古本屋通信 No 1451 5月27日
マルクスの本で高いもの 前々板で 「マルクス主義万歳!」 とやったものだから、マルクスの著書を調べざるを得なくなった。ただし古本での検索である。まあ「日本の古本屋」がよいだろう。道案内しよう。
「日本の古本屋」の在庫検索の著者名にマルクスを入れると1472件ヒットする。ただしコレにはカールマルクス以外のマルクスも入っている。ならカールマルクスと入れればよいかと云うと、そうは行かない。出品者がマルクスとだけ入れているからである。で、これで1472件がヒットする。もちろん同一の本を異なる古本屋が出品しているから、こんなにマルクスの著作があるわけではない。まあ、暇な人は上から順番に見ればよい。以前の「日本の古本屋」は1000件を超えたらハナから表示されなかったが、今は改善されている。
たいていの人は1472件にはウンザリだろう。だったら、ページ右の出版社別を調べたらよい。マルクスではこうなっている。( )内の数字が件数である。
出版社で絞り込む
大月書店(375) 岩波書店(146) 岩波文庫(59) Dietz Verlag(32) 弘文堂(30) 改造社(30) 青木書店(30) 河出書房新社(27) 法政大学出版局(23) 彰考書院(21) 以下にも続くが省略する。それぞれクリックすればよいのだが、さらに価格が高い順番に配列してみた。
大月書店
高いものはマルクス・エンゲルス全集全48巻揃い。 S書店 広島県福山市 ¥90,000 以下マルエン全集ばかりである。単品・文庫本で高いものはない。しかし福山のK氏は高値だな。勝手だがね。(実名を入れてたらK氏からクレームが付いた。公開されているのだからルール違反ではない。しかし、他に較べて跳びぬけて高いという印象を持たれる書き方だったのは悪かった。まあ、ちゃんと読んでくれていることに感動したので、今回はイニシャルに訂正した。しかしお詫びして訂正したのではない。だいたい一寸不本意だったり面白くなかったら文句を言ってよこすのが間違っている。クレームや抗議は「事実と違う虚偽の事実の記載」と「公開されていない個人情報の暴露」だけが相当する。私はいずれにも抵触していない。それでも異論があれば、自分のブログで批判すればよいことだ。私のブログは古本屋は殆んど読んでなく、大半が左翼関係なのだが、かれは両方を兼ねる数少ない人物だろう。左翼であればいっそう他人の言論に敏感であるべきだ。今回のクレームが彼の「狭さ」を露呈したのは残念である。当方が匿名であっても理不尽な抗議はハナから受けない。いちいち文句を言われたら何も書けないからな。また、何か書く場合に相手に「一報せよ」などとんでもない事である。私は奴隷ではない。私は書いてよいと思うことしか書かない。それと、私はいちおう匿名性は確保しているが、岡山市の清心女子大の近所の古本屋として、実質公然化している。古書組合は10年前に脱退している。古書業界や個別古書店への批判の自由を確保するためである。それと非公開コメントは基本的に読まない。読んだ場合も応答はここでやる。裏取引をしないという意味である。コメントは左記の公開コメントでお願いしたい。念のため)。あとは、資本論書簡 1〜3 五山堂書店 東京都世田谷区上祖師谷 ¥10,000 。マルクス、エンゲルス/岡崎次郎訳、大月書店、1999、3冊 。
岩波書店(ハードカバー)
これも向坂の『資本論』 揃本で高く付けているが、まあ一冊百円の代物なのだ。
岩波文庫
聖家族 マルクス・他 石堂清倫:訳、岩波文庫、昭28、1
初版、帯。本体背イタミ、裏表紙緩い角折れ、小口キズ、前後見返し紙剥し痕多数、本体・帯共に経年ヤケ・シミあり。
¥4,320
マルクス=エンゲルス往復書簡 (一)(二)(三) 3冊 マルクス エンゲルス/岡崎次郎訳、岩波文庫、昭29年第3刷/昭29年第2刷/昭27年第1刷、3冊 (3冊ともに)裸本。白帯ヤケ。本文経年ヤケ。小口シミ。(第一巻)表紙ヤケ。表紙表面に変色の縞があります。(第三巻)斜本。 ¥2,900
この2点が岩波文庫の高値マルクスの定番なのだ。私も何回か扱った。しかし一時に比べて安くなった。前者の『 聖家族』 は一万円が相場だった。たしか昭和28年に石堂の訳で一度出て、あと版を重ねていない。しかしマルエン全集の第一巻に集録されていて、やはり石堂訳と想定される。何で高いのか判らない。後者の 『マルクス=エンゲルス往復書簡』 は邦訳は岩波文庫でしか読めない。やはり基本文献だろう。
青木書店
私は今回これを発見をした。私は情報を排他的に独占しない。たぶん田舎の倉庫にある。うれしい。
哲学の貧困 ファクシミリ版 別冊・日本語版付 カール・マルクス(著) 田中菊次(編注)、青木書店、1982年1版1刷、1冊 ¥18,000 ~¥30,000 ついでに
新日本出版社の古本在庫をコピーしておく。多くはない。新刊で読めということだろう。
古本なら大月書店の国民文庫だろう。
「新訳」ドイツ・イデオロギー マルクス, エンゲルス [著] ; 服部文男 監訳、新日本出版社、1996、137p、21cm、1
プロメテウス 小説マルクス エンゲルスの生涯 セレブリャコワ 西本昭治訳、新日本出版社、昭 60、16冊
賃労働と資本/賃金、価格および利潤 新日本文庫 マルクス/服部文男訳、新日本出版社 1990年11刷 経年ヤケあり
『経済学批判』への序言・序説 マルクス 著 宮川彰 訳、新日本出版社、2011 重版、カバー、美本、162頁、A5判
賃労働と資本 科学的社会主義の古典選書 マルクス [著] ; 服部文男 訳、新日本出版社、2010 重版、カバー、美本、196頁、A5判 ドイツ社会主義統一党中央委員会付属マルクス・レーニン主義研究所編、石井義郎 訳、新日本出版社、196・・・ 重版、カバー、188p、B6判、ランクB カバー:少ヤケ・僅かに汚れ、背のヤケ汚れやや強・上部縁少スレヨレ、天:ヤケ・埃汚れやや強・少シミ、小口:ヤケやや濃い目・少微小シミ、地:ヤケ汚れやや強、線引き・書込み・頁折れなどなく経年の割には本体、紙質ともに状態良好
ドイツ・イデオロギー[新訳] マルクス/エンゲルス、新日本出版社、1996、1
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古本屋通信 追加
福山の古本屋までこの通信を読んでいるとは夢想だにしなかった。毎日の訪問客が150人前後で一定しているのは確かである。問題はその内実だろう。日々の訪問客(リンク集に入れている)に相互リンク目的のカウント稼ぎがいる。これは本来不要な訪問者である。読まないだろう。かつての鬼藤さんのような人だ。それを除いて100人だろう。党員が半分。無党派左翼が半分。月に数度訪れる客をも常連客に数えれば、固定客は500~1000人だろう。私は満足している。極小党派位の読者はいる。エリートでよい。
ハッキリ言う。非左翼の市井人読者は皆無に近いだろう。私はかつての知り合い、主として同窓生と元同僚に古本屋通信の事を言う。反応はゼロである。パーフェクト0である。何故か? 面白くないからである。何故面白くないか? サッパリ理解できないからだ。
私はこのことを、かつての高校時代の女性友人との手紙のやりとりで知った。ショックだった。彼女は好意的に、丁寧に、我慢して読んでくれた。その結果が 「悪いけれど、どうしても分からない」 だった。左翼に共感する、しないではない。書いていることの意味、つまり日本語が全く理解できないのだ。私のブログは彼女にとって外国語だった。彼女は中学では成績トップだった。結婚してから職業に就いたことはないが、外国滞在も多く、いわゆるエリートの妻ある。この経験を通じて私は目が醒めた。一つは左翼の世界はインテリの世界なんだと。これは否定的に言っているのではない。仕方がない事だ。それともうひとつ。共産党の議員は大変だなと思った。あながち日本共産党のブルジョア議会主義を責められないなと。
- 2015/05/27(水) 14:44:27|
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