古本屋通信

いくつかの自註

古本屋通信   No 542  11月28日

 
 いくつかの自註


 自分が書いた文について、少し時間を置いて自註を付すことの是非はあるだろう。私は構わないという見解である。但し虚構を事とする文学はいけない。私の文は非文学だから構わない。至近のものから少し付していく。これは各エントリーの末尾に付けるべきものもあるが、それだと長文の場合、註記が死んでしまう場合が多い。

No 541 革マル派「解放」最新号
 掲載文で感動した点をひとつだけ揚げる。年末一時金の3割をカンパせよとの文だ。これは大衆的呼び掛けのかたちをとっているが、実質は組織を対象にした呼び掛けだろう。他の党派も学ぶべきだ。当り前のことだが、ここまで正直には書きにくい。3割というのが具体的だ。職業党員へのボーナスも出さねばならぬし、印刷会社への支払いもかさむ。財政なき組織活動などあり得ない。この点では中核派もしっかりしている。赤旗もカンパを訴えるだろう。「緑の党」も訴えている。これは党派活動が個人献金に支えられていることを宣伝する意味でも大切なことだ。

No 540 天皇問題

 天皇制問題についての(かなり教条的な)自説を出来るだけ柔らかいことばで書いた。石崎さん、そして日共右派はかなり強敵である。喧嘩を売った次第だが、たぶん相手にされないだろう。初めから勝負は見えている。天皇制問題はきわめて「文学的」な問題だから、論理ではカタが付かないのだ。にも拘らず書かねばならないから書いた。

No 539 県内地方議員の声
 私は県内議員の反応は極めて不満である。こんかぎりさらえて、たったこれだけである。森脇リンク集にない崎本さん、住寄さんを加えてこれだけなのだ。内容も福山の二人に匹敵するのは、福木京子さん一人だけである。あとの方は行動が伴なっていない。読んでみれば分るだろう。てんで迫力が違う。要は危機意識がないのだ。それが文章に端的に表れている。党中央には危機意識がある。地方には殆んどない。中央が言うから義理でやっているだけだ。寧ろ此処に来て、ブル新のほうが共産党の地方議員よりも頑張っている感さえある。もし法案が通過したら、ここら辺でも反対運動に草の根が欠けていたことが指摘されよう。 
 それから、私は今回に至るまで福木さんのブログを見落としていた。これは灯台もと暗し、迂闊で恥しいことだった。更新も内容も共産党岡山では第一位だろう。だからアクセスも断然トップだ。文章もうまいし、写真を上手に使っての割り付けも洗練されている。まいったの一言だ。これでまたブログを見る愉しみがひとつ増えた。

No 538 衆議院強行採決!
 ここでは河村さんについて書く必要はなかろう。村井あけみ市議がすぐれた活動家であることも、ブログ記事が秀逸であることも既に知っていた。今回初出の文もピカ一だった。自称豆タンクの破壊力は相当なものだ。最近直接に訪問したのは、福山市議会で共産党議員の質疑でモメて、河村さんの記事だけでは一寸事情が分らなかったので、村井さんを訪ねた時だ。案の定、旧社会党の絡みだった。村井さんは部落問題についても同じ議員に文句を言われたと書いている。私はすぐにピンと来た。
 私は河村さんの世代の福山には抵抗がない。また村井さんにも抵抗はない。私とほぼ同世代で奈良の教員養成学部のご出身だから、私と似た経歴のところもある。結論だけ書く。私は福山というより広島東部地方での部落解放運動をめぐるあれこれに複雑な想いを持っていた。かつて多くの自殺者をだした地域だ。私はそのあれこれを知ってはいない。たぶん村井さんは知っているだろう。そういう村井さんより若い河村さんの方が、私にとって敷居が低くて入りやすかった。ただそれだけだ。


No 515 こういうバカは除名せよ
 これは参った。今日も一件拍手があった。拍手の主は共産党の地方議員だろう。間違いない。大田は恨みを買っている。最終の落とし方も汚なかったといえば、そう言えるだろう。私は仕方なかったと思っているが、いまだに許しがたいと思っている方がおられるのも理解できる。過去最多数の累計拍手数なのだ。困ったものだ。消そうに消せない。
  1. 2013/11/28(木) 20:48:55|
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革マル派「解放」最新号

古本屋通信   No 541  11月28日

  革マル派「解放」最新号


 この新聞は極めてケチで、1面しかネットで読めない。しかも私のパソコンではたいていオバケが出て、コピー不能なのだ。たまたまきょう文字が出たので転載しておく。解放社の編集部さん、お世話になります。ありがとう。



「解放」最新号>(第2296号2013年12月2日)の内容

<1面>
12・8革共同政治集会に結集せよ
 革命的共産主義運動の思想的=組織的拠点を強固にうち固めよ
年末一時金の三割カンパを訴える
<4面>
辺野古への海兵隊新基地建設を絶対に阻止せよ!
<5面>
公務労働者の大幅賃下げを狙う「2013人事院報告」弾劾
<2面>
「秘密保護法案の衆院採決阻止!」
 巨万のデモが国会を包囲 11・21
<3面>
11・10さよなら原発! 九州沖縄集会
 1万余の労・学・市民が大結集
「NSC法・秘密保護法の制定阻止!」
 自民党大阪府連に怒りの拳 11・15
◎ギリシャで極右が歌手を虐殺
<6面>
悪辣な賃金カット・長時間労働を強要されるタクシー労働者
欧州の労働者が「緊縮政策反対」で決起
Topics 〝1%でも高すぎる〟 「連合」春闘討論会
<7面>
福岡市有床診療所火災
 医療費抑制策の犠牲となった高齢入院患者
堺市長選で「維新の会」が大敗
<8面>
万華鏡2013――情勢の断層を読む
◆政界カメレオン
◆ギリシャ支援地獄
◆天安門の黒煙
◆スパイの痴れ言
週間日誌〈世界の動き・日本の動き〉
 「解放」
  

12・8革共同政治集会に結集せよ
革命的共産主義運動の思想的=組織的拠点を強固にうち固めよ

「秘密保護法制定阻止!」11・21闘争が大高揚
(東京・日比谷野音)
 すべてのたたかう労働者・学生・市民諸君! わが革共同は、革マル派結成五〇周年の締めくくりにふさわしく、来る十二月八日に首都東京において革共同政治集会を開催する。
 一九六三年二月の革マル派結成から数えて五〇周年を迎えた本年初頭の二月十日に、わが同盟は、革マル派結成五〇周年・革共同政治集会をすべてのたたかう労働者・学生・市民の仲間たちの総結集のもとに開催した。この革共同政治集会においてわれわれは、わが反スターリン主義運動の創始者・同志黒田寛一を先頭にして五〇年余にわたって営々と築きあげてきた日本における反スターリン主義運動、なかんずくプロレタリア前衛党組織建設の歴史的および理論的諸教訓をともにうち固めてきた。
 そして同時に、わが同盟とその旗の下に結集してたたかう労働者・学生の仲間たちは、二〇一三年の日本階級闘争をその最先頭において一貫して領導してきた。沖縄のたたかう労働者人民との連帯を基礎にしたわが全学連の学生たちによる、沖縄へのオスプレイ追加配備阻止闘争の戦闘的高揚を見よ!
 安倍政権・自民党はいま、国家安全保障会議設置法(日本版のNSC設置法)と特定秘密保護法という悪名高き反動二法の制定に、支配階級としての全体重をかけて突進している。この攻撃にたいして、労学両戦線においてたたかう労働者・学生の仲間たちは、既成指導部の抑圧と闘いの歪曲に抗して、反動二法の制定に反対する闘いの戦闘的高揚のために奮闘している。このわが労学の仲間たちの闘いに支えられて、「連合」をはじめ既成ナショナルセンター傘下の諸労組や学生自治会や市民団体に結集する労働者・学生・市民の万余のデモ隊列が国会・首相官邸を包囲し、安倍政権にたいして怒りの声を叩きつけている。(11・21「STOP!『秘密保護法』大集会」の詳報は本号二面参照)
 二〇一二年末の衆議院選挙を契機に登場し、本年夏の参議院選挙において、いわゆる〝衆参ネジレ〟の解消に〝成功〟した安倍自民党極反動政権。われわれは、この極反動政権が嵩にかかって、労働者階級人民の頭上にふりおろしている憲法改悪を一大焦点とするネオ・ファシズム反動攻撃を打ち砕くために、粉骨砕身して奮闘してきた。わが同盟とたたかう労働者・学生は、「連合」労働貴族や代々木共産党・不破=志位指導部の無様な対応と腐敗を弾劾しつつこれをのりこえ、反戦および政治経済的諸課題をめぐる大衆的闘いを断固として推進してきた。同時に、この大衆的闘いのただなかにおいてわれわれは、労働組合および学生自治会などの大衆諸団体の共同行動・統一行動を先頭で組織し牽引し、その積み重ねをつうじて反ファシズム統一戦線を創造するために、労働者階級人民の最先頭でたたかいぬいてきたのである。
 この闘いをつうじてわが革共同とたたかう労学は、日本労働者階級の真実の前衛部隊として・かつ名実ともに唯一の革命的左翼としての力と地歩をより強固にうち固めてきたのである。
 それゆえにいま国家権力は、支配階級としての牙を剥きだしにしつつ、わが党組織と全学連派自治会の壊滅を狙った組織破壊攻撃を執拗に仕掛けているのだ。われわれは、この悪辣きわまりない敵権力の組織破壊攻撃を断固としてはねかえし、いまこそわが反スターリン主義革命的共産主義運動の一大飛躍をなしとげるために、組織的に一致団結し・もてる力の一切をふりしぼってさらに奮闘しようではないか。


日本型ネオ・ファシズム支配体制の一挙的強化を策す安倍極反動政権

反ファシズムの強大な統一戦線を創造しよう!

■秘密保護法案の衆院採決強行弾劾!

辺野古への海兵隊新基地建設を絶対に阻止せよ!
 沖縄県委員会
 日共翼下の反安保ぬきの「基地縮小・撤去」請願運動をのりこえ闘おう
 安倍政権による埋め立て認可ゴリ押しを許すな
 米日両政府権力者は、沖縄県名護市辺野古にMV22オスプレイの拠点基地として最新鋭の海兵隊基地をなんとしても建設するために躍起になっている。オスプレイ追加配備の強行や辺野古新基地建設のゴリ押しにたいして、いま沖縄全県から「これ以上の米軍基地はいらない」「すべての米軍基地を撤去せよ」と怒りの声が噴出している。こうした沖縄の労働者・人民の抗議の声を踏みにじり、オバマ政権の声高な要求に全面的に応えながら、安倍政権は、沖縄県知事・仲井真から辺野古新基地建設のための埋め立て許可をとりつける策動を一挙に強めているのだ。
 安倍政権は、十一月初旬から陸海空自衛隊三軍三万四〇〇〇人を投入した最大規模の統合実動演習を南西諸島ならびにその周辺海域で強行した。日米両軍の施設の「共同使用」を拡大するという十月三日の日米安保協議委員会(2+2)の合意にもとづいて沖縄県内の米軍基地・演習場を自衛隊が使用するかたちで。中国・習近平政権の尖閣諸島「領有」策動に危機感を強めている安倍政権は、米軍と肩を並べて対中国戦争を戦える軍隊として日本国軍を強化する策動に狂奔している。とりわけ自衛隊部隊の敵基地攻撃能力の構築・強化に突き進んでいるのだ。いま、米日両政府と中国政府が東・南シナ海や西太平洋の制海権を争って相互対抗的な軍事演習をくりひろげている。まさに対中国の最前線拠点として、辺野古への海兵隊新基地建設に突き進んでいるのが米・日両政府なのだ。
 われわれは、米日両政府による辺野古新基地建設を断じて許してはならない。日米新軍事同盟の対中国攻守同盟としての現実的な強化の策動をこっぱみじんに粉砕せよ! 日共翼下の「反安保」抜きの「基地の縮小・撤去」請願運動をのりこえ、<全米軍基地撤去・安保破棄>めざしてたたかいぬくのでなければならない。いまこそ核基地の島・沖縄から全国へ<反安保>の巨大なうねりを巻き起こせ!

以下、見出し


在沖縄米軍基地の対中国前線拠点としての強化の攻撃

埋め立て許可とりつけに狂奔する政府・自民党

東アジアの覇権をかけての米・日―中の角逐

闘いを牽引する沖縄県学連と革命的・戦闘的労働者たち

<全米軍基地撤去・安保破棄>めざして闘おう!

11・21「秘密保護法案の衆院採決阻止!」

 
巨万のデモが国会を包囲
「秘密保護法案を廃案へ」決意固く日比谷野音を埋めつくした労・学・市民 (11月21日)


国会に向けて戦闘的デモで進撃するたたかう学生たち
11月21日)
 十一月二十一日夕刻、首都・日比谷野外音楽堂において、「STOP!『秘密保護法』大集会」が、一万人を超える労働者・学生・市民を結集してかちとられた。野外音楽堂の内と外をびっしりと埋めつくした労・学・市民は、この大集会において日本を戦争をやれる国家へとつくりかえさせてはならないという固い決意をうちかため、国会・首相官邸を怒りの大デモンストレーションで包囲した。同時に、新橋・銀座一帯に「秘密保護法反対!」の声をとどろかせたのだ。
 新聞労連・平和フォーラム・「秘密法に反対する学者・研究者連絡会」など五団体が呼びかけたこの大集会には、自治労、日教組、私鉄総連、自治労連、全教、出版労連、JR総連などの多くの労組が、「連合」「全労連」の分断をのりこえて結集した。
 多くの市民団体、ジャーナリストの団体なども大挙して参加した。労働戦線深部におけるわが革命的・戦闘的労働者の奮闘に支えられて、「連合」指導部の抑圧をはねかえし、日共中央の闘争抑圧・歪曲を許さずに、多くの組合がこの集会への支部・分会からの労組員の結集をかちとったのだ。
 集会前日の十一月二十日に、安倍政権と自民党は、みんなの党と日本維新の会を「修正協議」にひきずりこみ、秘密指定期間を六十年に延長するなど原案にヨリ反動的な内容をつけ加えた自・公・維新・みんなの「四党共同の修正案」なるものをデッチあげた。このうえにたって与党は、十一月二十五日夜か二十六日に委員会採決を強行し、ただちに衆議院本会議採決にもちこむ日程を公然と明らかにした。安倍政権・自民党が目論む特定秘密保護法案の衆院採決強行を断じて許してなるものか! 怒りを胸に巨万の労働者・学生・市民が、この日の闘いの大高揚をかちとったのである。



すべてのたたかう仲間に年一時金の三割カンパを訴える
日本革命的共産主義者同盟(革マル派)span>
 
同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 安倍政権はいま、全体重をかけて、日本版NSC設置法と秘密保護法の制定に突進している。彼らは、「海洋強国」を目指す中国にたいする危機感と敵愾心にかられて、日本国家を〝アメリカとともに戦争をやれる国〟へと飛躍させるために、この反動二法の制定に狂奔しているのだ。まさにそれは、より強化したネオ・ファシズム支配体制のもとに労働者・人民を組みしく極反動攻撃にほかならない。
 また安倍政権は、産業競争力強化法や国家戦略特区法の制定に突進している。これらはみな、独占資本に利殖の機会を増やし、労働者に無権利と貧困を強制するものなのだ。
 独占資本優遇を基調とするアベノミクスに支えられた独占資本家ども(その一部)は、「業績回復」や「史上最高益」を誇り、来春闘でのわずかばかりの「賃上げ」を提唱してみせている。だが、そもそも「業績回復」じたい、電機諸独占体をはじめとした大量首切りによるものではないか。このことに口をぬぐって「賃上げもある」などというのは、盗っ人猛々しいではないか。
 同志諸君! たたかう労働者・市民のみなさん!
 暗黒支配の強制への危機感をもって、多くの労働者・人民がNSC設置法・秘密保護法の制定に反対して起ちあがっている。だが「連合」指導部は「慎重審議」を唱えるだけで、反動法案に反対する組合員を抑圧している。日共・不破=志位指導部は、「海外での戦争をする国づくり反対」を掲げているけれども、それは、「日本防衛のためでない」から反対というしろものにすぎない。われわれは、反安保を投げ捨てている既成反対運動指導部の闘争抑圧・歪曲を許さず、NSC設置法と秘密保護法制定をはじめとする安倍政権の極反動攻撃を粉砕しよう。
 革マル派結成五〇年のこんにち、同志黒田の理論的・実践的追求のいっさいをうけつぎ、わが反スターリン主義運動の戦列を拡大・強化するために、全力を傾注しようではないか! われわれにとって今なお重要なことは、自己崩壊したスターリン主義の反マルクス主義的本質をあばきだし、マルクス思想を真に現代に甦らせる思想的=組織的闘いの貫徹にほかならない。今こそ、マルクスのマルクス主義で武装した労働者階級の団結をかちとるために奮闘しよう。
 こうした闘いを財政的に支えるために、すべてのみなさんが年末一時金の三割カンパを寄せられるよう心から訴えます。
二〇一三年十一月
<送り先>東京都新宿区早稲田鶴巻町五二五―三 解放社
(振替・〇〇一九〇―六―七四二八三六)
 

政界カメレオン
「原発ゼロ・小泉劇場」の舞台裏

 カメレオンの皮膚の色は何色? 実は透明なんだって。カメレオンは透明の皮膚の下に色素が入ったチューブを仕込んでいて、そのチューブから色素を出し入れすることによって鮮やかな緑色や暗褐色に体の色を変化させる。
 光や気温に応じたカメレオンの色変化はかわいいものだけれど、欲にかられて成仏できない権力亡者の変化(へんげ)たるやおぞましい。
 首相時代に原発を推進してきた小泉が、十一月十二日に記者会見を開いて、首相・安倍を名指しにして「原発即時ゼロ方針への首相の決断」を進言した。小泉が「原発ゼロ」の理由に掲げていることは、①放射性廃棄物の最終処分場がない、②コストが高い、③事故の被害が甚大という三つ。この男、今年八月にフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」を視察してみて「核のごみの最終処分の困難性を知り、原発ゼロへの思いを強くした」などとうそぶいている。
 笑わせるな! 首相をやっていたお前は、放射性廃棄物をどう処理するかのメドがまったくたっていないことを重々承知のうえで、原発を推進してきたのではないか! 自己批判もせずにふざけたことを言うんじゃない! かまととぶった化粧の下にどす黒い本性が透けて見えるわい。
 政府・東京電力は、福島第一原発「廃炉作業の第二段階」と銘打って4号機の使用済み核燃料プールから核燃料集合体を回収する作業に着手したものの、これは大事故と隣り合わせの極めて危険な作業。一年かかるこの作業中に大地震に襲われたならば機械でつり上げた燃料棒を破損するかもしれない。いま私たちは首都圏を含む広大な地域を破滅に陥れる危機のなかにいる。放射能汚染水漏れも続いている。福島原発事故は、まったく収束することができず深刻化しているのだ。ところが安倍政権は、原発被災者を見捨てて原発再稼働と原発プラント輸出に強引に突き進んでいる。この安倍政権にたいする労働者・人民の怒りが燃え広がっている。
 この「原発反対」の声の高まりに乗じて小泉は、世継ぎ進次郎の政界後見人として、時ならぬ「原発ゼロ・小泉劇場」を開幕したというわけ。自分の目の黒いうちにポスト安倍の旗手として進次郎を引き立てようという算段。いまや自民党青年部長となった進次郎も「親父が元気で喜ばしい」などととぼけつつ、原発ゼロ政策をめぐって「自民党内で議論すべきだ」と噴きあげている。
 それだけではない。政界引退後にトヨタ自動車などの大企業が一〇億円を出資して設立したシンクタンク・国際公共政策研究センターの顧問に納まり、莫大な報酬をもらって悠々自適の生活を送ってきたパパ小泉が記者会見までやったのだから、もちろんバックがいるにちがいない。「脱原発」を掲げて太陽光発電などの再生可能エネルギー開発事業にのりだした独占資本家グループや、シェールガス輸出・廃炉ビジネスで日本利権の拡大を狙うアメリカの資本家どもだ。この輩の利害を体現して小泉は、「脱原発・再生可能エネルギー開発」への政策転換を求めて安倍政権を揺さぶっているのだ。とはいえ小泉は決して安倍にけんかを売っているわけではない。「最高権力者である首相が決断すれば日本は変わる」と、首相の決断への期待をあおっているにすぎない。
 この小泉のパフォーマンスの政治的影響の広がりに苛立った安倍政権は、あらためて原発推進こそが「責任あるエネルギー政策だ」とアピールするとともに、小泉の腹の内を読みとって「安倍・小泉会談」で事態収拾をはかろうとしている。「原発依存度を下げていく。めざす方向性は一致している」(自民党幹事長・石破)などと言いつつ。安倍政権は、エネルギー安全保障の確立と潜在的核兵器保有能力を保持するために、なんとしても原発再稼働と原発プラントの輸出に突き進もうとしているのだ。
 ところが「小泉劇場」に目をくらまされて、「(小泉の話は)理が通っている。私たちとも接点はある」(共産党委員長・志位)などとラブコールを送る輩が出てきた。だが、小泉の「原発ゼロ」のパフォーマンスは労働者・人民の不満・反発を自民党内非主流派への期待に吸収し、自民党一党独裁体制をいっそう盤石にする役割を果たしている。小泉「原発ゼロ」発言を賛美することは、これを下から支えることになるのだ。
 忍者のように色変化をみせるカメレオンも敵を前にしたりして興奮すると体の色は薄くなり、せっかくの色化粧もはがれてしまうそうだ。カメレオンならぬ権力亡者の化けの皮は、労働者・学生の怒りの炎ではぎ取ってしまおう。
   
11・10さよなら原発! 九州沖縄集会 
1万余の労・学・市民が大結集

 十一月十日、福岡市の舞鶴公園において、約一万人の労働者・市民・学生が大結集して、「さよなら原発! 九州沖縄集会」が開催された。
 安倍政権の意をも受けて九州電力は、川内・玄海原発の再稼働(プルサーマル運転を射程にいれたそれ)を全国の原発再稼働に先駆けて実施しようと突き進んでいる。〝再稼働を絶対に阻止するぞ!〟の気概に燃え、固い決意をみなぎらせて、全九州から、「平和フォーラム」や「全労連」傘下諸労組の労働者、市民諸団体、鹿児島大学のたたかう学生らが結集した。
鹿児島大学のたたかう学生が労働者・市民とともにデモ行進
  1. 2013/11/28(木) 15:18:13|
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衆議院強行採決

古本屋通信  No 538 11月 26日

  衆議院強行採決

 今日の夜、衆議院本会議で「特定秘密保護法」が可決されました。自民・公明・みんなの党が強行採決をしました。許せない。福山のお二人の今日の記事を貼りますが、岡山でも倉敷市議の田辺さん、同じく田儀さん、赤磐市議の福木さん他が書かれています。

秘密保護法案可決!反対の声を広げよう! 
河村ひろ子

今日の夜、衆議院本会議で「特定秘密保護法」が可決されました
自民・公明・みんなの党が強行採決をしました!
今日の夕方
「ストップ!秘密保護法 福山緊急行動」
一点共闘で、各団体から集まり、約1時間
チラシくばり・ハンドマイク宣伝・署名活動を行いました
マスコミ関係者も多数取材に駆けつけていました
そして、福山市議会からは、日本共産党の4人の市議と
他の会派から、二人の市議も参加
(写真左から、市民連合の西本市議 池上市議です)
辻つねお県議も参加です
チラシを受け取らず、サッサと通りすぎる人
駆け寄って署名に応じる人
反応は様々です
約60人の人が行動をしているので、とっても目立ちました!
しかし、国会での強行採決は本当に許せません
昨日、福島で公聴会が行われましたが
原発のことも「秘密」扱いになることは許されない
と、反対の声が多かったのです
被災者の声にも耳を傾けず
圧倒的世論は、反対か慎重審議をせよ
そんな国民の声にも耳を傾けない
安倍政権の政権運営は異常としか言えません
(署名に応じる高校生)
安倍政権は、明日にも参議院本会議に採決を狙うかまえ
国民の怒りは渦巻いでいます
ある人が言っています
「新しい戦争が始まる、今はまさしく戦前の時期」
過去の過ちは繰り返さない!


同じく福山・村井あけみ市議のブログから。
本日、秘密保護法が衆議院で強行採決されました。
自民・公明・みんなの党の賛成多数です。
維新の会は、退席して、採決には加わっていないとのことですが、秘密の期間を自民党の30年から60年に引き伸ばしたのですから、自民党よりも更に悪い法律を通すための手助けをしたのであり、同罪、あるいはさらなる重罪です。これらの4党は、絶対に許せません。
ストップ!秘密保護法 福山連絡会議の緊急宣伝は、70人余が参加し、それぞれの横断幕やプラスターなどを掲げ、通行する方々に、それぞれのチラシを配りました。
私は、特別委員会の採決を受け、「抗議!」のカードを胸から掲げ、見ざる・言わざる・聞かざるのお面をつくり、アピールしました。
この行動は、秘密保護法反対のただ一点で共闘を組んでいます。
12団体と多くの個人が参加しました。
福山市議会からは、私たち4人の日本共産党市議会議員、市民連合の池上、西本両議員も参加しました。
辻つねお県議会議員も、決意表明しました。
夜は、7時から、12月議会に向けての市民要求懇談会を行なっていましたが、午後8時、衆議院で採決されたとのツイッター情報を知りました。
今後、消費税の引き上げ、集団自衛権の発動など、安倍首相は、戦争体制に一気に突き進もうとすることでしょう。
今こそ、人間としての真骨頂が問われます。
悪法を押し通す自民・公明両党と、欺瞞的態度で手を貸した維新の会、みんなの党、断じて許せません。
明日も、日本共産党市議団は、駅前宣伝に取り組みます。
悪法を葬り去るまで、たたかいます。
今やファシストとなったと言って差し支えない、数の横暴を振りかざす安倍首相!国民の力で追い詰めましょう。
自由無くして、人間は生きては行けません。
一部の権力者に、生きる根本を踏みにじらせたままにはできません。
さあ、また、新しい、もっと大きな闘いに進みますよ。
ご一緒に、頑張りましょう。

  1. 2013/11/26(火) 23:42:59|
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日本人拉致?

古本屋通信  No 537 11月 26日

  「北朝鮮」による日本人拉致?



 下記に貼ったのは日本政府の正式の広報である。まあ、よくやるよねえ。あっ、私の立場ははっきりしています。そんなこと一切知らないです。ホントは一切なかったと言いたいのですが、金さんが小泉さんとの会談で認めてしまったのですから、仕方がありません。しかしこのとき、小泉さんも日本の過去の侵略が朝鮮に与えた危害について共和国におわびしました。その関係の文脈の中で、金さんのおわびがあったのです。因みにこのとき小泉さんは総理大臣ではありませんでした。

 以下の政府広報はその関係の文脈を無視した反共和国キャンペーン以外ではありません。この問題は既にすべて済んでいます。下記の広報の一切は本来無効です。なのに私が長文をここに転載した理由は、日本共産党や横田さんところをふくめ、ほんとは完全黙殺すべきなのに、この問題で右翼に屈服している、そこを検証したいからです。当面このままにします。

 日本は日「韓」基本条約によって、「韓国」を朝鮮半島における唯一の政権と見做し、朝鮮人民民主主義共和国を国家として認めていない。これからすると「北」はならず者の集団なのです。ならず者がひとさらいをしたと言ってならず者に文句をいっても相手にされないでしょう。それを国家と見做して抗議するのは茶番ですね。文句はならず者をも統括している筈の「韓国」に言うのが筋でしょう。それとも大好きな国連に言いますか?

 私がこれをここに貼ろうと決めたのは、直接には横田悦子さんが横田めぐみさんのお母さんと一緒に写真を撮っているのを見たからです。面白かった。ふたりの横田さん、狸と狐ですね。あとは長文をご堪能ください。私はムカついて最後まで読めませんでした。

 これは戦争をする国づくりのために必要な仮想敵づくりです。騙されてはけませんね。


日本政府の広報
 
家族を、人生を奪い去った北朝鮮による日本人拉致。被害者の救出や全容解明に向けて、長年にわたる懸命な活動にもかかわらず、いまだに問題解決には至っていません。すべての拉致被害者を取り戻すためには、北朝鮮に対して「拉致は決して許さない」という強い決意を表し続けることが重要です。そこで、拉致問題が起こった背景や北朝鮮側の主張、日本政府の取組や国際社会による受け止めといった拉致問題に関する基本とともに、問題解決に向けて私たち一人ひとりができることをご紹介します。12月10日から16日は「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です。拉致問題について改めて考え、身近なことから取り組んでみませんか。

(記事中で掲出している写真・画像・イラストなどは、記述がない限りすべて拉致問題対策本部の提供)

問題が起こった背景

1970年代から80年代にかけて(昭和50年代が中心)、多くの日本人が不自然な形でいなくなりました。
日本の警察による捜査や、亡命した元北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致(※)の疑いが濃厚であることが判明しました。
※拉致(らち)=本人が望まないのに連れ去ること。

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会
(「家族会」)の結成

そこで日本政府は、平成3年以降、機会があるごとに北朝鮮に対して拉致問題を提起し続けたものの、北朝鮮は頑なに否定してきました。
その間には、これまで孤独に戦い続けてきた拉致被害者のご家族が団結し、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」が結成され(写真)、国内でも拉致被害者のご家族への支援や被害者救出を求める運動が活発に展開されるなどの気運の高まりがありました。

そしてようやく2002年(平成14年)9月に、北朝鮮の指導者・金正日(キム・ジョンイル)国防委員長(当時)が、小泉純一郎総理大臣(当時)との会談において、初めて日本人拉致を認め謝罪しました。
その理由について金正日国防委員長は、

(1)北朝鮮のスパイに日本語を教えるため
(2)北朝鮮のスパイが日本人に成りすますため

と説明しています。その背景には、第二次大戦後に分断された朝鮮半島を自らの主導で統一するため、北朝鮮に数多くのスパイ機関が設立されたと言われたことがあります。
これに対して小泉総理大臣は、金国防委員長に対して強く抗議するとともに、継続調査や生存者の帰国、再発防止を要求しました。
そして2002年(平成14年)10月に、拉致被害者5名の20数年ぶりとなる祖国・日本への帰国が実現しました。

拉致された日本人

現在、日本政府が認定している拉致被害者は17名であり(下図参照)、そのうちの5名は帰国を果たしましたが、残りの12名は未だに北朝鮮に残されたままです。
また、このほかにも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない方は862名(平成25年10月31日現在)(※)もいます。政府では「認定」の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の帰国を求めています。
しかし、北朝鮮にいる拉致被害者の方々は約30年もの間、日本にいる家族と引き裂かれ、自由も奪われながら今もなお、囚われたままの状態なのです。

政府認定17名に係る事案

各々の事案について詳しくはこちら
※ご家族などの同意を得た方の事案概要などについては、都道府県警察のウェブサイトに公表しており、警察庁のウェブサイトにも同意を得た方の氏名及び掲載都道府県警察名の一覧表を掲載しています。詳しくはこちら

残された12名の拉致被害者に関して、北朝鮮側は以下のような主張をしています。
(安否不明の拉致被害者12名のうち)8名は死亡、4名は北朝鮮に入っていない。
生存者5名とその家族は帰国させた。死亡した8名については必要な情報提供を行い、遺骨(2人分)も返還済。
日本側は、死んだ被害者を生き返らせろと無理な要求をしている。

しかし、こうした主張には以下のとおり多くの問題点があり、「死亡」と説明する根拠は極めて不自然なものです。日本政府は、北朝鮮側の主張を決して受け入れることはできず、被害者が生存しているという前提に立って、被害者の即時帰国と納得のいく説明を行うよう北朝鮮に求めています。日本政府は、決して「無理な要求」をしているのではありません。

北朝鮮側主張の問題点について(概要)

1.8名の「死因」には不自然なものが極端に多いことに加え、これを裏付ける客観的な証拠がまったく提示されていない。

そもそも、8名のうちほとんどが20代から30代という若さで、ガス中毒・交通事故・心臓麻痺・自殺といった、自然死とは言い難い状況で亡くなったとされています。例えば、市川修一さんは日本では泳げなかったにも関わらず、緊急出張中に海水浴に行き心臓麻痺で死亡、とされています。(下図参照)。

さらに「被害者の遺骸」や「死亡を証明する真正な書類」が一切存在せず、死亡の事実を裏付ける客観的な証拠がまったく提示されていません。

2.北朝鮮側説明には、不自然かつ曖昧な点が多く、また、捜査により判明している事実や帰国被害者の証言との矛盾も多く、説明全体の信憑性が疑われる。

<横田めぐみさんの例>

北朝鮮側の説明には、死亡日の変更、「遺骨」の扱いなど、曖昧・不自然な点が極めて多くあります。

横田(よこた)めぐみさん
1977年(昭和52年)11月15日拉致
-安否未確認(北朝鮮は「自殺」と主張)北朝鮮に娘(キム・ヘギョンさん)が存在。

(1) 元夫(キム・ヨンナム氏)と担当医は、いったん、めぐみさんが1993年に死亡したと証言したが、その後、帰国被害者の発言により、めぐみさんがその後も生存していたことが日本のマスコミを通じて明らかになると、その発言どおり、死亡したのは1994年だったと訂正。

(2).病院での記録に改ざんの跡や誤りが見られ、信憑性が低い。

(例)「患者死亡台帳」の表紙

平成14(2002)年に北朝鮮側が提示したもの。「入退院」の部分を「死亡」に修正したことが見える。

(3)すでに再婚していた元夫が、めぐみさんの死の3年後に、病院の裏山で村人と遺体を掘り起こして火葬し、遺骨を保管していたという説明はあまりに不自然(めぐみさんの元夫自身、韓国からの拉致被害者であり、自由な環境の下で真実を述べられる状況になかったことも考えられる)。

3.拉致の責任者の処罰に関する北朝鮮側の説明には多くの疑問点がある。

拉致の責任者2名を処罰した証拠として北朝鮮が提出した裁判記録の写しは、多くの部分が削除されている上、拉致に関する記述も部分的であり、処罰されたとは認められません。
「北朝鮮側主張の問題点」について、さらに詳しくはこちらをご覧ください。

なお、北朝鮮が拉致を認めたにもかかわらず未だに帰国できない人がいる理由として、拉致被害者が日本に帰国することで、北朝鮮にとって不都合なこと(スパイ活動など)が明らかになるのを恐れているためと考えられています。
例えば、1987年11月に本人に成りすまして韓国の航空機を爆破した金賢姫(キム・キョンヒ)北朝鮮元工作員(スパイ)は、拉致被害者である田口八重子さん(写真)から日本語の教育を受けたと証言しています。しかし、北朝鮮はこの事件への関与を未だ認めておらず、事実が明らかになることを恐れて田口さんを帰国させていないと言われています。

田口八重子(たぐちやえこ)さん
昭和53年(1977年)6月頃拉致
-安否未確認 (北朝鮮は「交通事故で死亡」と主張)

拉致問題の解決には、次の三つを実現する必要があります。
全ての拉致被害者が即時帰国
北朝鮮が拉致に関する真相を究明
北朝鮮が拉致を実行した者を日本に引き渡す

そこで政府では、「北朝鮮」「国際社会」そして「日本国内」に向けて、それぞれ以下のように取り組んでいます。
(1)北朝鮮に対して
拉致問題解決に向けた行動をとるよう強く要求してきましたが、北朝鮮は平成18年7月以降、国際社会からの再三の警告を無視して、数度にわたり弾道ミサイルの発射や核実験を強行しました。
こうした北朝鮮の姿勢に対して政府は、北朝鮮との間での輸出入禁止や北朝鮮籍船舶の入港禁止といった措置(※)を追加的に実施してきました。
※拉致問題の解決に向けて具体的な行動をとっていないことも含め、北朝鮮をめぐる諸般の事情を勘案して決定。

日朝間における政府間協議等のこれまでの動きについて、詳しくはこちら
拉致問題対策本部「拉致問題をめぐる日朝間のやりとり」

(2) 国際社会に向けて
北朝鮮による日本人の拉致は「人間の尊厳」「人権」及び「基本的自由」の重大かつ明白な侵害である、という明確なスタンスのもと、様々な機会を通じて関係各国や国際社会に対して拉致問題に関する理解と協力を求めるよう、例えば以下のような取組を行っています。

a)国連総会や国連人権理事会において、EUと共同で「北朝鮮の人権状況に関する決議」を提出(国連総会は8年連続、人権理事会でも5年連続で採択)

b) G8サミットなどの各種国際会議や二国間首脳会談・6者会合(※)といった、あらゆる外交上の機会で拉致問題を提起(例えばG8首脳宣言では、6年連続で同問題が明示的に言及された)
※日本、アメリカ、韓国、中国、ロシア、北朝鮮の6か国

c) 海外での拉致問題啓発イベント開催により、政府機関や研究機関、国際機関の関係者および一般市民に対して同問題への理解を促進(写真参照)

アメリカで開かれた拉致問題啓発イベントの様子

パネル展示(ニューヨーク)
(平成25年5月3日)

シンポジウム(ワシントンD.C.)
(平成25年5月2日)

d) 横田めぐみさんの拉致事件を題材として制作したアニメ・漫画「めぐみ」を各国語に吹き替え・翻訳。なお、アニメ「めぐみ」は無料でダウンロード可。漫画「めぐみ」も今後、各国の在外公館を通じて、あるいは我が国を訪問する海外の要人などへ配布予定。

アニメ「めぐみ」各国語版(ダウンロード可)
※吹き替え版(英語・中国語・韓国語・ロシア語)と字幕版(フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・タイ語)
漫画「めぐみ」外国語版(冒頭の一部閲覧可)
※英語・中国語・韓国語の3か国語

(3) 日本国内に向けて

捜査・調査および情報収集

帰国した拉致被害者からも協力を得て、「新たな拉致被害者の追加認定」「拉致容疑事案の実行犯の特定」などが行われました。また、日本人拉致被害者については、北朝鮮側の主張と異なる情報が寄せられているため、引き続き分析・確認作業を行っています。

また、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案についても新たな取組として、警察庁警備局外事情報部外事課に「特別指導班」を設置し、都道府県警察に対する指導を強化しています。また、将来、北朝鮮から拉致被害者に関連する資料が出てきた場合に備えたご家族などからのDNA型鑑定資料の採取、広く国民からの情報提供を求めることを目的とした警察庁及び都道府県警察のウェブサイトへの情報の掲載、海難事案における海上保安庁との連携強化、さらに、拉致問題啓発ポスターを全国の警察施設に掲出するなどの広報啓発活動を実施しています。

拉致問題対策本部の設置

拉致問題対策本部(第一回会合)の様子

政府が一体となってこの問題に一層強力に取り組むため、内閣総理大臣を本部長として全閣僚から構成される「拉致問題対策本部」が、平成25年1月に改めて設置されました(それ以前は、総理大臣および拉致問題担当大臣・内閣官房長官・外務大臣で構成)。
そして、第一回会合の場において早速、「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策(下記参照)」が決定されたとともに、本部長である安倍総理が「私の使命として、私が最高責任者であるうちにきちんと解決したい」との強い意志を表明しました。

平成25年1月25日 拉致問題対策本部決定(要旨)
<方針>
拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ないとの方針を堅持し、認定の有無にかかわらずすべての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くす。また、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引き渡しを引き続き追求していく。

<具体的施策>
(1)北朝鮮側の行動を引き出すための措置を検討することと、それを厳格に実施すること。
(2)北朝鮮側が具体的な行動を起こすよう強く要求すること。
(3)拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集・分析・管理を強化すること。 
(4)拉致の可能性もあると考えられる行方不明者等に関する捜査・
調査を徹底すること。
(5)拉致問題を決して風化させないための内外世論を啓発すること。
(6)米国、韓国を始めとする国際社会との連携を強化すること。
(7)拉致被害者家族や既帰国拉致被害者等に対してきめ細やかに対応すること。
(8)その他拉致問題の解決のために役立つあらゆる方策を検討すること。
拉致問題対策本部における取組内容について詳しくはこちら

広報啓発活動

平成25年7月には約3年ぶりに啓発ポスターを一新(後述)したほか、主に以下のような活動を行っています。
a) 「拉致問題を考える国民の集い」開催
拉致問題啓発への取組を促進すべく、地方公共団体や民間団体との共催で全国各地において「拉致問題を考える国民の集い」を開催しています。
※上記とは別に、地方公共団体や関係団体などの主催による集会もあります。

「拉致問題を考える国民の集いin宮城」
(平成25年1月16日)

「拉致問題を考える国民大集会in兵庫・神戸」
(平成25年2月20日)

b)日本人拉致問題啓発アニメ「めぐみ」DVDの活用
横田めぐみさんが北朝鮮当局により拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や、懸命な救出活動の模様を描いたドキュメンタリー・アニメのDVDを、全国の小・中・高校や特別支援学校および高等専門学校(約4万校)などへ配布を行っています。

c) 各種パンフレットの作成・配布

ほかにも、毎年12月10日「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」(詳しくは後述)でのイベントや講演会への講師派遣など様々な活動を行っています。

また、北朝鮮に残された日本人拉致被害者に対しては、政府の取組や国内外を巡る状況、家族や友人の声や励ましのメッセージ、懐かしい日本の歌を短波ラジオ放送によってお届けしています。
北朝鮮向けラジオ放送「ふるさとの風(日本語)」、「日本の風(韓国語)」はこちら

拉致問題啓発ポスター(2種類)

俳優の津川雅彦さんがモデルを務め、全国の自治体や駅・空港などの公共施設に配布・掲示されています。

平成25年7月2日に行われたポスター発表記者会見はこちら(動画 24分20秒)

記者会見の様子

帰国した日本人拉致被害者などの証言から、韓国をはじめタイ・ルーマニア・レバノンでも、北朝鮮に拉致された可能性のある国民が存在することが明らかになっています。特に韓国においては、朝鮮戦争時の拉北者(拉致被害者のこと)は約10万人、それ以降の平時における拉北者も約4千人となっており、そのうち約500名が未帰還とされています(平成23年5月現在 韓国政府発表)。

さらに、北朝鮮による拉致事件の被害者がいる国は日本を含め14か国に及ぶという指摘もあります。こうしたことを受け、関係各国とは政府レベルだけでなく家族や民間団体の間でも緊密な連携が行われています。

そもそも、拉致問題は被害者の有無を問わず国際的に追及すべき人権問題であり、国際社会も北朝鮮に対して、拉致問題の早急な解決を要求しています。
先にも触れた通り、国連総会本会議では第1回目の「北朝鮮人権状況決議」採択(2005年(平成17年))以降、8年連続で北朝鮮の人権状況に関する決議が採択されているほか、国連の人権理事会でも2013年(平成25年)3月に、北朝鮮の人権状況に関する「調査委員会」の設置を含む決議が無投票で採択されました。
日本政府の働きかけもあり、このように北朝鮮への圧力は国連でも確実に強まっているものの、北朝鮮では具体的な人権状況の改善がみられていません。

写真:北朝鮮による核実験の強行を最も強く非難するとともに、核及びミサイルの拡散に関わる資金を凍結することや、ヒト・モノ・カネに対象を特定した制裁を課すことで武器等の輸出入をさらに制限する国連安保理決議代1874号の採択(2009年(平成21年)6月)

2002年(平成14年)の拉致被害者帰国から10年が経過して、日本では拉致問題に対する熱気が冷めているのでは、という論評が北朝鮮側では出ているといいます。そこで、日本の政府や国民は「すべての拉致被害者を必ず取り戻す」という強い決意に決して揺るぎがないことを、北朝鮮に対して表し続けていかなければなりません。そのためには、これまで以上に拉致問題に対する国内の世論や関心を高めていくことが必要不可欠です。世論調査の結果によれば、拉致問題への関心度は高い割合で推移しているものの(グラフ(1))、年齢別でみると将来を担う若い世代の関心が比較的低い傾向にあります(グラフ(2))。

【グラフ(1)】北朝鮮への関心事項として「日本人拉致問題」をあげた割合の推移(複数回答)

【グラフ(2)】「日本人拉致問題」を関心事項にあげた年齢別割合(平成24年実施分)

出典:内閣府「外交に関する世論調査」

そこで、若者向けをはじめ、私たち国民一人ひとりができることをご紹介します。
a) アニメ「めぐみ」視聴・ダウンロード、上映会開催(学校・公共施設向け)
こちらからご覧いただけます(動画 25分2秒)
動画のダウンロードはこちら
また、学校、公共施設などで上映会を企画される場合には、アニメ「めぐみ」DVD配布(返却不要)なども受け付けています。
申込方法など詳しくはこちら

b) 集会への参加
「拉致問題を考える国民の集い」のほか、各関係団体が開催する集会が全国各地で開かれています。(集会によっては参加形態が異なるので、詳しくはホームページなどで確認ください)

北朝鮮人権侵害問題啓発集会
(平成25年6月30日福岡)

拉致被害者家族を支援するかわさき市民のつどい
(平成25年10月5日)

今後の集会予定についてはこちら(救う会全国協議会「集会情報」)

c) 拉致に関する情報提供
拉致に関する情報をお持ちの方は、拉致問題対策本部事務局までご連絡ください。
メールアドレス:info@rachi.go.jp、FAX:03-3592-2300

映画『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』

また、民間での取組の一つとして、横田めぐみさんを救出するためご両親の横田滋さん・早紀江さんご夫妻が懸命に活動する姿を収めた約90分のドキュメンタリー映画『めぐみ-引き裂かれた家族の30年』(原題:Abduction :The Megumi Yokota Story)が2006年(平成18年)に公開され、世界各国で上映されています。現在、国内の学校(小学校~大学)を対象に上映会開催の申込(DVD貸出)を受け付けています。詳しくはこちらまで

これらの取組もあり、これまで政府には約1,025万筆の署名が寄せられています(平成25年8月末現在)。こうした姿勢は1日も早い拉致問題解決に向けた大きな力となります。

家族を、人生を奪い去った北朝鮮による拉致。ある日突然連れ去られ、今も救出を待ち続けている……。それが、もしも自分だったら、自分の家族だったら――私たち国民も、一人ひとりが北朝鮮による日本人拉致問題に関心を持ち、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を目指して、被害者のご家族とともに救出活動を全力で推進していくことが必要です。

12月10日から16日は「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」

平成25年度北朝鮮人権侵害問題啓発週間ポスター

拉致問題を含む北朝鮮による人権侵害問題についての国民の関心と認識を深めるため、毎年12月10日から16日までの1週間は「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」として定められています。ちなみに最終日(12月16日)は、2005年の国連総会で第1回目の北朝鮮人権状況決議が採択された日にあたります。

期間中は、シンポジウムやコンサート(写真)など、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を訴える、さまざまなイベントが開催されます。

この週間をきっかけに、私たち一人ひとりが、拉致問題について改めて考え、できることから取り組んでみましょう。
北朝鮮人権侵害問題啓発週間について詳しくはこちら

ふるさとの風コンサート

拉致問題シンポジウム
(いずれも平成24年のもの)

「取り戻す」ためのシンボル-ブルーリボン(民間団体による取組)

拉致被害者の救出を求める国民運動は、ブルーリボンと青色を運動のシンボルにしています。

青色は、被害者の祖国日本と北朝鮮を隔てる「日本海の青」を、また、被害者と御家族を唯一結んでいる「青い空」をイメージしています。

<取材協力:内閣官房 拉致問題対策本部事務局  文責:政府広報オンライン>

「お役立ち情報」では、国の行政施策の中から暮らしにかかわりの深いテーマ、暮らしに役立つ情報をピックアップし、分かりやすくまとめて提供しています。

政府 拉致問題対策本部
北朝鮮による拉致問題についての詳しい解説や北朝鮮側主張の問題点、政府の姿勢・取組などが掲載されています。
警察庁「拉致の可能性を排除できない事案に係る方々」
北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者のうち、都道府県警察のウェブサイトに家族等の同意を得て掲載されている方々の一覧表です。
救う会全国協議会
特定失踪者問題調査会



 参考
日韓基本条約(にっかんきほんじょうやく) [日本大百科全書(小学館]
 1965年(昭和40)6月22日に署名され、12月18日に批准書が交換されて発効した「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」。1943年のカイロ宣言およびそれを確認した45年のポツダム宣言によって、連合国は第二次世界大戦後の朝鮮の独立を約束していたが、51年のサンフランシスコ講和条約でわが国もこれを承認し、日本と朝鮮の関係の処理は両国の合意にゆだねられることになった。「朝鮮」には、すでに韓国(大韓民国)と北朝鮮が成立していたが、日本と「朝鮮」の関係の正常化はもっぱら「日韓交渉」として行われた。51年9月、連合国最高司令部は在日朝鮮人の地位に関する両国の交渉を促したが、これを機として翌年2月に第一次会談が開かれ、65年の妥結に至るまで、実に15年もの間、中断と再開を繰り返した。この会談はしばしば実質は日米韓三国交渉であったといわれるほど、米国の調停工作が公然と行われた。

条約のおもな内容は次のとおりである。

(1)両国間に外交・領事関係が開設され、大使級の外交使節が交換される(1条)。

(2)1910年8月22日以前に日本と大韓帝国の間で結ばれた条約等はすべて「もはや無効である」ことが確認される(2条)。

(3)韓国は国連総会決議195号に明らかに示されているとおりの朝鮮にある唯一の合法的な政府であることが確認される(3条)。

(4)両国は相互の関係で国連憲章の原則を指針とする(4条)。

(5)貿易、海運、その他の通商関係に関する条約等の締結のため、速やかに交渉を開始する(5条・6条)。

日韓基本条約とともに、両国間では「漁業協定」、「財産および請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定」、「在日韓国国民の法的地位及び待遇に関する協定」、「文化財及び文化協力に関する協定」、「紛争解決に関する交換公文」など多くの合意が署名され、両国の関係は「正常化」された。しかし日韓両国ともに国内では反対運動が強く、韓国では与党だけで、日本では自民、民社両党の賛成だけで批准案の承認が行われた。条約の内容の不備と解釈の不統一、南北分断の固定化、対韓経済侵略、軍事同盟志向の強化などが批判された。院外では、1965年11月9日の統一行動には約24万人が参加し、反対運動が高揚した。韓国における反対運動はさらに激しく、8月23日には学生デモ鎮圧のために軍隊が出動し、26日には衛戍(えいじゅ)令を発動したほどであった。
[ 執筆者:石本泰雄 ]


 注記
 このとき私は四国・高松にいて、大学生でした。高松駅まえの玉藻公園で反対集会がひらかれ、社共の一日共闘が実現し2000名が公園を埋めました。3学部学生自治会は600名を動員しました。忘れられない思い出です(古本屋通信)
  1. 2013/11/26(火) 03:36:20|
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大森寿恵子

古本屋通信  No 534  11月 24日

   大森寿恵子

 昨日シンフォニー古本まつりで大森寿恵子『早春の巣立ちー若き日の宮本百合子』(新日本出版社 1977年初版)を買ってきた。刊行時に読んでいるし、古本屋を始めてからも何回か回転させていて、その度に目を通している。しかし宮本顕治が死亡し、3年後に大森寿恵子が後を追うように死んで以後、読んでいない。均一本300円コーナーにあったので買ってきた。

 私にはずっと書きたいことがあった。それはただ一点だけ。即ち1979~81年に刊行された新日本出版社版『宮本百合子全集』(全30巻)の解題の全てを大森がたった一人で書いたことの意味についてである。これは(編集実務は出版社が担当したとはいえ)文学的な意味においては全編集を大森が一人で成したということである。この全30巻本全集は爆発的に売れ、当時傾きかけていた新日本出版社が経営的に立ち直る上で大きく貢献した。また著作権者の宮本顕治と解題執筆者の大森に多大の印税収入をもたらした。しかしそんなことは夫妻にとって殆んど何の意味もなかったろう。事実、顕治は印税収入(全額?)を共産党に寄付していて、その事実は赤旗で公表されている。私にとってもこれは関心外のことだったのだが。

 刊行当時、私は大森の一人編集にずいぶん批判的だった。すでに中野重治や佐多稲子をはじめ旧『新日本文学』関係は分裂していたが、『民主文学』関係にも執筆者はいくらでもいた。私が一寸思いつくだけでも、水野明善、土井大助、津田孝、中里喜昭、佐藤静夫、それに不破哲三だって既に百合子関係の文を書いていたろう。なんで彼らを起用しないで、大森だけがやるのだろうか。これは百合子文学の宮本家による私物化ではないか。私は当時そう思っていた。

 しかしこれは私の偏狭さからくる誤解だった。個人全集は数名の編集委員によって編まれる場合が多いが、百合子全集に限っては大森のひとり編集がもっともよいと思い直した。それは文学には必ず文学外の圧力が加わるものだからである。顕治は50年分裂の経験からこのことをよく知っていた。現に全集刊行後にも 2度にわたって文学運動は分裂している。その間、大森は百合子研究から仕事を広げていない。もうこれ以上、死んだ百合子を政治の濁流に押し込めてはならない、それには大森のひとり編集がもっとも望ましい、私はそう思った。

 本書の成り立ちの経緯(初出等)については、著者があとがきで書いているが、多喜二・百合子研究会の機関誌『多喜二と百合子』に何回かに分けて発表されたものを一冊にまとめて出版したものだ。戦後に限っても百合子の人と文学については、『新日本文学』、『近代文学』、『民主文学』を中心に、文壇や国文学界をふくめて数え切れない論稿が発表されている。しかしその中にあって、大森の仕事は解題執筆とそれ以前の本書に収められた文を含めて、百合子研究の基礎資料として、また宮本百合子書誌としてもっとも重要な位置を占めていると私は思う。

  宮本百合子  1899~1951年
  宮本顕治    1908~2007年
  大森寿恵子  1920~2010年

 
 出典 ウィキペディア

大森 寿恵子 (おおもり すえこ、1920年‐2010年1月4日)
 
日本の文芸評論家。作家宮本百合子の秘書ののち、百合子研究家として作品評と評伝に関する多くの論稿を発表した。元日本共産党中央委員会議長宮本顕治の妻。
経歴[編集]本名は宮本寿恵子(みやもとすえこ)。東京生まれ。作家高杉一郎の妻の妹にあたる[1]。
学生の時に宮本百合子を知り、目白の自宅を数度訪問。戦後百合子の秘書を務める。1948年日本共産党に入党。百合子死後、1951-53年刊行の河出書房版『宮本百合子全集』(全15巻)の編纂委員会事務局。1954-57年頃宮本顕治と結婚[2]。1979-81年刊行の新日本出版社版『宮本百合子全集』(全25巻別巻1補巻2)の編集・解題を担当。多喜二・百合子研究会運営委員。[3][4][5]
著作[編集]編著『写真集 宮本百合子 文学とその生涯』、新日本出版社、1976年1月 ISBN 978-4-406-00359-9
『若き日の宮本百合子 早春の巣立ち』、新日本出版社、1977年1月30日 全国書誌番号 77029104
『増補版 若き日の宮本百合子 早春の巣立ち』、新日本出版社、1993年7月25日 ISBN 4-406-02194-9
編著『百合子輝いて : 写真でたどる半世紀』新日本出版社、1999年2月 ISBN 978-4-406-02647-5
脚注[編集]^ 岩垂弘「現代史の証人・高杉一郎さん逝く」リベラル21、2008年1月13日--2011年6月9日スパムフィルター発動によりリンク不設定
^ 宮本顕治「私の五十年史」、『網走の覚書 増補新版』新日本出版社、1990年、p.134
^ 「百合子研究家宮本寿恵子さん死去」、しんぶん赤旗、2010年1月11日
^ 訃報「宮本寿恵子さん=宮本顕治・元共産党議長の妻」、読売新聞、2010年1月11日
^ 『増補版 若き日の宮本百合子 早春の巣立ち』あとがき、1976年12月
 


 最後に。いままでも一部の人には知られていたのだが、余りおおっぴらに出されなかった資料がある。私はこれを何処かで10年ほど前に確かに読んでいた。ずっと気になっていたが、昨日ようやく、この全文が宮地健一さんのサイトで読めることを知った。 「プロレタリア・ヒューマニズムとは何か-宮本顕治氏の所説について-労働者文学会議 志保田行」である。これは私がかつて読んだものと同一である。

 然しこれには弱った。かなり長文であるが、引用できない程ではない。だが既に私は宮地健一さんのサイトは敬遠すると明言している。おまけに宮地さんは「引用にあたっては志保田行氏の了解をとっている」と書いている。この文に関しては、私は志保田氏の元文も宮地さんの引用も100%信頼できる。しかし宮地さんの HP から股引用は出来ない。読者は直接宮地さんのHPを訪問されたい。そこには上記3人(百合子、顕治、大森寿恵子)の関係が赤裸々に語られている(これだけ書くだけなら宮地さんも許してくれるだろう)。

 この、スキャンダルではないが、そういうものとしても利用されうる志保田行氏の一文をどう評価するか。私はこれを読んでも、3人それぞれの評価は動かなかった。しかし3人の仕事を考えるうえで、完全に無視すべきでもないように思える。とりわけ大森の百合子死後の仕事を見るとき、これは重要な背景ではないかと思った。大森が後半生、宮本顕治の妻でありながら宮本姓を名乗らず、地味なひとりの百合子研究者として生涯を終えたこと、私はこれを大森の美点として称揚したい気持ちが強い。

 蛇足。もっとも私は宮本太郎の母親をしての寿恵子には疑問を持っている。どういう育て方をしたら、ああいう子が出来るんだろうか。これは家庭教師の志位和夫にも訊ねたみたい(笑)。
  1. 2013/11/24(日) 00:48:36|
  2. 未分類

STOP秘密保護法大集会

古本屋通信  No 533  11月 23日


 転載が一日遅れてしまいましたが、集会関係を貼っておきます。何んとしても廃案に追い込まねばなりません。少々の「修正」などで妥協できる代物ではありません(古本屋通信)。

STOP!「秘密保護法」11・21大集会
-「何が秘密?それは秘密」 それはイヤだ!-
日比谷野外音楽堂
2013.11.21 18:30~19:30
 
主催  STOP!「秘密保護法」11・21大集会実行委員会
後援  日本弁護士連合会
                           
○司会 中森圭子さん(盗聴法に反対する市民連絡会)
○主催者挨拶 海渡雄一弁護士(秘密法反対ネット)   
○政党・国会議員から
近藤昭一衆議院議員(民主党) 
志位和夫委員長(日本共産党)
吉田忠智党首 (社会民主党)   
鈴木たかこ衆議院議員(新党大地 予定)
ほか
○カンパアピール 土井登美江さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)    (
○挨拶 日本弁護士連合会代表
○発言 
青井末帆さん(学習院大学法務研究科教授)    
落合恵子さん(作家)                
日比野敏陽さん(新聞労連委員長)
藤本泰成さん(平和フォーラム事務局長)
鈴木伶子さん(5・3憲法集会実行委員会・キリスト者平和ネット)          
田島泰彦さん(上智大学教授)               
○集会宣言   西川香子さん(憲法会議)
○請願デモ説明  高田健さん(5・3憲法集会実行委員会)
  
  集会成功のためにご協力下さい
・秘密保護法反対の一点で多くの団体、市民が参加しています。集会で
は、非暴力、参加団体・個人の誹謗・中傷しないでください。
・集会運営、請願デモについては、実行委員会の支持にしたがってください。
・野音内でのチラシ配布は禁止します。ゴミは各自持ち帰ってください。


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コメント: 4
#1
元山啓一
(水曜日, 20 11月 2013 14:43)
日本の社会の平和と人権を大切に思う有志の皆さん。ぜひ、明後日の集会に参加し、私たち国民の声と力を示威して、安倍政権に秘密保護法案を撤回させ廃案に追い込みましょう。
#2
松元俊子
(木曜日, 21 11月 2013 07:53)
情報統制、言論封殺、監視国家反対!
表現の自由、報道、取材の自由は国民の当然の権利だ。
戦争への道、過去に逆戻りするな!
#3
関口 実
(木曜日, 21 11月 2013 10:20)
本日の11.21秘密保護法案反対大集会、日比谷野外音楽堂を抗議の人々で埋め尽くしましょう。寒さ対策を十分して国会請願デモまで参加しましょう。自作のブラカードを持ってアピールしましょう。
#4
小林寛志
(金曜日, 22 11月 2013 01:13)
主催者発表1万人の大集会となりました。
こんな集会が1ヶ月前にできたなら、と思いましたがこんな緊迫した時期だからこそ多くの参加者が集まったのですね。それにしても会場に入れなかった多くの市民が先にデモ行進に出発したため会場内の参加者はデモ出発まで、メーデー並、いやそれ以上の待機時間を余儀なくされました。
それにしても多くのスタッフの皆さん、ご苦労様でした。




秘密保護法案「廃案必ず」と1万人
会場あふれる 東京・日比谷野音
2013年11月22日(金)  しんぶん
赤旗

STOP!「秘密保護法」11・21大集会に参加する人たち=21日、東京・日比谷野外音楽堂

 秘密保護法案をめぐって国会情勢が緊迫するなか、「STOP! 『秘密保護法』大集会」(主催、同実行委員会)が21日、東京都内で開かれました。会場の日比谷野外音楽堂には、演劇人、出版印刷、マスコミ・ジャーナリスト、宗教者、女性団体、原発ゼロを求める活動家など秘密保護法案反対の一点で、各層・各分野の団体、個人がかけつけました。
(写真)秘密保護法は「ならぬ」と怒りの表示をする大集会参加者=21日、東京・日比谷野外音楽堂

 志位委員長あいさつ(詳 報)

 開場30分前から会場があふれ、1万人(主催者発表)が参加しました。安倍政権がおびえる反対の世論を圧倒的なものにして「廃案にむけてともにがんばろう」との各弁士の訴えに、参加者は「そうだ、よし!」の声で応えました。

 会場に入りきれない人たちは、周辺で自主的に集会を開きました。

 海渡雄一弁護士が主催者あいさつで、この日は、青森、愛知、福井、和歌山など全国14カ所で集会やデモが取り組まれていると報告しました。

 あいさつした日本弁護士連合会秘密保全法制対策本部の江藤洋一本部長代行は、「日弁連一丸となって立ち上がりました。修正ですまされない。みなさんとの熱い共同で、廃案に追い込むまでたたかおう」と訴えると、会場から大きな拍手がわきました。

 作家の落合恵子氏、新聞労連の日比野敏陽委員長、田島泰彦上智大学教授らが次々に訴えました。

 日本共産党から志位和夫委員長、市田忠義書記局長をはじめ衆参国会議員14人が駆けつけました。代表して志位氏は、「秘密保護法安は『修正』でなく廃案に、この声で安倍政権を包囲し、この希代の悪法を何としても阻止しよう」と呼びかけました。

 社民党の吉田忠智党首、民主党、無所属の国会議員があいさつしました

 集会後、参加者は「戦争のはじまりはいつも秘密から」「民主主義の国に秘密の法はいらない」の横断幕を掲げて国会請願デモをしました。

 航空労組連絡会の竹島昌弘さん(55)=大田区=は、「自衛隊の物資の運搬、整備、検査など軍事機密にかかわるすべての業者にかかわってくる問題です。まともな審議もないまま通すわけにいかない。廃案に追い込みます」と語りました。



ストップ!「秘密保護法」大集会での志位委員長のあいさつ

矛先は、公務員だけではなく、すべての国民に向けられている
 みなさん、こんばんは。この希代の悪法を必ず廃案に追い込む決意を込めて熱い連帯のごあいさつを送ります。(拍手)

 「秘密保護法案」の仕組みは、政府が持つ膨大な情報の中から、政府が「特定秘密」を指定し、「秘密を漏らす人」「秘密を知ろうとした人」などを厳罰にするというものです。私が訴えたいのは、その矛先が公務員だけでなく、すべての国民に向けられていることです。

何が秘密かも秘密―自由な活動を圧殺する暗黒社会を許すな
 恐ろしいことはたくさんあります。

 第一に、何が秘密かも秘密です。“原発事故が心配だ”と、写真を撮ってブログにのせた。“米軍基地被害が深刻だ”と写真を撮ってブログにのせた。ある日突然、警察がやってきて逮捕になりかねません。国民のあらゆる自由な活動が圧殺されます。このような恐ろしい暗黒社会は、絶対に許すわけにいきません。(「そうだ」の声、拍手)

「情報公開しろ」の一言で犯罪―新しい治安維持法そのもの
 第二に、「秘密を漏らす人」「秘密を知ろうとした人」だけでなく、「共謀」した人、「教唆」―そそのかした人、「扇動」―あおった人も処罰の対象とされます。ある集会で「情報を公開しろ」とマイクで訴えたら、その一言が犯罪とされかねません。これでは新しい治安維持法そのものではありませんか。(拍手)

何を裁かれているかわからないまま重罪に
 第三に、「秘密保護法」違反で逮捕されたらどうなるでしょうか。裁判の過程でも「特定秘密」は開示されません。弁護士はどう弁護したらいいかわかりません。ひとたび「被告人」とされたら、自らを防護する手段が存在しない。何によって裁かれているかもわからないまま、重罪にされます。このような暗黒裁判を、断じて許してはなりません。(「そうだ」の声、拍手)

「海外で戦争をする国」へ――国民の目と耳と口をふさぐ
 政府は、「安全保障のためなら、秘密にして当たり前」といわんばかりです。しかし、安全保障にかかわる問題こそ、可能な限り、最大限、国民に明らかにされなければならないのではないでしょうか(拍手)。それを国民に隠し、ウソの情報で欺いた結果が、あの侵略戦争の誤りにつながった。この歴史の教訓に学ぶべきではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)

 「米軍とともに海外で戦争をする国」をつくる、そのために国民の目と耳と口をふさぎ、情報を統制し、世論を誘導する。いつか来た道の再現を許すな。この声をつきつけようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

「修正」ではなく廃案に――この声で安倍政権を包囲し、悪法を阻止しよう
 政府・与党が一番恐れているものは何でしょうか。国民の世論ですよ。日本弁護士連合会、日本ペンクラブ、テレビのキャスター、出版人、演劇人、憲法・メディア法・歴史学者、外国特派員協会、国際ペンクラブなどなど、これまでにない広範な人々が反対の声をあげ立ち上がっています。

 この世論の広がりを恐れ、政府・与党は、一部、自民党の補完勢力である「野党」を抱き込んだ「修正」で強行をはかろうとしていますが、「修正」は法案の本質を少しも変えるものではありません。「修正」で強行など断じて許せません。(「そうだ」の声、拍手)

 日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義に反する違憲立法―「秘密保護法案」は「修正」ではなく廃案に(「そうだ」の声、拍手)―この声で安倍政権を包囲し、この希代の悪法を何としても阻止しようではありませんか。ともに頑張りましょう。(「そうだ」「がんばろう」の声、歓声と拍手)




戦争は秘密からはじまる~STOP!「秘密保護法」11.21大集会レポート(松元ちえ)
秘密からはじまる――戦前の日本に逆行するかのような安倍政権の特定秘密保護法案に反対し、緊急の呼びかけに応じた市民1万人が11月21日、東京の日比谷野外音楽堂を埋め尽くした。
「首相を第三者機関にするなどふざけるな。60年なんてふざけるな。このようなふざけた法案はいったん白紙に戻すべきだ」法案の廃案を求めて主催者あいさつをした海渡雄一弁護士は、怒りをあらわに叫んだ。集会は、「STOP!「秘密保護法」11.21大集会」と題して、日弁連、新聞労連、刑事法学者など多くの市民団体や労働組合が主催した。
集会参加者のなかには、各地で抗議行動や情宣を続けてきた人が多く、秘密保護法の危険性が一般市民に浸透していることを実感していると語った。
作家の落合恵子さんは、「彼らには、私たちの命より守りたいものがあるのです。私たちの命は、彼らの足元にある小石ほどにもならないのです――」と、国民の命よりも国家や外交を優先する安倍政権を批判し、連帯して廃案とすることを呼びかけた。
昼には、首相官邸前でも全港湾、全日建、新聞労連などの産業別労働組合による抗議行動も行われ、150名以上が参加。
「労働者は言われたままに働くということが日常。知っていることでも話さないクセがついている。軍需工場で働いていても、公務員だとしても、実は見聞きしている重要なことを話さないようになっている。こういう法案が出てくることによって、より一層見ないふり、聞こえないふり、知らないふりをしていくようになる」全日建の小谷野敦書記長は、その傾向が、世間一般に広がらないよう、より多くの労働組合が声をあげていく重要性を語った。
(松元ちえ)


「絶対廃案にする」
秘密保護法案11・21大集会 参加者怒る 2013年11月22日(金) 赤旗

 ごまかしの密室「修正」協議で秘密保護法案の衆院通過が狙われる中、全国各地で21日、デモや集会など多彩な取り組みが行われました。東京の日比谷野外音楽堂で行われた「ストップ『秘密保護法』11・21大集会」に集まった参加者たちは口々に「やっぱり廃案しかない」と怒りを込めて語りました。

 ニコンやキヤノンなどのカメラを手に集まったのは、写真愛好家でつくる「特定秘密保護法案に反対する写真人の会」の人たちです。

 写真家の関次男さん(日本リアリズム写真集団代表理事)らが「表現活動などの自由が制限されかねない」と設立。約40人で集会に参加しました。

 米軍基地や浜岡原発などを被写体にしてきた男性(66)=静岡市=は、「私たちに直接かかわる問題。秘密を理由に、カメラを取り上げられる時代を繰り返してはいけない」と語りました。

「怖い」と話題
 合唱サークルの帰りに参加した女性(68)=東京・中野区=は「いてもたってもいられず来ました。『秘密保護法案知ってる?』とサークル仲間に聞いたら、『あれ、怖いよね』といろんな話がでてきます。戦争体験者の人は『治安維持法にそっくりだ』と、反対は広がっています」といいます。

 国土交通省で働く男性(49)は、厳罰で内部告発を押さえつけ、身辺調査で国にとって都合の悪い公務員を排除すると法案の危険性を指摘。「国が国家公務員に物を言えなくさせる最終的な狙いは、国民を縛ることにある」と話しました。

若者が戦争に
 ネットでこの法案の怖さを知ったという女性(27)=東京・世田谷区=は、「戦争につながる秘密保護法が通ったら海外(派兵)に行かされるのは若者です。官邸前の行動にも参加していますが、絶対に廃案にしたい」と語りました。

 大阪から駆けつけた新日本婦人の会大阪府本部の川本幹子会長(64)は「法案の危険が知られるようになって、この10日ほどで街の反応は変わりました。1980年代の国家機密法反対の運動では『おしゃべりの女性の舌を抜く機密法』といって世論を盛り上げました。こんどは『女性のおしゃべりを罪にする秘密保護法案』といってたたかいたい」。
  1. 2013/11/23(土) 06:23:38|
  2. 未分類

無意識の傲慢

古本屋通信  No 531  11月 22日

  無意識の傲慢



  昨日の私の「特定秘密保護法案反対」の記事には一日で最高の拍手を頂いた。これには感激した。私が引用した以外にも数えきれない抗議が寄せられている。当ブログへのアクセスも、この問題への関心の高さの顕われだろう。大体拍手数の百倍のアクセスなのだが、今回は10人にひとりが拍手された計算になる。 


 さて唐突だが、日本共産党の規約第五条 党員の権利と義務には「 6 (党員は)党の会議で、党のいかなる組織や個人にたいしても批判することができる。また、中央委員会にいたるどの機関にたいしても、質問し、意見をのべ、回答をもとめることができる」とある。

 それでは党外の個人はどうなのか。組織外の人間であるから、党の誰に断るまでもなく、党のいかなる機関、いかなる個人をも批判する自由がある。

 私は党を離れてから40年を越えるが、自分では熱心な党支持者だと思っている。事実、党の政策の大部分を支持してきた。至近では参院選において仁比、垣内両氏を支持してきた。然し党支持者としての私は党員の誰かれのイエスマンではない。ちょうど支部の党員が党中央委員会のイエスマンでないと同じように。非党員支持者は党のあらゆる機関、あらゆる個人を公然と批判する自由がある。私は公然党員だけを批判の対象としてきた。しかもネット空間に顕れた文言だけを批判対象とし、原則的にその全文を引用して、自分のブログにおいてのみ批判してきた。

 批判は全く自由である。ただ、批判者がどういう立ち位置かは厳しく問われよう。私の思想的立場はマルクス主義唯物論だ。政治的立場はマルクス・レーニン主義だ。これは現在の党綱領の科学的社会主義の立場とほぼ同一であると私は思っている。これまで私がしてきた党批判の中で、この原則的立場から逸脱したものがあれば、私は批判を甘受しよう。
 
 党の中には今でも末端に至るまで、党員優生思想が根強くある。党員は非党員より世界認識において優位にあり、従って非党員は党及び党員を批判してはならないという思想だ。党員がこんなに「寝食をわすれて」活動しているのだから、「小さいこと」をガタガタ言うなという訳だ。非党員も違う分野であっても「寝食をわすれて」頑張っている事実はないらしい。ここには勤労人民に対する抜きがたい軽蔑がある。党が絶対なのだ。同伴者は分をわきまえよということだ。

 世界の解釈権は党にある。これが20世紀末の世界史にどういう結果をもたらしたか。私は頑固な民主集中制堅持論者だった。しかし一寸考えさせられる。まあよい。

 既に個人批判を消去しているが、これは反省して消したのではない。メッセージさえ伝えたらよかったのだ。あとは見るのもウンザリだったから。まあ、今後は個人名を挙げての批判は控えよう

 然しこれは対象が国家権力か党権力かの違いこそあれ、いまのいま日本の民主主義の死活を賭けて闘われている「特定秘密保護法」反対を内側から突き崩す試みであろう。自由にモノを言うことを自主規制するのも言論の自由の封殺だろう。旧ソ連・東欧でも現在の中国でも知識人は言論の自由のため命を賭けて闘ってきた。私もまたこのブログで小さな言論をまもって書き続けていくだろう。このことだけははっきり言っておきたい。然しここにも党内と党外でははっきりと温度差がある。自由に対する鈍感と熱望と。私が唯一点、民主集中制がもたらした弊害をあげるとすれば、自由にたいする鈍感な党員を大量に生産したことだ。敵と味方の二分法、つまり味方を批判する者は許さない。

 ネットはただのネットだ。私はネット上の文言だけを問題にしてきた。ネット空間とリアル空間を混同するなということだ。それぞれのHPブログで批判を書けばよい。私と石崎さんの関係は上手く行っているケースだろう。党員とは同じような関係には行かないだろう。無言の交流だってありうる。繰り返す。ネットにはネットでだ。

 最後の最後、もうひとつだけ。私は決して現役の党員を主要な読者として想定していない。毎日の100人ばかりの訪問者の過半は党外だろう。日本の民主主義の担い手は党員だけではない。ここは無言の交流の場なのだ。批判は「励ますような暖かい批判」でなければならないとする甘ったれ、自党の誰かへの「鋭角的な」批判をただちに党攻撃と見做すこと、これは党員優生思想の集約的表現に外ならない。この小文に多くの拍手が寄せられることを切望する。

 今回もまた中野重治のような文を書きたいと願ったが、とうてい無理だった。せめて西沢舜一(=党員優生思想の主)のような傲慢な文でなければ幸いである。
  1. 2013/11/22(金) 02:16:41|
  2. 未分類

秘密保護法案反対

古本屋通信  No 529  11月 21日

 特定秘密保護法案反対


 特定秘密保護法案をめぐる国会の動向は「危機的」である。私の解説より正確な記事を転載しておく。

まずはいつも的確で簡潔なひろ子ワールドの3本連続記事から。

忍び寄る戦争の足音  2013-11-19
今日はどんより曇り空
木枯らしが風に舞い、とっても寒い!
私の気持ちもどんより曇
秘密保護法がいよいよ重大な局面を迎えているからです
(今日のしんぶん赤旗にはこのように記載されていました)
自民党・公明党は、日本維新の会、みんなの党それぞれと
秘密保護法案の「修正」協議を行っています
民主党も「修正案」をまとめ、与党と協議に臨む方向です
この法案が可決していまえば
あらゆる「情報」が「秘密」にされてしまう可能性があります
国民から意見を求めた「パブリックコメント」には異例の9万件もの意見が寄せられています
その約9割が、秘密保護法案に対して反対の意見だったそうです
(党岡山県女性後援会が作成したマンガです★今日のしんぶん赤旗に掲載)
「秘密保護法」の成立後には、国会で過去2回も廃案になった
『共謀罪』法案の提出が予想されます
電話やメールの盗聴が合法化され、街頭や集会の会話まで監視されると指摘されています
何が秘密かもヒミツ・・・がこの法案の中身ですが
秘密と知らなくても、客観的に特定秘密とわかるといえるような情報に接近するだけで
捜査機関の監視対象となる
逮捕・処罰もなりうる
知れば知るだけ、本当に恐ろしい法案だと思います
特に、軍事がらみの事は「秘密」になるので
気が付いたら、アメリカと一緒に戦争する体制になっていた!
という事が、現実的に可能になります
忍び寄る戦争の足音
我が子が戦争に行く事になったら・・・
「戦争反対」「アメリカと一緒に軍備拡大するな」「原発反対」
など、いま普通にしている政治活動によって弾圧される世の中になったら、どうしよう・・・
みなさん、秘密保護法反対の声を大きくしましょう!


各政党へ抗議の声を届けよう!  2013-11-19
今、全国各地で「秘密保護法」反対の声が上がり始めています
日本を揺るがす一大事です!
(日本平和委員会のマンガです)
ぜひ、国会へみなさんの反対の声を届けましょう
それぞれの県や市町出身の国会議員や
各政党に対して、抗議の声を届ける事も必要ですよね
以下、主な各政党の党本部の電話番号です
自由民主党 03-3581-6211
民主党 03-3595-9988
日本維新の会 06-4963-8800
公明党 03-3353-0111
みんなの党 03-5216-3710
生活の党 03-5501-2200
社会民主党 03-3580-1171

 朝の宣伝!   2013-11-20
今朝は「秘密保護法案」反対の緊急の宣伝をしました
車のフロントガラスは凍っているぐらい寒い朝でしたが
今回は完全防備(寒さ対策完璧)で挑みましたよ~
特定秘密保護法案は今週にも衆議院採決する方向でしたが
現在、野党との調整に時間がかかり
与党は、来週に採決をしようとしています
国民の自由の民主主義の破壊は許さない!
立場の違いを超えて、この悪法を何としてもストップさせよう!
明日は町内での「秘密保護法」についての街頭宣伝に取り組むぞ~
今日は、朝早くから会議をしたり
午後からは議員団会議のため、広島市へ行ったり・・・バタバタでした
来週月曜日は常任委員会です
またまた、気が抜けない日々が続きそうです


 次に最新の赤旗ニュースから

 緊迫
 秘密保護法案 廃案しかない  自公み維 「修正」協議

危険変わらず”批判広がる
 戦争する国づくりを進め、国民の目、耳、口をふさぐ「秘密保護法案」に、各界各層から廃案や慎重審議を求める声が急速に広がっています。こうしたなか、自民、公明両党は19日、衆院通過を狙い、みんなの党と「修正」合意を確認しました。日本維新の会とも「修正」協議を継続。民主党は独自の「対案」を国会に提出しました。法案を推進する動きに対し厳しい批判があがっており、国民と安倍内閣との攻防は緊迫の度を増しています。
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 自民、公明の与党は同日、みんな、維新、民主の各党と断続的に「修正」を協議。みんなの党は同日昼の役員会で、自公側が示した「修正」案を承認し、与党側に伝えました。

 自公側の「修正」案は、特定秘密の指定や解除、適性評価の基準を「首相」が定めるとし、秘密の範囲を定めた法案別表の「外交」「特定有害活動」「テロ防止」の各事項に盛り込まれていた「その他の重要な情報」という表現を「重要な情報」とするというだけのもの。法案の構造は何ら変えるものではありません。みんなの党の渡辺喜美代表は、役員会後の会見で「一定の歯止めがかけられた」と賛成理由を述べました。

 与党側は維新とも断続的に協議。与党は、維新側が求めていた、特定秘密の指定をチェックする「第三者機関」の設置を“検討”することなどを盛り込むことに合意しました。

 自民党議員の一人は「週末か来週明けには衆院通過。延長も含めこの国会で成立させる」と述べ、強行姿勢を隠しません。みんな、維新の密室での「協力」を得て、衆院での採決強行を狙っています。

 日本共産党の小池晃副委員長は記者に問われ、「修正の名に値せず、法律の実態も性質も変わらない。今回の合意は、みんなの党が法案に賛成したいがために、国民の批判をかわそうと取り繕ったものだ。廃案しかない」とのべました。

 民主党も同日夜、与党との「修正」協議に入りました。民主党内には、法案そのものに反対する声も強い一方、与党時代に秘密保全法案を検討したことなどから、法案の必要性を認める姿勢を示さざるを得ないと判断したものです。



次は演劇人の声明。これも昨日付けの赤旗日刊紙経由です。
 
私たち演劇人は反対します 
23団体が緊急アピール   2013年11月20日(水)

“弾圧の歴史繰り返すな”
 「特定秘密保護法案」に反対する劇団有志の会は19日、「私たちは『特定秘密保護法案』に断固反対します」との緊急アピールを発表しました。
 アピールには演劇集団円(橋爪功代表)、テアトル・エコー(熊倉一雄代表)、劇団文化座(佐々木愛代表)、劇団民藝(奈良岡朋子代表)、無名塾(仲代達矢代表)ら23団体が連名で参加。アピール発表後も、多数の劇団から、有志の会に法案反対の意思が寄せられています。
 アピールは、新劇の歴史をふり返り「戦争遂行のための『治安維持法』により、劇団の俳優、演出家、作家は投獄、監禁され、台本の検閲による表現の制限、ついには劇団の強制解散へと弾圧は拡大した」とのべ、秘密保護法案は「先人たちの思いを根底から覆し、人間の尊厳を否定するもの」だと批判しています。
 法案は日本を戦争ができる国にする狙いが明白だとして、「平和であってこそ国民が演劇文化を鑑賞する楽しみの充実があります」と訴えています。

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名前を連ねた23劇団 (第1次分)span>
劇団1980(代表・柴田義之)
ミュージカルカンパニー・イッツフォーリーズ(代表・土屋由美)
劇団うりんこ(代表・原田邦英)
劇団NLT(代表・川端槇二)
演劇集団円(代表・橋爪功)
劇団風の子(協議会議長・金田拓)
関西芸術座(代表・門田裕)
劇団京芸(代表・藤沢薫)
こまつ座(代表・井上麻矢)
劇団昴(杉本了三)
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場(代表・福島明夫)
前進座
テアトル・エコー(代表・熊倉一雄)
劇団東演(代表・山田珠眞子)
東京演劇アンサンブル(代表・入江洋佑、志賀澤子)
東京芸術座(代表・北原章彦)
劇団銅鑼(代表・佐藤文雄)
俳優座(代表・岩崎加根子)
人形劇団プーク(代表・渡辺真知子)
文学座(代表・加藤武)
劇団文化座(代表・佐々木愛)
劇団民藝(代表・奈良岡朋子)
無名塾(代表・仲代達矢)



次ぎに生活の党の小沢さんところ。けっこう、けっこう、大いに結構。読売さん経由です。

小沢代表、特定秘密保護法案に反対する考え
 生活の党の小沢代表は20日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、特定秘密保護法案について、「機密を守るのは否定しないが、官僚の力が強大になる危険性をはらんでいる」と述べ、反対する考えを示した。
 与党との修正で合意した日本維新の会とみんなの党について、「本質的なものがないのに与党と一緒の行動をするのは、野党の存在理由がない」と批判した。
 また、政界再編について、「原発、TPP(環太平洋経済連携協定)など基本的な考えが一致するものが、自民党以外の受け皿をきちっと作れば、国民の期待はまた戻る。何としても実現したい」と意欲を見せた。
(2013年11月20日23時05分 読売新聞)


少し古いが横田悦子さんのブログから。

特定秘密保護法案を廃案にしよう ! 
 November 09 [Sat], 2013, 22:27
大変危険な法案が、とうとう衆議院で審議入りしました。
法案の作り方から提案の仕方から、その内容に至るまで問題だらけのこの法案。
もし成立したら、私達の主権が侵害され、平和な生活が根底から脅かされます。
問題点や危険性がマスコミなどでやっと大きく取り上げられるようになりました。
まだ良く分からないと思っている方は、どうぞ新聞紙面などを注意深くご覧になって見てください。
そして急いで「反対」の声を上げて下さい。特に県内選出の自民党国会議員に伝えて下さい。
私達みどり岡山は今日も秘密保護法案反対のために街頭で訴え、チラシを配りました。
また、その後、岡山弁護士会主催の勉強会に行きました。
講師の井上弁護士からは、「さっき駅前を通って、チラシを頂きましたよ」と、弁護士の皆さんも街宣しましょうと訴えられました。
学習しつつ、速やかな行動に移りましょう。皆さんもご一緒に、お願いします。
  1. 2013/11/21(木) 04:50:33|
  2. 未分類

尻馬に乗ること

古本屋通信  No 527  11月 19日

  尻馬に乗ること


 このところ連続して共産党の「ブラック企業」論を批判してきた。将来社会を考えた場合、これが本当に恐ろしいと思うからだ。しかし考えてみると、これは理論的な誤りでも何でもない。ちょっとしたハズミに誰かが軽率なことを言い出し、それにみんなが乗った類いだろう。凡そ正常な社会科学的認識、それも初歩の初歩の知識があれば考えられないことだ。

 「ブラック企業」と「ホワイト企業」がありその中間に「灰色企業」がある。オハナシになるまい。その指標の中心のひとつが労働者の使い捨てだそうだ。資本主義社会においては、労働者がいて生産物があるのではない。人間と物の価値が転倒しているのだ。労働力そのものが商品なのだ。それは革命によってしか変更不可能だ。左翼党派は働く者が主人公の社会を実現するために、すなわち日本革命のために頑張ってきた。この道しかないのだと。

 労働力は商品であるから「使い捨て」も「使い捨てない」もなかろう。そういう意味では全てが「ブラック企業」である。「ブラック企業」でないと生存できないのだ。

 私の母はいま満93歳だ。元学校の教員で、いま施設に入所している。かなり痴呆だが元気はよい。いまでも現職の教員のつもりだから、施設で「先生」と呼んでくれないといって機嫌が悪い。こんな状態の元労働者を雇用する私企業があるか? これが使い捨てか? これは極端だった(笑)。

 私の職場体験のサワリ。1970年、私は従業員約100名のテスト屋に入社した。内30名が新入社員だった。一年後に100名のうち30名が退職した。1971年50名を新規採用した。年度中に50名が退職した。次年度1972年春100名を採用した。そしたら1973年春には全国の大学から約2000名の受験者があった。一躍大卒女子の人気企業になった。その後も「使い捨て」は容赦なく続くが、人気は上昇の一途だった。ちょうど出版を始めようとしていた頃だった。出版社で新卒を100名採用する企業など他になかった。私の入社した1970年には地元O大学とNS女子大学の卒業者は希望者全員が採用された。それが3年後には狭き門になった。

 私は(この時代についても、その後についても)この会社の「ブラック」ぶりについては、何百枚でも原稿を書くことができる。また事実書いてきた(主に企業主義に基づく労働者への思想攻撃、精神的拷問についてだ)。それは出版企業としてはやや特殊だったかも知れないが、一般的には極ありふれたものだった。松下イズムの精神主義とトヨタ看板方式を下敷きにした、田舎のオッサン考案のFイズムだった。これに基づいて「社是・社訓」を唱和させられるのは苦痛だったが、私は声に出して唱和したことはない。それで首を切られることはなかった。もっともっとひどい企業はいくらでもあった。これくらいでは到底「ブラック企業」とは言えまい。

 また、それとは別に最初の5年間は労働組合を作ることに腐心した。全国一般つまり個人加盟にも入りかけてやめた。6年目以後、組合づくりは諦めた。企業主義に転向したのではない。組合を作っても作らなくても余り変わらないと思ったのでやめた。自分なりにすべきことをした。

 この企業は私がいる最後の頃には1000名近くに膨れていたが、いまではグループ企業を含めるともっと大きくなっているらしい。そのひとつで凄惨な殺人事件があったりして、私も一寸注目したが、ふだんは自分がやめた会社のことなど鬱陶しいばかりで気にも留めない。大きくなればなったで非人間的な労務管理をやっているらしい。それが表面化したのが例の「隔離部屋」だ。まことにけしからんことだ。

 こういうのは300~1000名規模の中企業でよくあるのではないか。独占企業でも特別に組合潰しが必要な時には使う手だ。然し御用組合を使っての二重支配が定着していれば、手荒い手法は要らない。この企業には労働組合がないのだ。ここでも労働組合の是非が問われよう。御用組合でもあった方がよいとばかり単純に言えないのだ。

 独占企業であろうと、中小企業であろうと、零細企業であろうと、はたまた個人商店であろうと、労使の対立は必ずある。利害が対立するのだから、寧ろ矛盾は顕在化した方がよい。矛盾は全ての事物にある。なかったら資本主義下の企業ではない。それぞれの立場で矛盾に向き合うべきだろう。

 共産党・労働者党は独占企業以外の企業を名指しで、その存在そのものを批判してはならない。「ブラック企業をやっつけろ」などもっての外である。「やっつけろ」は共産党の頭では「使い捨てをやめさせよう」となる。普通の日本語では「ブラック企業を打倒せよ」「ブラック企業を潰せ」となる。
そう言うつもりでなくとも、そうだ。明らかに誤ったスローガンである。


 もう一つ逆の意味の誤りを言わなければならない。

 
岡山の市議団(女性)が超党派で急成長の私企業「ZAGZAG ザグザグ」を訪問した。これは企業の急成長の秘密が女性の積極的登用であると見做しての訪問である。企業もそう宣伝していたのだろう。それが事実との認識が女性市議たちにあった。私はそれが嘘だとは言わない、然しこの訪問は明らかに誤りである。なぜなら、「ZAGZAG ザグザグ」という私企業の労務政策の全体を高く評価し、もって私企業活動を高評価しているからだ。公職の市議が絶対にやってはならない訪問だった。私は「ZAGZAG ザグザグ」の労務管理の問題点を具体的に知っている訳ではない。しかし叩けば必ずボロが出るだろう。出ないということはあり得ない。「ブラック」といわれる隠れされた実体は必ずある。それでなくては急成長はあり得ない。それが労働者の訴えで表面化したとき、かつて持ちあげた責任をどう取るのか。

  1. 2013/11/19(火) 22:38:07|
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党第26回大会決議案

古本屋通信  No 526  11月 19日

   日本共産党第26回大会決議案

 表題の文書を資料として転載する。当ブログをコピーしてお読みください。ただ、それだけでは営業妨害になりかねません。赤旗日刊紙を購読されていない方はぜひご購読ください(古本屋通信)


 日本共産党第26回大会決議案  2013年11月14日(木)

目次

第1章 「自共対決」時代の本格的な始まりと日本共産党

(1)「自共対決」時代の本格的な始まり

(2)これまでにない新しい特徴はどこにあるか

(3)日本共産党の不屈の奮闘がこの時代を切り開いた

(4)この情勢に日本共産党はどういう政治姿勢でのぞむか

第2章 世界の動きをどうとらえ、どう働きかけるか

(5)「世界の構造変化」が生きた力を発揮しだした

(6)アメリカをどうとらえるか――党綱領の立場を踏まえて

(7)平和の地域共同体の前進と発展――東南アジア、中南米の動きについて

(8)「核兵器のない世界」をめざすたたかい

(9)民主的な国際経済秩序を確立するためのたたかい

(10)地球温暖化対策の取り組みの到達点と今後の課題

(11)日本共産党の野党外交の発展について

第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす

(12)安倍自民党政権の危険な暴走、それがはらむもろさと矛盾

(13)東日本大震災からの復興を最優先課題に

(14)暮らしと経済――大企業応援から暮らし応援の政治への抜本的転換を

(15)原発とエネルギー――原発政策の発展と焦眉の課題

(16)「アメリカいいなり」をやめ、独立・平和の日本を

(17)北東アジア平和協力構想を提唱する

(18)日本国憲法を守り、生かすたたかいを

(19)侵略戦争を肯定・美化する歴史問題での逆流を日本の政治から一掃する

(20)統一戦線の現状と展望について

第4章 国政と地方政治で躍進を本格的な流れに

(21)来るべき国政選挙で党躍進をかちとる意義と目標について

(22)地方政治をめぐる焦点、地方選挙での躍進をめざして

(23)結びつきを生かして選挙戦をたたかう方針――「選挙革命」を発展させる

第5章 躍進を支える質量ともに強大な党建設を

(24)“第3の躍進”を支え、「成長・発展目標」を保障する強大な党を

(25)党建設の重視すべき基本方向について

(26)全党あげて世代継承のとりくみに力をそそごう

(27)党機関の指導の改善・強化、態勢の強化について

第6章 日本における未来社会の展望について

(28)“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか

(29)日本における未来社会は、きわめて豊かで壮大な展望をもっている

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 13日に第9回中央委員会総会で採択された「日本共産党第26回大会決議案」は、次のとおりです。

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第1章 「自共対決」時代の本格的な始まりと日本共産党
(1)「自共対決」時代の本格的な始まり
 民主党の裏切りへの国民の失望と怒りの高まりのなか、2012年12月の衆議院選挙で、自民・公明政権が復活した。

 2013年7月の参議院選挙では、自公政権が参院でも多数を握る一方、野党のなかで日本共産党がただ一つ躍進を果たした。日本共産党の躍進は、1960年代終わりから70年代にかけての“第1の躍進”、90年代後半の“第2の躍進”に続く、“第3の躍進”の始まりという歴史的意義をもつものとなった。 

 日本の情勢は、「自共対決」時代の本格的な始まりというべき新たな時期を迎えている。

(2)これまでにない新しい特徴はどこにあるか
 日本の戦後政治の底流にはつねに「自共対決」が存在し、これまでもたびたび「自共対決」が政治の前面にあらわれたことがあったが、この間の総選挙と参院選を通じてつくりだされた「自共対決」の政治構図には、これまでにない新しい特徴がある。

①自民党と共産党との間の「受け皿政党」が消滅した
 自民党と日本共産党との間の自民党批判票の「受け皿政党」が消滅した。「二大政党づくり」の動きが破たんし、「第三極」の動きがすたれつつあるもとで、日本共産党は自民党への批判を託せる唯一の党となっている。

 こうした政党地図は、戦後日本の政治史でも、かつてなかったものである。1960年代終わりから70年代、90年代後半に日本共産党が躍進した時期にも「自共対決」ということがいわれたが、この時期には、自民党と日本共産党との間に自民批判票の「受け皿政党」が存在していた。支配勢力は、その後、それらの政党を反共的に再編し、日本共産党抑え込みのシフトをつくりあげていった。しかし今回は、そうした中間的な「受け皿政党」が存在しない。「自共対決」という政党地図が、かつてない鮮やかさをもって、浮き彫りになっている。

②社会の土台では、「二つの異常」を特徴とする政治が崩壊的危機に
 政治の表層では、自民党とその補完勢力が多数を握っているが、社会の土台においては、「二つの異常」――「アメリカいいなり政治の異常」「極端な大企業中心主義の異常」を特質とした自民党政治が、行き詰まりを深刻にし、崩壊的危機におちいっている。

 「異常な財界中心」の政治を続けてきた結果、日本は、働く人の所得が減り続け、経済全体が停滞・縮小する国となり、国内総生産比での長期債務残高が「先進国」で最も高い水準の国に落ち込んでいる。

 「異常な対米従属」の政治によって、米軍基地問題の矛盾が限界点をこえるとともに、TPP(環太平洋連携協定)問題にみられるように日本の経済主権・食料主権が根底から破壊される危機に直面している。

 日本社会は、60年余続いた自民党型政治の総決算が求められる時期を迎えている。安倍政権は、自民党政治の深刻な危機の反動的打開を求めて、あらゆる分野で暴走を開始しているが、それは自民党政治の行き詰まり、国民との矛盾をいっそう激化させるものである。古い自民党型政治の継続か、その抜本的転換か――あらゆる分野で二つの道の対決が、こんなに鋭く問われているときはない。

③「一点共闘」がさまざまな分野で広がる画期的動きが生まれている
 「二つの異常」と国民との矛盾の激化のもとで、一致する要求・課題で共同する「一点共闘」がさまざまな分野で広がり、これまでにない広範な人々が立ち上がり、この共同の輪のなかで日本共産党が重要な役割を果たすという、画期的動きが生まれている。

 どの「一点共闘」も、その掲げている要求を本気で解決しようとすれば、「二つの異常」を特徴とする自民党政治の根本の枠組みにつきあたらざるをえないという性格を、本質的に持っている。

 政治の表層では、自民党とその補完勢力が多数でも、社会の土台においては、国民の多数派と日本共産党が共同するという動きが力づよく発展している。

(3)日本共産党の不屈の奮闘がこの時代を切り開いた
 「自共対決」の時代を切り開いた根底には、日本共産党の不屈の奮闘があった。2003年に本格的に始まった「自民か、民主か」という「二大政党による政権選択論」の大キャンペーンは、わが党排除の猛烈な逆風をもたらした。この反共作戦によって、わが党は、国政選挙で繰り返しの後退・停滞を強いられたが、選挙のたびに、そこから冷静に教訓を引き出し、次のたたかいに挑んだ。この不屈のたたかいの積み重ねが、「二大政党づくり」を破たんに追い込み、日本政治の新しい時代を開いた。

 わが党の不屈のたたかいを支えたものは何だったか。

 第一は、2004年の第23回党大会で新しい綱領を決定したことである。綱領は、表面のあれこれの動きに左右されずに、情勢を根底からとらえる羅針盤となった。また綱領が、日本の民主的改革の内容を21項目にわたって具体的に明らかにしたことは、わが党の政策活動の発展にゆるぎない土台をあたえるものとなった。それは、消費税に頼らない別の道を示した「経済提言」、国民の所得を増やして景気回復をはかる道を示した「賃上げ・雇用アピール」、原発をすみやかになくし再生可能エネルギーへの転換の道を示した「即時原発ゼロ提言」、日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるかを示した「外交ビジョン」、領土問題での見解など、一連の政策提起の発展となって実をむすんだ。

 第二は、どんな情勢のもとでも、「国民の苦難の軽減」という立党の精神を発揮して、頑張りぬいたことである。「二大政党づくり」の動きは、反共作戦であるとともに、国民の暮らし・平和・民主主義を破壊する反国民作戦でもあった。自民党と民主党が競い合って弱肉強食の「構造改革」路線を進めるもとで、国民生活のあらゆる分野での状態悪化、貧困と格差が深刻になったが、日本共産党は、全国どこでも草の根から国民の苦難軽減、国民要求の実現に献身してきた。東日本大震災にさいしても、わが党は、立党の精神に立った大奮闘をおこない、被災者の方々の信頼を高めた。

 第三は、自前の組織と財政をつくり支えるために、うまずたゆまず努力を続けてきたことである。いま、日本共産党に対して「スジを通す党」という高い評価が寄せられるが、それができるのは、日本の前途を開く綱領を持つ党であるとともに、草の根で国民と結びつき、自前の組織と財政をもっている党だからである。それは、国民の中に根をもたず、風まかせ、政党助成金だのみで、党を作ったり壊したりを繰り返す諸党との対比で、きわだったものである。

(4)この情勢に日本共産党はどういう政治姿勢でのぞむか
 この情勢のもとで、日本共産党は、つぎの三つの姿勢を堅持して奮闘する。

 「対決」――わが党は、自民党安倍政権の危険な暴走と真正面から対決して、国民の利益のためにたたかう。今日の政党状況のもとで、この仕事を担える党は日本共産党しかない。自民党政権の危険な暴走を止めてほしいというのは、躍進した日本共産党への国民の期待である。その責任と期待を自覚して奮闘する。

 「対案」――わが党は、日本の前途を開く綱領を持つ変革者の党として、経済、エネルギー、外交をはじめ、どの分野でも、自民党政治の行き詰まりを打開する建設的対案を国民に示し、展望を明らかにする。「二つの異常」を特徴とする古い政治のゆがみを断ち切る改革にとりくんでこそ、希望のもてる未来が開かれることを、太く明らかにしていく。

 「共同」――安倍政権の暴走の一歩一歩は、国民との矛盾を広げ、国民のたたかいを呼び起こさざるをえない。わが党は、一致する切実な要求にもとづく「一点共闘」をあらゆる分野で発展させ、日本の政治を変える統一戦線をつくりあげるために奮闘する。

 日本共産党は、これらの三つの政治姿勢を、一体的に堅持して奮闘する。抜本的な「対案」を持つ党でこそ、真正面からの「対決」を貫くことができる。「対決」にしても、「対案」にしても、国民多数のたたかいとの「共同」という努力によってこそ、現実政治を動かす力を発揮することができる。

第2章 世界の動きをどうとらえ、どう働きかけるか
(5)「世界の構造変化」が生きた力を発揮しだした
 20世紀におこった世界の最大の変化は、植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原理となり、100を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家になったことにあった。これは、まさに「世界の構造変化」と呼ぶにふさわしい巨大な変化だが、今日の世界の特徴は、この構造変化が、世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだしたところにある。

 一握りの大国が世界政治をもっぱら動かした大国中心の時代は終わり、国の大小での序列がない世界になりつつある。世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれつつある。わが党は、日本の平和団体とともに、2010年NPT(核不拡散条約)再検討会議に参加したが、この国際会議のなかでも途上国と新興国の代表が、全体会議の議長や第1委員会委員長(核軍縮)、国連軍縮問題担当上級代表など、会議を運営する要の職につき、実に生き生きと文字通り主役を演じていた。

 「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」をめざす流れが発展しつつある。10年前の2003年、米国など一部の諸国は、国連安保理事会の決議もないまま、無法なイラク戦争に突入した。しかし、2013年、米国などが行おうとしたシリアへの軍事介入は、国際世論の包囲によって阻止され、問題は国連にゆだねられ、国連安保理は、シリアに化学兵器廃棄を義務づけ、外交的解決に道を開く決議を全会一致で採択した。前途には紆余(うよ)曲折がありうるが、これは国連事務総長がのべたように、「歴史的」な決議といえる。これは、どんな大国といえども、簡単には国連憲章を踏みにじった軍事力行使はできなくなっているという、現在の国際政治の姿を示すものとなった。

 世界の経済秩序という点でも、1975年に始まった「先進国サミット」――当初は「G6」、「G7」をへて「G8」――という枠組みでは、世界的な諸問題に対処できなくなり、2008年の世界経済危機をへて、「G8」は新興国・途上国を含めた「G20」に席を譲った。さらに、「G20」の限界も指摘されるようになり、国連加盟国すべてが参加する「G192」も提唱された。経済協力開発機構(OECD)報告書「富の移動」や国連開発計画(UNDP)報告書「南の台頭」などが示すように、新興国・途上国は、世界のGDPに占める割合を年ごとに高め、経済的な力関係が大きく変わりつつある。一部の発達した資本主義国が世界経済を牛耳っていた時代はもはや過去のものとなった。

(6)アメリカをどうとらえるか――党綱領の立場を踏まえて
 わが党は、第24回党大会・第25回党大会の決定で、党綱領の立場を踏まえて、アメリカの動向に複眼で分析を加えてきた。すなわち、軍事的覇権主義に固執しつつ、国際問題を外交交渉によって解決する動きが起こっているという、二つの側面でアメリカの動向をとらえてきた。この見地は、今日のアメリカをとらえるうえで、ますます重要である。

①軍事的覇権主義への固執、外交交渉による対応
 この4年間の米国・オバマ政権の世界戦略の展開は、アメリカの国際的影響力の相対的低下傾向をともないながら、前回党大会が指摘した二つの側面が継続していることを示している。すなわち、オバマ政権は、歴代米国政権の基本路線である軍事的覇権主義の立場を継承・固執しつつ、多国間・2国間の外交交渉による問題解決に一定の比重をおくという世界戦略をとっている。

 米軍による無人機を多用した他国領土内での攻撃作戦が、重大な国際問題になっている。2013年9月に、国連が初めて発表した調査報告書は、アフガニスタン、パキスタン、イエメンなどでの米軍の無人機攻撃の実態を明らかにしている。なかでもパキスタンにおいては、04年以降、少なくとも330回の攻撃があり、死者総数2200人以上、うち600人以上が市民と非戦闘員であった可能性があるとしている。また、米軍特殊部隊がパキスタン領内で、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディンを急襲・殺害したような局地的な軍事作戦を展開している。オバマ大統領は、「われわれが指導性を担ってこそ世界はよりよい場所になる」と宣言したが、軍事的覇権主義への固執は根深いものがある。

 その一方で、オバマ政権は、2011年12月にはイラク戦争の終結を宣言し、イラク駐留米軍は撤退した。アフガニスタンでも2014年末までの米軍戦闘部隊の撤退を言明している。2011年のリビア軍事介入の際には、主役をイギリス・フランス軍にゆだねたうえで空爆を行ったが、最近のシリア問題では国連安保理を通じた外交解決の方向を選択した。北朝鮮の核問題に続いて、イランの核問題も、外交交渉による解決を現実的な選択肢とする方向へとかじを切った。

②アジア・太平洋重視の戦略的「リバランス」(再配置)について
 軍事的覇権主義と外交戦略の二つの手段による対応という特徴は、アジア・太平洋地域を重視する戦略的「リバランス」(再配置)にもあらわれている。

 アメリカは、この地域における戦略でも、日米、米韓、米豪など軍事同盟の強化を第一の戦略においている。米国の軍事的プレゼンス(存在)が、この地域での影響力を維持・強化していくうえで絶対不可欠という戦略には変わりはない。

 同時に、大きく台頭しつつある中国、平和の地域共同体を形成している東南アジア諸国連合(ASEAN)などに対しては、外交的関与によって米国の影響力を強めることを、基本戦略においている。中国に対してアメリカがとっている政策は、旧ソ連に対してのような「封じ込め」ではない。2013年6月の米中首脳会談では、「競争と協力」の側面を含む「大国間の新しいモデル」の構築という方向で関係を発展させることが確認された。

(7)平和の地域共同体の前進と発展――東南アジア、中南米の動きについて
 「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」の担い手として、世界各地で平和の地域共同体が形成・発展しつつあることは、注目すべきである。

①東南アジアで発展している注目すべき平和の流れ
 東南アジアの国ぐには、米国中心の軍事同盟(東南アジア条約機構=SEATO)が解体するもとで、ASEANの発展に力を注いできた。

 ASEANは、東南アジア友好協力条約(TAC)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、東アジアサミット(EAS)、東南アジア非核地帯条約、南シナ海行動宣言(DOC)など、重層的な平和と安全保障の枠組みをつくりあげ、それを域外にも広げてきた。それは、世界とアジアの平和の一大源泉となっている。

 1976年に締結されたTACは、武力行使の放棄と紛争の平和解決などを掲げ、ASEAN域内諸国の関係を律する平和のルールとしてつくられたが、87年以降は、これを国際条約として域外に広げ、すでにTACは、ユーラシア大陸のほぼ全域とアメリカ大陸にまで及ぶ57カ国に広がり、世界人口の72%が参加する巨大な流れに成長している。

 これらの全体を貫いている考え方は、次のような点にある。

 ――軍事ブロックのように外部に仮想敵を設けず、地域のすべての国を迎え入れるとともに、アジアと世界に開かれた、平和の地域共同体となっている。

 ――軍事的手段、軍事的抑止力にもっぱら依存した安全保障という考え方から脱却し、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的アプローチで安全保障を追求する、「平和的安全保障」というべき新しい考え方に立っている。

 ――政治・社会体制の違い、経済的な発展段階の違い、文明の違いを、互いに尊重しあい、「多様性のもとで共同の発展をはかる」という考え方を貫いている。   

 東南アジア域内を見ても、数多くの紛争問題は存在する。米国がこの地域での影響力を強めようとする動きがあり、他方で、中国も影響力を拡大しようとしている。

 しかし、そのもとでも、ASEANの国ぐには、どんな大国の支配権も認めない自主的なまとまりをつくるとともに、年間1000回を超えるという徹底した対話によって、「紛争を戦争にしない」――「紛争の平和的解決」を実践している。そしてこの平和の流れをアジア・太平洋の全体に、さらに世界へと広げようとしている。この取り組みは、私たちが学ぶべき豊かな教訓を含む、未来あるものである。

②中南米カリブ海に生まれた平和の地域共同の新たな機構
 中南米カリブ海地域では、2010年、中南米カリブ海の33の諸国のすべてが参加した統一首脳会議で、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の設立が宣言され、3年間のさまざまな準備と手続きの後、2013年1月に第1回首脳会議が開かれた。

 2010年の首脳会議では、国際法の尊重、主権の平等、武力および武力による威嚇の不行使、地域の平和と安全保障を推進する恒常的対話などの原則とともに、連帯、社会的包含、補完性、自発的発展などを基礎に活動することが確認された。

 さらに、2013年の第1回首脳会議では、各国の主権や多元性をふまえ、段階的に地域統合をすすめていく方向が強調された。

 CELACが、設立時に「核兵器全面廃絶に関する特別声明」を採択し、第1回首脳会議で「核兵器完全禁止条約に関する特別声明を確認」するなど、地球的規模での平和のイニシアチブを発揮していることも注目される。

 他方、2012年、エクアドル、ニカラグア、ベネズエラ、ボリビアの4カ国が「米州相互援助条約(リオ条約)」からの脱退を宣言した。米国の中南米カリブ海地域への軍事干渉、侵略の口実とされてきた軍事同盟=「リオ条約」は、2004年のメキシコの脱退によって事実上の機能不全となっていたが、文字通りの消滅に向かっている。

 ラテンアメリカでの動きは、ASEANで形成されている平和の地域共同体が、世界的に普遍性をもつことを示すものである。

(8)「核兵器のない世界」をめざすたたかい
 前大会決議は、「核兵器のない世界」を現実のものとするうえでの「核心」をなす問題として、①核兵器廃絶のための国際交渉をすみやかに開始すること、②「核抑止力」論から脱却すること――この二つを提起した。前大会からの4年間に、この提起の的確さがいっそう明瞭になるとともに、これらを国際政治の現実の課題として位置づけるうえで重要な前進があった。

 核兵器の全面禁止と廃絶を義務づける核兵器禁止条約が焦点となり、「核兵器禁止条約の交渉開始」が現実の課題として提起されるようになった。

 2010年のNPT再検討会議は、「核兵器のない世界」を実現するために、「必要な枠組みを確立する特別な取り組みをおこなう」ことを確認した。これは「陰に隠れていた核兵器(禁止)条約を明るみに出して焦点をあてたもの」(カバクチュランNPT再検討会議議長)だった。

 第68回国連総会第1委員会(2013年)が、マレーシアなどが提案した核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議とともに、非同盟諸国が新たに提案した核兵器を禁止し廃絶するための包括的な条約についての交渉を緊急に開始することをよびかける決議を、3分の2をこえる圧倒的多数で採択したことも重要である。

 二つの新たな動きが注目される。

 一つは、2013年10月、国連総会第1委員会で発表された「核兵器の人道上の影響に関する共同声明」である。125カ国の連名で発表された「声明」は、核兵器が「無差別的な破壊力」によって「受け入れがたい人道的結果」をもたらすことを指摘し、「いかなる状況の下でも決してふたたび使われないことが人類の生存にとって利益」であるとし、それを「保証する唯一の道は、その全面廃絶である」と訴えている。被爆者を先頭に日本の反核運動が当初から一貫して訴えてきた核兵器の非人道性、残虐性に、国際社会があらためて注目し、「いかなる状況の下でも」その使用に反対し、廃絶を求める「声明」が採択されたことは、「核兵器のない世界」にむけた積極的な動きである。

 いま一つは、シリアの化学兵器全廃に向けた動きを踏まえて、核兵器の違法化と禁止条約を求める声がいっそう高まっていることである。化学兵器禁止条約(1993年調印、97年発効)は、今回新たに加わったシリアを含め190カ国という圧倒的多数の国ぐにが参加している。今回のシリアをめぐる一連の動きのなかで、化学兵器の全面禁止・廃絶は実現できるのに、なぜ究極の破壊的・非人道的兵器である核兵器の廃絶はできないのかという声が高まっているが、これは強い説得力をもつものである。

 日本共産党は、被爆70周年の2015年に開かれるNPT再検討会議で、「核兵器禁止条約の交渉開始」が国際社会の合意となるよう、世界と日本の反核運動と連帯し、被爆国の政党として力をつくす。

(9)民主的な国際経済秩序を確立するためのたたかい
 世界の構造変化、新興国・途上国の力の増大のもとで、発達した資本主義国だけでは国際経済を律することができなくなる時代が到来している。世界の構造変化に対応した新しい民主的な国際経済秩序が切実に求められている。

 いま何よりも重要なのは、「アメリカ型のルール」など特定の経済システムを押し付けるのではなく、各国の社会体制の違い、発展段階の違い、経済社会の実情の違いを、相互に尊重し、各国の経済主権の尊重にたった、対等・平等・互恵の国際経済秩序を築くことである。こうした方向は、世界政治のなかで現実の課題にのぼってきている。2009年9月のG20サミット(ピッツバーグ・サミット)の「宣言」で、「経済発展及び繁栄には異なるアプローチがあること、また、これらの目標に到達するための戦略は、各国の状況により異なり得る」ことが明記されたことは重要である。

 とくに次の諸点で、国際経済における民主的ルールを確立し、多国籍化した大企業への民主的規制を行うことが緊急に重要となっている。

 ――投機マネーの横暴をやめさせるルール。投機マネーによるマネーゲームが、実体経済に大きな打撃を与えるとともに、原油や穀物の高騰など各国国民の暮らしを圧迫している。この間、G20では、リーマン・ショックを受けて、各種の金融規制が検討され一部実施されている。さらにEU11カ国が「金融取引税」の導入で合意した。こうした動きを国際的にも広げていく必要がある。

 ――多国籍企業による「課税逃れ」をやめさせるルール。G20でも、この問題は「かつてないほどの優先課題」と位置づけられ、「多国籍企業が低税率の国・地域に利益を人為的に移転することによって支払う税の総額を削減することを国際的な及び自国の課税ルールが許容または奨励しないようにすることを要請する」と言及された。

 ――法人税の引き下げ競争をやめさせるルール。この間、世界各国で法人税の引き下げ競争が続き、各国の政府の財源が枯渇し、債務が膨れ上がる、「多国籍企業栄えて国滅ぶ」という深刻な事態が生まれている。「法人税を下げて企業が元気になれば国の経済が豊かになり、税収も増える」という「神話」は、もはや通用しないことが事実で証明された。この問題については、OECDが「有害な税の競争」と繰り返し警鐘を鳴らしてきたが、2010年のG20でも是正の必要性が提起され、2011年のEU首脳会議では、ドイツとフランスが「法人税の最低税率の導入」を共同で提案した。法人税の引き下げ競争をやめさせ、国際協調によって下げ過ぎた法人課税の引き上げをはかることは、急務となっている。

 ――国際的な人件費引き下げ競争をやめさせるルール。グローバル競争の激化のもとでの国際的な「人件費引き下げ競争」が、それぞれの国民経済とともに国際経済のまともな成長の基盤を破壊している。雇用の分野でも「底辺への競争」が行われれば、成長力の源泉である労働者が世界中で「使い捨て」にされ、結局は産業界の力も失われる。2013年9月のG20サミット(サンクトペテルブルク・サミット)の宣言が、「質の高い雇用を通じた成長」を課題にかかげ、「生産的でより質の高い雇用を創出することは、強固で持続可能な均衡ある成長、貧困削減および社会的一体性の向上をめざす各国の政策の核である」とのべ、「非正規雇用を減少させるため」の効果的な対策を呼びかけていることは注目される。国際的なルールを強化し、人件費引き下げ競争をやめさせることも、重要な課題である。

(10)地球温暖化対策の取り組みの到達点と今後の課題
 国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、2013年9月、第5次評価報告書の一部として、地球温暖化についての世界の科学者の知見をとりまとめた第1作業部会の新たな報告書を発表した。この報告書では、このままでは、今世紀末までに気温上昇は最大で4・8度、海面上昇は82センチメートルと予測されている。世界各国は、2010年に、気温上昇を産業革命前と比べて2度以下に抑えるという目標を確認しており、これを超えると生態系と人間の生存条件に深刻な影響をおよぼす恐れが生じるとされている。今回の報告は、温暖化の抑制が、人類にとっていよいよ差し迫った課題になっていることを示している。日本国内でも、最高気温の更新、経験したことのない豪雨の多発、台風の猛威など、温暖化の進行を背景とした現象が起きていることは、重大である。

 京都議定書が定めた温暖化ガス削減の第1約束期間(08~12年)が最終期限を迎えるなか、国際社会は、2011年のダーバン会議(COP17)、12年のドーハ会議(COP18)などを通じて、(1)2013~20年について京都議定書の第2約束期間を設ける、(2)2020年からは気候変動枠組み条約の下での新しい枠組みを設けることにし、その具体的内容について2015年までに合意することを確認した。また先進国による途上国支援について、2020年までに毎年1000億ドルの拠出を行うことが位置づけられた。

 しかし、第2約束期間については、京都議定書に未加盟の米国、カナダに加えて、日本、ロシア、ニュージーランドが第2約束期間から離脱するなど、世界全体の排出量の4分の1強を占める主要排出国が削減義務に参加していない。

 さらに、2020年からの新しい枠組みについては、この枠組みが先進国・途上国を含め「すべての締約国に適用」されることで合意され、途上国も一定の削減義務を負う見通しとなったが、その具体的内容については、先進国と途上国が依然として対立し、新たなコンセンサスをつくるにいたっていない。

 ――温暖化に歴史的責任を負っている先進国は、「共通だが差異ある責任」の原則に立って、(1)意欲的な削減目標を自らの責任として追求するとともに、(2)途上国にたいして、温暖化ガスを大量排出しながら経済発展をすすめてきた先進国とは異なる経済発展の道があることを示し、それにふさわしい技術・資金援助を行うという「二重の責任」を果たすことが、引き続き強く求められる。

 ――途上国の「発展の権利」を当然保障しながらも、中国が最大の排出国として世界全体の温暖化ガスの4分の1を占め、インドも5・4%を占めるなど、新興国が主要排出国として登場している現状を踏まえれば、途上国としても国際的な拘束力のある枠組みに積極的にくわわることが期待される。

 ――日本政府は、福島原発の大事故で、火力発電の拡大が不可避になったとして、2020年までに90年比25%削減としていた目標を撤回し、さらに、2020年までに、「暫定的」に05年比で3・8%減の目標、すなわち90年比では約3%増という「増加目標」を国際会議で表明するとされている。これは世界第5位の大量排出国としての責任を投げ捨てる態度である。火力発電所の拡大は緊急避難的にはやむをえないとしても、根本の原因は、日本政府が原発だのみのエネルギー政策を推進し、再生可能エネルギーの普及や低エネルギー社会への取り組みに本腰を入れてこなかったことにある。「即時原発ゼロ」の政治決断を行い、再生可能エネルギーの急速で大幅な導入へ抜本的に転換することで、温暖化ガスの削減についても、意欲的な削減目標を掲げ、積極的な責任を果たすという立場をとるべきである。そのさい、「大量生産、大量消費、大量廃棄」、長時間労働、「24時間型社会」などのエネルギー浪費社会の抜本的な見直しを行うことも、重要である。

(11)日本共産党の野党外交の発展について
 日本共産党の野党外交は、前大会後の4年間にいっそう多面的に展開された。

 東アジア、南アジア、中央アジア、中東、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、イスラム諸国などとの交流がさらに発展した。2010年4月~5月に米国訪問を行い、日本の平和団体の代表とともにNPT再検討会議に参加し、「核兵器廃絶のための国際交渉の開始」を各国代表団に要請するなど、この国際会議が成果をおさめるために力をつくした。米国政府に沖縄基地問題でのわが党の立場を伝える活動も行った。この間、わが党と韓国の政府、政党、各界との関係が豊かに発展したことも重要である。

 第6回アジア政党国際会議(10年12月、カンボジア・プノンペン)、第7回同会議(12年11月、アゼルバイジャン・バクー)のほか、多彩な内容をもつ関連会議に精力的に参加し、会議の成功に貢献するとともに、アジアの諸政党との交流を深めた。非同盟運動の第16回首脳会議(12年8月、イラン・テヘラン)、外相会議(11年5月、インドネシア・ヌサドゥア)にオブザーバーとして参加した。

 野党外交のなかで、わが党は、党綱領にもとづいて、「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」、「核兵器のない世界」、「侵略戦争と植民地支配の反省を踏まえての真の友好関係」、「各国の経済主権の尊重のうえに立った民主的な国際経済秩序」、「異なる諸文明の対話と共存の関係の確立」などの立場を貫いて活動した。とくにこの間、核兵器廃絶など国際政治の熱い焦点の問題で、わが党が国際的道理に立った外交活動にとりくみ、世界の平和と社会進歩に貢献してきたことは重要である。私たちは、野党外交を通じて、綱領が掲げた国際連帯の課題が、世界のどこでも通じる普遍的意義をもつことを強く実感してきた。野党外交は、大きく変わりつつある世界にたいする私たちの認識をより豊かなものにするうえでも大きな意義をもつものとなっている。

 わが党は、野党外交をさらに発展させるために力をつくす。

第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす
(12)安倍自民党政権の危険な暴走、それがはらむもろさと矛盾
 安倍自公政権は、衆参両院で多数を握り、内閣支持率でも比較的に高い数字が出ている。しかし、政治的には決して盤石ではない。この内閣の基盤はきわめてもろく、深刻な矛盾をはらんでいる。

①暴走の具体化の一歩一歩で、矛盾と自己破たんに直面している
 消費税大増税、社会保障切り捨て、原発推進、集団的自衛権行使容認、「秘密保護法案」など、安倍政権の暴走の具体化の一歩一歩が、多数の民意に逆らうものであり、国民とのあいだでの矛盾を深めつつある。

 わけても、それぞれの暴走が、支配勢力なりの説明もつかなくなるという政治的自己破たんに直面していることは、重要な特徴である。

 消費税大増税と一体の大企業へのバラマキ政治は、「社会保障のため」「財政再建のため」という従来の増税合理化論を自ら壊す結果となっている。口では労働者の「賃上げ」の必要性を認めながら、現実にやっていることは労働法制の規制緩和による「賃下げ政策」の推進である。TPP推進も、「守るべきものを守る」という自らの公約を根底から否定する方向への暴走である。集団的自衛権の行使容認は、戦後、半世紀にわたって自民党政権が積み上げてきた憲法解釈を自ら否定するものとなる。

②歴史逆行・復古的な政治姿勢が、大きな矛盾をひきおこしている
 過去の侵略戦争と植民地支配の肯定・美化、「自民党改憲案」にみられる戦前に回帰するような基本的人権の否定、近代の社会保障理念を否定し、19世紀に逆戻りするような「自己責任」・「家族責任」論など、安倍政権の歴史逆行・復古的な政治姿勢は、国内はもとより、国際的にも、大きな矛盾をひきおこしている。

 とりわけ侵略戦争を肯定する歴史観は、第2次世界大戦後の国際政治の土台を覆すものであり、国際的に容認されるものではない。それは、中国、韓国などとの深刻な外交的行き詰まりの根源となっているだけでなく、彼らが最大のよりどころとしているアメリカからも批判が起き、アメリカのアジア戦略とも軋轢(あつれき)を生むようになっている。

③自らの暴政が、組織的な大後退、空洞化をもたらしている
 安倍自民党政権の脆弱(ぜいじゃく)さは、従来の自民党が持っていた「国民的基盤」を大きく失っていることにもあらわれている。自民党の党員数は、547万人(1991年)から79万人(2012年)に激減した。TPP推進、消費税大増税、社会保障の連続改悪、あらゆる分野での「構造改革」路線の推進などで、業界・団体の支持を失い、業界や地域の有力者が離れていった結果である。自らの暴政が、自民党の組織的な大後退、空洞化をもたらしている。そして、自民党から離れた人々が、さまざまな課題で「一点共闘」でわが党と共同するという、大変動が起こりつつあるのである。

 安倍政権の暴走は、危険きわまりないものであるが、恐れる必要はない。この暴走の先に未来はない。この暴走が、早晩、深刻な政治的激動、政治的危機を引き起こすことは、疑いないことである。

 日本共産党は、安倍政権の暴走と正面から対決し、あらゆる分野で対案を示し、国民との共同を広げ、奮闘するものである。

(13)東日本大震災からの復興を最優先課題に
 未曽有の大災害となった東日本大震災から3年近くが経過し、被災地では懸命の努力が重ねられているが、いまだに被災者の9割が仮設住宅など避難生活から抜け出せず、長期化とともに先の見通しがもてずにいる。医療・介護など被災者支援の無慈悲な打ち切り、しゃくし定規な制度のしばり、「復興」に名を借りた大型開発や規制緩和など、国の姿勢が復興の妨げになっている。

 この間、被災者・国民の運動で、住宅再建への最大300万円の支援制度や、被災事業者を支援するグループ補助などの成果も生まれている。日本共産党は、3次にわたって復興にむけた「提言」を提起し、被災者支援に党としてもとりくむなど、力をつくしてきた。何よりも、被災者の生活と生業(なりわい)、地域社会が再建され、被災者が自力で歩きだせるまで、国が支援を行うことを要求する。「個人財産の形成になる」といって、住宅、商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという旧来の災害対策の「原則」を取り払い、住宅と生業の再建に必要な公的支援を行うことを、復興の基本原則にすえることを求める。福島県では、多くの人々が原発事故で暮らしの基盤を奪われ、14万人を超える人々が先の見えない避難生活を強いられ、震災関連死は1500人を超えた。国の責任で、全面賠償と、命・健康・暮らし・環境を守る対策を徹底することを求める。国政上の最優先課題として、東日本大震災の復興にとりくむ。それは国民の苦難軽減という立党の精神にたったたたかいであるとともに、日本の政治のゆがみをただす事業としても重要である。

(14)暮らしと経済――大企業応援から暮らし応援の政治への抜本的転換を
 安倍政権が「アベノミクス」の名ですすめている経済政策は、新しいものではない。「大企業を応援し、大企業がもうけをあげれば、いずれは雇用、賃金、家計にまわってくる」という、古い破たんした「トリクルダウン」の理論――“おこぼれ経済学”にほかならない。これが、日本経済に「好循環」をもたらすどころか、衰退の「悪循環」しかもたらさなかったことは、すでに事実が証明している。日本共産党は、この逆立ちした経済政策と正面からたたかい、国民の暮らしを直接応援して、日本経済の危機を打開し、健全な成長への好循環をつくるために奮闘する。

①働く人の所得を増やす経済改革で経済危機を打開する
 第一の柱は、働く人の所得を増やす経済改革――賃上げと安定した雇用の拡大によって経済危機を打開することである。

 日本共産党は、前大会決定で、「大企業が蓄積した過度の内部留保を雇用や中小企業、社会に還元せよ」という提起を行った。この主張は、当初、日本共産党や自覚的な民主勢力に限られていたが、いまや大きな国民世論となっている。賃上げで国民の所得が増えなければ不況は打開できないことは、政府も、財界ですら、否定することができなくなっている。「内部留保の活用で賃上げを」という主張も、否定することができなくなっている。これは、わが党の主張が道理にかなったものであり、日本経済の危機を打開する唯一の道であることを、証明するものにほかならない。

 ところが、安倍政権がやろうとしていることは、派遣労働の無制限の拡大、解雇の自由化、「サービス残業」の合法化など、不安定雇用と長時間労働をいっそうひどくする「賃下げ政策」である。賃上げの必要性を認めながら、現実にすすめているのは、大企業の目先の利益優先で、「賃下げ政策」を次々に繰り出す。行き詰まりと自己破たんは深刻である。

 日本共産党は、「賃上げで不況打開を」を、労働者・国民の連帯したたたかいによって、国民世論から現実のものとするために、全力をあげる。

 ――政府として経済界に「内部留保の活用で賃上げを」と正面から提起することを求める。賃金を決めるのは労使の交渉だが、政府として経済界に内部留保の活用を正面から提起し、賃上げの実行を迫ることは、賃上げの世論を広げる大きな力となる。

 ――雇用のルールを強化し、非正規社員の正社員化をはかり、人間らしい雇用を保障する。派遣労働の無制限の拡大をはじめ、雇用のルール破壊にきびしく反対する。労働者派遣法の抜本改正、均等待遇のルールの確立によって、正社員化の流れを促進する。ブラック企業を規制し、無法なリストラ・解雇を規制するルールをつくる。参院選でかちとった議案提案権を活用していく。

 ――政府自身が直接に行える賃上げ政策――最低賃金の大幅な引き上げ、公契約法・条例の制定をすすめる。公務員の賃金引き下げ政策を中止する。法人税減税が賃上げにつながるというのは、何の保障もない。賃上げのための財政支出というなら、最賃引き上げのための中小企業への賃金助成や社会保険料減免などの支援が最も効果的である。

②消費税大増税に反対し、税財政と経済の民主的改革で財源をまかなう
 第二の柱は、消費税大増税に反対し、税財政と経済の民主的改革によって、社会保障充実と財政危機打開をはかることである。

 2014年4月からの消費税大増税は、税率を8%に引き上げるだけでも8兆円の増税、年金削減など社会保障の負担増・給付減を合わせれば10兆円もの、文字通り史上空前の負担増である。政府は、「経済再生と財政再建の両立をはかる」というが、これが強行されれば、国民の暮らしにはかりしれない深刻な打撃をもたらし、経済も財政も共倒れの破たんに追い込まれることは明らかである。

 ――消費税に対する立場の違いを超えて、「4月からの消費税増税の中止」の一点で、国民的共同を広げ、増税の実施を阻止するために奮闘する。

 ――日本共産党は「経済提言」で、「消費税に頼らない別の道」を提唱している。(1)浪費の一掃と「応能負担」の原則に立った税制改革で財源を確保する、(2)国民の所得を増やす経済改革で日本経済を健全な成長の軌道にのせ税収増をはかる――この二つの柱を同時並行ですすめ、社会保障充実と財政危機打開の道を開こうというものである。この道こそが、現在の経済、財政、社会保障の危機を一体的に打開する唯一の道である。

③社会保障の解体攻撃とたたかい、社会保障再生、拡充をはかる
 第三の柱は、安倍政権がすすめる社会保障の解体攻撃とたたかい、社会保障の再生、拡充をはかっていくことである。

 安倍政権がすすめる「社会保障制度改革」は、「制度改革」の基本を「国民の自助・自立のための環境整備」とし、憲法25条に基づく社会保障を解体して、公的支えをなくし、国民を無理やり「自助」に追い込むというものである。

 自らの悪政によって生み出した貧困や生活苦の解決を、「自己責任」と「家族による助け合い」に押し付け、社会保障にたいする国の責任を丸ごと放棄し、医療、介護、年金、子育てなど社会保障のあらゆる分野で手あたり次第の負担増と給付減を強行する――憲法25条に真っ向から逆らう社会保障解体論を許してはならない。

 自公政権が、切り捨て推進の手段としているのが、「生活保護バッシング」に典型的にみられるように、国民の中に対立と分断を持ち込み、「いじめ」と「たたきあい」を広げる攻撃である。社会保障の改悪だけでなく、日本社会の病理を政府自らが作り出し、広げるという、およそ為政者としてやってはならないことを、社会保障解体の主要な手段にしていることは、許すことができないものである。

 ――医療、介護、年金、子育てなど、それぞれの制度の改悪に反対するとともに、安倍政権の社会保障解体の攻撃に対して、社会的連帯の力でこれを打ち破り、権利としての社会保障を実現するたたかいを起こすことをよびかける。

 ――日本共産党の「経済提言」に盛り込まれた社会保障の再生・拡充のプログラムは、財源を段階的に確保しながら、「社会保障再生計画」の実行、「先進水準の社会保障」への拡充をすすめるという抜本的かつ現実的な提案となっている。この提案こそ、自公政権がまったく語れなくなった社会保障の現在・将来にわたる展望を指し示し、人間らしい生活を保障する社会保障という国民の願いに全面的にこたえるものである。

④内需主導の健全な成長をもたらす産業政策への転換を
 第四の柱は、内需主導の健全な成長をもたらす産業政策への転換をはかることである。

 大企業が、「国際競争力の強化」の掛け声で、人件費の削減や納入単価の引き下げなど、「コスト削減競争」に走り、内需を犠牲にして、外需でもうけをあげるといういびつな経済をつくりあげてきたことが、今日の「デフレ不況」の悪循環をもたらしている。

 ここを根本から見直し、内需主導の健全な成長をもたらす産業政策に転換することを求めてたたかう。この転換は、大企業の横暴から労働者や中小企業を守るという意味だけでなく、大企業の内部留保を、労働者、中小企業、地域経済に適切に還元・還流することを通じて、日本経済全体の健全な成長・発展の道を開くという重要な意味をもつ。

 ――働く人を大切にして、ものづくりと産業の力を伸ばす。働く人を「使い捨て」にする政治は、労働者から仕事へのモチベーションを奪い、技術力も低下させている。雇用のルールを強め、働く人を大切にする社会をつくることは、産業の発展の源泉であり、消費と需要を支え、日本経済のしっかりとした基盤をつくることになる。

 ――多数の中小企業を排除する「選択と集中」路線から転換し、中小企業全体を視野に入れた振興・支援策を実行する。日本共産党が、2010年4月発表した、抜本的な中小企業政策でものべているように、(1)中小企業の商品開発、販路開拓、技術支援、後継者育成をはじめとした「振興」策と、(2)大企業や大手金融機関の横暴から中小企業の経営を守る「規制」策を、中小企業政策の「車の両輪」として行う。

 ――原発依存の産業政策から、自然エネルギーの本格的普及をはかる産業政策への転換をすすめる。自然エネルギーの事業は、幅広い関連産業を持ち、第1次産業、製造業など第2次産業の力を引き出す大きな可能性がある。エネルギー自給率を4%から抜本的に引き上げることは、「資源のない国」という日本の経済、産業の基礎的条件を根本から変えていく力にもなる。

 ――基礎研究を重視し、科学・技術、学問研究の基盤を強化する。大学や研究機関に対して短期的な成果を求める傾向が強まり、しっかりした基礎研究、すそ野の広い学問研究の基盤が危機にひんしている。国の学問研究予算の増額、研究者の雇用の安定をはかり、「目先の成果」に振り回されずに学問研究をすすめられる体制をつくる。

 ――農林漁業を、日本の基幹産業と位置づけ、地域経済を活性化する柱として振興する。「食と農」を破壊するTPPに反対する。政府は、TPP参加によって外国産米の輸入が増えることを見越し、国内での生産調整の廃止を言い出し始めている。小規模農家を淘汰(とうた)し、財界の求めに応じて農地を企業に集積するなど、大規模化を促進するというが、TPP参加によって競争する相手は、農家1軒あたりの平均的な耕地面積で比べても、米国は日本の100倍、豪州は1500倍を超えている。日本の食料自給率を引き下げ、農業を破壊する動きに断固として反対する。食料自給率を50%に引き上げることを当面の目標にすえ、価格保障・所得補償、後継者支援、生産者と消費者の連携をはじめ、農林漁業の振興に国をあげてとりくむことこそ急務である。

(15)原発とエネルギー――原発政策の発展と焦眉の課題
 東京電力福島第1原発事故は、原発に対する国民の認識を大きく変え、「原発ゼロの日本」は多くの国民の切実な願いになっている。

 日本共産党は、日本で原子力発電が問題になった1950年代中ごろから、いまの原発技術は未完成で危険なものだとして、その建設には当初からきっぱり反対してきた。全国で原発建設反対運動をたたかうとともに、国会でも、「安全神話」にどっぷりつかり独立した規制機関もなしに原発推進をすすめたこと、使用済み核燃料=「核のゴミ」の処理方法がないこと、地震・津波で全電源喪失が起きる危険があることなど、原発の危険性を具体的に告発し、政府の原発推進政策を追及してきた。

 東北地方を襲った大地震と津波によって、核燃料が溶融する大事故が起きる危険性を指摘してきたわが党の警告は、不幸にして現実のものとなった。

 福島原発事故の経験を踏まえ、日本共産党は、原発・エネルギー政策を発展させる一連の政策提起を行ってきた。

 2011年6月に「原発撤退提言」を発表し、原発は、ひとたび重大事故を起こし、放射能が外部に流出する事態になると、人類にはそれを制御する手段はなく、空間的にも、時間的にも、社会的にも、被害は広がり続けるという「異質の危険」があること、世界有数の地震・津波国日本ではその危険がとりわけ深刻なものになることなどを示し、「安全な原発などありえない」こと、「原発と日本社会は共存できない」ことを明確にし、「原発からのすみやかな撤退」という方針を打ち出した。2011年8月には「放射能汚染から、子どもと国民の健康を守る対策」を提言した。

 さらに、福島原発事故がいよいよ深刻となるもとで、原発再稼働に反対する世論と運動が大きく広がり、「原発ゼロの日本」の実現が国民多数の意思となり、日本中の原発がすべて停止する事態も生まれた。

 わが党は、こうした事態を踏まえ、2012年9月、「即時原発ゼロ提言」を発表し、原発を再稼働する必要性も条件もないこと、原発を稼働すれば処理方法のない「核のゴミ」が増え続けることなどを指摘し、「すべての原発からただちに撤退する政治決断をおこない、『即時原発ゼロ』の実現をはかること」、「原発再稼働方針を撤回し、すべての原発を停止させたままで、廃炉のプロセスに入ること」などを提起した。

 ――「即時原発ゼロ」の政治決断を求める。福島原発事故では、わが党が指摘した原発の「異質の危険」が猛威をふるい、事故は収束するどころか、被害は拡大しつづけ、放射能汚染水が増え続け、海洋への大規模な放射能汚染の危機、非常事態に直面している。日本共産党は、政府が、「即時原発ゼロ」の政治決断を行うことを、強く求める。「即時原発ゼロ」の政治決断と一体で福島の復興に国をあげてとりくむことを要求する。

 ――きわめて深刻な事態に立ち至っている放射能汚染水の危機打開をはかるため、わが党は、2013年9月、「緊急提言」を発表し、政府に対して、総力を結集した取り組みを求めてきた。①「放射能で海を汚さない」ことを基本原則として確立すること、②放射能汚染水の現状を徹底的に調査・公表し、「収束宣言」を撤回するとともに、非常事態という認識の共有をはかること、③再稼働や輸出のための活動を中止し、放射能汚染水問題の解決のために、もてる人的・物的資源を集中すること、④当事者能力をもたない東電は破たん処理し、国が直接に収束・賠償・除染に全責任を果たす体制を構築することを、強く求めるものである。

 ――原発再稼働、輸出の中止を求める。安倍政権は、財界と一体になって、原発の再稼働への暴走を開始し、原発輸出に奔走している。事故が深刻な非常事態にあるもとでの再稼働や輸出は論外である。「新規制基準」は、各原発の地震・津波想定に対する数値の定めもなく、活断層があっても見えなければその真上に原発を立ててもよく、住民の避難計画は自治体まかせという、きわめてずさんなものであり、これをテコに再稼働をすすめるなど、許せるものではない。

 ――再生可能エネルギーの大規模な普及と開発をすすめる。原発に頼らず、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギーへの抜本的転換の計画をたてて実行する。エネルギー確保のためには、当面、5~10年程度の期間は、過渡的な措置として、火力による電力の確保が必要になるが、その間に、再生可能エネルギーの大規模な普及と低エネルギー社会への移行をすすめる。原発推進派は、「供給が不安定」「コストが高い」などというが、再生可能エネルギーは普及がすすめばすすむほど、また多様なエネルギーの組み合わせがすすむほど、供給が安定し、コストも低くなる。「高コスト」というなら、原発こそ究極の「高コスト」であることは、福島原発の現実が示している。日本の原発の40倍にのぼる巨大な潜在力をもつ再生可能エネルギーへの大転換にこそ、未来はある。

 「原発ゼロの日本」をめざすたたかいは、「原発利益共同体」ともよばれている利権集団を解体し、「ルールある経済社会」をつくるたたかいの重要な一部である。それは、エネルギーの対米従属を打破していくたたかいでもある。日本共産党は、このたたかいを、「二つの異常」をただす綱領的課題の一つとして位置づけ、全力をあげて奮闘する。

 原発のもつ「異質の危険」は、世界のどの原発にもあてはまる問題である。人類は、スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマと3回の原子力大災害を体験しており、私たちは、やがて「原発ゼロ」は世界の大勢になると確信している。すべての原子炉を廃炉にし、「核のゴミ」を処分することは、人類の英知を結集してとりくむべき巨大プロジェクトとなるだろう。福島原発事故を体験した日本こそ、「原発のない世界」にむけて、国際的プロジェクトをすすめるイニシアチブを発揮すべきである。

(16)「アメリカいいなり」をやめ、独立・平和の日本を
 日米安保条約の発効から60年をへて、この条約を背骨とした「異常なアメリカいいなりの政治」は、あらゆる分野で行き詰まりを深め、国民との矛盾が噴き出している。

①沖縄をはじめとする米軍基地問題の異常な実態をただす
 2010年以降、普天間基地の「県内移設反対」が県民の文字通りの総意になったにもかかわらず、日米両政府はこの総意を無視して、「辺野古移設」を「唯一の解決策」として力ずくで押し付けようとしている。「沖縄の負担軽減」といいながら、現実にやっていることは、辺野古に最新鋭の巨大基地を押し付け、垂直離着陸機・オスプレイを配備して沖縄全土をわがもの顔に飛行させ、嘉手納基地にステルス戦闘機を配備し、海兵隊を大幅に増強するなど、負担増のオンパレードである。沖縄県民と米軍基地との矛盾は、いまや限界点をはるかに超えている。

 オスプレイの問題は、沖縄だけではない。滋賀県での日米共同演習を突破口に、七つの低空飛行訓練ルートなど、日本全土でオスプレイの低空飛行訓練が計画され、新たな配備も狙われており、これが実施されれば、その危険性と被害は甚大なものとなる。

 海兵隊や空母打撃群など在日米軍が、「日本防衛」のためではなく、米軍が地球的規模で展開するための前進基地として配置されていることは、歴代米国防長官とともに、日本の元防衛大臣も認めていることである。

 普天間基地の無条件撤去、オスプレイ配備の撤回、無法な低空飛行訓練の中止、海兵隊の撤退、空母打撃群の母港返上、日米地位協定の抜本改定など、異常な「米軍基地国家」の現状をただすたたかいに力をそそぐ。

②秘密交渉と公約違反のTPPから即時撤退を求める
 TPPは、アメリカ型の「貿易と投資の自由化」と「市場原理主義」を「国際ルール」として押し付けようというものである。それは、農林水産業、食の安全、医療など、国民生活と日本経済のあらゆる分野に多大な犠牲をもたらし、日本の経済主権を放棄し、アメリカに日本を丸ごと売り渡す亡国の協定にほかならない。

 こうしたTPPを安倍政権は二重の公約違反で推進している。第一は、「丁寧な情報提供」を約束しながら、徹底した秘密交渉で交渉妥結に突き進んでいることであり、第二は、「守るべきものは守る」とし、農産物の「重要5項目」を「聖域」にすると公約しながら、その関税撤廃の検討に踏み込んだことである。

 秘密交渉と公約違反のTPP交渉からただちに撤退することを強く求める。食料主権、経済主権の相互尊重に立った、互恵・平等の経済関係を発展させるために力をつくす。

③日米安保条約廃棄の国民的多数派を
 日本共産党は、こうした直面する熱い矛盾の焦点で、一致点にもとづく共同をそれぞれ発展させながら、日米安保条約を廃棄する国民的多数派をつくりあげるために力をそそぐ。そのさい、「外交ビジョン」で示した「安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」を、広範な国民に語り広げていくことは、きわめて重要である。

 ――安保条約をなくせば、米軍基地の重圧から日本国民が一挙に解放される。安保条約のもとでは個々の基地を動かすにも日米合意が必要になるが、安保条約をなくすには、条約10条の権利を行使して、一方が通告すれば可能になる。日本から米軍基地をなくせば、日本は、アメリカの“戦争の根拠地”から抜け出すことができる。在日米軍のためにあてている血税と土地を、国民のために使うことができる。

 ――日本は、アメリカの“戦争の根拠地”から、憲法9条を生かした“平和の発信地”に大きく変わる。日米軍事同盟をなくしてこそ、日本は、東アジア地域で、軍縮への転換のイニシアチブを本格的に発揮する立場に立つことができる。「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」、「核兵器のない世界」など、地球的規模での平和の課題に、自主自立の平和外交で貢献する国になることができる。

 ――アメリカとの関係は、日米安保条約に代えて、対等・平等の立場にたって日米友好条約を結ぶ。非同盟諸国首脳会議は、すでに137カ国、55億人が参加(オブザーバーを含む)し、非軍事同盟・中立、国連憲章にもとづく平和の国際秩序、核兵器の廃絶、公正で民主的な国際経済秩序をめざす巨大な潮流として発展しているが、安保条約をなくした日本は、この世界史の本流と合流する。それは世界の平和と進歩への巨大な貢献となる。

(17)北東アジア平和協力構想を提唱する
 北東アジアには、北朝鮮の核兵器問題、尖閣諸島問題などの紛争問題とともに、歴史問題をめぐる対立と相互不信が存在する。今日の情勢のもとで、北東アジアに平和的環境をつくる外交努力を追求することは緊急で重要な課題である。

 東南アジアで発展している平和の地域共同体を、北東アジアにも広げようというのが、私たちの提案である。

 つぎのような原則にたった、北東アジア平和協力構想を提唱する。

 ――関係諸国を律する平和のルールとして、武力の行使の放棄、紛争の平和的解決、内政不干渉、信頼醸成のための効果的な対話と協力の促進などを定める北東アジア規模の「友好協力条約」の締結をめざす。

 ――北朝鮮問題について、「6カ国協議」の2005年9月の「共同声明」に立ち返り、非核の朝鮮半島をつくり、核・ミサイル・拉致・過去の清算などの諸懸案の包括的解決をはかり、この枠組みを、北東アジアの平和と安定の枠組みに発展させる。

 ――この地域に存在する領土に関する紛争問題の解決にあたっては、歴史的事実と国際法にもとづく冷静な外交的解決に徹する。力による現状変更、武力の行使および威嚇など、紛争をエスカレートさせる行動を厳に慎み、国際法にのっとり、友好的な協議および交渉をつうじて紛争を解決する行動規範を結ぶことをめざす。

 ――北東アジアで友好と協力を発展させるうえで、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、不可欠の土台となる。日本軍「慰安婦」問題など未解決の問題をすみやかに解決するとともに、歴史を偽造する逆流の台頭を許さない。

 このような北東アジアの平和協力構想は、いま進展している国際政治の動きをみても、現実性をもっている。

 韓国の朴大統領が、2013年5月、米国議会での演説で、「北東アジアの平和協力構想」を提起し、北東アジア全体で多国間対話のプロセスをすすめ、平和と協力のメカニズムを構築することを訴えたことは注目される。6月、中韓首脳会談でかわされた「共同声明」では、「中国側は朴大統領が提起した『北東アジア平和協力構想』を称賛し、原則的に支持する」としている。さらに、10月に開かれた、ASEANプラス3首脳会議でも、「北東アジア平和協力構想」について、参加国の首脳らはこれを歓迎している。

 軍事的手段・軍事的抑止力にもっぱら依存した安全保障という考え方から脱却し、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決など、平和的アプローチで安全保障を追求する――「平和的安全保障」という新しい考え方に立ち、軍拡から軍縮への転換をめざし、平和の地域共同体を北東アジアでもつくりあげるために、関係諸国が力をつくすことを呼びかける。

(18)日本国憲法を守り、生かすたたかいを
①憲法改定、「海外で戦争をする国」づくりを許さない      
 安倍政権は、憲法9条2項を変えて、「国防軍」をつくることを現実の政治日程にのせることを公言している。これは自衛隊の名称変更というような形式論ではない。9条2項という「歯止め」を取り払えば、日本が「海外で戦争をする国」に変えられてしまう。

 重大なのは、安倍政権が、「積極的平和主義」を看板に、明文改憲の前にも解釈改憲によって集団的自衛権行使を可能にしようとしていることである。

 安倍政権は、臨時国会で、外交・安保政策の「司令塔」となる「国家安全保障会議(日本版NSC)」法案と、「秘密保護法案」を強行したうえで、初の「国家安全保障戦略」を閣議決定し、それにもとづく新「防衛大綱」を策定しようとしている。それは従来の「専守防衛」の建前さえ投げ捨てて、自衛隊の侵略的機能の強化をはかろうとするものである。さらに、2014年の通常国会で、集団的自衛権行使を現実のものとする「国家安全保障基本法案」を成立させることを狙っている。

 「秘密保護法案」は、国政の重要問題で、国民の目と耳、口をふさぎ、国民の知る権利、言論・表現の自由を脅かし、日本国憲法の基本原理を根底からくつがえす希代の悪法である。それは、日本を「海外で戦争をする国」につくりかえるために、国家が強権的に情報を統制し、国民の言論・表現を抑圧することを目的としている。もともと、数多くの日米密約に示されているように、日本は先進国の中でも不当に秘密にされていることが特段に多い国である。その国に「秘密保護法案」を持ち込むことは、日本社会を文字通りの暗黒社会へと逆行させるものである。わが党は、民主主義破壊の悪法に反対する一点での共同を広げ、世論と運動によって悪法を包囲し、廃案に追い込むために全力をつくす。

 集団的自衛権の問題は、現実にはありえない架空のシミュレーションの議論でなく、現実の政治の土俵で議論することが重要である。①集団的自衛権は、いかなる意味でも「自衛」とは無関係な、大国による無法な侵略戦争、軍事介入の口実に使われてきたこと、②日本の政治の歴史でも、集団的自衛権は、アメリカの海外での戦争への日本の派兵との関係でもっぱら問題になってきたこと、③その現実的な狙いは、従来の海外派兵立法の「歯止め」をはずして、自衛隊が戦闘地域にまで行って、米軍とともに戦争行動を行うことにあること――を広く明らかにしていくことが大切である。

②改憲派の矛盾をつき、国民多数の世論と運動で包囲しよう
 安倍政権が憲法改定の道を暴走し、改憲派が国会で多数を占めていることの危険はもとより重大である。

 同時に、改憲派が、深刻な矛盾を引き起こしていることに注目し、国民多数の世論と運動でこの企てを包囲していく、攻勢的なたたかいが大切である。

 一つは、改憲派が、憲法9条改定を正面から提起することができず、憲法96条改定を突破口にしようとしてきたこと、さらにクーデター的やり方で内閣法制局長官の首をすげかえて集団的自衛権行使への解釈改憲を強行しようとしてきたこと――こうした手法それ自体が、9条改定の是非を超えて、近代の立憲主義を根底から否定する暴挙として、広範な人々の批判を広げていることである。

 二つは、改憲派が、「自民党改憲案」に見られるように、憲法9条2項を改変して「国防軍」を書き込むとともに、基本的人権を永久不可侵とする条項を削除し、それを「公益及び公の秩序」の範囲内でしか認めないものにするなど、人類普遍の基本的人権すら否定しようとしていることに、強い批判が広がっていることである。改憲の動きと一体にすすめられている「秘密保護法案」が、基本的人権をはじめ憲法の民主的原理を根底から否定しようとしていることに対しても、広範な諸団体・個人からの批判が集中している。

 三つは、安倍政権の憲法改定、集団的自衛権行使への暴走――異常な軍事一辺倒の姿勢は、中国や韓国など周辺諸国から警戒をもって受け止められているだけでなく、米国のなかからも懸念の声を呼び起こしている。米国国防総省高官は、自民党の国防族議員に「周辺国とトラブルにならないでほしい」とのべた。在韓米軍高官は、憲法9条改定などをめぐる安倍首相の発言などについて「この地域にとって有益ではない」と疑問を呈した。アメリカは、アジア・太平洋地域重視の「リバランス」戦略のもとで、軍事同盟の強化を第一の戦略に据えつつ、同時に、外交戦略をもってのぞんでいる。「外交不在、軍事一辺倒」の安倍政権の姿勢は、米国の戦略とも矛盾や軋轢(あつれき)をきたしつつあるのである。

 憲法改悪阻止の一点で、広大な国民的運動を発展させ、改憲派のたくらみを包囲し、それを打ち砕くために全力をあげよう。

③憲法を生かす政治への転換を――教育、男女平等、政治改革
 日本共産党は、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」(綱領)という立場を堅持して奮闘する。

 日本国憲法の先駆性は、第9条だけではない。30条にわたる豊かで先駆的な人権条項も、世界に誇るべきものである。自民党政治のもとで、それが踏みにじられていることが問題である。憲法を生かす政治への転換こそ求められている。

 ――日本の教育は、「異常な競争教育」「世界一の高学費」「教育の自由への乱暴な介入」という、世界に例のないゆがみを抱えている。安倍政権は、改悪教育基本法の具体化として、全国学力テスト体制、教員統制、教育委員会制度の改悪、侵略戦争美化の歴史教科書の押し付け、大学の反動的再編などをすすめつつある。その狙いは、9条改憲と一体に、「戦争ができる国」、「弱肉強食の経済社会」という国策に従う“人づくり”をすすめるものであり、教育のゆがみをいよいよひどくするものである。わが党は、この暴走と対決し、日本の教育のゆがみを、憲法と子どもの権利条約の立場からただし、世界最低水準の教育予算を抜本的に引き上げ、新しい日本にふさわしい教育を築くために奮闘する。2012年11月に発表した提案「『いじめ』のない学校と社会を」を生かし、この深刻な社会問題の解決のために引き続き力をつくす。

 ――世界では、国連女性差別撤廃条約によって社会のあり方の改革がすすめられている。日本は、2013年男女平等に関する世界順位(ジェンダー・ギャップ指数)が136カ国中105位であり、発達した資本主義国のなかで最低の地位にある。国際機関から繰り返し政府に改善が勧告されている法律上の差別規定――婚姻年齢の男女差、女性の再婚禁止期間、夫婦の氏の制度、婚外子差別などを是正し、雇用における男女賃金格差、女性管理職比率などの実効性のある改善のために全力をあげ、条約の実施を求めていく。地方議員の35%、党員の47%が女性であり、女性の政治参加を積極的に促進してきた党として、政治的・社会的活動への平等な参加を促進する先頭にたつ。

 ――衆議院における小選挙区制を廃止し、民意を正確に反映する比例代表制への抜本改革を行う。憲法違反の政党助成金制度を撤廃する。民意の反映に逆行する衆院比例代表定数削減にきびしく反対する。企業・団体献金は、本質的に政治を買収するわいろであり、全面的に禁止する。これらの改革は、日本国憲法の国民主権、基本的人権、議会制民主主義にたった大義と道理をもつものである。

(19)侵略戦争を肯定・美化する歴史問題での逆流を日本の政治から一掃する
 安倍政権が発足して以来、過去の日本の侵略戦争と植民地支配を肯定・美化する歴史逆行の勢力が、その本性をむき出しにし、大きな国際問題になっている。

①靖国神社問題、「村山談話」見直し問題、日本軍「慰安婦」問題について
 安倍首相の靖国神社への「真榊(まさかき)」の奉納、閣僚の参拝が繰り返されている。安倍首相は、閣僚の靖国参拝に対する内外からの批判にたいして、「わが閣僚においては、どんな脅かしにも屈しない」とのべた。靖国神社は、過去の軍国主義による侵略戦争を“自存自衛の正義のたたかい”、“アジア解放の戦争”と美化し宣伝することを存在意義としている特殊な施設であり、首相や閣僚の参拝や奉納は、侵略戦争を美化する立場に自らの身を置くことを、世界に向かって宣言するものにほかならない。首相、閣僚が、靖国神社参拝をきっぱりとやめることを、強く求める。

 安倍首相が、「村山談話」の見直しに言及し、「侵略の定義は定まっていない」とのべ、「村山談話」の一番の核心部分――「国策を誤り」、「植民地支配と侵略」を行ったという部分をかたくなに認めようとしないことは、きわめて重大である。過去の誤りを認めず、その美化をはかるいっさいの逆行に、わが党はきびしく反対する。

 2013年5月、国連の人権条約機関である拷問禁止委員会と社会権規約委員会があいついで日本軍「慰安婦」問題について日本政府の対応を批判し、是正を求める勧告を行った。この問題で、韓国政府が被害者の賠償問題について、日韓請求権協定にもとづく政府間協議を繰り返し日本政府に求めているにもかかわらず、日本政府が「解決ずみ」として協議そのものを拒否していることは、重大な問題である。同協定第3条1項は、協定の解釈や実施に関して紛争がある場合には、「外交上の経路をつうじて解決するものとする」としており、日本政府は、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきである。

②安倍首相の「価値観外交」の二重の問題点について
 安倍首相は、「価値観外交」――「自由と民主主義、市場経済といった普遍的価値に基づく外交」なるものを標ぼうしているが、ここには二重の問題点があることを指摘しなければならない。

 第一に、現代の世界においては、異なる価値観をもった体制や文明が、それを相互に尊重し、共存することがいよいよ大切な時代となっており、自らの「価値観」を押し付け、あるいは「価値観」を異にするものを排除するという姿勢は、きわめて有害である。

 第二に、国際政治のうえで「価値観」を問題にするならば、何よりも過去の日本とドイツとイタリアによるファシズム・軍国主義と侵略戦争を断罪し、二度と繰り返してはならないとする「価値観」こそが、体制のいかんを問わず人類共通の「価値観」である。この「価値観」を覆そうという歴史逆行の立場に立つものは、国際政治に参加する資格はない。

 日本共産党は、戦前の暗黒政治のもとでも、侵略戦争に命がけで反対を貫いた党として、日本の政治から歴史問題での逆流を一掃するために全力をあげる。

(20)統一戦線の現状と展望について
 前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。

 この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。

 ――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である。

 ――同時に、どんな問題でも、根本的打開をはかろうとすれば、綱領が示した国政の民主的改革が必要になることを、太く明らかにする独自の活動に取り組むことが大切になってくる。この点で、革新懇運動が、草の根から国民の要求にもとづく多彩な共同の取り組みをすすめるとともに、自民党政治を根本から変える「三つの共同目標」(①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす)を掲げて国民多数の合意をつくるために奮闘していることはきわめて重要であり、この運動が情勢にふさわしく大きく発展するよう力をそそぐ。革新懇運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される。

 ――統一戦線をつくるうえで、労働運動が果たすべき役割はきわめて大きい。この点で、連合指導部の特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な問題点が、深刻な矛盾にぶつかり、変化が起こっていることは注目すべきである。消費税増税、原発推進、公務員賃金削減など悪政を推進した民主党に対する労働者の怒りが広がり、連合系労組で特定政党支持の締め付けがきかなくなりつつあり、民主党一党支持を撤回した有力単産も生まれた。職場からナショナルセンターの違いを超えて要求にもとづく共同を強め、特定政党支持を打ち破り、労資協調主義を克服するたたかいをすすめる。労働組合への組織率が、労働者全体の18%まで落ち込んだ事態を重視し、党と階級的・民主的労働運動が協力して、広大な未組織労働者の組織化に取り組む。

 ――日本共産党は、単独政権でなく、民主連合政府という連合政権をめざしている。その場合の連合の相手はどこから出てくるか。革新懇型の共同――日本共産党と無党派の人々との共同が、いよいよ本流になってくるだろう。同時に、いま「一点共闘」をともにたたかっている人々のなかからも連合の相手が生まれてくるだろう。

 そして、そうした動きともあいまって、政党戦線においても、日本共産党との連合の相手が必ず出てくると、私たちは確信するものである。そのさい、私たちの連合の対象となる相手が、従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流であることも、大いにありうることである。日本共産党は、社会主義・共産主義の日本を展望する党だが、当面する変革の課題は、資本主義の枠内で「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本への変革をはかることにあると考えている。将来的な展望の違いがあっても、「二つの異常」を正すという当面する課題での一致がえられるならば、統一戦線をともにつくりあげることは可能であり、共同のための努力をはかる。

 日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。そこにこそ新しい日本への扉を開く保障があることを銘記して奮闘しよう。

第4章 国政と地方政治で躍進を本格的な流れに
(21)来るべき国政選挙で党躍進をかちとる意義と目標について
①「21世紀の早い時期に民主連合政府」という目標への展望を開く選挙に
 次期衆議院選挙、および参議院選挙で、日本共産党が躍進をかちとることは、日本の政治にとっても、わが党の今後にとっても、きわめて大きな意義を持っている。

 第一に、次の国政選挙は、反動的暴走を続ける自民党政権と国民との矛盾が、あらゆる分野で深刻になるもとで、古い行き詰まった政治を継続するのか、その根本的転換をはかり新しい日本をめざすのか――二つの道の対決=自共対決が、いっそう鋭く問われる選挙となる。日本共産党の躍進は、反動的暴走を食い止め、「国民が主人公」の新しい政治をおこすうえで、決定的な力となるものである。

 第二に、わが党が躍進をかちとることは、新しい政治を求める国民のたたかいを発展させるうえでも重要な貢献となる。それは、各分野に広がる一致点にもとづく共同を励まし、新しい統一戦線をつくりあげていく最大の保障となる。

 第三に、国政選挙での連続的な躍進によって、“第3の躍進”を本格的な流れにすることは、綱領実現めざし、中期的展望にたった「成長・発展目標」――どの都道府県、どの自治体・行政区でも「10%以上の得票率」を獲得できる党へと接近し、「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する」という目標への展望を開くものとなる。

②比例代表で「650万、得票率10%以上」を着実に達成・突破する
 次期総選挙、および参院選では、「比例を軸に」をつらぬき、「全国は一つ」の立場で奮闘し、比例代表選挙で「650万、得票率10%以上」を目標にたたかう。

 私たちは、「650万票以上」という得票目標について、「それを実現するまで繰り返し挑戦する目標」として設定してきた(第24回党大会5中総決定)。わが党は、2013年の参院選で、得票率は9・7%とほぼ10%に到達したが、得票は、低投票率のもとで515万である。また、8中総決定でも確認したように、この結果自身が、「私たちの実力以上の結果」であり、515万という峰は決して既得の陣地ではないことを忘れてはならない。以上を踏まえて、ひきつづき「650万、得票率10%以上」を目標に掲げ、この目標を着実に達成・突破することとする。

 衆議院選挙では、「すべての比例ブロックで議席獲得・議席増をかちとり、小選挙区でも議席を獲得する」ことを目標に奮闘する。参議院選挙では、「比例5議席以上、選挙区3議席以上」を目標に奮闘する。

 次期国政選挙にむけて、衆参ともに早期に候補者を決定し、選挙勝利をめざす活動をただちに開始する。

(22)地方政治をめぐる焦点、地方選挙での躍進をめざして
 2015年4月に行われるいっせい地方選挙は、私たちが直面する最も早い全国的政治戦となる可能性が大きい。この選挙に勝利することができるかどうかは、それぞれの地方自治体の今後を左右するだけでなく、わが党にとって“第3の躍進”を本格的な流れにするうえで重大な関門となる。

①地方自治体の深刻な矛盾と、日本共産党躍進の意義
 安倍自民党政権の暴走は、消費税増税でも、社会保障改悪でも、TPP推進でも、その犠牲は地方経済、地方自治体に深刻な形であらわれざるをえない。また、この間、市町村合併と地方財政削減、社会保障などの最低基準を定めた「義務づけ・枠づけ」の見直しなどによって、「住民福祉の機関」としての自治体の機能と役割の弱体化、住民の福祉と暮らしの破壊、地域経済の衰退が加速し、地方自治体の危機が進行している。

 多くの県(34都府県)では、わが党を除く「オール与党」自治体となっており、唯一の野党として、住民要求実現のかけがえのないよりどころとなっている日本共産党を前進させることは、住民の声を自治体に届け、住民の声で動く自治体をつくるうえで、最も確かな保障となるものである。

 同時に、安倍政権の暴走が、住民との矛盾を激化させるもとで、TPP反対の「オール北海道」、原発ゼロの「オール福島」、米軍基地問題での「オール沖縄」のたたかいなど、切実な要求にもとづく党派を超えた共同が広がっていることは注目される。子どもの医療費無料化、国保料(税)引き下げなど、住民の暮らしの切実な要求を掲げた地方議会のなかでの共同も広がっている。日本共産党地方議員団の前進は、住民要求にもとづく共同を推進するうえでも、決定的な力となる。

②現有議席確保・議席増によって、地方議会第1党の奪回をめざす
 地方選挙の目標としては、現有議席の確実な確保とともに、議席増を重視し、議席数で次期第27回党大会までに、地方議会第1党の奪回をめざす。

 わが党の地方議員数は、市町村合併による町村の大幅な減少、定数削減のもとでの選挙での後退などによって、かつて第1党であったが、現在は2700人台で、自民党、公明党の2900人台に次ぎ、第3党となっている。第1党の奪回をめざして、議席占有率、議案提案権、空白克服の三つの目標での前進をめざし、適切な議席獲得目標と積極的な得票目標をかかげて奮闘する。県議空白克服とともに、402自治体(23%)ある党議席空白の克服を特別に重視する。

 2015年いっせい地方選挙では、道府県議、政令市、東京特別区、県庁所在地、主要な地方都市の議員選挙を特別に重視する。前回のいっせい地方選挙では、県議16、政令市議16、東京区議9、一般市議115、町村議34の合計190議席を失った。七つの県議空白県(栃木、神奈川、静岡、愛知、三重、滋賀、福岡)の克服、県議空白の政令市(20市中13市)での県議議席獲得、政令市の市議空白区の克服、前回選挙で議席を後退させたところの失地回復をとりわけ重視する。選挙まで1年数カ月となっており、予定候補者をすみやかに決定し、選挙態勢の確立など選挙戦の取り組みをただちに強化する。

 自治体合併によって自治体議員選挙の時期が分散し、地方選挙は通年選挙の様相となっている。定数削減により、多くのところで得票目標もたたかいの規模も大きくなっており、政治目標と候補者決定など、早くからの取り組みが重要である。中間地方選挙の一つ一つを重視し、得票とともに議席を着実に増やし、躍進の確かな流れをつくりだす。

 いっせい地方選挙では、11知事選挙、6政令市長選挙、13東京特別区長選挙がたたかわれる。またそれまでにも重要な首長選挙がたたかわれる。これらの首長選挙を、日本共産党と無党派の人々との共同を強め、革新・民主の自治体の流れを発展させるために、わが党の政治的比重と役割の増大にふさわしく積極的に位置づけ、攻勢的な取り組みをすすめる。維新の会など、日本の未来に深刻な害悪を与える重大な反動的逆流を阻止するために、大阪市長選、堺市長選で「自主的支援」という形でたたかったことは重要であり、この教訓を今後のたたかいに生かしていく。

③党規約にもとづき適切な単位で必ず議員団を構成する
 わが党の地方議員は、全国77%以上の自治体に議席をもち、草の根から住民の暮らしを守って活動し、住民要求の実現と地方政治の前進にとってかけがえのない役割を果たしている。党規約第44条は、地方議員(団)の活動について、「適切な単位で必ず議員団を構成する」「すべての議員は、原則として議員団で日常の党生活をおこなう」と規定している。党機関は、適切な単位の党議員団を確立し、すべての議員が政治討議と学習をつよめて活動水準を高め、市民道徳と社会的道義をまもり、支部と力をあわせて要求実現と党建設を前進させるよう援助を行う。同時に、議員の側からも、その悩みを率直に党機関に提起し、困難や矛盾を解決するために努力をはらう。議員と党機関が、心を開いて何でも相談できる関係を築くことが大切である。

(23)結びつきを生かして選挙戦をたたかう方針――「選挙革命」を発展させる
 参議院選挙は、選挙戦の宣伝・組織活動でも、重要な教訓をつくった。党員と党組織のもつあらゆる結びつき、つながりを生かして選挙勝利に結実させる「選挙革命」というべき活動方向を、国政選挙でも地方選挙でも発展させることが重要である。

 ――すべての党組織と党支部で、「650万、10%以上」にみあう得票目標、支持拡大目標をもって活動する。それを実現する「政策と計画」――「四つの原点」にもとづく活動を具体化し、日常的に活動する。

 ――結びつきと要求にもとづく活動を、「四つの原点」のなかでも根本の活動として重視する。党員の持つあらゆる日常的な結びつきに光をあて、つねに新しい結びつきを広げ、それを生かした活動に取り組む。国政の熱い問題でのたたかいとともに、職場、地域、学園の身近な諸要求をとりあげた活動、国民の苦難を軽減する生活相談、労働相談など、多面的な活動に取り組む。

 ――政治宣伝では、有権者の生活条件に即して、全戸に宣伝物を配布する態勢・活動を強める。労働者と若い世代に向けた宣伝を重視し、駅頭、職場門前、大学門前など人の流れにそった宣伝を系統的にすすめる。地域・職場・学園新聞の発行、定期的なハンドマイク宣伝、掲示板の拡大など、「支部が主役」の日常的な草の根の宣伝を強化する。

 ――組織活動では、「マイ名簿」にもとづいて、党員の全国的な結びつき、つながりを視野に入れた対話と支持拡大の活動を、選挙戦の組織活動の大きな柱と位置づけ、日常的に発展させる。後援会員や党支持者に協力を訴える「折り入って作戦」、「選挙はがき」を活用した取り組みも、この間の選挙戦が作り出した重要な教訓であり、今後のたたかいに生かす。テレデータを使った不特定の有権者への働きかけを「声の全戸訪問」と位置づけて取り組み、大きな力を発揮したが、これを選挙活動の柱にすえていく。この取り組みのなかで、支持者台帳を整備、充実、活用していく。

 ――インターネットの活用は、双方向のコミュニケーションの手段として、無党派層、若い世代、子育て世代などが、党に接近し、共感を広げるうえで、重要な役割を果たしている。党員が、この活動に取り組むことで、初めて選挙戦に参加するなど、選挙の担い手を広げるうえでも重要な活動である。日本共産党にとって大きな可能性のあるこの分野での取り組みを、さらに抜本的に強める。

 ――直面するいっせい地方選挙と中間地方選挙での勝利をめざし、また、国政選挙で「650万票、10%以上」を必ず達成することをめざし、すべての党機関と党支部が、それにふさわしい党勢拡大の目標をもつ。党勢拡大での高揚をつくりだしながら、選挙戦での躍進をかちとるために、あらゆる力をそそぐ。

 ――選挙戦の日常化の要として後援会活動の強化をはかる。現在の後援会員数は364万人となり、わが党がもつ最大の組織である。後援会ニュースの定期的発行などによって後援会員との人間的・政治的結びつきを強めるとともに、すべての支部が対応する単位後援会を確立し、要求にこたえた多彩な活動に取り組み、選挙戦をともにたたかう。共通する要求実現のために活動を大きく発展させる条件をもつ分野別後援会を強める。

第5章 躍進を支える質量ともに強大な党建設を
(24)“第3の躍進”を支え、「成長・発展目標」を保障する強大な党を
 参議院選挙で始まった“第3の躍進”を本格的な流れに発展させ、2010年代に「成長・発展目標」を達成し、「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する」最大の保障は、質量ともに強大な党を築くことにある。

①2010年代に党勢の倍加、世代的継承に全党あげてとりくむ
 党勢拡大の目標について、第26回党大会は、2010年代に「成長・発展目標」を実現するために、50万の党員(有権者比0・5%)、50万の日刊紙読者(同)、200万の日曜版読者(2・0%)――全体として現在の党勢の倍加に挑戦することを提起する。国政選挙(衆参ともに2回)、いっせい地方選挙(2回)を節目に、党勢の新しい発展段階を築く意欲的な目標をきめて挑戦する。

 そのさい、党の世代的継承を、綱領実現の成否にかかわる戦略的課題にすえ、全党あげて取り組む。すべての党機関、支部・グループ、議員団が、世代的継承の目標と計画をもち、あらゆる条件と可能性をくみつくし、若い世代から党員を迎え入れるために、知恵と力をつくす。とりわけ職場支部の継承と発展、青年・学生のなかでの党づくり、民青同盟への親身な援助と発展のために、党の総力をあげた取り組みを行う。

②「第26回大会成功・党勢拡大大運動」を必ず成功させよう
 私たちは、8中総決定で、参議院選挙の結果を総括し、「党の自力の問題は、私たちの最大の弱点であり、反省点」であること、参院選での躍進は、「私たちの実力以上の結果であるということを、リアルに直視する必要がある」とのべた。

 この総括にたって、全党は、党大会にむけて「第26回党大会成功・党勢拡大大運動」を設定し、2014年1月末までに、①すべての党支部が新しい党員を迎え、全党的には2万人を超える党員拡大に挑戦する、②「しんぶん赤旗」読者拡大では、すべての都道府県・地区委員会、支部が、日刊紙、日曜版とも、第25回党大会時の水準の回復・突破をめざすという目標を掲げて、奮闘している。

 いま強く大きな党をつくることは、何よりもまず参院選で日本共産党に投票してくれた515万人の国民の期待にこたえるものであり、“第3の躍進”を一過性のものに終わらせず本格的な流れにする最大の保障であり、「成長・発展目標」実現を支える強大な党への新たな一歩を踏み出すものである。全国のすべての党組織が、目標を総達成して、歴史的な第26回党大会を迎えることを、強くよびかける。

(25)党建設の重視すべき基本方向について
 党建設の方針については、第22回党大会での規約改定をふまえ、これまでの4回の党大会決定、第25回党大会期の中央委員会総会の決定で、その基本は明らかにされている。そのことを前提に、次の諸点を重視して奮闘する。

①国民運動と党建設・党勢拡大――「車の両輪」の活動
 第一は、安倍政権の暴走とたたかう国民運動を発展させる先頭にたって奮闘することと一体に、党建設・党勢拡大の独自の追求をはかることである。

 消費税増税反対、原発ゼロ、TPP反対、米軍基地撤去、憲法擁護など、さまざまな分野で澎湃(ほうはい)と広がる「一点共闘」に参加し、さらに発展させるために力をそそぐ。同時に、「国民の苦難の軽減」という立党の精神にたって、国民の多様な要求と関心にこたえた、多面的な活動に取り組み、参加する。

 国民の要求実現のたたかいに取り組みつつ、党建設・党勢拡大の独自の追求をはかる「車の両輪」の活動こそ、強く大きな党をつくる大道である。すべての支部が、「政策と計画」でこの活動を具体化し、「支部が主役」で自覚的に取り組む流れを全党の大勢にしていくために力をつくす。

②「国民に溶け込み結びつく力」を強めることと一体に党建設・党勢拡大を
 第二は、「国民に溶け込み結びつく力」を強めることと一体に、党建設・党勢拡大の前進をはかることである。

 2012年総選挙から教訓を引き出した6中総決定は、「国民に溶け込み結びつく力」こそが要求活動、党建設、選挙活動など、党があらゆる活動をすすめるうえで「力の根源」になっていることを強調するとともに、①一人ひとりの党員の結びつきを、党の結びつきに発展させる、②有権者の新しい動向にそくして、新しい結びつきを広げる、③これらの努力と一体に党勢拡大の独自の努力をはかる――三つの角度での挑戦を呼びかけた。

 この提起は、参院選で大きな力を発揮した。とりわけ、「マイ名簿」の取り組みは、一人ひとりの党員の生きた結びつきに光をあて、これを力にした取り組みを励ます運動として、大きな威力を発揮した。

 「マイ名簿」にもとづく活動を、選挙戦にとどまらず日常化し、あらゆる活動の力にしていく。この活動を、日常的にも党との結びつきを強め、要求実現の活動の協力を呼びかけ、党勢拡大の対象者を大きく広げ、党員や読者を増やし、成果支部を広げる、基本的な活動として重視し、支部活動に定着、発展させる。

③党の全体像を丸ごと理解してもらう活動を日常不断に強める
 第三は、日本共産党の路線、理念、歴史――党の全体像を丸ごと理解してもらう活動を日常不断の活動として抜本的に強化し、その努力と一体に、党建設・党勢拡大を前進させることである。

 今回の参院選で日本共産党に投じてくれた515万人の人々の中には、「共産党はあまり好きではないが、期待できるのは他にないから」といった人も多数いる。そうした人々に、また参院選の結果をみてわが党に新たな期待や関心を寄せてくれている広大な人々に、「共産党を丸ごと好きになってもらう」ための取り組みを大いにすすめることを、党の躍進を本格的なものにしていくうえでの要をなす活動として、大いに重視しよう。

 この取り組みを推進していくうえで、「綱領を語り、日本の前途を語り合う集い」を大中小の規模で、日常不断に、日本列島のすみずみで開くことを、党活動全体の軸にすえ、この取り組みのなかで党建設・党勢拡大の持続的前進をはかろう。

④「量とともに質を」――「綱領・古典の連続教室」、“温かい党”づくり
 第四は、党建設において、「量とともに質を」の立場をつらぬくことである。

 「綱領・古典の連続教室」の学習を、DVD視聴による学習とともに、それぞれが全3巻の書籍になるもとで本格的に取り組み、全党的な学習運動に発展させることを、第26回党大会期の一大事業に位置づける。

 全党が、綱領学習とその理論的基礎である科学的社会主義の古典学習に取り組むことは、どんな複雑な政治情勢が展開しても、一人ひとりの党員が、情勢への大局的確信と未来への展望を確固としてもって活動するうえで決定的に重要である。また、広範な国民のなかに党の路線・理念・歴史など全体像を語る活動を豊かに発展させるうえでも、その不可欠の力となるのは日常不断の学習である。

 党の質的強化という点では、一人ひとりの党員の初心・誇りを大切にし、おかれている条件・要求・得手を生かし、その困難や悩みに寄り添ってともに解決する“温かい党”――党員のだれもが「党員でよかった」と実感できる“温かい党”をつくるために、力をそそぐ。その最大の保障となるのは、「党生活確立の3原則(支部会議への参加、日刊紙の購読、党費の納入)」を全支部と党員のものにしていくことにあるが、わけても週1回の支部会議を定着させ、「学び、交流し、楽しく、元気のでる」会議にする努力を払うことは、要をなすものである。あわせて、さまざまな困難から会議に参加できない同志を大切にし、温かく心が通う、連絡・連帯網をつくりあげることも重要である。

⑤市民道徳と社会的道義を大切にした党づくりを
 第五は、市民道徳と社会的道義を大切にした党づくりに取り組むことである。党規約第5条では、党員の権利と義務の第一に、「市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす」ことを明記している。

 国民の党への理解と信頼は、党の路線、政策、理念への信頼とともに、身近に活動している党員一人ひとりの生活や言動を通じて寄せられる。党内のごく一部だが、社会のさまざまな退廃的風潮におかされ、社会的モラルに反する誤りがおこっていることは、党への信頼を傷つけ損なうものであり、克服が強く求められる。

 党機関を先頭に、党規約の精神にたって、率直で活発な自己・相互批判をおこない、規律ある党生活を築き、社会進歩の促進のためにたたかう人間集団にふさわしいモラルを確立することに力をそそぐ。

(26)全党あげて世代継承のとりくみに力をそそごう
 わが党の事業を、若い世代に継承していくことは、いま何としても打開しなければならない緊急かつ切実な大問題である。

 党躍進の新しい情勢のもとで、広い視野にたち、党組織と党員のもつあらゆる結びつきを生かしてこの課題に取り組めば、新しい前進をつくりうる条件と可能性が生まれていることをとらえた、積極果敢な活動が大切である。

 すべての党機関、支部・グループ、議員団が、世代継承のための目標と計画を具体化し、この取り組みを軌道にのせることを、2010年代を民主連合政府への展望を開く時代とするうえでの戦略的大事業として位置づけて力をつくす。

①職場での党づくり――歴史的チャンスを生かそう
 職場支部の継承・発展と新たな支部の建設は、日本の労働運動と統一戦線の発展にとっても、「ルールある経済社会」をつくるという綱領的課題の実現にとっても、不可欠の課題となっている。

 いまの職場情勢の最大の特徴は、民間大企業の職場でも、教育・公務の職場でも、反共の壁が崩れ、日本共産党への新たな期待が広がっていることである。連合指導部による特定政党支持義務づけの矛盾と破たんも、職場での党活動を発展させる新たな条件となっている。職場での党づくりはいま、歴史的チャンスのときを迎えている。こうした劇的な変化は、わが党の政治的躍進がつくりだしたものであるとともに、職場党組織と党員が、長年にわたって反共差別とたたかい、労働者の生活と権利を守る砦(とりで)として不屈の奮闘を続けてきたなかでつくりだされた情勢であることに確信をもつことが大切である。

 全国各地の職場で、雇用・労働条件改善などの要求とともに、「社会に役立つ、いい仕事がしたい」という労働者の根本的な要求を重視して人間的信頼関係を築き、党に迎え入れている経験が広がっていることは重要である。党員が、職場で自らの仕事に誇りを持ち、仲間を大切に頑張っている姿が、若い労働者に共感を広げており、ここに確信をもって大胆に働きかければ、いま職場支部の前進をかちとることは可能である。

 特定政党支持路線の矛盾が激化しているもとで、「労働者の中の党員拡大では、労働組合の違いをこえ、あらゆる労働者の中に根をおろす。連合系の職場でも、全労連系の職場でも、党をつくったら、つくったところに根をおろして、党組織を発展させる。そして、その党組織のネットワークが、職場労働者全体の連帯のネットワークになっていくようなとりくみをおこなう」(第25回党大会3中総決定)――この方針をいまこそ本腰を入れて実践すべき歴史的な時期となっている。

 この間、労働者の中での党建設を、職場支部だけの仕事でなく、全党の仕事と位置づけ、党機関、地域支部、議員団のもつあらゆる可能性・条件・結びつきを生かして、労働者を党に迎え入れ、党支部の継承・発展、空白職場に党支部をつくる意欲的取り組みが始まり、成果をあげていることはきわめて重要である。日本の階級構成の8割を占める労働者階級の中に党をつくる仕事を、文字通り全党の仕事として取り組もう。

 第1回、第2回「職場問題学習・交流講座」(2006年、09年)、自治体と教職員の分野別でおこなった第3回「職場講座」(2011年)、「全国職場支部活動者会議」(2013年)には、「出発点はあいさつから」をはじめ、全国の職場支部の貴重な実践と努力のなかから教訓化された、職場支部の法則的な前進の方針が示されている。これらを職場支部の活動に生かすとともに、引き続き分野別「職場講座」を系統的に開催する。

②青年・学生のなかでの党づくり――若い世代の思いにこたえた活動を
 青年・学生のなかでの党建設の条件と可能性が大きく広がっている。この間、党として「特別党学校」の系統的な開催など、若い世代の幹部を育成する取り組みに力をそそいできた。そのなかで、若い幹部が成長し、全国の党機関の重要な担い手となって奮闘するとともに、国政選挙・地方選挙の候補者としても活躍し、参議院選挙が「若い世代が輝く選挙」となったことは、第一歩のきわめて重要な成果である。

 いま多くの青年・学生が、政治と社会の現実に向き合い、「人の役にたちたい」「自分のできることをやりたい」とさまざまな形で運動に参加してきている。わが党がよびかけた被災地ボランティアを担った人々の半数は若い世代だった。核兵器廃絶、原発ゼロなどの運動で、若い世代の自発的なたたかいの大きなうねりが起こっている。若者を「使い捨て」にする労働の問題、異常な高学費の問題などでも、真剣に解決の道を求めている。

 そういう若者にとって、いま日本共産党が、“若者の思いをたくせる党”として立ち現れていることは重要である。党機関と党支部が、情勢の変化をとらえ、若い世代の思いにこたえて、多面的な活動に取り組んだところで共感が広がり、若者が党や民青同盟に結集してきている。若者の正義感、社会変革への行動力に信頼をおいて、思い切った取り組みを行うことが重要である。

 この分野での前進を切り開くためには、党機関の系統的な指導性の発揮が決定的であり、党機関がこの問題を正面から議論し、知恵と力を集め、足を踏み出すなら、必ず前進を切り開くことができる。この間、新たな学生支部や民青班を確立し、学生党員を2倍近くに増やすなど前進している県党組織では、党機関が青年・学生問題で集中した議論を行い、党組織と党員がもっている若者との結びつきに光をあてるとともに、大学前での宣伝と対話活動、青年トーク集会など、青年・学生との新たな結びつきをつくる活動の先頭にたって奮闘するなかで、変化をつくりだしている。

 前進している党組織に共通しているもう一つの点は、若い党員や、学生支部、民青同盟に対する綱領と科学的社会主義の学習の援助に、思い切って力を入れていることである。「綱領・古典の連続教室」の学習に、すべての青年・学生党員が取り組めるよう、党機関は力をつくす。青年・学生党員が、「しんぶん赤旗」日刊紙を購読できるよう、その置かれている条件も考慮し、懇切な援助を行う。

 中央として「特別党学校」を引き続き系統的に開催することをはじめ、若い世代のなかで党の事業の後継者をつくる仕事に、さらに力をそそぐ。

(27)党機関の指導の改善・強化、態勢の強化について
 党機関の指導の改善・強化をはかり、態勢の強化をはかることは、それぞれの地域ごとに各分野の国民運動の発展をはかるうえでも、「支部が主役」で国民との結びつきを強め、党活動の新しい前進をつくりだすうえでも決定的なカギとなっている。

①党機関の指導改革――すすんだ取り組みの教訓に学んで
 2中総決定は、「党機関は支部へ」「支部は国民のなかへ」として、党機関の指導改革の努力方向を提起した。この重要性をよくつかみ自覚的に努力してきた党機関では、選挙戦でも、党建設でも、たしかな前進をつくりだしている。すすんだ党機関の教訓として、次の諸点をあげることができる。

 ――地方政治の問題に責任を負うとともに、直接国民に働きかけるさまざまな政治活動に取り組み、地域の諸団体との交流をすすめ、住民要求実現の先頭に立ち、支部を励ます活動を重視している。

 ――支部に足をはこび、支部の現状を丸ごとつかんで、苦労や悩みに耳を傾け、ともに解決に力をつくすなかで、心の通い合う信頼関係を築いている。

 ――支部が、「政策と計画」を持つことを重視し、その実現のための自主的、自発的努力を尊重し、励ます姿勢で、よく話し合い、知恵を出し合っている。情勢と党の役割が、地域や職場でどうあらわれているか、支部と党員が確信をもってつかめるよう、政治的援助を何よりも重視している。

 ――国民と「溶け込み結びつく」力を、あらゆる党活動発展の「力の根源」として重視し、結びつきを生かした党員と支部の多面的な活動を援助し、国民運動、選挙戦、党建設の力にしている。

 ――党機関の態勢強化をつねに重視し、若い役員の配置と成長、非常勤のベテラン党員の結集、補助指導機関の確立に努力している。

 これらの党機関の努力に学びつつ、指導の改革・強化の探求をさらに発展させる。

 政治的力量を高めるために何よりも大切なのは、綱領と党大会決定、中央委員会総会決定について十分に時間をとって討議し、深く身につけることである。綱領を実現していく立場から、なぜこの決定が出されたのか、何がポイントなのか、その核心が“腑(ふ)に落ち”“元気が出る”ところまで討議をつくし、情勢の特徴、党の役割、活動の発展方向をしっかりとつかむことを重視してこそ、支部と党員を励まし、党活動への自覚的な参加を広げることができる。党機関の集団学習、独習はその基礎となるものである。

 中央として、「地区委員長研修会」を開催するとともに、すすんだ経験から学び、困難の打開の道をともに探求するために、県・地区役員を対象に、「党機関の指導改革・全国交流会」を行う。

②党機関の指導体制と財政活動の強化が「好循環」となるように
 指導機関の中核をなす常勤常任委員が減少し、中間機関の体制が弱体化していることは、あらゆる活動を促進していくうえで大きな障害となっている。党機関の活動を系統的に発展・強化するためには、専従活動家が指導中核として、日常不断に知恵と経験を蓄積して党組織の指導・援助にあたることが不可欠である。党機関の常勤常任委員を都道府県委員会は7人以上、地区委員会は3人以上にすることをめざす。

 党機関の体制と活動の強化のためにも、財政の確立・強化は焦眉の課題である。党機関の長が責任をもって、党費納入の向上を軸にすえ、「財政活動の4原則(党費、機関紙誌代、募金、節約)」の一つひとつを重視して取り組むことが、この問題の前進の大道である。専従者の生活と健康、その活動を、党全体の宝として位置づけ、それを党全体で支える気風をつくる。党機関の指導体制の強化と財政活動の強化が、「好循環」の方向にすすむよう、中央と地方が一体になって力をつくす。

第6章 日本における未来社会の展望について
(28)“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか
 日本共産党がめざす未来社会にかかわって、「中国と同じ社会をめざすのか」という疑問が、よく寄せられる。中国やベトナム、キューバの現状をどうみたらいいのか、日本における未来社会の展望をどうとらえるか。これは大きな問題である。

 中国やベトナム、キューバの現在と今後をどう見るかという点では、つぎの二つの角度が大切である。

①“社会主義に到達した国ぐに”ではない
 第一の角度は、これらの国ぐには、“社会主義に到達した国ぐに”ではなく、“社会主義をめざす国ぐに”――「社会主義をめざす新しい探究が開始」(綱領)された国ぐにだということである。

 たとえば、中国は、経済規模では日本を抜いて、世界第2位の経済大国になり、世界経済のなかでの比重を年を追うごとに高めている。同時に、国民1人あたりの国内総生産で測ると、なお発達した資本主義国の8分の1という水準にとどまっていることも事実である。そのことは中国政府自身が、中国の現状を「大量の貧困人口を抱える発展途上国」と規定していることにも示されている。

 こうして中国の場合、社会主義という以前に、社会主義の経済的土台である発達した経済そのものを建設することに迫られているのが現状である。そして、そうした経済的土台をつくる過程で、中国では市場経済を導入している。この道が合理性をもっていることは、「改革・開放」以来の中国の経済的発展が証明しているが、同時に、この道を選択すれば、国内外の資本主義が流入してくるし、そこから汚職・腐敗、社会的格差、環境破壊など、さまざまな社会問題も広がってくる。

 中国の将来を展望する場合に、この国が、今後もかなり長期にわたって、貧困とのたたかい、所得格差を縮小するたたかい、発展のなかで環境を保全していくたたかい、政治体制と民主主義の問題など、さまざまな問題と格闘を続けていかなくてはならない――そういう国として見ていく必要がある。

 そこには模索もあれば、失敗や試行錯誤もありうるだろう。覇権主義や大国主義が再現される危険もありうるだろう。そうした大きな誤りを犯すなら、社会主義への道から決定的に踏み外す危険すらあるだろう。私たちは、“社会主義をめざす国ぐに”が、旧ソ連のような致命的な誤りを、絶対に再現させないことを願っている。

 わが党は、これらの国ぐにが抱えている「政治上・経済上の未解決の問題」について、内政不干渉という原則を守りながら、いうべきことは率直に伝えてきた。中国共産党指導部に対しても、中国の政治体制の将来という問題、「反日デモ問題」や「チベット問題」、尖閣諸島問題などについて、節々で率直にわが党の見解を直接に伝えてきた。

②いやおうなしに資本主義国との対比が試される
 第二の角度は、“社会主義をめざす国ぐに”が、社会の発展段階ではなお途上国に属しながらも、世界の政治と経済に占める比重は、年々大きくなるもとで、いやおうなしに資本主義国との対比が試されるようになっているということである。

 「人民が主人公」という精神が現実の社会生活、政治生活にどれだけ生きているか。

 経済政策の上で人民の生活の向上がどれだけ優先的な課題になっているか。

 人権と自由の拡大にむけて、自身が認めた国際規範にそくした努力がなされているか。

 国際活動で覇権主義を許さない世界秩序の確立にどれだけ真剣に取り組んでいるか。

 核兵器廃絶、地球温暖化などの人類的課題の解決にどれだけ積極的役割を果たしているか。

 覇権主義という点でいえば、レーニンが、勝利したソビエト・ロシアが周辺諸国との関係で大国主義的な態度に陥ることを、どんなにきびしく戒めたかも、想起されなければならない重要な問題である。

 私たちは、これらの問題について、中国やベトナム、キューバが、資本主義国との対比において、「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国ならではの先駆性を発揮することを、心から願うものである。

(29)日本における未来社会は、きわめて豊かで壮大な展望をもっている
 私たちが、社会主義日本に踏み出したときには、その出発点の諸条件を考えるならば、きわめて豊かで壮大な展望が開けてくる。

 中国、ベトナム、キューバが抱える「政治上・経済上の未解決の問題」は、根本的には、これらの国の革命が、経済的・社会的・政治的に発達の遅れた国から出発したことと不可分に結びついている。中国やベトナムは、それに加えて、外国帝国主義による侵略戦争で国土が荒廃させられたところからの出発という問題があったし、キューバには長年にわたる米国による無法な経済封鎖という問題がある。

①未来社会への移行の過程の条件――経済力の水準について
 日本における未来社会を展望した場合には、未来社会への移行の過程の条件は、異なったものとなる。

 日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる。その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的諸矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう。

 日本経済は、現在の水準でも、日本国憲法にいう「健康で文化的な最低限度の生活」を国民すべてに十分に保障できるだけの経済力をもっている。社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった「浪費型の経済」――繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融経済の異常な肥大化など――になっているためである。

 生産手段の社会化によって、資本主義に特有の「利潤第一主義」という狭い枠組みから解放され、「生産と経済の推進力」が、「資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展」に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした「浪費的な部分」は一掃されることになるだろう。そのことによって、現在の社会的生産の規模と水準でも、日本国民すべてに「健康で文化的な最低限度の生活」を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう。

②未来社会への移行の過程の条件――自由と民主主義、政治体制について
 自由と民主主義、政治体制という点でも、日本での社会主義の道は、中国などとは異なる道をすすむことになる。

 中国、ベトナム、キューバでは、政治体制の面で、事実上の一党制をとり、それぞれの憲法で「共産党の指導性」が明記されている。これは、それぞれの国で社会主義をめざす勢力が、革命戦争という議会的でない道を通って政権についたことと関連がある。もちろん、議会的でない道を通って政権についた場合でも、レーニンがロシア革命の初期に実践したように、反対政党の禁止は一般的な革命の原則とはいえない。同時に、議会も民主主義の経験も存在しないという条件から革命が出発したことが、現在のこれらの国ぐにの政治体制のあり方と結びついていることを、見ておかなければならない。

 日本では、このようなことは決して起こりえないことである。日本共産党は、当面する民主主義革命でも、将来の社会主義的変革においても、その一歩一歩を、選挙による国民の審判を受け、議会で多数を獲得することによって進むことを、綱領で宣言している。綱領には、つぎのように明記している。

 「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」

 「さまざまな思想・信仰の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」

 「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」

 これが綱領が国民に約束している社会主義日本の展望であるが、これはたんに綱領上の公約というだけにとどまらない。日本のように憲法で国民主権、基本的人権がうたわれ、議会制民主主義が存在する社会を土台にするならば、未来社会において、それらが全面的に継承され、豊かに花開くことは、歴史の必然である。

 発達した資本主義国から社会主義・共産主義の道に踏み出した経験を、人類はまだもっていない。この変革の事業のもつ可能性は、その出発点の諸条件を考えるならば、はかりしれない豊かさと壮大さをもつものとなるだろう。そのことに深い確信をもって、未来を展望し、前進しよう。






  1. 2013/11/19(火) 17:39:45|
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