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古本屋通信

マルクス主義国家論と藤野保史

古本屋通信     No 2015   6月30日

   マルクス主義国家論と藤野保史の天才性


  表題のタイトルで書きたいのだが、何か書くとき、読者と共通の土俵を共有するためには前提を断り書きしなければならない場合がある。その作業は私にはかなり鬱陶しいのだが、そういう作業から始めなければならない。

  私は学生時代からマルクスを読んできたが、自分のマルクス理解に自信がある訳ではないから、マルクス主義者を名乗ることはおこがましく、マルクス学徒またはマルクス者を名乗ってきた。しかしマルクス主義者でありたいという気持ちを隠したことはない。その点でいえば、不破哲三の 「マルクスと友達になろうよ」 は私に馴染む言葉なのだ。で、私はマルクスとエンゲルスの理論を自分のアレコレの論稿のベースに据えている。このことを隠したことはない。

  続いて不人気の絶頂にあるかに見えるレーニンだが、その全てではないが、基本的な理論の枠組みは帝国主義の時代のマルクス主義として、今まお有効性を失っていないと考える。レーニン主義の特徴を一言で表現するのは難しいが、敢ていえばプロレタリア独裁(執権)論と国家論だろう。この点の認識で云えば、私の認識は日本共産党綱領の枠組みと大きくは食い違ってない。

  国家論だが、私の典拠はレーニンの 『国家と革命』 および 『国家について』 である。いずれも数種類の邦訳がでている。大月版、岩波版、角川版が一般的である。私くらいの年配の蔵書(古本)からは必ず出てくる。

  国家とは階級対立の非和解的な産物であり、支配階級が被支配階級を支配するときに欠かせない階級支配の道具である。暴力装置である。私はこのレーニン主義の基本的命題を疑ったことは一度もない。レーニンの規定はこの限りで無条件に正しい。

 国家とは権力であるが、各国におけるその具体的な現れは以下である。すなわち軍隊、警察、裁判所、消防、監獄、等。

国家とは、元々階級支配の機関であり、階級が他の階級を抑圧する機関として生まれたものであり、それは階級対立の非和解性の産物である」、「国家は、階級対立の非和解性の産物であり、その現れである。国家は、階級対立が客観的に和解されることができないところに、またその時に、その限りで発生する。逆にまた、国家の存在は、階級対立が和解できないものであることを証明している」、この権力は主として何であるか?それは、監獄等を自由に使うことの出来る武装した特殊な部隊にある。常備軍と警察とは、国家権力の暴力行使の主要な道具である (「国家と革命」)。

 ここに引用した国家論がアレコレの市民的日常感覚と親和性があるか否かは別問題である。具体的事例を挙げれば、われわれは交通事故に出会ったとき警察の手を煩わせる。火事になれば消防を呼ぶ。今回の熊本水害では軍隊である自衛隊が出動した。これらの活動ががいっけん超階級的に見えようと、これは国家の本質を些かも変更しない。

 云うまでもないが、ここで云う国家(権力)とは資本主義の国家だけではない。未来社会に置ける国家、仮説的に云えば社会主義に於ける国家も全く同じである。プロレタリアートが権力を掌握したあとの社会では軍隊、警察、裁判所、消防、監獄、等はプロレタリアートが資本家階級の反革命を未然に防止するための暴力装置になる。

 長すぎた前提になった。具体的な問題に入っていく。今回の藤野問題である。キンピーサイトのKM生さんの投稿を引用させていただく。

11. KM生
2016年06月26日 21:30
藤野は「対米従属の自衛隊は憲法違反。我々は(自民党とは違った意味で)憲法改正・日米安保廃棄して、国防のための自主独立の軍隊を持つ」と言えばよかったんだよ!


  これは私もしばしば書いてきたが全く正しい。日本の軍隊である自衛隊は違憲の存在であるし、日米支配階級の人民支配の暴力装置である。したがって「人殺しの海外派兵」にちょくせつ従事していようがいまいが、日本共産党は自衛隊の増強に反対せねばならない。自衛隊員の増強のポスターの貼りだしなどには共産党は一貫して反対してきた。今後も自衛隊の増強に通じる自公政権の政策を叩き続けねばならない。

 日本共産党を含む民族民主統一戦線政府が樹立された暁には、憲法を改正して自衛軍を持つことになる。これは他国(帝国主義)からの侵略に備える抑止力になるからではあるが、自国の反革命を防止するためでもある。

  ただ、はっきりさせておきたい。日本のいまある自衛隊は民族民主統一戦線政府の自衛軍には絶対に使えない。プロレタリアートが権力を掌握した時点で解体し尽くさねばならない。必ずや反革命軍として作用するからである。これは1965年のインドネシア反革命で明らかである。権力を奪取する直前のインドネシア共産党員 500万人を殆ど一夜にして虐殺してしまった。これが権力の道具としての軍隊の本質である。日本の自衛隊は解体し尽くさねばならない。

  藤野保史がNHK政治討論会で喋ったことは何の問題もないだけでなく、初歩的常識である。コレに反対の日本共産党員など一人もいない。すでに書いたとおりである。こういう常識的認識が反共風土の強い日本で「国民的」合意に至っていないことは何の不思議もない。安倍さんの顔を見れば分かるだろう。

  ここで藤野保史の天才性に就いて一言だけ。いちど喋ったことを取り消したり、「反省」 して政策委員会責任者を辞任したことは藤野の輝きをまるで減じていない。いっそう輝いている。なにゆえ藤野は天才か。民共野合の欺瞞性を見えるかたちにしたからである。自公政権の民共野合批判を活性化し、加えて枝野幹事長の「共産党と組んだのは間違いだった」という発言まで引き出したからである。 続きを読む
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  1. 2016/06/30(木) 05:19:55|
  2. 未分類

藤野政策委員長の更迭を検証

古本屋通信     No 2013   6月29日


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    更新日時 : 2016/06/29   06:41




   藤野保史(やすふみ)政策委員長の更迭を検証する 

 一瞬わが目を疑った。まさか、まさかである。藤野のどこが誤りだったのか。どこが党の方針と異なる誤った発言だったのか。いったいどこが自衛隊員を傷つけたのか。そういう個所はまったく見当たらない。あるのは志位執行部の選挙方針にとってマズかったと、執行部がそう見做したという理由だけだ。現在の党綱領を擁護する立場に立っても、藤野は何ら誤っていない。当面の選挙において今回の辞任は(執行部の思惑とは反対に)こころある有権者の党に対する信頼を決定的に裏切るだろう。その結果として党の支持票はおそらく百万票単位で激減するだろう。これが藤野政策委員長更迭の負債である。血をもって賄わねばならない。これとは反対に、党が俗論に惑わされることなく断固として藤野政策委員長を守り切っていたならば、党に対する信頼は強固になり、当面の選挙に勝利していたであろう。いずれにせよ結論は選挙投票日の7月10日に出る。私は志位執行部に抗議の意を籠めて、比例区で日本共産党に投票しないことを表明しておく。田村智子さん、約束違反でごめんなさい。


 共産・藤野政策委員長辞任 「人殺すための予算」発言で
 2016年6月28日22時59分  朝日新聞デジタル
  共産党の藤野保史(やすふみ)政策委員長(46)は28日、防衛予算について「人を殺すための予算」と発言した責任を取り、政策委員長を辞任した。藤野氏は記者会見で「党の方針と異なる誤った発言で、結果として自衛隊のみなさんを傷つけたことを深く反省し、国民のみなさんに心からおわび申し上げる」と述べた。同委員長は当面、小池晃書記局長が兼任する。
 防衛予算「人を殺すための予算」 共産・藤野氏が撤回
 藤野氏は26日のNHKの討論番組で、防衛費が2016年度当初予算で5兆円を超えたことなどを指摘した際、「人を殺すための予算ではなく、人を支え、育てる予算を優先していく」と発言。同日夕には党広報部を通じて「不適切であり取り消す」との文書を出し、発言を撤回したが、自民、公明両党の批判の的となった。安倍晋三首相は26日、甲府市での演説で「自衛隊に対する最大の侮辱だ」と指摘した。公明の山口那津男代表は28日、新潟市の演説で「血も涙もない共産党に、人々の命や財産を任せるわけにはいかない」と指摘した。
 藤野氏は衆院当選1回。今年4月、政策委員長に抜擢(ばってき)されたばかりだった。党関係者は「火が広がりすぎ、どうしようもなくなった」と話した。


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  産経新聞詳報    産経新聞詳報    産経新聞詳報

古本屋通信のコメントを随所( )内に赤字で付すことにした。


  【共産「人殺す予算」発言】 2016.6.29 00:17
 
藤野保史政策委員長辞任会見  詳報
  「人を殺す予算」は誤り  党の方針と異なる


「防衛費は人を殺す予算」と発言したことに対して、政策委員長の辞意を表明し謝罪する共産党の藤野保史政策委員長。右は小池晃書記局長=28日午後、渋谷区・日本共産党中央委員会(納冨康撮影)

 共産党の藤野保史政策委員長は28日夜、党本部で緊急の記者会見を行い、NHK番組で防衛費について「人を殺すための予算」と発言した責任を取り、政策委員長を辞任した。政策委員長を兼務することになった小池晃書記局長も同席した記者会見の詳報は次の通り。

 藤野氏まず私からコメントを読む。NHK討論で、軍事費について『人を殺すための予算』と述べたことについて、多くの方々から厳しい批判をいただいた。この発言は、わが党の方針と異なる誤った発言で、結果として自衛隊の皆さんを傷つけるものともなってしまった。深く反省し、国民の皆さんに心からおわび申し上げる
 「あわせて選挙をともに戦っている野党共闘の関係者の皆さん、支持者と党員の皆さんに多大なご迷惑をおかけしたことをおわびする。発言は撤回したが、党の方針と異なる発言をしたことは政策委員会の責任者として極めて重大であり、責任をとってこの職を辞したいと考える」

 小池氏藤野さんの深い反省と辞任の申し出を尊重して、本日、常任幹部会として藤野政策委員長の職を解くことを決めた。合わせて当面私が政策委員長の代行を務めることも決めた。党としても国民の皆さんに心からおわびを申し上げる


(党の云う事実経過については、百人が百人だれも信用ないだろう。常幹のうち誰ひとり藤野が間違った発言をしたと言うものはいなかっただろう (この傍証として常幹ではないが党中央委員でもある熊本県委員長と佐賀県委員長の産経新聞に掲載されたコメントを貼っておく。これが平均的な党幹部の見方であり、常幹メンバーと大差あろうはずがない)。議論の中心はコレで選挙が戦えるか否か、突っ張るか、それとも折れるか、いずれが選挙に有利か、それだけが問題だったのだ。常幹といっても選挙中ゆえ会議を開いた訳ではない。大半のメンバーは議論を投げて態度を表明せず、志位と小池に一任しただろう。そのほうが後(ポスト志位)がやり易いからだ。2人は藤野に詰め腹を切らせる線で合意した。藤野は抵抗せずアッサリ呑んだ。利口なのだ。あとのセルフは藤野が全部自分で考えて草稿を書いた。それを小池が了承した) 

「不用意な発言だったが、誤解だ。言葉尻をとらえての攻撃には断固反対だ」(熊本県委員会・日高伸哉委員長
「言葉足らずだったかもしれないが、発言に問題は全くない」(佐賀県委員会・今田真人委員長



 --藤野氏は今日、辞表を提出したのか 

 藤野氏今朝、指導部に辞任を申し入れた

 小池氏常幹については今日、選挙中なので持ち回りの形で

 --指導部というのは志位和夫委員長だけなのか。小池氏の代行とは

 藤野氏私から志位委員長に辞任を申し入れた

 (以上は草稿どおり)


 小池氏代行というのはまさに代行だ。当面、兼任をする

 --党本部に来た抗議の数は

 藤野氏具体的な数は把握していないが、かなり多数の電話やメールが寄せられた。多くは批判だ

(批判は多くなかった。ネトウヨ系列ばかり。それもそのはず。すでに発言を取り消しているのだから、自公両党支持者も抗議しようがないだろう。半数以上は党内外からの激励であった。「ちっとも間違っていない、がんばれ」と)


 --藤野氏の発言をめぐっては、志位委員長が「注意をした」「解決済みだ」と言っていたが

 藤野氏注意を受けて、自分でさらに考えて、その後のさまざまな批判もあったので、自分で判断した

 --今回の発言が参院選に与える影響については

 藤野氏ともに戦っている野党共闘の関係者の皆さんにも大変なご迷惑をかけたと思っている。また、支持者や党の皆さんにも本当に申し訳ない影響を与えたと思っている。それが今回の判断につながった

 (草稿どおり)


 --26日のNHK番組では、他党の方から「撤回した方がいいのではないか」という指摘もあった中、沈黙していた。重大だという認識に至ったのはなぜか

藤野氏その場で撤回すべきだったと思っている。党の方針と全く異なる発言なので、その場で撤回すべきだった。それができなかったことを含めて責任を感じて、政策委員長を辞する判断をした

(その時も、今も間違ったことを言ったという認識はゼロだから、撤回などしようがない。ただ、党の方針と異なる云々は今でも絶対にありえないと思っているが、結論の辞任が先にありきだから、落としどころはコレしかない。その点では3人で一致した)


 --そもそもどうしてあのような発言をしたのか

 藤野氏私たちは5兆円を超える軍事費全てが問題だということではなく、海外派兵用の予算を削って暮らしに回せという主張をしている。軍事費の全部を削れとは言っていないが、私の発言は『全部がダメだ』という趣旨になってしまった。これは党の方針と明確に異なる発言だ

(ホントのことだから、思った通りを喋ったまでだ。党の方針と異なる発言ではまったくないが、党の方針と明確に異なる発言だという事にしないと収まりが付かないから、そうしたまでだ)


 --藤野氏は国会議員になって長い年月ではない

 藤野氏そういう意味では、そのことも含めて、責任を感じて今回の決断をした

(出る釘は打たれるという事だろう。若いから何度でもやり直しが効く。出来れば後はサブの宮本さんか、畠山さんにやって欲しかった)


 --政策委員長は空席か

 小池氏政策委員長の代行をするわけだから、政策委員長は私ということになる。当面。書記局長と兼任

 --参院選への影響は

 小池氏今後の参院選での戦いは頑張るしかない。その一言に尽きる

 --発言による影響は

 小池氏 そういったことも含めてこういった形で重い判断を受け止めて。全力を尽くして頑張るしかない

 --発言の内容そのものを問題視したのか。それとも参院選への影響を重視したのか。表現の仕方の問題だったという気もするが、どこが不適切だったか

 藤野氏防衛費全体が削減の対象ではなく、そのうちの専守防衛ではないような海外派兵型の部分について削減して暮らしにまわすべきだと主張している。私の発言はそうした党の方針と全く違う趣旨になっている。中身が問題だ

(こういう理屈で通すという事だが、実際の防衛費は総額5兆円があるわけで、その内訳の明細があるのではない。「防衛費を削れ」が一貫した党の方針である。だから発言はまったく正しい。現実の問題としては全自衛隊員の首が切れるわけではないから、防衛費をゼロには出来ない。しかしわれわれは運動をやっている。人殺しの防衛費を生活費に回せと戦後言い続けてきた。何の問題もない。ちょっと異常である)


 --批判の声があったということだが、「辞任すべきだ」というような声はあったか

 藤野氏そういった声もあった

 (悪意のもの以外は全くなかった)


 --議員辞職は

 藤野氏辞職も含めていろいろな意見があった

(とんでもない話で、これで辞めるのなら初めから選挙闘争などやらない。党内にそういう意見があるわけがない)

 --就任してからわずか2カ月。任命責任は

 小池氏今回、こういう重い判断を受け止めて、われわれとしては辞任という決断をした。今回は本人の深い反省として辞任の決意を受け止めた

 (任命責任などあり得ない)



 --問題があったと思っているのはどこか


 藤野氏 『人を殺す』という表現を使ったことが党の方針を間違って伝えた

(防衛費、すなわち自衛隊員を人殺しのために海外に派遣する予算は人を殺す予算だ。間違いなくそうだし、直截な表現こそベストだと想っている。なんら党の方針との不一致はない)


 --表現自体にも問題があったのか

 藤野氏もちろんだ


 --共産党として防衛費をどうとらえているのか

 小池氏いま藤野氏から話があった通りだが、防衛費を全てなくせ、ゼロにしろと主張したことは一度もない。海外派兵用の兵器、高い殺傷能力を持つもの、敵基地攻撃能力を持つようなものとか、あるいはオスプレイなど、日本の国土を守ることから逸脱したようなものについては削減の対象と、一貫して党の政策では求めている。共産党として削減すべき防衛費は示している。それと今回の発言は矛盾をする。党の方針と違う発言になってしまった

(こうでも云わなければ云いようがないだろう。日本の国土を守る災害復旧費用のみ認めて、そのほかは全部アウトよ。削減すべき防衛費を数字で示すのはあやまりである)


--自衛隊の存在は明確に認め、尊重するということで謝罪をするのか

 小池氏党の自衛隊についての見解について言うと、『違憲である』という立場は変わらない。しかし、国民の合意がない限りすぐになくすことはできない。かなりの長期にわたって自衛隊は存続することになる。万が一、その期間に急迫不正の大災害とかがあった場合は自衛隊には働いていただくというのが、わが党の立場だ。その立場には変更はないし、綱領に書かれている立場から照らしても防衛費全体を『人殺しのための予算』としてしまうのは党の立場とも異なる

 (ああ、しんどいなあ


 --急迫不正の防衛のための自衛隊の役割は明確に認めるのか

 小池氏今は、そういう場合には、自衛隊の皆さんにも働いていただくというのは、この間、何度も申し上げている通りだ。そこは変わらない」

 (ああ、しんどいなあ


 --参院選での野党共闘への影響は

 小池氏
そういうこともあるので、藤野さんもこういう決断をした。われわれとしては誠心誠意、共闘の前進のために力を尽くしたい

 --今まで共産党は自衛隊の解消を訴えてきた。自衛隊の方に謝罪するのは異例だと思う。自衛隊の任務に対しては党としても尊重するのか

小池氏私どもは災害時に自衛隊が大きな役割を果たしているということはこれまでも表明してきている。立場は変わらない。一貫している

 藤野氏私も災害救援などで頑張っている自衛官の皆さんには心から敬意を表している

(だれが自衛隊に謝罪なんかするものか。自衛隊と自衛隊員は分けて考えている。われわれは一般自衛隊員の方を敵視したことはこれまで一度もない。自衛隊員のかたと手を携えて平和な日本を作って行きたい)


 --防衛に関しては

 藤野氏そうしたさまざまな自衛隊で頑張っている方を、防衛というところを超えて、今度の安保法制で海外に送る、危険な任務を加えるということが心にあった。そうした安全保障法制をなくしていくという点については、今後も頑張らなければいけないという気持ちは変わらない

      (終わり)


  古本屋通信
  私の当初の予想通り、藤野の正しい発言を訂正させたのは志位と小池の合議だった。この2人も必死なのだ。しかしよく分かった。あとから来た優れた者が先行者を越える気配がある時、先行者は必死で妨害する。どんな社会でも一緒なんだなと。大体がオカシイ。委員長の藤野がアウトなら、なぜサブの宮本か畠山を後釜に据えない?

 山下を更迭し、藤野を更迭し、宮本、畠山を昇格させない。3人の副委員長(浜野、緒方、広井)は生きているのか、それとも死んでいるのか、ウンともスンとも言わない。志位が疲れているから、小池の独裁である。
  1. 2016/06/29(水) 00:43:51|
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防衛費は人を殺すための予算

古本屋通信     No 2006   6月26日

  「防衛費は人を殺すための予算」 は全く正しい。

 防衛予算「人を殺すための予算」 共産・藤野氏が撤回
 2016年6月26日18時46分  朝日新聞デジタル
 共産党衆院議員の藤野保史(やすふみ)政策委員長は26日、NHKの討論番組で、防衛予算について「人を殺すための予算」と語った。藤野氏は同日夕、党広報部を通じて文書で「不適切であり取り消す」と発言を撤回した。
 番組には各党の政策責任者が出演した。藤野氏は防衛費が2016年度当初予算で5兆円を超えたことなどを指摘した際、「人を殺すための予算ではなく、人を支え、育てる予算を優先していく」と述べた。その場で公明党議員らが発言の撤回を求めたが、藤野氏は応じなかった。
 番組終了後の同日夕、藤野氏は文書で「海外派兵用の武器・装備が拡大していることを念頭においたものだったが、発言はそうした限定をつけずに述べており不適切」などと釈明した。


  古本屋通信 

  たった今、番組のユーチューブを見たが、全く問題ない。軍事費が人を殺すための予算であることは全く正しい。それは自衛隊が日本を守る軍隊ではなく、アメリカのために海外で人を殺すための軍隊であるからだ。これに公明党議員が反対であっても、発言を取り消せとは何事か。僭越である。藤野はまったく正しい。

  さすがは日本共産党の若手ホープ。よくぞ本当のことを言った。取り消す必要は全くない。なぜなら間違っていないからだ。国防費とは自衛隊費用だ。そもそも自衛隊そのものが違憲の存在だが、かりにその存在を黙認するにせよ、年々膨張する防衛費=軍事費は看過できない。自衛隊は断固として日本を守るための軍隊ではない。アメリカの戦争を手助けする侵略のための軍隊である。コレ初歩の初歩の常識なのよ。さっそく自衛隊の災害復旧の仕事をもって、日本に自衛隊は欠かせないと小学生のようなことを言う御仁がいる。災害復旧に重装備の武器弾薬が必要か。まるで不必要である。いまある自衛隊を解体し、武器弾薬を持たぬ防災組織を作ればよい。その予算は現自衛隊の十分の一以下で足りるだろう。繰り返す。自衛隊は人殺しのための軍隊である。早期に解体すべきだが、最低限、国防費は大幅に削減して「人を支えて育てる予算を優先させていくべきだ」。藤野政策委員長はこの限りで全く正しい。

  私が前回衆院選の初当選組で注目したのは東京ブロックの宮本と北陸甲信越ブロックの藤野だった。彼らが坂井希とともに将来党を担っていく人材だと確信していた。宮本、坂井に先立って藤野が政策委員長に抜擢されたとき、私は自分の人を見る目に自信を持った。そして今回の発言である。堂々とした正論を言えるのは実力があるからである。この時点で志位や小池を超えている。将来が楽しみな幹部である。

 予想されたことだが、藤野は発言を取り消した。取り消させたのは志位と小池の合議によってであろう。そのうちの一方だけでは取り消させる力はない。それほど藤野が力を持ってきているということだ。いまの党方針ではやむを得ない。なんせ違憲の自衛隊にアンタッチャブルなんだもんね。しかし藤野発言は生きている。国防費は殺人のための予算である。正論である。こころある人民はキラ星の如く光った藤野発言に拍手喝采を送るであろう。

  安保法制=戦争法と自衛隊との関係でいえば、自衛隊員が海外で殺し殺される日が日程に上ってきた。これを避けるための緊急避難として、私は自衛隊員の皆さんに一刻も早く除隊されることを呼び掛けている。いまなら間に合います。自衛隊員の方は様々な職業技術を持っておられます。再就職の門戸は広いと聞いています。国防費に依存しない職業を求められることを願っています。

  藤野もそうだが、宮本徹、坂井希など日本共産党には優れた人材があふれている。志位さん、あとがつかえています。いつでも引退していいからね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  さらに藤野の一頭図抜けたテレビ発言が見つかったので、併せて貼っておく。

 産経新聞  6月26日(日)15時41分配信
 共産・藤野保史政策委員長が「自衛隊は違憲」の矛盾認める 
 共産党の藤野保史政策委員長が26日のフジテレビ系「新報道2001」で、「自衛隊は憲法違反の組織だがすぐにはなくさない」との同党の主張を「矛盾」と認める場面があった。
 藤野氏は各党の政策責任者が出演した番組で自衛隊について「違憲だが、解消するのは将来の課題だ」と強調。出演者から「個別的自衛権を行使するときに命をかける自衛隊員がいる。その方々に対して『あなた方がやっていることは憲法違反だ』といえるのか」と追及されると、「だからこれは矛盾なんですよ」と発言した。


   古本屋通信

  これを産経は藤野の失策(ポカ発言)として記事にしている。まあ産経の読者レベルにはそう映るだろう。それはそれでよい。だか、この発言は藤野がマルクス主義者として正確に「矛盾」という言葉の意味を捉えていればこそ出た発言なのだ。毛沢東の『実践論矛盾論』に詳しいが、「矛盾」は否定的概念ではない。否定を含む肯定概念である。あらゆる事物は矛盾を含み、矛盾こそが事物の発展を促す。そういう意味で藤野はこの言葉を使っている。私はこういう優れた党幹部を見たのは宮本顕治以来である。若い時の不破をも想わせる。政策委員長として150点満々点の発言である。筆坂なんか足元にも及ばんワ。マイッタ。脱帽である。


  1. 2016/06/26(日) 18:39:36|
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参院選でよく分からないこと

古本屋通信     No 2005   6月26日

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      更新日時     2016/06/26    06 : 42


    参院選でよく分からないこと


  私は今回の選挙でどうしても分からないことがあるので、それを書いておきたい。
  日本共産党の比例区得票である。私はこの予想でフラフラ動揺している。党の目標は当初800万票で8議席以上だったと思う。それが途中で市田副委員長を候補者に立てるとした段階で850万票9議席に手直しした。これは了解だ。
  私はこれは目標に設定するのはよいが、現実には500万票5~6議席だろうと予測し、ブログでもそう書いた。
  然し、その後の党の戦い方が野党共闘を重視し、その結果として党の比例区得票の大幅減少は避けられないと思うようになった。で比例区得票300万票3~4議席と予測を改めた。今でもこの見方に変わりはない。
  ところが先日の各紙の予測記事で3~4議席はない。新聞によって差はあるが6~7である。比例票は書いていないが、1議席が100万票である。すると党の比例区得票は600~700万票であろう。私はこれが一向に解せないのだ。
 衆院と参院の比例区得票の仕組みは違うから、過去2回の参院比例区得票を見る。

  2010年 356万票 3議席   2013年 515万票 5議席


  これで何故こんかい600~700万票で6~7議席獲れるのか、一向に解せない。30の一人区で選挙区候補を降ろしたのだから、少なくともこれらの選挙区では比例選挙との相乗効果は半減しているだろう。加えて複数区でも他党(おもに野党)批判の論拠が弱くなり、比例区得票にも悪影響は避けられないと思う。比例区で日本共産党と競るのは自公両党ではない。まさに野党3党なのだ。野党批判が弱くて比例区で票が増える訳がない。

  まあ仮説だが、民進党を褒め殺しにする、これこそが今回選挙の共産党の政治目標なのかもしれない。お目出度いことである。
  1. 2016/06/26(日) 08:40:22|
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田辺昭夫倉敷市議の議会質問

古本屋通信     No 2003   6月25日

  資料・田辺昭夫倉敷市議の議会質問


  6月市議会「特別支援教育」についての質問と答弁  

 2016/6/23   日本共産党倉敷市議  田辺昭夫
 私が6月15日に行った6月市議会一般質問の「特別支援教育」に関わる部分の質問と答弁を掲載します。少し長いですがお読みいただければ幸いです。(なお、これは正式な議事録ではありません。正式な議事録は後日市議会HPにアップされます)

(田辺議員)
 特別支援教育についてお尋ねいたします。
まず,日本が批准をいたしました障害者権利条約に基づいて,この4月から施行された障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律,障害者差別解消法と言われていますけれども,この法律では第3章で行政機関等は,その事務又は事業を行うに当たり,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めているわけです。

法が施行されましたので行政機関,教育委員会もですね,これは義務ということになりました。ですので,法施行に当たって教育委員会は,どういう姿勢で臨むのか,基本的な考え方をお聞かせ下さい。

(井上教育長)
学校教育における障害者差別解消法と合理的配慮についてでございますが,平成28年4月に施行されたました障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律,いわゆる障害者差別解消法の趣旨は,不当な差別的取り扱い及び合理的配慮の不提供を禁止することにより,障がいの有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重しあいながら共生社会を実現していくこととされております。

その趣旨を学校教育において実現するための合理的配慮とは,一人一人の特別な支援が必要な子どもにとって最も適した教育内容及び学びの場の実現のために,過重な負担とならない範囲で必要かつ適当な変更・調整を提供することとなっております。

その提供に当たりましては,同じ障害であっても,障害の状況によりまして,必要な合理的配慮は異なることもあることから,実態把握と本人や保護者への十分な情報提供と合意形成が必要とされております。

倉敷市教育委員会といたしましては,これまでも障がいのある子ども一人ひとりが最大限の力を発揮でき,自己肯定感を高めるような支援をおこなってまいりましたが,今後も障害者差別解消法の趣旨の周知の徹底とともに合理的配慮についても適切に学校現場を指導し,推進してまいりたいと考えております。

(田辺議員)
 この社会的障壁の除去という問題と合理的配慮という問題,大変重要な問題であります。元々国はですね。中教審の初等中等教育分科会でですね,共生社会の形成にむけたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進という報告を出されています。これが実は基礎になって,教育分野におけるその合理的配慮という問題について,基本的な考え方を定めている。

今,教育長も一部引用されたというものですけれども,その中で私は重要だと思っているのは,障害のある子どもに対する支援については,法令に基づき,財政措置によって国,県もあるんですけれども,市町村は各市町村内で教育環境の整備をそれぞれ行う,つまり教育環境の整備をちゃんとやりなさいということ。これらは合理的配慮の基礎となる環境整備であって,それを基礎的環境整備と呼ぶこととすると。これらの環境整備は,その整備の状況により異なるところであるが,これらをもとに設置者及び学校が各学校において,障害のある子どもに対して,その状況において合理的配慮を提供すると,こういうことが言われているわけです。

これが基本になっているわけですよね。つまり,子どもたちのそれぞれの状況に応じて,しっかりとした合理的配慮をしなければならないですよということですね。私は合理的配慮というふうに考えた時に,先ほども教育長言われましたけれども,例えば,いろんな障害面があります。障害面があって,この障害にはこういう配慮がある,これはこうだと,そういうマニュアル化されたものではないわけですよね。例えば,自閉症スペクトラムという言い方をしていますけれども,そういう子どもたちでも,Aくん,Bくん,Cくん,Dくんといたら,それぞれ違う配慮がいるわけです。

だからそういう意味で言いますと,合理的配慮といった場合に何か手厚い支援をやることが合理的配慮かというと,決してそうではないものもある。つまり,その子にとっては,こういう配慮がいる,この子にとってはこういう配慮,そういう意味ではきめ細かい対応が必要だというふうに思うわけです。そういう意味では,何でも手厚ければいいという問題ではなくて,その子その子の実態,発達にとって一体何が大事なのか,そのことを将来に向けて,どういう支援が必要なのか,そういう観点も必要だと思います。そこをしっかり把握をされて,検討して,合意形成を図りながら進めていくと,これが大事な点だと思いますけれども,その点について教育長のお考えをお聞かせ下さい。

(井上教育長)
 今,お話のありました合理的配慮の具体的な対応につきましては,教育委員会としては,こまり感を持つ子ども1人1人の必要な支援や配慮に対しまして,学校は今できうることを本人,保護者と一緒に考えていく,それで合意形成を図り,提供しなければならないというふうに考えております。また,子どもの成長や状況に合わせまして,合理的配慮の変更,調整をしていく必要があるのではないかと考えております。学校は,その変更,調整した配慮については,その都度個別の教育支援計画と個別の指導計画にしっかりと位置付けて,個々のニーズに応じた,的確な支援等が提供できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。

(田辺議員)
 今,個々の子どもたちの状況に,ニーズに合わせて的確な支援が必要だというふうに言われました。で,次の質問になるんですけれども,そうであるならばですね,今,倉敷市のいわゆる特別支援教育がどうなっているかという問題なんですね。

倉敷市の特別支援学級の実態です。議長のお許しを得て資料をお配りしていますが,A3版の裏表になっておりまして,特別支援学級の在席児童調べということで表が小学校,裏が中学校ということです。学校名,クラス名全部隠しておりますけれども,これ見ていただいたらわかりますように,急速に特別支援学級の子どもたちは増えております。

多い順に上から順に並んでいるんですけれども,例えば,1という学校ではクラスがA,B,C,D,E,F,Gまであります。ほとんどの学年で6人,7人,7人,6人,7人,5人,6人ということになっています。こういう学校が沢山増えている。ちょっと前まではですね,1クラス3人とか4人とかだったと思うんですけれども,今ほとんどマックス,今の定数法の関係で言えば8人に教員1人となっていますから,そのギリギリまでいっているという状況があります。

しかも問題なのは1年生から6年生まですべての子どもたちが,1つの学級で学んでいると。これ9という学校を見ていただけたらいいんですけれども,9の一番下,Eというところです。これは見事にですね,1年生から6年生まで全員揃っています。

今の制度上でいきますと1年生から6年生まで全ているんですけれども,教室は1つです。先生は1人です,教諭は。つまり,1年生と6年生が同じ学級の中で授業を受けているわけです。これ通常学級でいきますと,複式学級というのがありますけれども,これは2個学年を最大にしているはずなんです。そういう規定になっているはずなんです。ところがこれは6学年が1つのまとまりになっている。

これ,私は現場の先生は本当に大変だろうと思います。ある学校を見させていただきましたけれども,こっちで1年生の国語の授業があり,ここで3年生の算数の授業があり,こっちでは社会の6年生の授業を1人の先生がやっているんですよ。間仕切りを入れて。そういうことが現実に行われているんです。本当に先生たちが苦労されて,大変な努力をされてやられています。

これはですね,私は先ほど教育長は個々の子どもたちの障害の状況に応じた,ニーズに応じた適切な対応が必要だとおっしゃいましたけれども,とてもそんな状況ではないと思いますけども,倉敷市の全小学校,中学校,中学校は裏にありますけれども,裏に表をつけてありますが,倉敷市の小学校の編制実態で言いますと,6個学年は1学級だけです,5個学年は13学級,4個学年は62学級あるわけです。ですから,もう半分近くがですね,4個学年以上なんですよ。それを1人の先生で授業をしているというのは,これはもう本当に私は異常な事態だと思いますけれども,これについて教育長,どう認識されてますか。

(井上教育長)
特別支援学級の学級編制についてでございますが,小中学校の特別支援学級の学級編制につきましては,公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により定められております。

この法律に基づきまして岡山県教育委員会では,小中学校における特別支援学級については,学年にかかわらず1学級を8人で編制することとしており,本市ではこの基準に従い学級編制を行っております。近年,特別支援学級に在籍する児童生徒の増加に伴い,特別支援学級数も年々増えております。

そのため,同じ障がい種別の特別支援学級が複数になる,2学級以上になる学校も増加をしております。例えば,本年度,小学校で,知的障害学級を2学級以上設置している学校は17校で,自閉症・情緒障害学級を2学級以上設置している学校は36校となっております。現在国においては,同一の障がい種別で複数の特別支援学級がある場合,学級編制に関する特別な基準がございませんので,倉敷市教育委員会では,子どもたちの実態を把握をして,一番子どもたちの様子がわかる学校長の判断を尊重し,児童生徒をある程度学年別にまとめて学級編制を実施する場合,障がい特性や人間関係等を考慮して学級編制を実施する場合,このような校長判断で,もっともふさわしい方法で運用を行っております。

学習の効率や教員の負担を考えますと,学年をまとめた学級編制の方が適していると思いますが,多くの学校現場では,学年よりも一人ひとりの児童生徒の障がい特性や人間関係を優先的に考えて学級編制を行っている実態がございます。そして,その中で適切な学習ができるよう交流学級への授業参加や学級を越えての共同学習など,指導効果の期待できる様々な取組みも行われております。倉敷市教育委員会としましては,今後も特別支援学級の児童生徒が落ち着いた学校生活を送りながら,確かな学力や生活力を身につけることができるよう学級編制や指導方法について適切に指導してまいりたいと考えております。

(田辺議員)
 今のちょっと教育長の御答弁は,ちょっとビックリなんですけれども,そういう認識でいいんですかね。今のお話だと学校長の判断で適切にやっている。問題がないかのように私は聞こえます。

しかしですね,これ誰が考えたって,教育長は立派な教育者だと思いますけれども,教育長だって6人の子どもたちを,1年生から6年生までの子どもを1つの学級で授業できますか。本当困難ですよ。子どもたちの1人1人の状況に合わせた授業ができるわけじゃないですか。

だから,これ「障害児学級親の会」の皆さんがアンケートを行っていますけれども,その中でこういう声が出ております。「手のかかる子どもがいると担任の先生はその子を見るのが手一杯で他の児童はほっておかれてしまう,1クラス7人も8人もいると落着けない子どもが多く,手が行き届かず先生も困っているようである,手が足りない分,できることに気づかず可能性を潰されているように感じると。それから中学校の知的クラスでは,学力がそれぞれ違う上,3学年同じクラスにいるので参観に行くと,ビデオを見て終了という授業もあったりして,ビックリした」こういう声が紹介されているわけです。

この倉敷市の特別支援学級の実態については,去る4月14日の参議院の文教科学委員会で我が党の田村智子議員が取り上げました。その際,馳文部科学大臣は,「4人とか,5人とかにわたるクラスを抱えている教員の負担は当然重いということは想像できる」と,こういう認識をされているわけです。私は,現場の先生は本当によく頑張って下さっていると思いますけれども,しかし,こんな状況を放置しておいて,先ほど言われた社会的障壁の除去,合理的配慮,できるわけないじゃないですか。だから,もう一度聞きますけれども,教育長は,この現状がいいと思っているんですか。きちっと答えて下さい。

(井上教育長)
今の特別支援学級の現状についてですが,8人いる子どもを1人の担任で見る。私も現場でそういう状況を見ておりましたが,本当に大変な実態があることは認識をしております。

今,議員さんは複式学級がいいのではないかという御指摘をされましたが,教育委員会としては,まず,8人の枠をできるだけ引き下げてもらいたいということで,これを6人あるいは5人に下げて欲しい。いわゆる特別支援学校の定員は6人ですから,義務の場合は,これは8人ということになっているんですが,これが8人が下がってくると,今言ったことが幾分緩和をされてきます。ですから,これは岡山県教委を通して国にあらゆる場合で,今要望をしておるところであります。ただ,議員さん言われたように特別支援学級の中で本当に複式が可能であるのかどうか,そこら辺については,ちょっと教育委員会としては,今は結論が出ていない状況であります。

(田辺議員)
 私の質問の意図が全然わかってらっしゃらない。私は複式がいいといっているわけじゃないんです。通常学級でも複式は2個学年ということになっているんでしょ。何で特別な支援が必要な子どもたちは6個学年でいいんですかと言っているんですよ。そういうことを言っているんですよ。

それは何故おきるのかと言ったら,今おっしゃられたように8人で教員を1人配置するという全体の括りがあるからそういうことが問題になっている。そこのところの改善をしないと問題の解決にはならないと私は思います。

そこで,私は3つほど大事だと思う点を提案をしたいと思いますので,これについてお答えいただきたいと思います。

1つは,先ほど教育長も言われましたが,文部科学省に対し,特別支援学級の8人に1人の教員の配置,配置基準ですね,これを見直しをしていただくように本当に強く要望していただきたい。私もこの間,2回文部科学省に行かせていただきましてお話をさせていただきましたけれども,倉敷の実態もお知らせをしてきました。文部科学省問題意識は持っていらっしゃると私も思っていますので,強く働きかけていただきたい。これが1点目です。

2つめは,岡山県に対して,少ない学級で学級編制ができるように教員の配置を求めるということです。これは文科省にも確認しましたが,8人に1人というのはあくまでも標準法であって,弾力的運用は都道府県においてやることはできると。

しかもですね,これは平成26年度,毎年出ているんですけれども,特別支援学級における標準学級の考え方という文章が出ておりまして,主管課長会議で出された文章の中に,国庫負担算定上の特別支援学級の複式学級の標準の考え方というのが出ておりまして,なんて書いてあるかというと,留意点ですよ,留意点で,同学年の児童生徒で編制することが原則であり,できる限り少ない個数の学年で編制すべきだと,こういうふうに言っているんですよ,国は。県はちゃんとやって下さいよと。そのための財政措置は国はやっていますよと。

つまり,これは教員の加配なんですけどね,加配やっていますよということなんです。ところが,岡山県はこれを本当に使っているのかどうか,私は非常に不思議なんです。なので,これはちゃんとですね,留意点に沿ってやって欲しいというふうに思います。

私いろいろ調べてみてですね,議会事務局の協力を得てですね,同じ中核市の秋田市を調べさせていただきました。秋田市も人口30万人ちょっとの市ですが,そこではですね,同じように5学年が1クラス,4学年が1クラスもありますが,そういうところがあるんですけれども,秋田県教委が教員を独自に採用し,そういう学級については,教員を特別に配置しているんです。つまり,複数担任をしているということなんです。

教室を分けているかどうかは見ていないのでわかりませんが,法律上は1つの学級になっていますけれども教員を2人配置することによって個々の対応をできるようにすると。他の県もいろいろと努力をされているんです。岡山県は本当にこういう状態を放置しているんですよ。
だからこういう問題が起きるという。そういう意味で県に対して強く配置を求めていただきたい。

3つめです。これは,倉敷市の対応です。倉敷市では,市の独自の予算で生活支援員を配置していただいております。市長も今議会に増員を提案されているということについては,大変評価したいというふうに思います。同時に,もう待ったなしの状況ですから,私は学級の実態に即して市として非常勤教員の採用はしているわけですから,必要に応じて配置を是非検討していただきたいと思います。以上3点提案いたしましたが,いかがでしょう。答弁を求めます。

(井上教育長)
 今,3点の御提案をいただきましたが,1点目の特別支援学級の編制基準の引き下げにつきましては,引き続き岡山県教育委員会を通して,国の方へ要望してまいりたいというふうに考えております。

それから県独自の編制基準ですね,これは今,議員さんお話のように独自に県の基準でやっているところはあるというのは認識しております。この点については,県全体でそういう話をする機会もありますので,県の教育長とも,こういう実態についてしっかり話をしていきたいというふうに考えております。

それから市独自の支援につきましては,かなり倉敷市は県下の中でも本当に単市で支援員を手厚く配置をしているというふうに我々は思っております。本当に,保護者あるいは子どもの実際の実態を見て,本当に困っているところは年度途中からでもつけている。ですから,これは非常に各学校からも校長も非常にありがたいというように言われておりますので,その点についても引き続き,本当に困る場合には,十分にそこを見て対応していきたいというふうに考えております。

(田辺議員)
 国,県に対してはですね,これはちょっと倉敷は特別な状況が私はあると思っています。急速に増えてますから。ですから,通常なルートで言うんではなくて,きちっと教育長が県の教育庁に出向いて,お話をして下さるとかを含めてやっていただきたい。

これ,あとちょっと御答弁いただきたいと思いますけれども。私は子どもたちの成長は止まってくれません。今,教員が少ないから6人でも頑張ってやって下さいと,我慢して下さいというわけにはいきません。子どもたちは毎日,毎日成長していくわけですから。

今,手を打たなきゃいけないことが沢山あるんです。そういう意味で先ほど言われたように支援員を増員して下さったことは私は本当に感謝しております。しかし,支援員はあくまで生活支援員であって,授業はできません。授業はできないんです。授業はやれないんです。授業はやっちゃいけないことになっているわけですから。

そういう意味では,支援員はしっかりやっていただきたいと同時に,やはりこれは倉敷市として,こういう現状を変えていくために,何ができるか。これ真剣に議論していただきたいと思います。

最後に市長にお尋ねをしますけれども,先ほど言いましたG7の倉敷宣言で、障害のある児童生徒などが,疎外されたらいけないということで,自らの可能性や長所を最大限生かすことのできるように,教育環境を実現することを約束するというのが,この倉敷宣言なんですよね。その宣言をしている倉敷市の特別支援学級の子どもたちの状況がこんな状況にあると。

これはですね,是非改善できるように市長のいろんなお力を出していただいてですね,働きかけもしていただきながら,倉敷市としても何ができるか,今の倉敷市の障がいのある子どもたちが生き生きと学校生活ができるように,是非,尽力していただきたいと思いますが,教育長と最後に市長の答弁をいただきたいと思います。

(井上教育長)
 岡山県教育委員会に対しましては,私のほうから竹井教育長に実態をしっかり話をしていきたいというふうに考えております。

(伊東市長)
 倉敷宣言にもありますようにですね,全ての子どもたちが自分の環境の中でですね,教育を受けられるようにするということが,この宣言の趣旨だと思っておりますので,それをしっかりと実施に向けていくべく教育委員会が県の教育委員会に随分お願いをしないといけないことも多いと思っておりますし,もちろん支援員等,自分の方できることもあると思っていますので,最大限いい環境で子どもたちがそれぞれの能力を発揮していただけるように頑張っていきたいと思っています。 投稿者: たなべあきお
  1. 2016/06/25(土) 06:16:07|
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岡山での議員商売はボロいで

古本屋通信     No 1992   6月18日

  岡山での議員商売はボロいで。 

  ここまでレベルが違う福山と岡山の共産党市議団


 日本共産党福山市議村井さんの記事に福山市議会での2人の共産党市議の質問項目が書かれている。

議会傍聴にお越しください
2016-06-16 22:32:18   日本共産党福山市議  村井明美
6月定例市議会、日本共産党から高木たけし市議と河村ひろ子市議が一般質問に立ちます。改選後、初めての質問です。参院選1日前ですが、ビラ配りなど、前倒しで仕上げていただいて、ぜひ傍聴にお越しくださいね。質問項目をお知らせいたします。

河村市議 21日(火)午前10時から 72分間
1、市長の政治姿勢
  核兵器廃絶と米大統領被爆地訪問について 
2、民生福祉行政
 介護・保育労働者の処遇改善について
3、商工業振興
 中小企業振興基本条例の制定について
4、建設・都市行政
 川南土地区画整理事業について
5、教育行政
 ①中学校完全給食について
 ②福山市学校規模・学校配置の適正化計画(学校統廃合問題)について

高木市議 21日(火)午後1時から 73分間
1、防災対策
  ○仮設住宅整備の候補地選定について
  ○公共施設・住宅耐震化について
  ○避難場所について ○学校校舎耐震化について
2、福祉・医療行政
 ①子どもの医療費助成制度拡充について
 ②国民健康保険事業について
  ○限度額引き上げについて
  ○国庫負担の増額について
  ○減免制度の拡充について 
  ○資格証明書交付について
 ③後期高齢者医療制度について
3、建設行政
 ①福山市空き家等対策計画について
 ②福山市立地適正化計画基本方針(素案)について



  古本屋通信
  河村質問の冒頭に核兵器廃絶と米大統領被爆地訪問について市長の政治姿勢を問う項目があるが、これは被災地へオバマが来たことを受けての質問だから当然である。その他は高木市議の質問もふくめて全て福山市政に関わる基本的かつ緊急の課題である。いうまでもなく国会での理念法としてのヘイトスピーチ「解消」法などカスリもしない。

 私はたった一度だけ福山市議会に傍聴に行った。新人議員の河村市議の質問だった。よく準備されているというような生易しい準備ではなかった。驚愕した、そして感動した。岡山に帰るや否や報告のレポートを書いた。それは今も残っている。自分でも良く書けたと思う。それは書く対象が良かったからだ。そのとき私は自分の筆力に自信を持った。いま調べてみると、「通信 No734 福山市議会に行ってきました」 は35個の拍手が付いている。これは私の全エントリー中の第1位か第2位だろう。

 福山はすごい。項目を見ただけで分かる。つまり取り上げる問題と既に緊張感をもって格闘している。観念の遊戯が入る余地はない。当局との間に掛合い漫才はない。出来レースもない。市議団全員4人が4人ともそうである。個人質問は集団の市議団の叡智で練り上げられている。

 岡山市議団は格段にレベルが落ちる。質問を傍聴しないで項目を見ただけでわかる。たしかに河田団長の質問はよく練られている。然しこれは河田個人の力量によるものだ。市議団の集団討議の集成とは認められない。あとは甘くて甘くて項目を追うだけで底が割れてしまう。とうてい市議会に傍聴に行く気になれない。

  林潤市議の今回の議会質問について。ヘイトスピーチ「解消」法を取り上げたこと自体が党の岡山市議として失格である。質問の文言以前の問題である。つまり林は市議として本来やるべき仕事を放棄したうえで、やるべき質問でない質問をしている。つまり自己の政治的貧困を隠蔽するイチジクの葉としての虚栄のための自己主張である。ここで尤もらしく全国的な政治課題の尻馬に乗るべきでなかった。林がヘイトスピーチ「解消」法質問で取り上げる必然性のある問題は岡山には存在していなかった。もしあれば河田団長が彼の質問で適切に対応すべきであろう。つまり林潤は市議としての自分の本来の仕事がないのだ。いや、仕事をしなくてもよい共産党市議など存在するはずもない。林は本来では考えられないような怠慢な議員なのだ。それは私生活の上のマイホーム主義となって、彼の日々のブログに顕われている。いいもんだ、高給取りの岡山市議は。

 以下はヘイトスピーチ法以外の林潤の質問である。断っておくが、これは今回の福山と違って項目の列挙ではない。議会質問そのものなのだ。お粗末で恥ずかしくて読むに堪えない。なぜなら日本共産党の市議会議員としてのたたかい、つまり政治的課題と格闘する姿が全く感じられないからだ。これならば行政当局は何の痛痒もなく、さしたる努力もせずシャーシャーと質問に答えるであろう。つまり自民党系保守会派の議員と変わらない。予め決められた出来レースである。そういう議員は日本共産党には要らない。保守会派に行け!

今回の林質問
1前期中期計画について
岡山市は岡山市長期構想の前期5カ年の具体的政策を定める前期中期計画を策定しようとしていて、6月2日には基本政策審議会が開かれ「前期中期計画策定の基本的な考え方について(案)」が示されました。
前期中期計画については、30の政策と90の施策からなる分野別計画と区別計画が示されています。
そのうち、今回は平和と教育の分野に絞っておたずねします。
教育分野では、教育振興基本計画は市の総合計画の教育部分の詳細版として位置づけられており、総合計画策定にあわせて計画期間が変更されました。
また地方教育行政法の改正に伴い、市長が主宰する総合教育会議が置かれ、市長が教育大綱を策定することになっています。総合計画の前期中期計画中の教育部分も大綱も市長が策定し、教育振興基本計画は教育委員会で議論することになります。関連を明確にしておきたいと思います。

そこで質問します。
(ア)分野別計画では、平和が人権政策の1項目に含まれています。独立した項目を立てるべきではありませんか。
(イ)中期計画の教育分野と教育振興基本計画、教育大綱の関係はどうなりますか。
(ウ)教育大綱と教育振興基本計画の策定はどのようなスケジュールになりますか。
(エ)平成29(2017)年度に県費教職員の財源が市に移譲されてから教職員の独自配置は行いますか。特に特別支援学級において、個に応じたきめ細やかな指導・支援及び合理的配慮をこれまで以上に充実していくためには、学年別に学級が編成できるだけの教員配置が必要ではありませんか。

2.市民会館と福祉文化会館について
市は、千日前の再開発地区への市民会館の移転について5月末までに地権者の同意100%を求めるとしていました。
しかし86%の段階で「最終的には全ての賛成が得られる」として新しい文化芸術施設を千日前に建設することを決定しました。
2021年度中の完成という期限が括られているために、権利変換などを間に合わせるために5月末に同意100%を求めていたと理解していましたが、100%でなくても千日前に決定というのでは期限の意味が分からなくなりました。
3分の2の同意があれば残りは法的手段を取ることができるので、同意率が100%にならなくても再開発が可能なことは以前から分かっていたことです。それをあえて100%の同意を求めて決定を5月末以降に延ばしていました。法的手段を取らなければならない状況では余計に時間が掛かることが考えられます。
再開発は組合が行うものですが、市の重要施設が入ることが前提で建物の計画にも関与しています。期限も市が求めています。再開発を進めるにあたって再開発組合任せでは問題があります。
新しい文化芸術施設は必要なものでよいものを作ってほしいと思います。だからこそ市民、関係者の理解を得て進めなくてはなりません。
新しい文化芸術施設の完成に合わせて廃止される予定の福祉文化会館についても質問します。
福祉文化会館には障害者団体が事務所を置いています。福祉文化会館が廃止される際には移転先が必要になります。
移転するにあたっては、交通の便や駐車場はもちろん、どこかのビルに入れることになっても高層階だと災害時にエレベーターが止まったら避難が難しい、との不安もお聞きしています。
体の不自由な方の利用に配慮が必要だと考えます。

そこで質問します。
(ア)100%の同意が得られるとの見込みは市が直接、地権者に確認していますか。
(イ)同意していない地権者の理由を確認していますか。
(ウ)5月末まで決定を延ばした意味はなかったのではありませんか。
(エ)法的手段を取ることになればどの程度、日数が必要ですか。
(オ)現時点での地権者の同意と個別の補償交渉の成立は別です。補償交渉の日数はどのくらいを見込んでいますか。
(カ)同意を得るのに手間取ると補償費用が嵩んで市民会館の建設費に影響する可能性はありませんか。
(キ)今年度末で市民会館の指定管理の期間が終了したら、2022年に新市民会館が開館するまで市民会館がない状態になりますか。
(ク)天神山の後楽館高校跡地は市有施設として活用しますか。
(ケ)福祉文化会館に事務所を置いている団体の移転先はどうなりますか。駐車場の確保はできますか。


 
 古本屋通信
 こんな議会質問、恥ずかしくて読めるか? これ全文がオアソビの作文じゃが。まったく戦いがない。楽じゃのう、岡山市議さんは。これでは当局は左うちわじゃ。質問大歓迎、ちっとも困らない。出来出来レース。これで給料が年1000万円か。共働きもせんで楽勝じゃな。岡山市議は止められんな。

 ひとこと総括。福山はトコトン準備してる。林のは自分が日常に感じたことをまとめて質問にしただけ。議会質問作成に準備など不要。つまり月給ドロボー。

  まあ読者の判断に俟とう。しかし福山と此処までちがう。こりゃあ、河田さんの責任じゃあないね。垣内さんか石井さんのレベルの責任じゃ。処分相当。一度議員歳費を取り上げて、専従なみの活動費にせえ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   再録


古本屋通信    No734   3月5日

  福山市議会に行ってきました


 たったいま福山市議会に傍聴に行って帰ってきた。日本共産党議員・河村ひろ子さんの本会議代表質問を聴くためだった。で、さきに結論を書く。とてもよかった。よい、よいとは思っていたけれど、ここまでよいとは思わなかった。感激で、そのまま帰るつもりが (出逢ったので) つい一言 「よかったです」 と声を掛けてしまった。これは反省だ。

 これだけじゃあ報告にならないので、少し書くことにする。しかし私は議会傍聴初体験で、おまけに福山市が抱えている政治の課題を何も知らない。報告にならない自分のための備忘メモになろう。

私が福山市議会に行こうと思ったのは、倉敷市議会の田辺さんの代表質問全文を読んでからだ。これがよかったのだ。そこへきて河村さんが一般質問ではなく、代表質問だと知った。これで福山行きが決まった。

はじめてなので岡山 8時57分発の新幹線に乗った。新幹線は20年ぶりだった。速かったのであっという間に着いた。9時半には福山市役所議会棟にいた。だれも来ておらず傍聴番号1番をもらった。まもなく傍聴者が何人か現われた。そのうち土屋とものり議員がやってきて、みんなに頭を下げた。私にまで下げたので恐縮した。すぐに土屋さんは消え、かわりに豆タンクの村井あけみ議員が現れた。約20人に膨れ上がった傍聴者は全員が党関係らしかった。然しこれは動員とは違うだろう。来れる者が来たという感じだった。ウィークデーの昼だから、若い人はいなかった。私くらいが平均年齢だろう。

本会議は10時ちょうどに開会した。河村さんは議員番号1番で、最前列だ。国会と違って党議員はバラバラに座っている。どうやら議長席側が当局で、こちら側が議員らしい。河村さんが名前を呼ばれ、左手を挙げて登壇した。左手というのが新鮮だった。最後までいつも左手だった。

河村さんは 「まず質問に先立って・・・」 と断わってから、ロシアのウクライナへの軍事介入を取り上げた。これはタイミング的に光っていた。立て板に水を流すことく一気にやった。続いて安倍政権の批判、靖国と集団的自衛権批判だ。これも鮮やかだった。一分のスキもなく、クドくもなかった。だから議場は静まりかえって野次はなかった。これを下手をやるのだったら、最初からやらないほうが利口ということになるのだが。私はここまでで既に兜をぬいでいた。

 ここから福山市政の問題について課題毎に質問は発せられる(ここで気が付いたのだが、傍聴者はみんな私が持っていないレジュメを持っているではないか。河村質問の要旨が書いてあるらしい。私がちょっと油断したスキに豆タンクが配ったのだろう。シマッタと思ったが仕方がない)

 今回の質問を聴いていて初めて思ったことがあるので、特に記しておきたい。それは河村さんが切れるということだ。これは今回初めて思った。一年以上まえからの感じは、穏やかな暖かいひとだった、理論的裏づけは確かだったが、それは切れるとか鋭いとかではなかった。しかし議場での印象はまるで違った。

 喋りは少し早口だったが、聴き逃す程ではない。語彙は豊かで使用は正確である。政治のことば、いうなれば 『現代用語の基礎知識』 に頻出する語が正確に使われる。これについて私は二つの事を思った。準備に準備を重ねた質問であること。つまり用意周到であること。もうひとつは基礎的教養を身につける努力を続けた結果であること。

 私は切れや鋭さは共産党員に求められる長所としては下位にあるものと思っていた。それはしばしば冷たさだったりするから。でもそれは(少なくとも議会では)違うと思った。いつもの福山市議会は知らない。しかし最後の区画整理問題の直前まで、河村質問は当局をも他会派議員をも緊張させる力を持っていた。それは質問に切れがあるからだ。

すべての項目の質問が周到に準備されていた。それは喋ったことの10倍準備していたということだろう。そして100倍の資料を読み込んでいたということだろう。福山市政のことを知らない私にもそれは分った。だから当局もナメた答弁は出来なかったのだ。

第二質問でどれがべストだったかと訊かれれば、一番聴かせたのは介護問題だったろう。やはり背景になっている経歴ははっきり顕われていた。また他の質問もそうだが、自信があればとかく深追いしがちになる。収めるタイミングはこれが新人かと驚愕した。で、多少脱線するんだけれど、国会のことを思った。前にかえっても女性議員を思い付かない。それで思い付いたのが(申し訳ないが)正森成二だった。このひとにはうなった憶えがある。

⑩③ 議場はずっと静粛だった。これがザワついたのは市内の区画整理の件だったろう。これはこうなって当然だろう。利害がモロぶつかり、賛否が割れるのだから。この前後から何人かの部長級の方が答弁に立った。冴えない答弁だと、共産党傍聴者が野次を飛ばした。私には内容は分らない。けれど私には当局が強かに見えた。また河村さんの追及と収拾も絶妙に見えた。議会とはこんなものだろう。これらの質疑応答はのちのちに活かされるだろうと思った。

⑩④ 以上、12時かっきりに終えた福山市議会をあとに、1時間後に自宅のパソコンに向かった。直後の感動、いくらか息遣いのようなものが残っているかも知れない拙文を、そうしたものとして読んで戴ければ幸いである。

  1. 2016/06/18(土) 15:28:15|
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田中のぞみチャンに第3子が誕生

古本屋通信     No 1991   6月18日

   田中のぞみチャンに第3子が誕生、おめでとう

 ご懐妊は半年以上前から、夫君の金ちゃんから聞いていました。4月になって、6月出産も聞いていました。書こうかなとも思ったのですが、遠慮していました。ずっと応援しており、それは金ちゃんにも伝えていました。共産党市議団不支持宣言をしたばかりですので、のぞみチャンの議会活動については書きませんが、そのぶん個人としてののぞみチャンについては多く(もちろん好意的に)書けるかもしれません。英クンは小学生ですね。妹をカワイかわいしているそうですね。3人目は岡山市議会現役の新記録でしょう。まあ金ちゃんと喧嘩しながら、丈夫な子を育ててください。

田中のぞみ ‏@nozomi  6月8日
生まれました!
2906㌘の女の子です。帝王切開なので、予定では明後日の誕生日のはずでしたが、今朝急に破水して陣痛まで。今日最後の議会に出る予定でしたが、誕生日になりました!

田中のぞみ ‏@nozomit 6月16日
無事に退院しました!お世話になった院長とパチリ。入院中はおいしいご飯に誠に癒されました。
ひまりさんは体重の伸びがいまいちなので来週も通院になってしまいましたが、とても元気です。
周りは、議会と選挙で超~忙しそうな中、なんか恐縮ですが、今は命育て頑張ります。
  1. 2016/06/18(土) 10:29:45|
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地の文「母は銃後を守り」は誤用

古本屋通信     No 1986   6月17日

  鬼藤千春氏「母は銃後を守り」は地の文としては誤用 

  先ほど鬼藤千春氏を訪問したら、以下の文があった。赤大文字の「母は銃後を守り」は少なくとも戦後民主主義を標榜する者が使ってはならない言葉だ(小説なら微妙だろう)。しかし単にウッカリした誤用である。思想的誤りではない。気が付いて訂正すれば済むであろう。何か適当な指摘がないかと探したが、以下くらいしかなかった。貼っておく。尚、私はこういう言葉も便利だから使えばよいし、禁句にすべきではないと思うが、その際は「 」 に入れるなりして、厳密に使用すべきだと思う。この文を鬼藤氏が読んでいても返答無用に願う。黙って訂正されるなら、私もこのエントリーを消すだろう。私が誤りだと思われれば放置されればよい。読者が当否を判断するだろう。

 余談だが、鬼藤氏の言葉が許せないからと言って、戦前用語禁止法なる理念法を可決して、それを根拠に鬼藤氏を袋叩きにしたのが先日のヘイトスピーチ法であった。



ちちははは、厳しい戦中戦後を生きてきた。ふたりとも明治生まれである。とくに父は、先の戦争で3回も徴兵され、よくも生きて還ることができたものだと思う。また、母は銃後を守り、家庭を守り子どもを育ててきた。そのちちははは、戦中に2人の子どもを産み、戦後に2人の子どもを産んで、大変な時代に子育てを余儀なくされた。ちちははは、いずれも90歳過ぎまで生きたが、その生活は貧窮の生涯だった (鬼藤千春の今日の記事より)


   ネット上の Q and A

 「“銃後”のことは宜しくお願いしますよ。」ってどういう意味でしょうか???
森元首相がこの発言をしたとして「戦争用語を使うとは何事か!」とマスコミで叩かれたようですが、これはどういう意味なんでしょうか???

 ベストアンサーに選ばれた回答
「銃後」で十分通じますが、「銃後の守り」とか「銃後の備え」とか言いまして、戦地で戦う軍隊の為に、内地(日本国内)で軍需工場に半ば強制的に動員されて働いたりすることを言いますが、戦地に赴いた夫の留守を守る妻や家族の生活を「銃後」とも言います。
森元首相の発言が「戦争用語を使うとは何事か!」につきましては、現在の平和憲法下の日本は戦時体制ではありませんので、それが批判されたのでしょうね。
  1. 2016/06/17(金) 06:38:13|
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わが古本屋の日常

古本屋通信     No 1984   6月16日

   わが古本屋の日常

  2ヶ所からざっとダンボール50箱分の書籍と雑誌を含む雑紙が入荷した。持ち込んだのは馴染みの古紙業者である。かれは県内一円の解体屋または整理屋から受けた荷を適所に廻して利ザヤを稼ぐ。古紙はその一部に過ぎない。ダンボール50箱分のおよそ8割はゴミであるから、その翌日には峻別して持ち込んだ業者に戻す。古書としての有効本はほんの一部なのだ。

  彼が受ける荷は取り壊しの家屋か、または屋主が死亡したり施設に入ったりした家屋である。然しそういう家屋の多くに古本が残っているわけではない。日本の民衆の大半は実用書以外の本など読みはしない。まとまった本を持っているのは限られた階層である。学校教員か、医者か、会社経営者が多い。それとハッキリ云って学歴がモノをいう。職業と学歴は残されたモノから確実に判明する。今回の岡山市湊のクチは上場企業の常務取締役で、東京工業大学の昭和19年卒だった。倉敷市児島のクチは長年の開業医の医院の取り壊しだった。戦後まもなく日本医科大を卒業して開業している。後継者に恵まれなかったので廃業したのだろう。尚、こういうことがここで書けるのは、私がちょくせつ旧蔵者の本を買ったのではないからだ。ちょくせつ買いのクチだと、古物取引の秘匿義務に抵触するから書けない。まあ、どっちみち買った本の旧蔵者の名前は書かなくても、最終的に分かる。多くの古本には蔵書印や記名があるからだ。

  少し学歴のことを書こう。学歴のない読書家も皆無ではないが、およそ読書に学歴は欠かせない。本を読むという行為には一定の持続的な思考訓練が必要だ。その手っ取り早い修業場所が大学である。これは第二外国語のドイツ語を例に引けば分かり易いだろう。ドイツ語など独学で身に付くものではないのだ。まあ最低国立の駅弁大学卒レベルでないと本は持っていない。その学歴の十分の一が本を持っている。それと旧帝大卒だ。これは別に旧帝大を崇拝するわけではない。

 私が過去10年間に蔵書ごと整理したクチはせいぜい50件だろう。その過半は東京大学卒、京都大学卒、大阪大学卒、東京教育大学(東京高等師範)卒、広島高等師範卒だった。これがベスト5である。不思議なほど岡山大学卒がない。旧岡山師範卒ならたくさんあったが、これは本の中身がよくなかった。地元の名門ノートルダム清心女子大卒など一度も見たことがない。これはもともと女が本を持たないからであろう。

 今回の医者の本には少々往生した。持ち込まれたのは医学書ばかりだった。しかし研究者ではなく、開業医しかも田舎の内科医だったからナンデモ屋だった。ドイツ語の医書などなかった。高度な専門書もなかった。素人の私でも読めば分かる医書だ。捨てないで残したのは役に立ちそうだからだ。

  岡山市湊のクチは高学歴で上場企業に就職して最終的に経営陣に加わったのだから、世間でいう資本家だろう。それはそうだが、資本家が生きていく努力をしていない訳ではない。職業生活の大半は技術畑で海外での仕事が多かった。こういう人の何人かの古本は買い受けている。ちょっと前は京大の建築科卒だった。かれも専門バカではなかった。資本家をバカにしてはいけない。

  どうでもよい事を書いてしまった。

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  東京都知事は辞表を出したらしい。参院選のための生け贄である。馬鹿な事だ。あとのことを考えたらよい。私は枡添などゴミだと思ってきた。然し前回立候補の宇都宮健児も細川護煕もゴミだった。今度は誰を出すと言うのか。自民党は苦しいだろうから公明党の担いだ候補者に乗るかも知れない。当選すれば公明党のこの世の春である。岡山県と岡山市の公明党は先見の明がある。民進党はレンホウなのか。参院東京選挙区を投げ出す勇気はアルのか。共産党が担いだ都知事候補ほどサイテイのゲスはいなかった。畑田重夫はまだ生きているらしい。この男が労働者教育協会のトップで国際政治学者だというのだから唸った。この男は資本論を読んでいない。たぶんスパイだったのだ。枡添の方がまだマシである。宇都宮がいかにカスか、自筆のウィキを読まれよ。共産党も唸ったナ。もう二度と担がないだろう。

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  アッ、忘れるところだった。キンピーサイトに坂井希さんに係わる断片があった。その部分だけを拾っておこう。坂井は美人だってね。うれしいけれど初めて聞いた。信じられない。でもアリガトさん。

・・・・・もともと狛江は共産党市長を出していたこともあって、党も相当な力を入れてきた。もう時効だろうから書いておくと、どういうわけか当方には党内きっての美人といわれる現・準中央委員坂井希の結婚披露宴の座席表が転がっていてw、出席者の面々を見ると党がどれだけ狛江に力を入れていたのかよくわかる。・・・・

 中央委員」は「中央委員」のケアレスミスでしょうけど、「党内きっての美人といわれる・・・」 ってホンだろうか?

  ちょくせつ坂井をご存知の方から異論がでた。トホホ・・・。

11. ラスティ・ネイル
2016年06月16日 23:20
>党内きっての美人といわれる現・準中央委員坂井希
それはないなあ……思ったこと一度もない(笑)
  1. 2016/06/16(木) 02:53:37|
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枡添さん、辞めないでね

古本屋通信     No 1983   6月15日

  枡添さん、辞めないでね。枡添知事辞任要求決議案は自民党がオカシイのではないか。

 倉敷市児島と岡山市湊から、ほぼ同時に大量の荷物が入った。ブログどころではないのだが10分間だけ書く。

  いまコンビニのスタンドを見たら、都議会自民党が枡添知事辞任要求決議案に同調するという。私は知事の公私混同など興味がなかったから、新聞報道を読んだことはない。情報源は全てコンビニの見出しである。よく分からんこと書くべきでないと公言したばかりだが、この問題はハッキリしている。私は知事の公私混同など、どっちでもよい。しかし知事は辞めないと言っているんだ。だったら辞めなくてよい。それを辞めろという決議案を提出するのは、提出自体違法ではないにせよ、拘束力はない。つまりお遊びである。参院選挙向けのパーフォーマンスである。

 こういう決議案は絶対に出してはならない。議会を愚弄するものだ。首長や議員は有権者の選挙によって選ばれている。選出者以外の議員が何ゆえ引き摺り下ろせすようか。

  せんじつ共産党議員団の不手際を材料に、神奈川県議会がオカシな決議案をあげた。許されないことである。大昔には大阪の議会で共産党議員を除名したことさえあった。部落差別がらみだった。

  知事を辞めさせたかったら手続きを経てリコールすればよい。それ以外に圧力をかけて辞めさせるのは許せない。

  枡添さん頑張ってね。辞めないでね。理不尽な圧力に負けるな!
 

 これ先日の国会でのヘイトスピーチ法の満場一致と似ていないこともないね。つまり俗に媚びて筋違いの決議をやるんだ。これが議会制民主主義の破壊だと気が付かない。いやホントは気が付いているんだ。でもそんなことより当面の選挙が優先する。つまり勝つためにはファッショでも何でもやるんだ。

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  2016年6月15日(水)  赤旗

 全会派が舛添知事不信任案  一連の疑惑 都議会 きょう可決へ
 政治資金の不正支出疑惑などで「辞職せよ」と世論の厳しい批判を受けている東京都の舛添要一知事は14日、都議会側の辞職要求を拒否し、居座る姿勢を示しました。

 舛添知事は、家族旅行の宿泊を「会議」と政治資金収支報告書に虚偽記載した問題や、豪華海外出張など税金の浪費、公用車の私的使用問題で都民の信頼を失っています。

 日本共産党都議団が13日、舛添知事の不信任決議案を提出することを決めたのに続き、民進党の2会派など各野党会派と、14日に入って公明党も不信任決議案提出を決めました。

 14日には、都議会議長が舛添知事と懇談し、辞職を促したものの、舛添知事はこれを拒否し、自らの給与を全額カットする議案と、副知事人事案を提案すると伝えました。その直後の議会運営委員会理事会で、自民党も不信任案提出の意向を表明し、全会派が提出することになりました。2014年の都知事選で舛添知事を支援した自民、公明も、厳しい世論に追い詰められ、舛添知事をかばいきれなくなった形です。

 舛添知事は、同日夕の議運委理事会に出席し、「(辞職すれば)リオ五輪で東京が笑い物になってしまう」「(9月の定例会まで)時間をいただきたい」などと身勝手な理由をつけ、都議会側に、15日の本会議で不信任案を議決しないよう求めました。

 不信任決議案は各会派の案を一本化し、15日の本会議で可決される見通し。その場合、舛添知事は辞職するか、都議会を解散します。

 一連の疑惑をいちはやく追及してきた日本共産党都議団は、舛添知事に辞職を要求するとともに、虚偽証言した場合は罰せられるなど強力な調査権を持つ百条委員会の設置を提案しています。
  1. 2016/06/15(水) 06:39:07|
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