図書館にも本を入れさせないと。このとき取次店(トーハン)の立場は微妙でしたね。

 なにが「出版文化を守りたい」 か? 今回アマゾンにケチをつけているのはどこだろうか、注意して新聞を読みました。ところが緑風出版以外の出版社が出てこない。不思議なことだと読んで行くうちに 出版社を支援する書店の名前が出てきました。日書連系のトップの有隣堂書店です。有隣堂がこれらの出版社のブックフェアーをやるというのです。今回の仕掛人は有隣堂だろうと思いました。何のことはない、きょうの毎日新聞の記事は有隣堂の記事広告だったのです。

 この記事は本当にいやらしい。ちょっと頭を使えば分る。「中小3社 苦渋の決断」? 「アマゾンに出荷停止」?

 3社の出荷停止冊数の合計が2700冊だと? よう書くな、こんな記事。アマゾン古本に1万冊の出品者はくさるほどいるワ。3社の合計がコレでは、アマゾンはくしゃみもせんワ。ヤラセです。

 ちゃんと抜け目なく、大手のコメントも取っています。紀伊国屋と講談社は大人の模範回答。小学館と集英社はハナから相手にせず「ノーコメント」。馬鹿にし切っているのです。

 出版業界、新刊書店業界、古本業界と癒着しているブルジョア新聞は毎日新聞です。ここでは朝日、読売、日経を寄せ付けません。ずっと注意して比較してご覧ください。古本の神田古書マップなんかも毎日新聞社の独占です。東京組合との癒着です。まあ、毎日ムックのお粗末なこと、とても恥かしくて読めませんね。ちょうど武田・石村みたいにお粗末です。こんなことでさえ古本屋は書きません。東京組合の専売特許である日本の古本屋にも目を光らせなければなりません。

 あっ、思い出しました。今回のアマゾンのような実質値引きは、これまで数えきれないほどありました。日書連系の書店くじだって、大宣伝の鳴り物入りでした。私は大手書店を持ち上げて中小書店を貶すのは本意ではないけれど。店員のレベルひとつとっても、岡山の細謹舎が潰れたのは納得です。岡山の共産党もヘンなのを甘やかしてはいけませんね。月末までの大躍進運動がんばって下さい。



  1. 2014/07/06(日) 03:13:53|
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